LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

子供の安全について

はじめに
2018年3月に名古屋から戻って、2018年4月からは日本技術士会のいろいろな部会に参加した。2018年5月にたまたま参加したIT21の会では、次期役員を決める選挙があり、なぜか副会長に選任されて、1年間活動した。良き仲間や先輩にも恵まれて楽しかった。2019年4月からは社会人学生として、平日の夜や土曜日に大学院に通って、講義を受けたり、ディスカッションしたりした。2020年4月からは大学院の二年生で修論に悩んでいる。ふと、気になって、日本技術士会の活動に参加した。

子どもの安全研究グループ
公益社団法人日本技術士会に登録された「子どもの安全研究グループ」は2009年4月に開催された講座がきっかけだ。緑園子どもクリニック院長の山中先生から、「子どもの安全を守る-技術者のミッション」について話をしていただき、それに共感した有志で設立されたグループだ。このグループを引っ張っていただいた先輩技術士の一人が森山さんだ。
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 出典:子どもの安全研究グループ

森山哲先生
森山先生のコアコンピタンスは安全管理だ。森山技術士事務所と森山労働安全コンサルタント事務所を開設されている。安全工学研修やリスクアセスメント実地指導などをされている。安全工学の博士でもある。すごすぎる。
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 出典:http://www.safetyeng.co.jp

豊島園のふわふわウォーターランド
2019年8月15日に小学校3年生の女子が溺死する痛ましい事故が発生した。豊島園のふわふわウォーターランドで起きた事故だ。当時、ライフジャケットを着用していたけど、事故にあった。もっと言えば、ライフジャケットは安全のための装置だけど、これがリスクを拡大する原因となった。どういうことかと言えば、下の写真のような遊具で、人が立っているところの下に子供が潜り込んでしまい、ライフジャケットが邪魔をして出られず溺死。遊具は透明でないために溺れていることに気づかず、正午の点検では問題なかったけど、14時の点検の時に浮島の下に沈んでいる女の子が発見されたが、すでに意識がなかったという。これの原因を掘り下げていくと、いくつかのリスクが浮かび上がる。まず一つは、ライフジャケットがリスク源になっていたこと。浮島が事故を発見しにくい構造だったこと。そして、そもそもそのようなリスクがあるという認識が関係者になかったこと。つまり、リスクアセスメントの不備と言えるだろう。
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 出典:http://www.toshimaen.co.jp/pool/fuwafuwa.html

リスクアセスメント
工事現場や建設現場、製造現場では、安全管理のためのリスクアセスメントは必須だ。現場には危険がいっぱいだ。例えば、化学工場には、有害な化学物質が使われている。原子力発電所には人体に有害な放射線を放射する放射性物質を燃料として活用している。建設現場では重機を使って、講書作業をしたりする。電力工事も感電したら大変だ。そんな生命の危機と紙一重のところで安全を担保して、仕事をしている現場がいっぱいある。そして、その安全を担保するには、どのようなリスクがあるのか。そのリスクにどのように対処するのかを分析して、検討して、実施するリスクアセスメントが有効だ。でも、アミューズメント施設や公共施設において、リスクアセスメントは十分に実施されているのだろうか。豊島園の例を見る限り、そうは思えない。
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 出典:https://www.jisha.or.jp/oshms/ra/about01.html

意外と事故の多い滑り台
参加者から滑り台の危険性を指摘する声が相次いだ。一つは、岩手の公園に設置されたバナナ滑り台による事故だ。四歳のお嬢さんがこのバナナ滑り台で遊びたいと思った。心配だった父親がそばで見ていると、分岐のところでバランスを崩して、頭から落ちる寸前で抱えて大事には至らなかった。このバナナ滑り台は全国235箇所に設置されている。他の公園でも子供が股間を打ったり、落下したりする事故が起きている。東京消防署の2007年から2011年の調査では、遊具で最も事故が多いのは滑り台がトップで、次にブランコ、うんてい、ジャングルジムなどだ。遊具だけで3281人の子供が救急搬送されているという。
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 出典:https://daipresents.com/2018/nagasakadani-banana/

マンションからの転落事故
Safe Kids Japanの調査(2017年5月12日から12月31日:N=115家庭)によると、ベランダからの転落事故を89%が知っているが、対策をしているのはわずか30%。残り70%の人は何も対策をしていないという。特に近年増えているのがマンションやアパートからの転落事故だ。子供も歩けるようになると活動範囲が広がる。エアコンの室外機などを足がかりにしてベランダの塀によじ登り、そのまま転落は悲しすぎる。コロナ禍対応で部屋の換気も大事だけど、小さな子供が外に出るリスクを考えると慎重にしたい。ベランダに万一でても、塀によじ登れないような仕組みや、塀によじ登っても大丈夫な仕組み。そんなまさに二重三重のセーフティネットを仕掛けておいて欲しい。
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 出典:https://select.mamastar.jp/244599

安全対策はマンション選びのキー
小さな子供がいる世帯が住まいを選ぶときには、近くに保育所があることが重要な要素だという。交通の便利や行政のサービスも大事だ。でも、そんな住まいにも危険が潜んでいるかもしれない。きちんとマンションのリスクアセスメントをすることで、マンションの安全を担保できれば、マンションを提供する側にとってもメリットが得られるかもしれない。東京消防庁のデータによると、平成23年から28年の間に子供転落事故が218件起きている。一人歩きを始める1-2歳の子供からは本当に目を離せない。
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 出典:https://tamagoo.jp/lifestyle/danger-of-the-high-rise-apartment/

遊具製造会社アネビー
危険な遊具は撤去すべきだろうか。アネビーは公園から遊具を撤去すると逆にリスク値が高まると警告する。学校は、本来なら小さな失敗を繰り返し、学ぶ場だ。結果として大きな失敗を回避することが目的だ。公園の遊具も同じだ。大きな失敗をしないように、小さなチャレンジで失敗を経験することに意義があるのかもしれない。しかし、それを放任しすぎると、思わぬ大事故につながってしまうかもしれない。
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 出典:https://www.aneby.co.jp/safety/

日本の遊具の安全に関する基準
アネビーのホームページを見ていると、日本の遊具の安全に関する基準は、ヨーロッパの国際基準EN1176と、アメリカの遊具基準を参考にして、2002年に制定したようだ。そして、その基準に満たない遊具は撤去され、公園から遊具がなくなり、公園から子どもの遊ぶ姿がなくなったとしたらそれでよかったのか。ヨーロッパの基準EN1176では、遊具の基準に加えて、事故報告のシステムを定義している。これに基づいて、何関数万件の事故事例を集め、分析し、基準にフィードバックしている。日本の基準はこのコンセプトを受け継いでいるのだろうか。
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 出典:https://www.aneby.co.jp/safety/column_190426.html

EN1176
ドイツ語だったけど、グーグル先生に翻訳してもらった。長いのでさらに意訳すると次のような感じだろうか。

DIN EN 1176-1:一般的な要件と試験方法
一般的な安全要件とテスト方法」は、サイト固有の公共遊具と遊具の床の一般的な安全要件を規定しています。

DIN EN 1176-2:スイングの要件と試験方法
特別な安全要件とスイングのテスト方法」では、恒久的に設置されるスイングの安全要件を規定しています。

DIN EN 1176-3:スライドの要件とテスト方法
スライドの追加の特別な安全要件とテスト方法」は、恒久的に設置されるスライドの追加の安全要件を規定します。

DIN EN 1176-4:ケーブルカーの要件とテスト方法
追加の特別な安全要件とケーブルカーのテスト方法」は、恒久的に設置されるケーブルカーの追加の特別な要件を指定します。

DIN EN 1176-5:カルーセルのテスト方法
2019年12月に現在のバージョンで公開されました。 恒久的に設置されたカルーセルの要件を定義しています。

DIN EN 1176-6:シーソーの要件とテスト方法
シーソーの追加の特別な安全要件と試験方法」は、子供用の遊具として使用されるシーソーに適用されます。

DIN EN 1176-7:設置、点検、保守、操作
設置、点検、保守、操作の手順」は、現在2019年4月に入手可能です。 2008年8月のバージョンおよび2008年12月の修正と比較して、次の変更が行われました。

まとめ
子供安全管理だけでも研究している人は多い。国内でも多いけど、海外も多い。マンションのベランダからの墜落事故の原因を分析し、対策を検討し、その効果検証をするだけでも、十分に意義はあるだろう。旅館のまる適マークのように、マンションに安全マークを付与したり、公園に安全マークを付与するようなビジネスモデルもあるかもしれない。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

PAY IT FORWARDを見て

はじめに
「Pay it Forward」の日本語の映画名はペイ・フォワードだ。Googleで翻訳すると「あらかじめ支払う」となる。これではドラマにはならない(笑)。かといって恩送りもピンとこないかもしれない。

キャサリン・ライアン・ハイド
1955年生まれの小説家だ。1999年に発表した小説"Pay it forward"はベストセラーになり、2000年には映画化された。日本語版は2002年に角川書店から文庫版で発売されている。
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 出典:https://www.kadokawa.co.jp/product/200201000239/

感動的な映画
年齢を重ねると涙腺が緩くなる。この映画はよく構成されている。原作を読んでないので比較できないが、最初は事件がおきて駆けつけた記者が登場し、それに遡る4ヶ月前の学校の風景が出る。舞台となるのは、社会の授業で、先生から何か世界を変える方法を考えろと課題が出る。それに対する主人公が考えたアイデアが良いことを3つすることだ。
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 出典:https://www.amazon.co.jp/ペイ・フォワード-字幕版

善意の連鎖
誰かが誰かに良いことを3つやる。助けてもらった誰かはまた誰かに良いことを3つやる。ネズミ講は禁止されているが、こんな善意の連鎖は例外だろう。
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 出典:https://ameblo.jp/happysurfgirl/entry-12222303728.html

お裾分け
田舎の文化には「お裾分け」がある。これは期せずして多くの魚が釣れた時とか、農作物が取れた時に近所の人とシェアする。別に代金をもらうわけではない。何かお返しを期待するわけでもない。それでも、お互いにお裾分けするのは、現代のシェアリングビジネスよりも暖かい人間関係を感じる気がする。返信を期待しないと言う意味では、このペイ・フォワードの概念に近いかもしれないと思う。

お金のない時代
現代はお金があれば大抵のものは購入できる。しかし、それで人々は幸せになったのだろうか。例えば、縄文時代にはお金はなかったかもしれない。物物交換をしていたと言われる。しかし、本当にそうだろうか。誰かが狩猟をして、皆でシェアする。農作物を取れれば皆でシェアする。釣った魚の大きさは自慢しても、その価値を測って対価を得るようなケチな考えはなかったのではないか。まさに、ペイフォワードを実践するような社会だったのではないだろうか。調べてみると、次のような記述があった。「阿部芳郎著「縄文の暮らしを掘る」(岩波ジュニア新書)には、互恵性社会を想定していて、単純な交換ではない、別の価値観のなかでの運用があったとしている。」
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 出典:https://www.amazon.co.jp/縄文のくらしを掘る

お互い様の時代
縄文時代の遺跡からは出てこないものがある。それは何かと言えば、武器だ。人と人が争うための武器が出ない。そのような武器が出てくるのは弥生時代からだ。よく縄文時代は農耕をしていないと言う人がいるが、それは正しくないようだ。縄文時代にも農耕をしている。しかし、それは自分たちの集団や家族が食べていくための小規模なものだ。1万年以上にわたって縄文人は平和で暖かな社会を形成してきた。それは現代の日本人のDNAにも色濃く残っているのではないだろうか。
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 出典:https://ddnavi.com/interview/422080/a/

弥生時代に始まった大規模農業
灌漑工事を伴うような大規模農業が始まったのは弥生時代なのだろう。農業用の水を引くような灌漑工事は、エジプトやイランでは紀元前6000年ごろから、インダス文明のエリアでは紀元前3000年ごろから、日本国内では唐津市の菜畑遺跡が約2500〜2600年前(縄文時代後期)の痕跡が残っている。しかし、灌漑工事が本格化するのは弥生時代だ。そして、そのためには工事を指揮する人間と指揮される人間に分かれる。貧富の格差の始まりは、灌漑工事と共に始まったのではないだろうか。
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 出典:https://www.cool-susan.com/2017/01/10/弥生時代/

まとめ
ペイフォーワードは、日本語ではなんと言えばいいのか。個人的には善意の連鎖が一番ぴったりくる。人は助け合って生きてきた生き物だ。特に、災害大国である日本では、地震や雷、洪水、大雨、火事と言ったあらゆる災害が発生する。それら災害に対して、縄文人は協力しながら、助け合いながら命を繋いできたのだと思う。助け合って生き残ることが使命であって、ゼロサムゲームの世界ではなかった。ペイフォーワードの映画の中で主人公に助けられた薬中の浮浪者が、自殺しようとする女性を助けるときに、「Save my life」と告げる。自殺などするなと言うのが普通だが、俺を助けるために生きてくれと告げる。生きる価値があることを告げる。その後の映像はないが、そんな善意の連鎖がつながっていく世界は素晴らしい。そんな理念を20年前に作品として世に問うたキャサリン・ハイドは今の世の中を見てどのように感じているのだろう。世界は少しずつでも良くなっているのだろうか。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

せたがや子どもバル虹の応援で感じたこと

はじめに
大学院の修論に苦戦中だ。幸福論や貧困問題の延長で子ども食堂について調べている。NPOむすびえの理事にも一度話しを伺ったことがあるが、やはり現場を見ないと実際の状況はわからない。近くの子ども食堂にもコンタクトしたが、新型コロナの影響で自粛中のところが多い。そんな中、お弁当の持ち帰りにいち早く変更された子ども食堂を応援する機会があった。昨日は、夕方に少し時間休をとって、テレワークの自宅から現地に向かった。
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せたがや子どもバル虹
四年ほど前に子ども食堂を始められた。FBには、「子どもが集まり ご飯をいっぱい食べて いっぱいお話しをする せたがや子どもバル虹は みんなの居場所の子ども食堂です。」という想いがまず書かれている。バルとは、スペイン語で、食堂と喫茶店とバーが一緒になったような居酒屋だ。自分はスペインには行ったことがないが、隣のポルトガルにはバールがあり、トトカルチョに夢中になる人たちで盛り上がっていた(笑)。人々が集まり、美味しいご飯を食べて、楽しく話をする場所をイメージされている。日本語では虹、英語ではRainbow。ネーミングも素晴らしい。
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 出典:https://www.facebook.com/setagaya.rainbow/

イタリアレストラン・イルピアット・カチャトラ
今週の月曜日と来週の月曜日の会場は、イルピアット。テレビでも石原良純さんが愛用されていると報道された人気のお店だ。Googleの口コミでも人気店というのが窺える。そんなお店も月曜日は休業日だったので、そのお店を借りての運営だった。
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 出典:http://ilpiatto-tokyo.jp

今日の美味しい弁当
子どもが大好きな甘口でコクのあるカレーとご飯。餅子チキンガーリック、なつ、シャーク、おでん、バナナとチーズなど盛り沢山だ。子どもは無料、大人は200円。隠れているけどサクランボ🍒も入っていて美味しいだけではなく、栄養のバランスも考慮されている。子どもにはフルーツだけでなく、ちょっとしたスナックなどもおまけが付いている。
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時間のないお母様への応援
利用者には、小中学生の子どもたちも来たけど圧倒的に多いのは手のかかる幼児を子育て中のママさんだった。仕事を終えて急いで保育園に寄ってお腹を空かせた子供と家に向かう途中の忙しいママさんはやはり大変だ。これから帰って調理すると一時間ほどはかかる。でも、子供食堂の手作りの美味しいお弁当なら持ち帰ってすぐに家族で食べられる。助かりますという笑顔と、幼児のきょとんとした笑顔。初めての人には氏名や住所などを書いてもらうが、二度目以降の人は名前と連絡先のみを書いてもらう。これは助成金を申請するときのエビデンスと、万一何か問題が出た時の緊急連絡のためだ。

今日の食材
レストランのテーブルに、仕込んだ料理を並べて、プレートに持っていく。運営者の代表は以前お店を経営していたので、調理や保険衛生もバッチリOKだ。代表に聞くと、子供食堂で大切なことは楽しんで運営すること。ロックが大好きなので、ロック音楽をかけていた時もあるようだ。初めてロック音楽を聞いた子どもたちは固まったそうだ(笑)。
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調理コーナーの様子
代表の友達が応援に駆けつけた。BGMや飾り付けの演出も重要だ。料理は常に加熱されている。近くのスーパーでエプロンを買って持参したら値付け札がついたままだった(汗)。髪の毛が食材に入るとまずいので、キャップをしている人もいる。調理用の手袋も用意されていて、消毒用のアルコールもあり、備えは万全だ。自分はご飯の盛り付けを担当させてもらった。アイスクリームを半球にして盛る器具でご飯をよそう。カレーをカップに入れる人。食材を盛る人。一時間もやると役割分担が自然に出来上がる。
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受付のコーナーの様子
昨日は、女性3名、男性4名の計7名だった。子ども食堂の運営で難しいのは、来店する子どもたちの数の予想だ。小学校に登校できる日なのか、自宅待機なのか。天気は良いのか。馴染みの近所の子供たちや保護者の方が多いので、大体の数は読めるが、それでも幅がある。このため、例えば、カレーなら最初は少し控えめに入れていって、営業時間が残り少なくなったら、残りの見込み数と残量を考慮して、少し多めに入れたり、もう少し控えたりする工夫をされている。本当に食べて欲しい家族に限って営業時間がギリギリに来店されたりすることもある。ご飯もあらかじめ用意した分で対応するが、足らなければ電子レンジでチンするだけで食べられる食材も緊急用に用意されている。そんな工夫はやはり経験によって蓄積されたものだろう。
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子供たちに好評なスタンプカード
この子ども食堂で、素晴らしいのはいろんな工夫をされていることだ。小学生なら子供新聞を同封したり、小さな子供ならお菓子やバナナを追加したり、食べ盛りの子供には大盛りにしたり。特に、スタンプカードが好評だ。子供たちは、大事そうにスタンプカードを持ってくる。1回に1つのスタンプを押す。一定数たまったらおもちゃなどをもらえる。たまに忘れた子供には優しく接するが、何度も忘れる子もいるようだ。可愛いイラストは飲み仲間に書いてもらったようだ。プロのイラストレータの仕事だ。スタンプカードの写真を撮り忘れたのが残念。。

子ども食堂の運営上の課題
課題はなんですかと代表に伺うと、少し考えて「あまりないかなあ」という回答だった。食材の購入に2万円ほどかかるが、半分は代金、半分は助成金でなんとかトントンになる。会場は、イタリア料理屋さんの好意で使わせてもらっている。月に1回といったところが多いが、ここは先週と今週の月曜日の夕方にオープン。月曜日の開催だと土日が料理の仕込みに費やされれるが、それも楽しんでますとの回答だった。そのように楽しみながら、友達や知人を巻き込みながら運営する人材=代表の存在が大きい。志を持って行動する代表には賛同者が多い。旦那さんや多くの友人も賛同者であり、協力者だ。素晴らしい。

感じたこと
お弁当の持ち帰りだけでは心のつながりは厳しいと想定していたが、全然違っていた。ZOOMなどを使ったオンライン食事会などもいいかと想定していたが、全然違っていた。お弁当の価値は、食事としての価値に加えて、調理する時間を節約できるという価値と、子ども食堂の人々とつながっているという価値だ。多くは馴染みの家族だ。この子は食べ盛りだから大盛りしてあげてと代表から目配せがくる。見ると確かに食べ盛りだ。代表は、お弁当を渡すときのわずかな会話からお客様の体調や精神状態まで見えるようだ。そんな心のつながりを感じられるのが子ども食堂の1番の魅力なのかもしれない。ITを活用すれば良くなることもあるかもしれないけど、失うものもある。大事なことは精神的なつながり、居場所と感じる場所を提供し続けることだと感じた。

まとめ
昨日は、18時半から大学院のオンライン授業があったので、18時少し前までと慌しかったが、楽しかった。これからも機会があれば、慣れないエプロンをして応援に伺い、喜ぶ子供やママさん・パパさんたちの笑顔を見たい。子ども食堂通しの横の連携は多くないようで、他の子ども食堂のことは良くわからないということだったので、他の子ども食堂にも機会があればお邪魔して様子を伺いたいなあと思います。今回は、急な申し出に快諾頂いた代表に感謝します。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

「幸せ」の決まり方を読んで感じること

はじめに
幸福論は、多くの研究者がトライしている。特に、有名なのは三大幸福論で、1833年生まれのカール・ヒルティの『幸福論』(1891年)、1868年生まれのアランことエミール=オーギュスト・シャルティエの『幸福論』(1925年)そして、1872年生まれのバートランド・ラッセルの『幸福論』(1930年)だ。国内では、1912年生まれの福田恆存の『私の幸福論』(1979年)だろうか。幸福論の難しい点は、誰でもそれなりのロジックを語れることだ。ある人が、ゴルフ論のようだと言った。こうすればゴルフが上手くなると開眼する。しかし、間も無くそれは錯覚であったと思い知る(笑)。
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 出典:「幸せ」の決まり方

幸せの定義
なぜ幸福論が難しいかといえば、それが主観的だからだ。同じ1万円を貰っても、すごく幸せになる人もいれば、そうでない人もいる。同じ食事をしても、その感想は十人十色だ。ましては、幸福度を10段階で幾つですかと聞かれても、何を持って判断すれば良いかわからない。レベル10の人はレベル5の人よりも倍幸せともいえない。まして、国際比較しても、価値観も文化も違う。ブータンと日本を比較するような安直比較をこの著者(小塩隆士一橋大学経済研究所教授)は避けている。

主観的厚生
小塩教授は経済学者である。経済学者は、幸福論には慎重だった。経済学はそもそもどうすれば人々が豊かな生活を送り、幸せになるかを考える学問であり、経済的に豊かになれば人々は幸せになるという暗黙の想定があった。しかし、近年では、国が経済的に豊かになっても、人々が幸福にならないことが明らかになった。そのため、小塩教授は主観的厚生を指標とすることを提案して、この課題にチャレンジされるようになった。

イースターリン・パラドックス
米経済学者リチャード・イースタリンが提唱したパラドックスだ。つまり、貧困から抜け出して経済的に成長するに従って、幸福度は向上するが、一定のレベルになると、それ以上経済的に成長しても、幸福度は向上しないという指摘だ。この根拠となるのは、相対所得仮説と順応仮説だ。
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 出典:幸福の経済学 その1: タテヨコナナメ

相対所得仮説
1883年生まれのジョン・メイナード・ケインズの理論では所得が増大すると消費も増大する。つまり、現時点の所得によって消費が決まるという考えです。しかし、1918年生まれのジェームズ・デューゼンベリーは、現在の所得に加えて、過去の所得や他人の消費行動にも影響を受ける相対所得仮説を主張した。確かに、周りの人の購買行動に影響を受けるし、一度豊かな生活を満喫すると、所得が下がっても消費レベルを落とすことはなかなか難しい。これはラチェット効果とも呼ぶようだ。
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 出典:https://twitter.com/teiki_study/status/573797702833590272

順応仮説
これは一般には年収が200万円から400万円に増えるとすごく嬉しく感じるが、しばらくするとその年収になれてしまう(=順応)効果と言われる。個人的には、それに加えて、感覚というのは指数的なものと思う。つまり、年収200万円から400万円になった喜びに匹敵するのは、400万円から600万円になった時ではなく、400万円から800万円になった時だ。800万円から1000万円になっても、その喜びは小さい。所得倍増という意味では、800万円から1600万円になったら同じような喜びを感じるのではないか。しかし、所得はそう簡単には倍倍では増えないため、一定のところで、満足度の伸びが鈍化するのではないだろうか。

他人の不幸は蜜の味
米経済学者のエルゾ・ラットマー・ハーバード大学教授は、隣人の収入が上がることは自分の収入が減ることと同じ程度の不幸をもたらすと論文(2005年)で述べている。他人の不幸を喜ぶのは不謹慎だが、これは一般的なようだ。ドイツでも、自分が手を下すことなく他者が不幸、悲しみ、苦しみ、失敗に見舞われたと見聞きした時に生じる、喜び、嬉しさといった快い感情を「シャーデンフロイデ」と呼んでいる。これは不幸を意味する"Schaden" と喜びを意味する"Freude" の造語だ。自慢話は歓迎されないことにも通じる。やはり謙虚な気持ちが大事だと言える。

家族と幸せ
小塩教授は、主観的厚生を定義して、男女別や学歴別、家族構成などの多面的な分析をしている。ちょっと面白いと感じたのは、女性(妻)の精神的なタフと男性(夫)の精神的な脆さだ。生活に満足していれば1、そうでなければ0とした場合に、離婚した男性の生活満足度は0.4と落ち込む。しかし、離婚した女性の生活満足度は0.95だ。また、男性よりも女性の方が友人が多く、友人が多い人ほど生活満足度が高い傾向も示されている(p147)。面白い。

子供は家を選べない
お話ができ始めた二歳ぐらいの子供に、「君はどこからきたの?」と聞くと、「僕が木の上にいる時にママが呼んだじゃない」などと答えるという話がある。都市伝説かもしれないが、興味深い。その意味では、一般には、親が子供を選べないのと同時に、子供は親を選べない。親がどのような親になるかは親は選ぶことができるが、子供は親を指導することはできない。どれほどひどい親でも、子供に取っては大切な親だ。子供は、それを正当化しようとするのではないか。小塩教授は、幼児の虐待やネグレクトは幼児の成長後にも重大な影響が残るという。心の痛い問題だ。

初職が一生を決める残酷さ
高校や大学を卒業して初めて就職することを初職という。ここで正規の社員として採用されるか、非正規の社員として採用されるかは日本においては重大な分岐点だ。海外では、新卒入社だけではなく、中途採用が活発だ。最初はアルバイトのような待遇でも、夜間の大学を出たり、資格を取得して、正規社員として採用されるルートがある。これを踏み石シナリオと呼ぶ。一方、日本は罠シナリオだと小塩教授は説く。つまり、初職が非正規だと、転職しても非正規であり、年収も上がらず、結婚もできず、子供もできない。QOLが卒業時に決まるという。もちろん、就職してからも頑張って大学を出たり、資格を取得して、活躍する人もいる。しかし、海外に比べて少ないのだとしたら、それは改善すべき社会的課題だ。
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 出典:初職が正規or非正規雇用かで配偶者の有無が変わる | 結婚相談所 Arts venus 公式ブログ

経済衰退期に幸せを感じることはできるのか
新型コロナのショックで自粛が強いられた。飲食業や中小企業の多くは1ヶ月半ほどの運転資金しかないと言われる。2020年度は経済的にもかなり厳しい1年になるだろう。収入が激減する人も多い。ポストコロナに向けて新しいビジネスを開拓するたくましい人もいる。このような時期は人々は幸せを感じることができるのだろうか。人から助けられると嬉しいが、人を助けることができて、その人が喜んでくれると、助けた人の幸福感も上がるという。特に、日本は自然災害がおおく、日本人同士が助け合うことで生き延びてきた。人と争うことを避けて、人の迷惑になることはせず、人のために何かをしようというマインドは誇るべきマインドだと思う。

まとめ
冒頭の「幸せ」の決まり方は、少し統計データの分析などが多く、論文を少しわかりやすく解説した程度なので一般には難解だと感じる人も多いが、論文を読むよりはわかりやすい。何より、小塩教授の想いがビンビンと伝わってくる。自分のプロジェクトでは、人と人のつながりを示す居場所をテーマにしたいと考えている。プロジェクトはなかなか進まないが、一歩一歩研鑽していきたいと思います。

以上

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ポストコロナは今より幸せな世界になるのだろうか

はじめに
幸福度は、時間的な余裕と経済的な余裕と人的つながりに依存する部分がある。リッチな人とは、時間とお金を持っている人だという。自分はどっちもない。でも、お金と時間さえあれば幸福かと言えば、そうでもない。お金持ちになるほど家族や関係者との人間関係がおかしくなり、不信感が出てくると不幸だろう。これらはどういう関係なのかを少し紐解いてみたいと思った。

年収と幸福度
年収が高いと幸福度が高くて、年収が低いと幸福度は低いという仮説はありそうだ。しかし、これは単純なリニアの相関関係ではない。ギャラップ社による米国での調査によれば、7.5万ドル(約750万円)までは年収が上がると幸福度が高まっている。しかし、それ以上になると年収は支配的な要因ではない。一方、満足度は年収が高いほど満足度が増加する。ただし、満足度に関しては、年収よりも経営者との信頼関の方が支配的だという。
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 出典:仕事と幸福度の研究 - Taka Umada - Medium

年齢と幸福度
幸福度と年齢の関係はどうなのだろう。米国のダートマス大学の調査によると世界132カ国での傾向として、47〜48歳が最低のU字型カーブを描くことが分かった。つまり、年少の頃は将来の希望もあり、幸福度は高い。しかし、学生から社会人になり、結婚して、家族を持つようになると徐々に責任が増えてきて幸福度が下がる。しかし、50〜60歳では家族からも仕事からも徐々に解放されて、個人の幸福を味わうようになるのだろうか。これは多分、国によっても違うだろう。
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 出典:https://www.fnn.jp/articles/-/22769

居場所と生活の充実度
内閣府が発行する平成29年度の「子供・若者白書」においては、居場所の一人生活の充実度に高い相関関係があるという。具体的には、居場所を,<1>自分の部屋,<2>家庭,<3>学校,<4>職場,<5>地域,<6>インターネット空間の6つの場に分け,それぞれ自分の居場所と思うかを質問したものだ。一般に居場所はいくつぐらいあるのだろう。例えば、アルバイトとクラブ活動に熱心な大学生なら、家庭、大学、バイト先、部活の4つだろうか。仕事人間なら家族と会社だろうか。社会人学生でボランティアをしているお父さんなら、家族と会社と学校とボランティアの4つだろうか。居場所があると感じるという場合に、自分に貢献できる事、自分が貢献すべき事、自分が貢献したいことが重なっていることが理想だろう。
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 出典:https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h29honpen/s0_0.html

分人
小説家の平野 啓一郎が提案するのが分人だ。つまり、一般に、個人とは、それ以上に分割できない存在(individual)だと考えられている。しかし、平野さんはそうではないと主張する。つまり、人は、多面的な存在だ。家庭での父親と、同級生の友達と、会社での上司と、ゴルフの仲間では個性が変わる。それは何かを演じるという意味ではなく、人格が変わるという主張だ。日本の会社員は仕事と上司を選べないというが、気の合う上司と仕事をしている時は明るく、積極的で誠実な社員でも、気に入らない上司と気に入らない仕事をしている時は暗く、消極的で、批判的な社員になるかもしれない。いずれにせよ、この分人という考え方は面白いと思う。
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 出典:私とは何か「個人」から「分人」へ

インクルージョン
NewsPicksライブを見ていたら、インクルージョンが提唱されていた。下の図のステップ1は多様性のない状態だ。みんなが同じでなくてもいいじゃんという概念がステップ2がダイバーシティだ。そして、その先にあるのがステップ3のインクルージョンという理解だ。このインクルージョンの語源は、社会的排除(ソーシャルエクスクルージョン)に対する対語とも言える。もっと優しく言えば、一人一人の個性を活かす考え方と言えるだろう。ネットバッシングやいじめが広がるステップ1からステップ2へ、さらにステップ3の世界にシフトすることが解決策かもしれない。でも、どうやればできるのだろう。
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 出典:https://www.humanvalue.co.jp/wwd/research/insights/articles/post_7/

年齢別の幸福度の日米比較
平成23年度の調査なので、少し古いが、「幸福度に関する研究会」が調査結果をまとめている。その中で、日米比較を示している。米国は先述のようにU字型だが、年齢を重ねるほどにより高くなっている。しかし、日本人はどちらかと言えば右肩下がりだ。「若い頃は幸せでいいよね。」なんてため息が聞こえそうだ。これらの傾向が時間とともに、どのように変遷しているのだろう。
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 出典:
 出典:幸福度に関する研究会、https://www5.cao.go.jp/keizai2/koufukudo/pdf/koufukudosian_sono1.pdf

幸福度や満足度の推移
1978年から2011年までの推移を見ると、一人当たりのGDPは2009年度までは右肩上がりで成長し、その後低下した。一方、幸福度と生活満足度はなだらかな右肩下がりだ。ここで言える事は、経済的な成長は必ずしも国民の幸福度や生活満足度を高めるものではない。2005年から2008年にかけて生活満足度がV字回復している。これはその後どうなっているのだろう。疑問は深まるばかりだ。
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 出典:幸福度に関する研究会

幸福感の高低と希死念慮の関係
横軸を幸福感、縦軸を希死念慮としたのが下図だ。幸福度は10段階による主観的な評価だ。希死念慮は、「死のうとした」または「本気で死のうと思ったことがある」人数の比率だ。幸福度0の人の場合に、希死念慮が3分1ほどが自殺を考えたというのはショックだ。個人的には、横軸は幸福感よりも、居場所の数の方が実態に合うのではないだろうか。
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 出典:幸福度に関する研究会

居場所と自殺
平成30年度に自殺した小中高生は332人と右肩上がりに増加している。数少ない右肩上がりだが、これは悲しい。これはなぜなのか。いじめの問題もあるのだろうい。では、なぜいじめの問題で自殺まで追い込まれるのか。学校の先生が部活を指導するのは日本の特徴のようだ。良い面と悪い面がある。文化部や運動部は地域のコミュニティで実施することにして、学校の先生とは切り離すべきという人もいる。それがいいのかどうかは自分にはまだ判断できないが、考慮すべきかは居場所の問題だ。居場所のない子供が多いという。学校には居場所がなく、家族の中でも居場所がない。これが問題なのではないだろうか。でも、なぜ学校で居場所がなくなるのか。別にスポーツができなくても、勉強ができなくても、ここの生徒にはそれぞれ素敵な個性と可能性がある。それを先生も生徒も親も信じられない状況に陥ったとしたらこれは悲しいし、辛い。難しい問題だ。
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 出典:https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/24489.html

自殺の原因
日本財団の2018年度の調査によると、男女平均で30%の人が「自殺念慮」を持ったことがあり、自殺未遂を経験したことがあるのも11%という。これは異常だ。そして、その原因で最も多いのが学校問題だ。これに対して2016年には自殺対策基本法が改正されたが、その後も中高生の自殺は増加している。今回の新型コロナのよる経済的な影響から自殺を考える中高年齢が増えるのだろうか。
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 出典:https://www.nippon-foundation.or.jp/journal/2019/28707

自殺者の推移
新型コロナにより経済的に追い込まれると自殺者数が増加するのではないかという心配をしたが、少なくとも令和2年3月の1704人から同4月には1455人と低下している。ただ、月々の変動が大きいので安心はできないし、5月以降どうなるかがやはり心配だ。特に中小企業の経営者で、家族、親族からの借金で運転資金を回している人たちが借金が回らずに自殺の追いやられる目安は500万円だという。
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 出典:https://www.mhlw.go.jp/content/202004-sokuhou.pdf

ベーシックインカム年金
経済的な課題や精神的な課題に対する解決策としては、どのような方法がいいのだろう。ネットでサーチしてみると、3名の衆議院議員が昨年6月に「年金抜本改革チーム」を立ち上げている。これは、老後資金2千万円不足問題をきっかけだという。個人的には、そこにメスを入れたか〜!という感じだ。現在支給している年金の役割は、該当年齢層におけるベーシックインカムの役割と合致するものの、そもそもベーシックインカムは全ての国民に同一の金額を支給するというシンプルな概念だった。新型コロナに伴う特別給付金の役割もベーシックインカムの役割に合致するものかもしれないが、そもそもベーシックインカムは1回限りではなく、継続的に支給するものだ。どうも、ベーシックインカムバズワードとして使われているのが気になるところだ。
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 出典:https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019092600001.html?page=1

まとめ
日本の幸福度は低いと言われる。なぜなのだろう。日本の中高生の自殺者が右肩上がりに増えている。なぜなのだろう。新型コロナの関係で自殺者が増えているかと思ったら下がっている。まだ予断を許さないが、前倒しで給付金などを適切に展開すべきだろう。しかし、これをつぎはぎ的に展開するよりは、ベーシックインカムのような制度を中核にした青写真を描けないものだろうか。下図は参議院議員の音喜多さんがブログで提言している内容だ。これが良いのか、実現的なのかは精査する必要があるが、少なくともこのような議論が全国で展開される事は好ましい事だと思う。
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 出典:https://go2senkyo.com/seijika/143644/posts/129623

以上

最後まで読んで頂きありがとうございました。

ZOOMによるオンライン勉強会の特徴と課題

はじめに
昨日は20名ほどの参加者に対する勉強会を行った。内容は安全管理についてのお話だ。日本における労働災害は長期的には減少傾向にあるが全産業の死傷災害では平成21年からは緩やかな増加傾向にある。その原因は何か、労働災害をさらに減らすにはどうするべきか、そんなことを一緒に考えた。通常ならどこかの会議室に集合して実施するが、さすがにこの時期には許されないので、ZOOMによるオンライン勉強会を実施することにした。ZOOM等を活用した会議やテレワーク、オンライン学習の特徴と課題について記述せよといった問題は、今年の技術士二次試験では出題される可能性もあると思う。
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 出典:建設業における労働災害発生状況

1.事前設定
1) 事前の動作確認

参加者の多くは、普段からZOOMを利用している人ではない。このため、まずZOOMのURLを事前に展開して、参加予定者にアクセスしてもらった。この作業は別の人が担当したが、特に問題なく動作を確認できたようだ。当日、つながらないと全体のスケジュールが遅れることになるのでこの確認作業は重要だ。

2) パスワード付きのURLの注意点
当初はパスワード付きのURLを設定していたが、別のZOOM会議でうまくつながらないことがあった。会議を予約するときにミーティングIDを自動的に付与にしていれば大丈夫だ。しかし、ミーチングIDを個人的のIDで固定させるとパスワードは会議ごとに設定ではなく、個人IDごとに1つになるようだ。このため、あるZOOM会議を個人IDでパスワード付きで予約した後に、別のZOOM会議をまた個人IDでパスワード付きで予約して、かつそのパスワードを変更すると、先に予約したZOOM会議のURLが無効となるようだ。これは、仕様の問題のような気もするが、次の3つの対処法がある。セキュリティの面ではa)がベストだろう。
a) ミーティングIDを使ってパスワードを掛ける。
b) 個人IDを使うならパスワードを使わない。
c) 個人IDを使い、パスワードを使うなら、パスワードを変更しない。
この点はZOOMも理解していて、個人IDでパスワードを変更しようとすると、次のような注意喚起の画面が表示される。その意味がやっとわかった。
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 出典:ZOOM

3) タイムスケジュール
これは勉強会の最後に参加者に感想をコメントしてもらったときに、ある人から言われたことだ。朝の9時から夕方17時までの長時間にわたる勉強会なので、予め休憩時間を宣言しておいて欲しい。そうすれば、そのタイミングで電話をかけたり、タバコを吸ったり、トイレに行くことができる。確かにそうだ。多少予定が変更することがあっても、予定があれば調整できる。次回があれば改善したい。

4) 資料の事前展開
全ての資料を展開すると膨大になるので抜粋版を事前に展開しておいたが、これはやはり参考になるようだ。特に、ZOOMでは画面にスライドが表示されないなどのトラブルや操作ミスも起こりがちなので、特に有効だろう。

5) ZOOMのエチケット
ZOOMに慣れていない人もいるので、エチケットとして注意したい点は最初に説明して理解を求めましょう。そんな機能があるんだと言う気づきを与えることにもつながるし、チャットしていいんだとも考えてもらえます。ぜひ最初に説明しましょう。
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2. 良かったこと
1) ブレイクアウトルーム

最初に話が来たときに、ZOOMを利用することが前提なので、賛成した。なぜ賛成したかと言えば、このブレイクアウトルームが使えるからだ。勉強会といっても、講師役からの説明を一方的に聞くのは苦痛だ。通常なら5-6名のサブグループに分かれてもらって、議論してもらって、代表から発表してもらう。そんなことがZOOMのブレイクアウトルームを活用すれば可能だ。これは本当に有効だし、参加者からも「単に聞いているだけではなく、多様な人の意見を聞くたり、話したりすることができてとても良かった」と好評だった。
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 出典:https://note.com/kazuyuki_zoom/n/n2d7a0e88631a

2) チャット機能
SNSではチャットは基本機能だ。ZOOMでも簡単にチャットを活用できる。ZOOMにおけるチャットには、下の図のように「チャット」と「プライベートチャット」がある。ともにONにしておこう。特に、日本人はシャイなので、参加者全員がみれるチャットへの書き込みに躊躇する場合にも特定の人にのみ伝わるプレイベートチャットなら書き込んでくれる。今回も「マイクミュートのままだよ」とプライベートチャットで教えてくれることがあった。ZOOMでは、マイクミュートのまま発言すると、注意喚起してくれることがあるが、してくれない場面もあった。無言の時間は単純に無駄なロスタイムになるので注意しよう。チャットの自動保存の機能も便利なのでONにしておこう。
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 出典:https://zoom-japan.net/how-to-use-chat/

3) 「いいね」機能
何か人に話をするときには、やはり参加者の反応が貴重だ。かつて1年間で200講座を担当して、全国の学校を訪問した。小学生と中学生では全然反応が違う。小学生でも三年と四年と五年と六年でも違う。おもし白いのは、五年生の反応も、五年生単独の時と、5−6年生の時と、4−5年生の時で違う。やはり自分のポジションを理解しているようだ。そして、最も調子が良いときには、参加者の視線を全身で感じることができた。舞台の右に移動位すると全生徒の視線が右に移動し、左に移動すると視線も左に移動した。これは感激ものだ。さすがにZOOMではこのような感覚を味わうことはできないが、非言語でのフィードバック機能はある。コツは、最初に試してもらうことだ。練習のために「いいね」ボタンを押してみようと誘導して押してもらう。何度か押していると条件反射的に押すようになる人もいる(笑)。
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 出典:https://zoom.les.cmc.osaka-u.ac.jp

4) ジェスチャー活用
これは非常にアナログだけだけど有効だ。例えば、「こんにちは」といいながら両手の掌を相手に見せて、横に小さく降ってみると同じ動作で反応してくれる。また、「Vサインを返してください」とか声をかけると、結構反応してくれる。なんとなくコミュニケーションが取れているようで嬉しい。ただし、指のジェスチャーは国によって意味が変わることがあるので注意が必要だ。よく知られているのが、右手の親指と人差し指の先をくっつけてつけるOKマークだが、国によってはお金を意味する。また、親指を立てるボーズも注意だ。FBのいいねマークは横を向いているので、ギリセーフかもしれないが、まっすぐにこれをされるとちょっと微妙だ。さらに、親指の代わりに中指を立てられると「F●ck You」の意味になってしまい最低だ。注意しよう。
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 出典:https://ovo.kyodo.co.jp/news/life/travel-news/a-1241610

5) 参加者の感想やコメント
勉強会の最初に自己紹介をしてもらうことがあるが、最初だと周りの状況もよく分からないし、緊張されている。しかし、勉強会の最後に、ZOOMの利用を含めて、率直な感想を教えてくださいと、一人ひとり感想を求めると、結構いろいろな気づきを与えてもらえることがある。朝9時から夕方まで一緒にいると、なんとなく性格や考え方も理解しあえるようになるのは嬉しい。

6) ZOOMの録音・録画機能
全国の学校を回って講演会をするときには、必ず録音するようにしていた。45分ほどのいわゆる出前授業だが、出来の良い時と悪い時がある。それらを全て録音しておくと、ああここはよくなかったなあとか、この言い回しは素敵だったなあなどと自画自賛することもある。そして、一年前や二年前の録音を聞き直すと、あの頃はこんなことを話していたのかと懐かしくなったり、自分の成長を実感することができる。ZOOMでは、このような録音機能に加えて録画機能がある。しかも、簡単だ。保存先はクラウドと自分のPCで選択できる。録画方法は手動と自動がある。手動とは、ZOOM画面の録画ボタンをクリックすることだ。停止したり、再開することも可能だ。お勧めは自動だ。これはZOOM会議を予約するときに、自動記録ONとすればOKだ。
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 出典:https://zoom-shukyaku.com

3.当日の失敗
1) ミュート忘れ

気をつけたいのは、ブレイクアウトルームから戻ったときや、何か投影方法を変更したときだ。気がついたら自動的にミュートがかかっていたりする。自動ミュートはオフにしておこう。また、受講生には声が聞こえなかったらすぐに教えて欲しいと依頼しておこう。自分も2回ほどやっちまった。

2) 録画忘れ
長時間だったので、今回は午前中のパートのみ録画した。これを忘れやすいので自動録画にしておくのが無難だ。でも、事前準備を含めて録画されるので、これが無駄と感じる場合には、手動でこまめに録画設定するのが良いかも。

3) 音声でず
勉強会の中でYouTubeの動画を再生したら、参加者にその音声がでないことがあった。イヤホンマイクをしているためかと思ったら、そうでもなかった。
正解は、画面の共有設定の時に、「コンピュータの音声を共有」にチェックマークを入れることだ。また、YouTubeの画面ではなく、ホストの画面全体を共有すると問題なくYouTubeの動画と音声を共有できた。このあたりはやはり、実際にやってみない分かりにくいかもしれない。
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 出典:https://relation-blogseo.com/zoom-youtube-音-聞こえない/

4) ハウリングの弊害
一人で複数のデバイスを使って参加しているとハウリングが発生することがある。同じ場所で複数の人がZOOMに参加している場合にもハウリングが発生する。これは、誰かの音をマイクでひろい、それがスピーカーから流れて、それをマイクで拾ってと循環するためだ。ZOOOでこれを防止するには、「コンピュータのオーディアから退出」をクリックすることだ。しかし、このままでは聞くことも話すこともできないので、できればイヤホンマイクなどを活用して参加したい。
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 出典:https://zoomy.info/howling/

4.成功させる秘訣
1) アシスタントの重要性

ZOOMは比較的簡単な操作でオンライン講義を提供することができる。しかし、簡単とはいっても、詳細の設定があるし、トラブルもある。通常、講演をするときには、主催者と講演者と参加者がいる。この役割分担はZOOMでも同様だ。一人で主催者の役割と講演者の役割を演じることは結構厳しい。後援者とは別に、全体を仕切る司会者のような人がいると心強い。また、調べると、ZOOMのアシスタントを有料で請け負うサービスを提供する会社も出ている。これからは、ZOOMアシスタントという職業が認知されるようになるのかもしれない。
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 出典:https://note.com/tellme4music/n/nb86c2be8d735

2) 会社の自席のPCからの参加
会社に集まって参加するのが悪いとは言わないが、ZOOMの利点を最大限に活用するのであれば、わざわざ会社まで来なくても、自宅にインターネットの環境とZOOMを使えるパソコンかタブレットスマホがあれば、自宅でも利用可能だ。オンライン飲み会で会えばスマホでもいいけど、共有されたスライドを見るならタブレットかパソコンは必須だろう。また、自宅でネット環境がない場合には、スマホテザリングで接続する方法もあるけど、定額制でなければ、後から請求額を見てびっくりする悲劇になる可能性もある。会社で参加するのであれば、ソーシャルディスタンスを確保して、離れた場所や部屋で参加したい。ブレイクアウトルームで別れても、話し声がお互いに聞こえて、混乱することにもなりかねない。

5.注意すべきこと
1) 適度な休憩

長時間、パソコンの画面を真剣に見続けるのは目が疲れる。長時間の利用の場合には、一時間に10分とか15分程度の休憩を定期的に取ってリフレッシュしよう。そのときには、できれば遠くを見たり、眼球を左右上下に動かしたり、観葉植物のような緑のものを見ると良いようだ。また、ZOOMに映っている参加者の映像を見ていると、やけに顔が大きい時がある。きっと画面の文字を見るために画面に近づきすぎているのかもしれない。参加者は、パソコンの画面から距離を取るようにしよう。また、スライドの文字は大きくしよう。
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 出典:https://share-photography.com/eye-refresh/

2) 身体を軽く動かそう
これはZOOMだけではなく、テレワークやオンライン授業でも同じだけど、長時間同じ姿勢を維持するのは結構辛い。身体が硬くなる。軽く腕を回したり、トイレに行ったりしてリフレッシュしよう。自分は、よくゴルフクラブでハーフスウィングの練習をしたりする。フルスイングすると狭い部屋の壁や天井に当たって怒られるためだ。また、最近は目の疲れをいやすツボを軽く押したりするのもいいらしい。親指と人差し指の付け根の手前の合谷(ゴウコク)とか、風池(フウチ)、瞳子りょう(ドウシリョウ)、睛明(セイメイ)などがある。どれも1分程度で効果が得られるらしい。試してみるのもいいかも。
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 出典:https://www.excite.co.jp/news/article/Mycom_freshers__freshers_column_2015_05_1505121130/

3) モニター用ZOOM画面
ZOOMはそれぞれの利用者で画面設定を変更できる。このため、特に画面共有をしたりすると、説明する人と、説明を聞く人では画面が異なる。このため、可能であれば、説明する人は、もう1台パソコンかタブレットか、スマホを用意して、ZOOMに参加して、説明を聞くひとの画面をチェックできるようにしたい。その場合に、参加者の顔を一覧できるにようにすれば、参加者の表情を見ながら、指名して質問したり、考えさせたりとリアルタイムに双方向型の講義ができるように思う。

6.ZOOMへの要望
1) VR機能の強化

ZOOMの利便性の1つはVR機能だ。本当の背景の代わりに、あらかじめ用意した画像や映像を背景にすることができる。これなら部屋が散らかっていても大丈夫だ。ただ、自分が使っているiMacは利用可能だが、MacBookAirは利用できない。5年以上前の機種なので性能的に厳しいのだろうか。古い機種でも対応可能にして欲しい。あと、追加の要望としては、服装もVRで着替えできると良いと思う。デザインの変更は難しくても、模様とか色の変更などならできるのではないかと思う。
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 出典:ゴーグルはめて洋服選び 店舗用のVR登場 :日本経済新聞

2) ハウリングキャンセル機能
携帯電話の品質を決めるのは、電波の強さと干渉波の弱さだ。特に干渉波が強くなると、携帯電話でも音と同じようにハウリングのような現象が発生して、使えないほど品質が低下する。このため、屋内の電波対策の装置にはキャンセレーション機能がついている。これは何かといえば、微弱な電波を増幅して放射したものが、入力信号とならないようにあらかじめ回り込みを計算して、キャンセルする仕組みだ。この機能が実現されてからは一体型の増幅装置が開発できて、対策も簡便になった。つまり、電波の弱いところにおけばOKだ。ZOOMでも同様の仕組みで回り込む音声をキャンセルする機能を追加できればハウリングの問題もかなり解消されるだろう。

3) 参加者の表情のスキャン
現在は、発声している人の映像にフォーカスする機能はある。これはこれで便利だけど、説明者から見ると参加者の表情を確認しにくい。例えば、会議室などで講演する場合には、参加者をZ型でスキャンする。例えば、まず最初は左奥の参加者に視線を送り、徐々に右に視線を移動させる。そして、右奥から左手前に視線を送り、また、左手前から右手前にゆっくりと視線を動かす。そのように視線をZ型に移動させながらお話をすることで、参加者は自分を見て話をしてくれたと感じる。ZOOMの場合には、講演者はカメラ目線になるだけで参加者は講演者が自分のことを見ていると錯覚する。しかし、講演者は参加者の表情をスキャンできないので、臨場感を持てない。このため、参加者の画面が1つの画面に表示しきれない場合には、自動的に定期的にゆっくりと入れ替わる機能があると嬉しい。
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まとめ
今回は朝の9時から夕方17時までの長時間にわたる勉強会にZOOMでトライした。後から録画したものを見ると、「あちゃー」と反省する点も多い。しかし、そのように反省できるのもZOOMの素晴らしいところだ。今回、実際にZOOMを長時間活用して感じたことを整理しながらまとめてみた。多くの事象は先人が既にブログ等でまとめていることが多い。特に有料のアシスタントのサービスを提供している人がいることには正直びっくりした。修論のプロジェクトとして活用できるかもと言う気持ちにもなったが、自分はアシスタントを目指すよりは、アシスタントの協力を得ながらもっとZOOMを活用できるといいなあと感じた。ただ、オンライン学習などでは、若い教師もベテランの教師もやらざるを得ない状況になるだろう。そのような時に、必要とされるアシスタント機能を研究することは意義のあることかもしれない。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

経営イノベーション体系を受講して

はじめに
二年目の授業は平日2科目と土曜日2科目とした。他の学部でも興味深い科目があったので、木曜日と金曜日をお試し受講したが、さすがに平日4教科は時間的に厳しいので見送った。

月曜日の夜は経営イノベーション体系
藤村教授による授業だ。ZOOMを活用して、毎回30名プラスαの生徒が参加する。基本は藤村教授が用意したスライドに沿って、講義を聞くのだが、これが結構面白い。そして、前半と後半に1回ずつグループ討議がある。ZOOMのブレイクアウトルームを活用して、5つとか6つのグループに分ける。各グループは大体5−6名で、与えられたテーマにしたがって、それぞれの意見を出し合い、その後発表する。MBAコースに通おうと思う意識高い系の人たちなので、様々な意見が飛び出し、参考になる。

リーダを育てるには
後半のテーマは、リーダを育てるにはどうすれば良いか?がテーマだった。みなさまならどんな意見があるでしょうか?今回のメンバーからは様々な意見が出されたが、整理すると次の3つでしょうか。

1) よく観察する
 次期リーダとして育てるべき人材かどうか。その人の長所や短所をよく観察する。本人が短所と考えていることがその職場の環境ではリーダの短所でない場合もある。よきリーダとは、環境とメンバーに依存する。

2) チャンスを与える
 リーダを目指す人にはやはりチャンスを与えたい。海外の子会社の社長を任せるレベルから、子会社の新規事業を任せるレベル、いろいろなレベルが想定されるが、自主的に意思決定して、その結果に責任を持つという修羅場を何度も何度も経験することでリーダとしての資質が育つだろう。

3) 上を見る人ばかりを集めない
 人には上を見る人と、下を見る人に分かれる。そして、残念ながら、出世するのは、上を見る人が多い。しかし、リーダになった時に本当に必要なのは会社が置かれた環境、社員の意識、現在の課題、将来取り組むべき事業などに取り組む資質であり、下を見る人こそがリーダにふさわしい。ここにジレンマがある。日本語で言えば、人徳があるかどうかだろうか。

水曜日の夜はリサーチ技法
豊田教授による授業だ。基礎科目だが、ファクトベースの経営をすることが重要という認識のもと、どのようにファクトを抽出するか。ファクトには、定量化できるデータと定量化できないデータがある。データ解析する場合には、前者を重要視しがちだが、その両方が重要だ。今後の展開が楽しみだ。

土曜日午前はマーケティングI
これも豊田教授の需要だ。販促コンペというイベントがある。販促のテーマを決めた企業に対して、販促のアイデアを出す。パワポ の8枚ほどのスライドにまとめる。広告代理店に勤務する人などが技量を競う。ここに応募するという企画だ。

土曜日午後はプロジェクト
原則隔週だが、毎週土曜日に1時から6時までの五時間のゼミだ。ゼミ生は5名いるので、一人最大一時間。午後いっぱいの議論だ。基本はゼミ生と藤村教授のやりとりだが、時々先生も楽しいゼミ生はどう考えるか。意見があるかと振っていただける。まあまだ暗中模索だが、何とかまとまるだろうか。

まとめ
少なくとも春期の前半は藤村教授の授業x2と豊田教授の授業x2だ。春期後半になると、米倉教授の授業が入ってくる。また、どんな講義が聞けるのだろう。外部のゲストを交えた飲み会なども解禁するだろうか。現状はZOOMやSKYPEベースの授業だが、大きな問題はない。というか、これも十分ありだと思うし、このようなオンライン授業をベースにするのであれば全国から受講することが可能だ。ポストコロナでは新しい世界に突入すると期待が高まる。

以上

最後まで読んで頂きありがとうございました。