LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

せたがや子どもバル虹の応援で感じたこと

はじめに
大学院の修論に苦戦中だ。幸福論や貧困問題の延長で子ども食堂について調べている。NPOむすびえの理事にも一度話しを伺ったことがあるが、やはり現場を見ないと実際の状況はわからない。近くの子ども食堂にもコンタクトしたが、新型コロナの影響で自粛中のところが多い。そんな中、お弁当の持ち帰りにいち早く変更された子ども食堂を応援する機会があった。昨日は、夕方に少し時間休をとって、テレワークの自宅から現地に向かった。
f:id:hiroshi-kizaki:20200609055553p:plain

せたがや子どもバル虹
四年ほど前に子ども食堂を始められた。FBには、「子どもが集まり ご飯をいっぱい食べて いっぱいお話しをする せたがや子どもバル虹は みんなの居場所の子ども食堂です。」という想いがまず書かれている。バルとは、スペイン語で、食堂と喫茶店とバーが一緒になったような居酒屋だ。自分はスペインには行ったことがないが、隣のポルトガルにはバールがあり、トトカルチョに夢中になる人たちで盛り上がっていた(笑)。人々が集まり、美味しいご飯を食べて、楽しく話をする場所をイメージされている。日本語では虹、英語ではRainbow。ネーミングも素晴らしい。
f:id:hiroshi-kizaki:20200609060356p:plain
 出典:https://www.facebook.com/setagaya.rainbow/

イタリアレストラン・イルピアット・カチャトラ
今週の月曜日と来週の月曜日の会場は、イルピアット。テレビでも石原良純さんが愛用されていると報道された人気のお店だ。Googleの口コミでも人気店というのが窺える。そんなお店も月曜日は休業日だったので、そのお店を借りての運営だった。
f:id:hiroshi-kizaki:20200609061938p:plain
 出典:http://ilpiatto-tokyo.jp

今日の美味しい弁当
子どもが大好きな甘口でコクのあるカレーとご飯。餅子チキンガーリック、なつ、シャーク、おでん、バナナとチーズなど盛り沢山だ。子どもは無料、大人は200円。隠れているけどサクランボ🍒も入っていて美味しいだけではなく、栄養のバランスも考慮されている。子どもにはフルーツだけでなく、ちょっとしたスナックなどもおまけが付いている。
f:id:hiroshi-kizaki:20200609062420p:plain

時間のないお母様への応援
利用者には、小中学生の子どもたちも来たけど圧倒的に多いのは手のかかる幼児を子育て中のママさんだった。仕事を終えて急いで保育園に寄ってお腹を空かせた子供と家に向かう途中の忙しいママさんはやはり大変だ。これから帰って調理すると一時間ほどはかかる。でも、子供食堂の手作りの美味しいお弁当なら持ち帰ってすぐに家族で食べられる。助かりますという笑顔と、幼児のきょとんとした笑顔。初めての人には氏名や住所などを書いてもらうが、二度目以降の人は名前と連絡先のみを書いてもらう。これは助成金を申請するときのエビデンスと、万一何か問題が出た時の緊急連絡のためだ。

今日の食材
レストランのテーブルに、仕込んだ料理を並べて、プレートに持っていく。運営者の代表は以前お店を経営していたので、調理や保険衛生もバッチリOKだ。代表に聞くと、子供食堂で大切なことは楽しんで運営すること。ロックが大好きなので、ロック音楽をかけていた時もあるようだ。初めてロック音楽を聞いた子どもたちは固まったそうだ(笑)。
f:id:hiroshi-kizaki:20200609070827p:plain

調理コーナーの様子
代表の友達が応援に駆けつけた。BGMや飾り付けの演出も重要だ。料理は常に加熱されている。近くのスーパーでエプロンを買って持参したら値付け札がついたままだった(汗)。髪の毛が食材に入るとまずいので、キャップをしている人もいる。調理用の手袋も用意されていて、消毒用のアルコールもあり、備えは万全だ。自分はご飯の盛り付けを担当させてもらった。アイスクリームを半球にして盛る器具でご飯をよそう。カレーをカップに入れる人。食材を盛る人。一時間もやると役割分担が自然に出来上がる。
f:id:hiroshi-kizaki:20200609071122p:plain

受付のコーナーの様子
昨日は、女性3名、男性4名の計7名だった。子ども食堂の運営で難しいのは、来店する子どもたちの数の予想だ。小学校に登校できる日なのか、自宅待機なのか。天気は良いのか。馴染みの近所の子供たちや保護者の方が多いので、大体の数は読めるが、それでも幅がある。このため、例えば、カレーなら最初は少し控えめに入れていって、営業時間が残り少なくなったら、残りの見込み数と残量を考慮して、少し多めに入れたり、もう少し控えたりする工夫をされている。本当に食べて欲しい家族に限って営業時間がギリギリに来店されたりすることもある。ご飯もあらかじめ用意した分で対応するが、足らなければ電子レンジでチンするだけで食べられる食材も緊急用に用意されている。そんな工夫はやはり経験によって蓄積されたものだろう。
f:id:hiroshi-kizaki:20200609071036p:plain

子供たちに好評なスタンプカード
この子ども食堂で、素晴らしいのはいろんな工夫をされていることだ。小学生なら子供新聞を同封したり、小さな子供ならお菓子やバナナを追加したり、食べ盛りの子供には大盛りにしたり。特に、スタンプカードが好評だ。子供たちは、大事そうにスタンプカードを持ってくる。1回に1つのスタンプを押す。一定数たまったらおもちゃなどをもらえる。たまに忘れた子供には優しく接するが、何度も忘れる子もいるようだ。可愛いイラストは飲み仲間に書いてもらったようだ。プロのイラストレータの仕事だ。スタンプカードの写真を撮り忘れたのが残念。。

子ども食堂の運営上の課題
課題はなんですかと代表に伺うと、少し考えて「あまりないかなあ」という回答だった。食材の購入に2万円ほどかかるが、半分は代金、半分は助成金でなんとかトントンになる。会場は、イタリア料理屋さんの好意で使わせてもらっている。月に1回といったところが多いが、ここは先週と今週の月曜日の夕方にオープン。月曜日の開催だと土日が料理の仕込みに費やされれるが、それも楽しんでますとの回答だった。そのように楽しみながら、友達や知人を巻き込みながら運営する人材=代表の存在が大きい。志を持って行動する代表には賛同者が多い。旦那さんや多くの友人も賛同者であり、協力者だ。素晴らしい。

感じたこと
お弁当の持ち帰りだけでは心のつながりは厳しいと想定していたが、全然違っていた。ZOOMなどを使ったオンライン食事会などもいいかと想定していたが、全然違っていた。お弁当の価値は、食事としての価値に加えて、調理する時間を節約できるという価値と、子ども食堂の人々とつながっているという価値だ。多くは馴染みの家族だ。この子は食べ盛りだから大盛りしてあげてと代表から目配せがくる。見ると確かに食べ盛りだ。代表は、お弁当を渡すときのわずかな会話からお客様の体調や精神状態まで見えるようだ。そんな心のつながりを感じられるのが子ども食堂の1番の魅力なのかもしれない。ITを活用すれば良くなることもあるかもしれないけど、失うものもある。大事なことは精神的なつながり、居場所と感じる場所を提供し続けることだと感じた。

まとめ
昨日は、18時半から大学院のオンライン授業があったので、18時少し前までと慌しかったが、楽しかった。これからも機会があれば、慣れないエプロンをして応援に伺い、喜ぶ子供やママさん・パパさんたちの笑顔を見たい。子ども食堂通しの横の連携は多くないようで、他の子ども食堂のことは良くわからないということだったので、他の子ども食堂にも機会があればお邪魔して様子を伺いたいなあと思います。今回は、急な申し出に快諾頂いた代表に感謝します。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。