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経済問題と人口問題と幸福問題

はじめに
社会にはいろいろな問題がある。それは単独の問題ではなく、相互に影響を与えている。相関関係かもしれないし、因果関係かもしれない。今、興味を持っているいろいろな問題を少し紐解ければと思う。

1. 人は何のために生きているのだろう
 人は生物である。生物は持続し、繁栄するように必死に活動する。人類も、生物のメンバーであり、繁栄するように必死に活動してきた。繁栄してきた。しかし、これからも繁栄は続くのだろうか。先進国を中心に少子化が進み、人口減少時代を迎えている。世界の人口は2100年には100億人に達し、そのあとは緩やかな減少傾向に向かうと予想されている。日本の人口は2008年に1億2,808万人をピークに減少に転じて、2060年には8,674万人まで減少すると見込まれている。世界は、そして、日本はどこに向かおうとしているんだろう。
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 出典:https://population.un.org/wpp/ 

2. なぜ先進国の人口は減少に向かうのか
人口減少は特に先進国と呼ばれる経済的に繁栄した国々で発生している。経済的に成長すると、なぜ人口は減少するのか。先進国で発生しているのは、長寿化と少子化だ。長寿化は悪いことではない。ひとは幸せに長く行きたいと考える。生きたい。もっと生きたいと考えることは望ましいことのはずだ。65歳以上の人口の割合が7%を超えると高齢化社会、14%を超えると高齢社会、21%を超えると超高齢社会と呼ぶが、現在の日本の高齢化は23%を超えた。2030年には39%を超える勢いだ。長寿化にも問題はあるが、長寿化は人口減少の原因ではない。どちらかと言えば減少しない原因だ。では、なぜ人口が減少するのかと言えば、それは少子化だ。
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 出典:日本の超高齢社会の特徴 | 健康長寿ネット 
 
3. 少子化=晩婚化×出生率の低下
経済的に豊になったはずなのに、なぜ少子化が進むのか。これは晩婚化と出生率の低下の2つが要因だ。つまり、晩婚化とは、結婚して出産する年齢が遅くなったためだ。晩婚化は、人生における回転率の低下のようなものだ。25歳で出産していたサイクルが、30歳で出産するようになると、どうなのか。これは悪いことではない。お母さんもおばあさんも長寿化するような世の中、いつまでも元気な世の中になれば、急いで結婚して、急いで子供を産まなくてもいいんじゃないかと思うのは自然なことではないか。これまでは、25歳で母親、50歳で祖母、75歳で祖祖母だったのが、30歳で母親、60歳で祖母、90歳で祖祖母でいいじゃないか。ちなみに沖縄では20歳で母、40歳で祖母、60歳で祖祖母となるのは珍しくない。沖縄の人口が増えるのはこんなところにも秘密がある。しかし、人生100年時代、ゆっくりと結婚して、ゆっくりと子育てするのも悪いことではないのではないか。完結出生児数を見ると、実は、下の図のようにほぼなだらかな低下傾向にはあるけど、2015年でも1.94にとどまっている。悪くないじゃないか。
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 出典:第1部 少子化対策の現状(第1章): 子ども・子育て本部 - 内閣府 

4. ハイパガミート(上昇婚)
経済が発達すると、女性の高学歴が進み、女性の社会進出が活性化する。これ自体は悪いことではない。男女不平等社会から男女平等社会に移行することは望ましいことのはずだ。しかし、そこにハイパガミートという心理問題がある。ハイパガミートとは、日本語で言えば、上昇婚だ。女性は子供を産んで育てないといけない。一生の伴侶を選ぶ条件は経済力が欠かせない。芸能界ではダメ男が好きなのとか、母性本能が強くて弱い男が好きという女性もいるだろうが、珍しいから話題になるだけだろう。男性から見ても、自分より稼ぎのある人よりは、自分より稼ぎが少ない人を伴侶にする傾向があった。最近はダブルインカムが前提となっていて、男性も自分と同じかそれ以上の収入を得る女性を伴侶に求めたいと考えるかもしれない。その場合には、収入の少ない女子が未婚となる傾向が高まる可能性がある。
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 出典:https://gendai.ismedia.jp/articles/-/53966 

5. 未婚率の増加の原因
上の図に基づくと、高学歴高収入の女性と低学歴低年収の男性が余ることになる。これが未婚率の増加の原因かどうかはもう少し検証が必要だけど、当たらずとも遠からずというところではないか。実際、自分の周りにも結婚しない男性が多い。それなりに稼いでいるはずだけど、めんどくさいとか、コンビニがあるから別に困らないとか(笑)。しかし、上の図には次の2つの違和感がある。
1)女性の年収が上がっているわけではない。非正規を中心に下がっている。
2)男性の年収は現状維持ではなく、下がっている。
これを加味すると、アンダークラスと呼ばれる男性や女性が増加していることも課題だ。結婚や出産以前に、一人でも食っていけない。しかし、貧乏人の子沢山ではないが、そのようなアンダークラスでは妊娠も多いが、育てていけないので、中絶したり、放棄したりする傾向があるのではないか。ただ、国際比較で見ると日本はそれほど高くはない。日本ではコンドームによる避妊が圧倒的だが、中絶の多い国はピルの利用が普及している国という。
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 出典:http://blog.livedoor.jp/zipanghistory-rvlcb1pl/archives/16735742.html

6. アンダークラス
日本には、平均年収186万円以下のアンダークラスと呼ばれる人々が930万人もいるという。「新・日本の階級社会では」著者の橋本健二氏は、「アンダークラスは増大し、労働者総数に対する割合も早晩、現状の2割から3割、4割へと拡大していくかもしれない。」と説く事態はさらに深刻化していく可能性すらあるのではないか。それでは、これに対応するには、どうするのか。ざっと考えるだけでも、1) 経済格差をなくす、2) 結婚支援をする、3) 出産支援をする、4)育児支援をするなどは思いつく。たぶん、どれも必要なのだろう。しかし、総花的に進めても効果は期待できない。優先順位はどう考えるべきなのだろう。
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 出典:https://www.moneypost.jp/531369

7. 今後の対応策
未婚者が増えて少子化はさらに進むのだろう。晩婚化が進むけど、子供は欲しい。でも、妊娠が難しい。その結果、人工授精などの妊活が増えて、コスト増になる一方で望まれない妊娠もある。業務のオートメーション化や人工知能の活用で一定の生産性向上に努めるが、やはり限界。徐々にGDPやGNPも減少していくだろう。働く若者世代の人口が減少する。その時に、日本人はどうするのだろう。想定されるシナリオはどのようなものがあるのだろう。
1) 海外からの移民を受け入れる。移民の女性と日本人の結婚も増えて人口増加に反転する。しかし、負の連鎖から抜け出ない人が増えて、アンダークラスが多層化する。
2) 貧困化がさらに深刻になり、人口減少がさらに加速する。貧富の格差も拡大するが、少子化は止まらない。世界の中での日本の存在感は低下し、負の連鎖から抜け出れない。
3) 福祉制度が充実して、貧富の格差を是正し、人口減少に歯止めがかかる。適正人口で落ち着くだろうか。その場合には、どのような福祉制度が有効なのか、本当に負の連鎖から抜け出れるのか。
負の連鎖を断ち切った成功例の1例はフィンランドだ。フィンランドでは、子供が国家にとって最大の資源として、教育を最重点投資分野とした。フィンランドでは、学校内格差は多少あるが、学校間格差が非常に少ない。これは日本と対照的だといえる。
 出典:https://plaza.rakuten.co.jp/shchan3/diary/200902010000/
 
8. なぜフィンランドは格差が小さく学力が高いのか
フィンランドの特徴は、格差が小さいことと、貧富を問わず学力が高いこと。これは下位25%の学力が高いことが特徴だが、上位25%でも健闘している点は見逃せない。フィンランドは、幸福度でも1位だ。日本は58位だ。何がどれほど違うのだろう。
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 出典:https://plaza.rakuten.co.jp/shchan3/diary/200903110000/

9. 幸福度と満足度
日本人の満足度・生活の質に関する調査を内閣府が行い、2019年5月に発表した。これによると日本人の満足度が低く5.89となった。満足度と幸福度はニュアンスが異なるが、国連調査の日本人の幸福度5.886と同様の結果だ。そして、これを改善する決めては頼れる人の数だという。日本では人間関係が希薄になっているが、頼れる人が30人以上ある人の満足度はフィンランド並みだ。
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 出典:日本人の幸福度がフィンランド人を越えていく方法 | ライフハッカー[日本版] 

10. 幸せの条件
なかなか幸せの定義でピタッと納得するものに出会わない。ただ、経済的な反映と幸福度は必ずしも生の相関関係にはない。例えば幸せを感じる国民として有名なブータンでは統率力のあるリーダ(=国王)と精神的な支柱(=仏教)と生活の保障(=最低限の衣食住)を国民が実感していて、幸せですかという質問に「幸せです」と答える。これには国の指針として国民総生産(GNP)ではなく、国民幸福量(GNH)を取り入れたのも大きいだろう。また、フィージーもまた幸せな国と言われている。ここでは、「4つの習慣」として、シェア、いまここ、、適当、依存の4つという。ちょっと沖縄の気質にも似ているし、縄文人の香りとも共通する気がする。

11. 縄文人に見習うべき点
縄文時代の遺跡から見つからないものがある。それは人と人が戦うための武器だ。その後の弥生時代になると武器が出てくる。しかし、縄文時代には人と人が助け合って生きていた。縄文文化縄文人については興味を持ち色々調べた。自分の理解では、日本がまだユーラシア大陸の一部というか、かろうじてつながっていた氷河期の時代にはシベリアルートや対馬ルートから人類が移住した人がいた。そして、温暖化と共に海進が進み、日本が大陸と切り離されて、ひょっこりひょうたん島のように島国となって広がったのが縄文人のようだ。そして、なぜか縄文人は東日本に多く、西日本に少ないが、これは紀元前6500年前に発生した鬼界カルデラの大噴火の影響ではないか。大噴火に限らず日本は災害大国だ。地震津波、台風、さらには噴火。縄文人が戦うべきは大自然だった。だから、大自然を敬い、人々は連携し、助け合った。その遺伝子は日本人の美徳として受け継がれていると思う。
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 出典:https://indeep.jp/caldera-eruptions-could-be-soon-in-somewhere-include-japan/

12.まとめ
なぜ日本人はこれほど幸福度が低いのか。満足していないのか。それは将来に対する明るい展望が見えないからではないだろうか。今は貧しくても、子供が成長した時代には豊かな社会になる。素晴らしい日本を創るのだと希望に燃えている時代は、貧しくても幸福度は高かったと思う。しかし、現状で精神的な支柱がなく、経済面でも成長の陰りを強める。実質的な年収はどんどん下がっている。そんな時代に幸福度が高まるわけはない。結婚して子供を産んで育てるための費用を考えると、今の年収では無理と諦める人が増えたら、少子化が止まる訳が無い。よく考えれば当たり前のことかもしれない。では、どうするか。それは精神面だけでもダメだし、経済面のテコ入れだけでもダメだ。精神面と経済面の両面で我々日本人が50年後、100年後どのような日本を子孫に残したいのか、そして残せるのかについて徹底的に考えるべき時期かもしれない。コロナウイルスは世界に猛威を奮っている。しかし、コロナウイルスを全滅させることは現実的ではない。どこかで折り合いをつけて収束させるしかない。誰かに助けてもらった人よりも、実は誰かを助けた人の方が幸福度が高いという調査があった。まさに「情けは人のためならず」だ。そんなところに、これからの日本復活のシナリオを作るヒントが隠されているように思う。

以上

最後まで読んで頂きありがとうございました。


日本語とハンガリー語

はじめに
言葉はミステリーだ。日本語は孤立した言語のように言われるが、調べるとそうでもないようだ。そもそも言葉が急に出来上がるわけがない。言葉には、歴史があるはずだし、ドラマがあるはずだ。今日はそんなことに少しトライしたい。

日本語に似た言語
私は本を読みます。英語では「I read a book.」となる。文法的に言えば、日本語はS(主語)O(目的語)V(述語=動詞)だけど、英語はSVOとなる。中国語もフランス語もSVOだ。日本語に似た言語がないのかと調べると、イラン語も、ヒンディ語ネパール語ハンガリー語もSOVだった。言語学者ジョーゼフ・グリーンバーグによると、語順による比率は、SOV型が世界の約50%、SVO型が約40%、VSO型が約10%という。
 出典:http://kairiw.hatenablog.jp/entry/20080309/p6


日本語と英語でもなぜによく似た発音がある
道路とRoad、坊やとBoyは似ている。たまたまなのだろうか。世界の言語をみると、中国の周辺の国々には意外と日本語と同じSVO型が多い。これはたまたまなのだろうか。具体的には、アイヌ語朝鮮語ツングース満州語モンゴル語ウイグル語、トルコ語、インドイラニアン諸語、ドラヴィダ諸語、 フィンランド語、ハンガリー語チベットビルマ諸語などだ。これもたまたまなのだろうか。
 出典:http://yamatai.cside.com/katudou/kiroku260.htm

世界の言語の分布図
SVO型がオレンジ、SOV型を緑にして世界地図にプロットしたものだ。マイナーだけどVSO型やOVS型もあるのが面白い。日本語を代表とするSOV型は図を見るとアジア、オセアニア南北アメリカなどにも分布している。これを見ているだけで妄想が広がる(笑)。
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 出典:http://bbs.jinruisi.net/blog/date/2016/03/17

ハンガリー語との類似点
自分は言語学者ではないし、ハンガリーに行ったこともない。でも、メモにハンガリー語との類似点を記録しているものがあった。ただ、この出典元をアクセスしても、現在は非公開となっていた。これが本当なのかどうかは時間をかけて精査する必要がある。巻末の参考にコピーを引用する。これもたまたまなのだろうか。
 出典:http://www.geocities.jp/kawatab/language/similar-words.html

まとめ
言葉には歴史があると思う。そして、それは過去の人々のドラマ抜きには語れないと思う。隣接する国の言葉が全く異なるのはこれは自国民と他国民を識別するためだと思う。言葉のミステリーはライフワークにふさわしいテーマだと思う。コロナ騒ぎが治ったらまた海外に渡ってみたいと思う今日この頃。

参考)少し説明部分を簡素化しています。
korai コライ :“古来”という意味の形容詞。

kucorog クツォログ :“一人で居る”という意味の動詞だが、“くつろぐ”と同じようなニュアンスがある。

mamma マンマ :“まんま”は日本語で“ご飯”の俗な言い方ですが、この言葉は“柔らかく煮た物”だけを意味します。

okol オコル :“叱る”という意味の動詞。正しい言い方ではないが、“誰かを怒る”という言い時の“怒る”

e エ :疑問文であることを分かりやすくするために、動詞に付きます。日本語でも、“え~”を疑問文の文末に付けることがありますが、相手を強く非難することになるので、ニュアンスが違います。例: “お前がやったんだろうが、え~”

ide イデ :“こちらへ”を意味する副詞。“出でよ”の“出で”。“Ide, ide!”で、意味は“こっち、こっち”になるが、“おいで、おいで”の音に近い。

cuppog ツッポグ :泥から足を抜くときの音。福島の方言で雪に足が潜る音は“つっぽぐる”と聞いたことがある。

kan カン :動物の“オス”を意味する名詞。“暴漢”のカンか。

utál ウタール :“utál”は、“あたる”にあたります。ハンガリー語で言うと、“Ataru utálra utál.(アタル ウタールラ ウタール)”です。“文献にあたる”でも、これを使います。

vatta ヴァッタ、ワッタ :“綿(わた・めん)”を意味する名詞。でも、ドイツ語でも似たような音だったと思う。

só ショー :“塩”を意味する名詞。

táj ターイ :“地域”という意味の名詞。“熱帯”“温帯”の“~帯”と同じような意味。ただし、使い方が違う。

szék セーク :“座るところ”を意味する名詞。音も意味も“席”に近い。

utó- ウトー :“後”を意味する接頭辞。“後(あと)”と音が近い。

tova トヴァ、トワ :“遠くの”という意味の形容詞。日本語の“とわ”のように、時間的に遠い意味でも使います。

okoz オコズ :“起こす”という意味の動詞。“事故を起こす”というときの“起こす”。誰かを“起こす”は違う。

új ウーイ :“新しい”“新鮮”という意味の形容詞。“初(うい、うゐ)”、“初々(ういうい、うゐうゐ)”しいと、音も意味も近い。旧仮名遣いで書くと、“j”が“ゐ”になるのがポイント。

áll アール :“立つ”“立っている”という意味の動詞。建物が“ある”場合にもこの言葉を使う。

ül イゥル :基本的な意味は“座る”という意味。しかし、限定的ながらも、“居る”という意味でも使う。

hull フッル :“舞い落ちる”“降る”という動詞。“Hull a hó(フッルアホー)”“雪が降る”のように、雪の場合は“降る”の意味で使うこともある。

gurul グルル gurít グリート :“回る”という動詞。音は“ぐるり”に近い。最初に“gurul”の意味を聞いた時、からかわれているのかと思った。

kicsi キチ :“小さい”という形容詞。服を試着して小さい時に“きつい”と言う意味で使える。

apa アパ anya アニャ :“お父さん”“お母さん”を意味する名詞。北東北で“お父さん”、“お母さん”はと言えば、“あや”“あっぱ”だそうですが、ハンガリー語では、“アパ”“アニャ”になります。APAホテルは父宿か(笑)。

sótlan ショートラン :“味が薄い”という形容詞。テレビでも紹介されていた。発音はやや違うが、状況で“塩足らん”でも十分通じる。

kor コル :“時代”“頃”と言う意味の名詞。

cici ツィツィ :“おっぱい”のことだが、英語やドイツ語でも似たような音なので、ハンガリー語に限った話ではないです。

takar タカル :“覆う”という意味の動詞。日本語の“たかる”は、“鳥がたかる”“人がたかる”など、見えないくらいに集まる、という意味があるので近い。

szagol サゴル :“嗅ぐ”という意味の動詞。“探る”とは意味が違うが、犬の場合、においを嗅いで探るので、ニュアンスが近い。

csoszog チョソグ :“ちょこちょこ動く”と言う意味の自動詞。北海道や東北で“ちょす”は“(物を)動かす”という意味の他動詞だそうで、意味は似ているが、自動詞と他動詞の違いが残念。

jár ヤール :“通う”という意味の動詞。他動詞と、自動詞の違いがあるが、“遣る(やる)”に似ている。

száll サーッル :“飛ぶ”という意味の動詞。少し強引だが、いなくなるということでは、“去る”と近い。

kór コール :“病気”という意味の名詞。肩が“こる”のは病気か?

mond モンド :“言う”という意味の動詞。“問答”と似ているが、意味が違う。

már マール :意味は“もう”。言うときに、最後の“r”は落ちる場合があり、例えば、“Gyere mar!(もう来なさい)”は最後が“マー”になります。これは、福井弁で、せかすときに使う終助詞“ま”と同じように聞こえます。例:はよ、しねま(意:早くしなさい)

jó ヨー :“良い”という意味の形容詞。“赤”→“赤し”→“赤い”と同じように“良い”も変化したとすると、元々は日本語でも“よ”だったか。

víz ヴィーズ :“水”を意味する名詞。“ヴィ”と“み”の違い。

üt イゥト :“打つ”という意味の動詞。“ü”も“t”も日本語にはない音ですが、“う”と“つ”に近い音です。

szakad サカド szakít サキート :“裂く”という動詞。“裂か(ない)”、“裂き(ます)”と音が近い。

harag ハラグ haragos ハラゴシュ haragszik ハラグスィク :“怒り”という意味の名詞と、“腹が立っている”という意味の形容詞と“腹が立つ”という意味の動詞。“harag”は“腹が”と音が近い。

szigorít スィゴリート szigorú スィゴルー :“厳しくする”という動詞と、“厳しい”という意味の形容詞。誰かを“しごく”という意味。

ugral ウグラル :“跳ぶ”という意味の動詞。“上がる”に近いかな。

kér ケール :“ください”、“して欲しい”という意味の動詞。東北で“~けれ”と言えば、“~下さい。”と言う意味ですが、ちょっと強引か。

megoszt メゴスト :“こぼす”という意味の動詞。北海道の方言で“こぼす”は“まがす”と言うそうです。ちょっと音が近い。

csinál チナール :“する”という意味の動詞。福井の方言で“する”の丁寧語は、“しなる”。“チ”と“し”の違いが残念。

akar アカル :“~したい”という意思を示す動詞。“食べたがる”“欲しがる”の“がる”が“akar”と近いか?

kettő ケットゥー :“2”の数詞。名古屋弁で“自転車”は“ケッタ”。“自転車”は“二輪”だから“2”。

béka ベーカ:“カエル”を意味する名詞。北東北や佐賀県で“カエル”は“ビッキ”と言うそうですが、ちょっと強引か。

sapka シャプカ:“帽子”を意味する名詞。秋田県では“帽子”を“しゃっぽ”と言うそうで、ちょっと近いかな。でも、フランス語の“chapeau”(シャポー)の方が音が“しゃっぽ”に近いか。

arc アルツ:“顔”を意味する名詞。逆の順番で書くと“cra(ツラ)”となり、意味が一致する。

 以上

年収は親の学歴と配偶者の年収で決まるのか

はじめに
最近は3Kと言えば、きつい、汚い、危険を連想する人が多いだろう。しかし、1980年代のバブル期は3高(高収入、高身長、高学歴)といった。医者と結婚したければ、医者になれば良いという。東大生と結婚したければ東大生になれば良い。そうかもしれないけどそれはそう簡単な話でもない。

アンケート
マクロミルのQuestantを使えば100名ぐらいの調査を1万円で調査できる。便利になったものだ。貧困のテーマでアンケート調査をした。あまり期待通りの結果ではなかったけど、それなりの傾向はでた。そこで得たデータを元に年収に対する重回帰分析をしてみたいと思った。

重回帰分析
回帰分析とは、ある事象Xとある事象Yの相関関係を分析する手法だ。つまり、年功序列型の給与体系であれば年齢と年収には高い相関係数があるはずだ。しかし、最近はそんな甘い社会ではない。では、年収の決定要因はなんだろう。重回帰分析とは、複数の変数と目的変数の関係を分析する手法だ。今回は、対象者の年齢、性別、学歴、父母の学歴、配偶者の年収などと年収との相関関係の分析にトライした。

重相関Rは1に近いほど相関関係がある
今回のサンプルだと重相関Rは0.93だった。これは結構高い数字だ。つまり相関関係があると言える。R2はRの二乗。注意すべきは補正R2だ。データ数が少ないと自由度の影響を受ける。R2は1に近いほど良いモデルであり、0.5以下では半分以下の説明しかできていないことになる。今回のR2は0.86なのでかなり良いモデルと言える。
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切片と係数
切片とはロケットの発射台だ。ここでは4.44となる。これは調査時の年収のラベル付けで、4が年収200-300万円、5が300-400万円なので、350万円弱を示している。また、その標準偏差が3.27なので、年収のばらつきが高い。これに対する係数が最も大きいのがF1_SEX(性)で-5.24となっている。つまり、男性の年収は女性の年収よりも格段に高いことを示している。次に係数が高いのが本人の学歴ではなくて、両親の学歴だった。

t値とp値
t値は影響度を示す。tの絶対値が大きいほど影響度が大きい。ここで分析した要因では配偶者の年収で22.75と非常に大きかった。一方、p値は危険率の小ささだ。F1_SEXと配偶者の年数のp値はゼロだ。両親の学歴も係数が大きいがt値は2.4程度とそれほど高くなく、p値も0.01ほどなので、それなりに影響を与えているということか。ただ、父の学歴は係数もt値もプラスの値だが、母の学歴はなぜかt値もp値もマイナスの値だ。母親の学歴が高いほど年収が下がるのはちょっと理解し難いが興味深い傾向だ。
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まとめ
重回帰分析を使いこなせると複数の要因のうちどの要因がどの程度の影響度を持っているのかを分析することができる。まだ、慣れていないので、基本的な間違いがあるかもしれないが、練習と思ってトライしてみた。今回の傾向が一般的な傾向なのか特異なのかは、一回の調査のみでは判断できない。ただ、本人の学歴の係数が0.06と低いのはちょっと驚きだった。また、金持ちは喧嘩をしないというが、現在よく家族で喧嘩する人の係数は-0.76なので、それを裏付ける結果だった。また、年齢の係数も0.31と低いので、年功序列型給与の時代ではないということだろう。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

コロナパンデミックとベーシックインカム

はじめに
コロナウイルスの感染者が世界中に広がっている。有効な処方箋の早期開発と早期リリースが待たれる。通常のインフルエンザと異なるのは免疫ができないことであり、また2回目の感染の方が重篤化することである。中国での発祥のピークは沈静化したが、現在は第二波の途中だ。問題は第三波が発生するか、抑制できるかという点かもしれない。また、今回の問題は、医学的な観点だけではなく、経済的な観点でも深刻な影響を世界に強いている点だ。その対応策としてベーシックインカムもしくはその派生について議論が活性化しているので、少しレビューしておきたい。

コロナウイルスの発生分布
下の図は、ジョンホプキンス大学のシステム科学工学センターが公開する分布データだ。発症数244,517人に対して、死亡者数10,030人、回復者86,025人だ。比率を単純に計算すると、致死率が4.1%、回復率(治癒率)が35.2%となる。
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 出典:Operations Dashboard for ArcGIS

年代別の致死率
先のデータでは回復率は35.2%だったが、中国疾病予防管理センターの調査では約8割が軽症で回復しているという。しかし、下の図にあるように高齢者ほど重篤しやすい。また、未成年でも、小児ぜんそくなどの疾患者や抗がん剤などの使用者は重篤化しやすいので、かかりつけの医師と十分に相談しておく必要がある。
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 出典:https://www.hokkaido-np.co.jp/article/395655

コロナウイルスの発症数の推移
下の図は、2020年1月末から3月上旬までの推移だ。中国では、最初のピークまで約2週間、そして沈静化するまでに4週間ほどかかっているように見える。中国が沈静化したと思ったら、2月下旬ぐらいから韓国で広がり、3月に入るとイタリアで広がる。日本では抑えられているようだが、これは感染者が抑えられている部分と検査自体が制限を受けている点に注意が必要かもしれない。いずれにせよ、ヨーロッパは近い段階でピークを迎えて収束すると期待される。しかし、問題は、これから広がる可能性のある北米だ。さらに言えば、南米やアフリカでもピークに向かうと仮定すると、地球規模で沈静化するのはさらに数ヶ月かかるのかもしれない。鍵を握るのは米国の動向だと思う。
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 出典:https://gigazine.net/news/20200312-what-happen-pandemic/

コロナウイルスとは
テレビや写真でもコロナウイルスの拡大写真が映し出される。ちょっと気持ち悪いけど、その形は確かに太陽の光冠(コロナ)のようだ。特徴は、RNAウイルスである点と、RNAウイルスの中ではゲノムサイズが大きいことだ。直径は80-220nmと微小だ。マスクの有効性が疑問視されるのは、この微小性からだ。かつて流行したSARSやMERSと同じコロナウイルスだが、その致死率は下の図だと3%程度と低く、感染力も比較的小さい。潜伏期間はMERSと同等程度だ。
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 出典:https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200131-00161096/

潜伏期間の分布
今回のCOVID-19の潜伏期間の分布図は見つからなかったので、代わりにMERSの潜伏期間の分布図を下に示す。潜伏期間が2週間と聞くと、なんとなく感染者全員が一律2週間で発病するように理解する人がいるが、そんことはない。下の図のように二項分布的なばらつきを示す。死亡した患者の潜伏期間は回復した患者の潜伏期間より若干短いようだが、大きな差異はない。中央値は7日程度だが、人によっては21日とかもあり得る。潜伏期間のばらつきを大きくすることはウイルスの生き残り戦略と言える。
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 出典:https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/22/3/15-1437-f1

ベーシックインカム
世界保健機関(WHO)の事務局長テドロス・アダノムは、COVID-19が世界に急速に広がり、衛生的な課題だけではなく、経済的な課題に全世界が直面して、崩壊の危機にあると説く。そして、世界500人以上の政治家や学者とともに抜本的な対策を講じることを提言している。それがベーシックインカムだ。世界の企業が倒産し、世界の市民が仕事を失い、経済が急激な不況に陥る。そんな大恐慌が懸念される。これに対応するにはすべての市民に最低限の生きるためのお金を支給する仕組みを今こそ実用化すべきと説く。
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 出典:
https://www.independent.co.uk/voices/letters/coronavirus-universal-basic-income-ubi-poverty-economy-business-migrants-a9408846.html


500の学者や政治家など
リストを見ると、Sarath Davala博士@インドベーシックインカムネットワーク、イサベル・ゲリン博士@フランス国立持続可能開発研究所、ガイ・スタンディング博士@FR米国プリンストン大学高等研究所、アーシャ・アミラリ博士@英国開発研究所、ニール・ハワード博士@英国バース大学、バーバラ・ハリス・ホワイト教授@英国オックスフォード大学(名誉教授)と、欧米の科学者や学者、教授、政治家が名を連ねている。日本人はいないのかと調べたら、次の2名が参画していた。なぜだろうと思ったら、岡野内教授は第19回BIENに参加していたようだ。自分も出席したかった。
 ・岡野内正教授@法政大学社会学
 ・山森亮教授@同志社大学経済学部
 出典:
https://www.independent.co.uk/voices/letters/coronavirus-universal-basic-income-ubi-poverty-economy-business-migrants-a9408846.html

ベーシックインカム アースネットワーク(BIEN)
BIENは1983年に3名のベルギーの大学の研究者で設立された。最初の国際会議は1986年9月に開催され、第19回の国際会議は昨年インドで開催された。今年の9月28日から30日までオーストラリアのブリスベンで第20回国際会議が開催される予定だ。今年は大きな進展が期待されている。
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 出典:BIEN | Basic Income Earth Network

様々な意見
(1) インド

第19回BIEN国際会議が開催されたインドでは、2020年には州レベルでベーシックインカム の導入が真剣に検討されている。賛否はあるし、総論賛成各論反対はいつでも起こり得るが、先行事例に期待がかかる。

(2) FBの共同設立者によるプロジェクト
クリスヒューズは奨学金ハーバード大学に進学した苦学生だったが、FBの立ち上げに参画し、3年間で5億ドル近くを稼いだ。20代半ばにして全米トップ1%のランクに加わった。そして、2年前に経済安全保障プロジェクトを立ち上げた。年間5万ドル未満の収入のすべての米国人労働者に月500ドルを支給するためだ。テクノロジーが発達し、新サービスを低廉な料金で利用できることは消費者として嬉しいが、その反面深刻な格差が拡大する。「米国経済のために働いているかぎり、米国はあなたの面倒を見ますよ。僕が提案しているのは、そういうシンプルなアイデアだ」と、ヒューズ氏はいう。逆に言えば、それほど米国内での経済格差が進んでいる。
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 出典:https://mopanews.wp-x.jp/?p=993

(3) 緊急ベーシックインカム(emergency basic income)
2020年の米国大統領選挙に民主党から出馬した実業家のアンドリュー・ヤンはベーシックインカムの導入を提唱した。18歳以上の米国民に毎月千ドルを支給するFreedom Dividendは、米国建国の父トーマス・ジェファーソンが提唱し、最近ではマーティン・ルーサー・キング・ジュニアが提唱したようだ。米国下院ではコロナウイルス救済パッケージを可決した。救済案は5億ドルの緊急援助を州に提供するが、ほとんどの失業保険プログラムでは仕事を探していることを証明する必要がある。毎週申請が必要だ。さらに州は5億ドルの緊急援助を受け取るために失業率が増加することを示す必要がある。いかにも官僚的で実用的ではない。そんな対応でコロナウイルスによるパンデミックに対応できるのだろうかと警鐘を鳴らす。
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 出典:Americans Need a Basic Income During the Coronavirus Outbreak | Washington Monthly

(4) 英国での対応
英国のアレグザンダー・ボリス・ド・フェファル・ジョンソン首相は、3月18日に、コロナウイルスの大流行する中で、一時的なユニバーサルベーシックインカム(UBI)の実施を検討すると表明した。3500億ポンドの企業向け支援パッケージをフォローアップするため、労働者を支援する計画を策定していますとTelegraphは伝えている。日本経済新聞では、英政府は医療体制の充実や労働者の休業補償の支援などを盛り込んだ300億ポンド(約3兆7500億円)規模の経済対策をすでに公表しているが、17日には企業の資金繰り対策として3300億ポンドの信用枠の新設も打ち出し、経済の底割れ防止策を相次いで打ち出していると報道した。まあ、内容には大きな齟齬はない。しかし、具体的に決定したわけではなく、英議会の議論で実施の可能性を問われ、「検討すべきアイデアの一つだ」と応じたに過ぎない。これからの実行力に注目と期待が集まる。
 出典:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56978020Z10C20A3EAF000/

まとめ
ベーシックインカムのような仕組みは有事の際には有効だと思っている。特に、世界的な経済恐慌に落ちいった時に、金利を下げても、公共投資を増やしても消費者は動かない。なぜなら消費すべきお金がないからだ。そのような時にはベーシックインカムは特効薬となるだろうし、有事に備えて、早めにトライアルをして、日本国民全員に効率的に支給する仕組みを整える必要があると思う。マイナンバーを使えば網羅性は整えられるかもしれないが、不信感が強い。銀行口座に振り込む方法でもいいけど、それも手間だ。個人的にはキャッシュレスの仕組みを導入するのがいいと思っている。コロナウイルスによるパンデミックは早期に沈静化してほしいけど、これを機会にテレワークやオンライン学習などの新しい働き方、学び方を始めるとともに、経済的にも精神的にも市民が健全に暮らせるような世界に向けての一歩を踏み出すきっかけにすべきと思う。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

MBAのプロジェクトに向けての戦略設定

はじめに
こども食堂ネットワーク事務局の方から直接いろいろとお話を伺うことができた。その現状や課題を踏まえて、MBA修論としてどのような切り口で料理するのか。シラバスの定義を踏まえて、どのような絞り込み方法があるのか、アイデアを一人ブレストしてみる。

こども食堂の現状と課題
1) 目的
こども食堂の目的は貧困問題の解決と地域の交流の活性化の両方だ。
2) プレーヤ
・利用者(子供)とその保護者(大人)と運営者(大人)が主たるプレーヤだ。
こども食堂の運営を通じて救われるのはこの全てのプレーヤというのが特徴だ。
・運営者は比較的資金的にも時間的にも余裕のある人が多いが、そうでない人もいる。
3) 付随的効果
・千葉台風直撃の災害時にはこども食堂が普段の実績と信頼関係をベースに活躍した。
・高齢者は運営者としてやりがいを感じている。孤食の解決にも貢献する。
4) 課題
・課題は多いが、会場の手配と資金の援助のスキームが特に重要。
5) ゴール
・地域密着という意味では小学校の2万拠点が1つの目標の身安となる。
・地方も問題だが、都心部は潜在化して、重篤化するためより重要だ。

MBAのプロジェクトとしての課題設定
シラバスには、成績評価の方法と基準について次のように記載されている。
1) プロジェクトの内容(50 %)
 以下の3つの観点から、「内容の意義深さ」を総合的に評価する。
・革新性…コンセプト(仮説)の発想の新しさ
・実現性・論理性…コンセプト(仮説)の実現可能性あるいは論証の正しさ
・発展性…コンセプト(仮説)の将来的な発展の見通し
2) 報告書の記述レベル(50 %)
 目次構成、図表、参考文献などについて定めた「プロジェクト報告書作成の手引き」を準用する。

プロジェクトのスケジュール
シラバスには、8月上旬に第一回の中間発表会、11月上旬に第二回中間発表会、そして、最終審査会が2月中旬にある。また、これに先立って2月上旬に報告書を提出する。また、第一回の中間発表会で重視されるのは革新性だ。その上で、第二回や最終審査会では実現性や発展性を含めて評価される。このため、革新的でないものはまず第一回の中間発表では評価されず酷評されることになる。多少、実現性がクエスチョンでも最初の発表会は大風呂敷を広げる方がいいのだろうか(笑)。

プロジェクトの対象の絞り込み
修論のテーマとしては、ベーシックインカムに始まり、貧困問題や地域の活性化から「こども食堂」に行き着いた。しかし、まだ修論のテーマとしては絞り込みが不足している。こども食堂をテーマにするにしてもなんらかの絞り込みが必要だ。現在のままでは、こうなるが、このような工夫(仮説)を講じることで、課題を解決して、さらにこんな効果も得られる。実現性もこうだと畳み掛ける。そのためには、いくつかの方法がある。想定されるのは次のような手法か。どれがいいのだろう。

1) 対象地区の絞り込み
 特徴のある地区や、課題のある地区に絞り込んで課題を設定して解決する。

2) 対象者の絞り込み
 今回のプレーヤには、利用者(こども)、利用者(保護者)、運用者(大人)、支援者、行政機関などがある。そのうちの特定の条件のプレーヤに絞り込む。例えば、ある年齢ゾーンの子供とか、シングルマザーの保護者に焦点を当てて、課題を解決する。

3) 利用場所の絞り込み
 こども食堂で利用されるのは、運用者の自宅だったり、小学校だったり、公民館だったり、学童だったりする。そのどれかをピックアップして課題を設定して解決する。

4) コラボ先の設定
 スポーツジムとか、学習塾とか、レストランとか、コンビニとか、民間の営利事業とのコラボの可能性とその有効性を検証する。例えば、スタバではクリスマスシーズンに子供を集めたイベントとかを実施している。老人ホームとのコラボとかも面白いかもしれない。

5) お寺や神社など伝統的な施設とのコラボ
 古代からの伝統を学ぶ方法もあるかもしれない。神社や寺を利用した例もあるけどマイナーだ。利用する上での課題やメリットを明確にすることは意義があるかもしれない。

6) 災害発生時のセーフティネットとしての意義
 千葉に台風が直撃した時には子供食堂の組織やネットワークをベースに活躍した事例がある。日本は災害大国である。これは発展性も大きいかもしれない。

7) フィンテックの活用
 経済的な貧困に対応するためフィンテックを活用する。例えば、こども食堂を利用する子供たちの証券口座を開設して、こども食堂の利用頻度に応じた少額の入金を行い、その資金を運用することの効果や留意点を子供自身に体験させる。この理念に共感する証券会社があるかどうか。そもそも小学生が証券会社の口座を開設できるのかどうか。しかし、これは革新的だし、貧困の解消にも貢献するかもしれない。 

8) アグリテックの活用
 農業体験とのコラボ。健康食品とのコラボ。精米していない米、精製されていない小麦から作ったパン、自然の塩。そういう健康に良い食物に関する知識を得て、体験して、食することには意義があるのかもしれない。

9) 美しい音楽とのコラボレーション
 こども食堂にBGMとして、美しい音楽をかけたり、アニメソングのような楽しい音楽をかけたり、ヘビメタロックのような刺激的な音楽をかけた場合に、子供たちの行動がどのように変化するのか、しないのかを検討するのも面白いかもしれない(笑)。

10) 海外の事例との比較
 まあこれはありがちだけど有効かもしれない。ただ、現地に行ってサーベイする必要がある。

まとめ
本年の8月や11月の中間発表に向けて、どのような方向で進むべきか苦悩は続く。しかし、悩んでいても仕方がない。可能性のある絞り込みの手法の革新性を比較して、新規性があり、実現性があり、発展性のある仮説を設定して深掘りしていくしかない。現段階ではコラボレーションの案と、災害対策時のセーフティネットとしての有効性を示す案と、フィンテックで貧困解消する案が面白いと思うが、どうだろう。

以上

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

子ども食堂の現状と課題(3/3)

はじめに
子ども食堂の始まりや最近の動向などについてまとめた。3回目は海外の動向を少し調べて、日本との違いを理解し、将来に向けての課題を考えるヒントとしたい。
出典:hiroshi-kizaki.hatenablog.com

海外での動向
子ども食堂は日本で広がっている。同様の活動が海外で行われているのだろうか。調べてみると、欧米各国での事例が確認できた。少しまとめておきたい。

(1) アメリカの朝食クラブ
ボランティア活動は米国の伝統だ。米国では1年間に6,200万人以上の人がボランティア活動を行っている。米国国民は約3.2億人なので、人口の約5分の1だ。素晴らしい。活動の上位は、募金活動が27%、食料の調理・配給活動が24%、清掃等の労働・輸送が20%、学習指導が19%、青少年への助言・指導が17%だ。沖縄では在日米軍子ども食堂の活動を支援しているという。米国本土では、朝食クラブという活動が普及している。2010年時点で12.5万校のうちの70%で実践している。1985年に上映された「Breakfast Club」は土曜日の朝に学校に集められた問題高校生5人の話だ。日本語名は、そのままカタカタにしたブレックファストクラブではなく、朝食クラブにして欲しかった。
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 出典:https://www.justwatch.com/jp/映画/the-breakfast-club

(2) イギリスの朝食クラブ
朝食クラブはイギリスの方が本場かもしれない。朝食クラブは、当初貧困対策だったために所得制限を設けていたが、それだとギリギリ当てはまらない子どもが参加できないため所得制限を外した。貧しい家庭の子どもと見られるのを避けた面もある。日本の学童保育は小1から小3の低学年の利用が多いが、イギリスでは年齢区分が複数あり、かつ広い。具体的には、0~8歳、0~17歳、3~11歳、3~17歳、4~8歳などだ。また、小学生だけでなく、乳幼児や中高生も一緒に過ごす場という。これは少子化が進む日本でも取り入れる価値のある考えかもしれない。朝食クラブの利用料金は、週あたりで9-14ポンドという(日本円では1200-1800円)。低所得層への補助が十分ではないという批判もあるようだ。
 出典:https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/other/pdf/7902.pdf

(3) ドイツの子ども体験レストラン(Leipziger Kinder-Erlebnis-Restaurant)
ドイツでは単に料理を作って食べるという場ではなく、様々な子どもたちの出会いの場や交流の場として子ども体験レストランが提供されている。例えば、野菜を栽培する。様々な国の料理や様々な階級の子どもや大人の交流を図る。Tafel e.V.(みんなの食卓)は1993年にライプティヒで設立し、ドイツ全土に広がり、現在は900を超える。モットーは、「与えられる物を、それぞれが与える」。消費期限間際の食品などが寄付され、低所得層の多い地区に設置された7カ所の拠点で希望者に1箱2ユーロ(約240円)で配布している。子どもがいる家庭なら牛乳やバターもおまけされる。クリスマスやハロウィンなど季節のイベントも実施している。下の写真はFBより。
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 出典:http://www.newsdigest.de/newsde/regions/reporter/leipzig/7502-1017/

(4) フィンランド子ども食堂(レイッキプイスト)
フィンランドは、ムーミンの故郷だ。2017年8月にヘルシンキを訪問した時は、街のカフェで人々がお洒落にワインを楽しんでいた風景が印象的だ。国土は日本の9割ほど、人口は530万人と北海道の人口528万人とほど同じだ。子どもたちを大切にするという点では世界トップレベルだ。資源の限られたフィンランドの未来を開くのは子どもたち。子どもを大切にすることが未来の国力や社会全体の幸福へつながるという考え方が根付いた。このため子ども貧富の格差が小さく、日本人の子供より学力が高い。単に受験勉強でななく、物事を考える力をつけている。その鍵になるのが能力もやる気も高い教師だ。子どもたちは教師になることを夢見るし、尊敬している。教師になることは簡単ではない。少なくとも大学院を卒業しなくてはいけない。教師はどのように子どもたちに教えるかの権限を与えられているので、色々工夫して、頑張る。日本が学ぶべき点は多いのではないか。ヘルシンキの市内には市営公園がある。レイッキプイストという。レイッキは遊ぶの意味でプイストは場所の意味だ。0歳から16歳までの子供には無料で昼食が配られる。100年の歴史がある。フィンランド育児支援には切れ目がない。特に有名なのは、育児パッケージだ。赤ちゃんの育児に必要な53点がぎっしり詰まっていて、しかもその外箱がベビーベッドになるという優れものだ。これは1937年に開始された。なお、第二子に対しては現金(約2万円)を選ぶこともできるようだ。
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 出典:https://dot.asahi.com/aera/2016063000262.html?page=1

子ども食堂のさらなる発展に向けての検討事項
(1) 本当に使って欲しい子どもや親に対していかに届けるか

 貧困家庭の問題は経済的な貧困や精神的な貧困だけではなく情報面や知識面での貧困に悩まされていることだ。公的な福祉制度自体を知らないことがある。子ども食堂を開催してもその存在を知らなければ利用することはできない。頼るべき家族も地域もないという最底辺の親子をいかに救うのかは本当に難しい問題だ。そのためには、子ども食堂の活動を広げ、継続し、知名度を高めることが王道かもしれない。人伝てでも知ることができれば利用につながるかもしれない。また、住所がわかれば食事を配達する子ども宅食の試みも有効かもしれない。2018年3月にインテージリサーチが実施した子ども食堂の認知度調査では72%の認知度だったが、2019年3月の調査では82%に向上した。
 出典:子ども食堂、知っている人が8割に ~世代間交流や地域活性化、高齢者の孤立対策への広がりも~|株式会社インテージホールディングスのプレスリリース

(2) 増大するスタッフの負担
先述のインテージリサーチの調査では、運営に関わってみたいかという質問に、はいと回答した人が2018年3月に25%いたのに対し、2019年3月では19%に低下した。興味はあるが、具体的なイメージがわかないや、あまり興味はないと回答する人が増えている。今後、利用する子どもを増やしたり、頻度を高めたり、拠点を増やすためには、適正なスタッフを揃えることが非常に重要となる。
農林水産省の調査によると、最も多いのが地域住民の64%、続いて大学が組織したボランティア等が53%、民生委員の49%、NPO団体の33%だ。個人ベース、団体ベースの参加協力を募り、適正に運営することが必要だ。また、運営規模が大きくなると調理スタッフの確保や衛生面での体制整備も課題となる。
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 出典:https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/set00zentai.pdf

(3) 経済的な支援
子ども食堂の運営を支えるのは助成金と寄付だ。助成金なしで運営しているケースもあるが、助成金を受けていても十分ではない。かと言って運営者の持ち出しでは長続きしない。フードバンクからの食材提供や福祉団体経由での寄付や直接の寄付を募って凌いでいるのが実態だ。信州こどもネットワークでは寄付金を受け取りに行くためのガソリン代の経費にも困っているようだ。CSR活動に積極的な企業や法律的に社会活動を必須とする各種財団からの寄付などを募ると同時に、個人からのダイレクトな寄付やクラウドファンディングを活用した集金など資金繰りは永遠の課題だ。また、前述のスタッフの待遇を改善するためにも資金は必要だ。

貧困問題としての課題
子ども食堂は素晴らしい取り組みだが、貧困問題の観点からみると、いかにして負の連鎖を断ち切るかが課題となる。その意味では、子ども食堂を継続的に運営するための資金的な仕組みの強化に加えて、子どもが中高を卒業した後の就職や進学の道筋を立てられるように支援することが重要だ。

(1) 進学育成支援
生活保護を受けていた子供の大学等の進学率は33%(2016年4月時点)という。これは全世帯での進学率73%の半分以下だ。知らなくてびっくりしたのだけど、現在の制度では、大学等に進学しながら生活保護を受けることができない。これは生活保護法第4条で、「保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる」と規定されており、18歳になると自立のため働いて収入を得ることが求めらるからだという。このため、大学に進学するものは、生活保護から外れ、アルバイトや奨学金で生活費や学費を賄う必要がある。自分は、生活保護は受けていなかったが、いわゆる母子家庭で生活も苦しかったので、高校か高専までは進学させるがそれ以上は無理だと言われた。そのため、必死に勉強して高専に入学した。高専では最初の前期だけ授業料を支払ったけど、その後の4年半は授業料免除だった。しかも、給付型の奨学金ももらえた。特に1年から3年は高校生並みなので食費程度(4500円)だったけど、4-5年は大学並みということで確か1.2万円/月でかつ食費はそのままだったので、差額で余裕が出たのが本当に嬉しかったことを覚えている。進学を後押しするために、「進学準備給付金」の支給が2018年より始まった。自宅通学生に10万円、自宅外通学生に30万円の一時金が支給される。十分ではないがありがたい。給付型の奨学金を調べると国立と次第、自宅通学か自宅外通学か、また世帯の所得区分によって支給額が異なっていた。
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 出典:生活保護世帯の大学等進学の現状と進学を支援する制度とは | ファイナンシャルフィールド

(2) 就職・就業支援
大学への進学は必須ではない。手に職をつけて仕事をマスターしていくことも立派な選択肢だ。現在、自分は建設業法に基づく監理技術者として工事現場の安全管理を統括する仕事をしている。しかし、建設工事については正直素人だ。職人さんがしていることを代替することなどとてもできない。作業を見ているだけで感心することも多い。これは日本人の良き特性かもしれないが、職人さんは仕事が丁寧だし、自負を持っている。段取りなどもいろいろ考えて提案してくる。海外との国力の違いは、このボトムアップの力の差だと思う。
技能五輪をご存知でしょうか?国際大会は2年ごとに開催されワールドスキルズインターナショナル(WSI)と呼ばれる。都道府県と中央職業能力開発協会は共催で毎年技能五輪全国大会を開催している。また、20歳以下の若者を対象に中央職業能力開発協会の主催で、若年者ものづくり競技大会(技能五輪ユース大会)などが開催されている。技能課題は下のように多彩だ。それぞれに歴史があり、技術がある。AIが進歩しても、ロボットが進歩しても、しばらくは食っていけるだろう。目指すべきゴールを見つけて欲しい。
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 出典:第30回 競技課題等 : 中央職業能力開発協会(JAVADA)

まとめ
子ども食堂子供食堂こども食堂といった記載がある。このブログでは便宜上子ども食堂で統一したがどれが正解なのだろうか。子ども食堂の運営はぜひ日本国内で広がって欲しいし、定着して欲しい。しかし、人の問題、金の問題、運用の問題など課題は多い。また、子ども食堂の運営は手段であって目的ではない。目的は貧困問題や貧富の格差の問題の解決や改善であるべきだ。その意味では、子ども食堂の運営をいかに発展・継続するかと、そこで子どもたちに何を学んでもらうのか、そして、いかに自立していくのかが大事なテーマのはずだ。海外での事例ではやはりフィンランドの成功例が目を引く。子どもに投資せずに国の未来はないと国民も政府を腹を決めて強化した。その成果は確実に出ている。無い物ねだりをするつもりはないが、30年後、50年後の日本社会が笑顔に溢れているのはどうすればいいのだろうか。課題は尽きない。

以上

最後まで読んで頂きありがとうございました。

子ども食堂の現状と課題(2/3)

はじめに
子ども食堂がどのように始まったのかを前回紐解いた。1日にバナナひとつしか食べれない子ども。学校以外に居場所がない子ども。空腹感を忘れるためにシンナーをやめられない子ども。そんな子どもたちに食事を提供したい。大人と一緒に笑い合える居場所を提供したい。心の居場所を提供したい。そんな想いに共感する人が助け合い、草の根活動的に全国に広がっているのが子ども食堂だ。
 出典:
hiroshi-kizaki.hatenablog.com


課題
現状の課題は山積している。農林水産省の調査によれば、本当に来て欲しい親子が来ないことが第一に多い悩みだ。第二が資金繰り、第三がスタッフの負担増だ。子ども食堂は貧困に苦しむ子どもたちのサポートが出発点だったけど、貧困問題を前面に出さない子ども食堂が多い。子どもなら誰でもとか、大人でも誰でも利用できるところも多い。そうしないと本当に来て欲しい親子が来ないからだという。貧困は都心でも発生する。青山とか赤坂といったきらびやかな街に住むのは富裕層が多いが、そうでない子もいる。経済的には困っていなくても、いつも孤独感を感じる子どもたちも日本は海外に比べて多いとUNICEFの調査でも報告されている。
 出典:hiroshi-kizaki.hatenablog.com

子ども食堂の最近の動向
そもそもが草の根活動なので、その活動内容や動向は多様だ。この多様性が大事なのかもしれない。その中でも気になる動向を6つほどピックアップしてみたい。

(1) コンビニの参画
ファミリーマートは、2019年3月から全国約2千の店舗で「ファミマこども食堂」を開始した。ファミリーマートでは、2018年度に関東地区で小規模なトライアルをして好評だったので、今回の拡張に踏み切った。小学生までは100円、中学生以上は400円で弁当や飲料などを提供する。しかし、ネットでは一部反対意見で炎上した。コンビニの従業員は過重労働で大変だとか、賃金をあげるのが先決だとか、子どもにまでレジ打ちさせるのかとか。しかし、湯浅誠教授がブログで説明するように、子ども食堂は地域交流の促進と子どもの貧困対策の両面を狙っている。多くは多世代交流型の地域交流拠点として運営されている。つまり、子ども食堂は「貧困対策だけの場所」ではないし、「福祉分野のもの」でもない。子ども食堂は、ファミマに限らず多くのコンビニや企業からの支援や協力を得ながら進めている地域交流活動ということをまずは理解すべきだ。
 出典:https://news.yahoo.co.jp/byline/yuasamakoto/20190517-00126355/

(2) 体験活動
後述するが、ドイツでは子ども体験レストランが人気だ。子どもに食事だけではなく、いろいろなことを体験してもらって、気づきを与えている。農林水産省による調査でも、下に示すように、家庭の団欒を知らない子どもにとっては貴重な体験の場となっている。配膳の手伝いをすると人の役に立つことの喜びを感じるかもしれない。食材の知識など聞いたことがない子どもは、貧困層に限らず多いだろう。作法や健康や伝統や子どもたちに伝えたいことは一杯ある。昔ならおじいちゃんやおばあちゃんや近所のおばちゃんや親戚の人やいとこや地域の祭りなどの場で子どもたちは吸収してきたのかもしれない。しかし、最近の核家族化で、働く母親に育児を押し付けてもそれは無理だ。できる人ができることをみんなで助け合ってやっていく。無理のない範囲でみんなで楽しみながらやっていく。そんなことが子ども食堂の特徴だ。
f:id:hiroshi-kizaki:20200315114603p:plain
 出典:https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/syukeikekka.pdf

(3) 子育てが一段落した主婦の参画
子ども食堂の活動はボランティアベースだったり、NPO法人を立ち上げて対応したり色々だ。そして、その中での中心的役割を果たしているのが、子育てに一段落した主婦層と言われている。統計的な数字等はないけど、多分そうなのだろう。主婦には料理が好きな人も、得意な人も、そうでも無い人も色々いるだろうけど、こういった活動を通じて参加者自身が学ぶことも多いかもしれない。子ども食堂が、そんな相互に幸せを感じられる場になっているとしたら素晴らしいことだ。

(4) シルバー食堂
少し脱線するが、子供ではなく、お年寄りを対象にした食堂が企画された例がある。焼津市の創業32年の老舗日本料理「中重」は地元への感謝の気持ちを伝えるとともに、お年寄り同士の交流の場を提供しようと敬老の日にシルバー食堂を開催した。参加したのは、近所に住む一人暮らしの7名で、69歳から84歳が孤食ではなく、地域での交流を楽しんだ。子ども食堂とシルバー食堂のコラボにも期待したい。
f:id:hiroshi-kizaki:20200315120522p:plain
 出典:https://www.fnn.jp/posts/1981SUT

(5) 小学校で子ども食堂
少子化に伴い生徒数が減少する小学校が多い。先月訪問した茨城県美浦村には3つの小学校があるが、それを1つに統合する予定だという。でも、いらなくなった校舎をどのように活用するのだろう。磐田市では、小学校の校舎を子ども食堂の活動に活用してもらうための検討を始めた。これは、朝ごはんを食べてない児童に対する取り組みだ。具体的には、「みんなで朝ごはん事業」として、市内の小学校の家庭教室で地域住民が主体となって朝食を作る取り組みだ。静岡県の庁舎では、磐田市内の小中学生約1万3千人のうち約230人が朝食を食べずに登校している。この子供たちがターゲットだ。
 出典:https://mainichi.jp/articles/20190531/ddl/k22/010/217000c

(6) こども宅食の試み
子ども食堂というと子どもや保護者に食堂に来てもらって食事を楽しんでもらう活動だ。でも、なかなかそこにいけない家庭も多いだろう。文京区では、6つの団体と連携してモデルを作り、生活の厳しい子どもの家に定期的に食品を届ける活動を開始した。こども宅食は150世帯からスタートし、年間では442世帯に配送した。2018年度には年間2,965世帯に配送し、さらに広げている。また、活動の資金は寄付に依存しているが、その寄付が好調だ。令和元年では、目標額の6千万円に対して83,696,000円(1,233件)の寄付が集まっている。寄付をしてくれた方々の名前もホームページで掲載して感謝の意を評している。素晴らしい。子ども宅食の活動は日本全国に広がるだろうか。
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 出典:https://kodomo-takushoku.jp

海外での動向
日本だけではなく、子ども食堂の活動は海外でも行われている。代表的な活動を少し紹介したいけど、将来に向けての課題を含めて、これは次項に回すことにしたい。
(1) アメリカの朝食クラブ
(2) イギリスの朝食クラブ
(3) ドイツの子ども体験レストラン(Leipziger Kinder-Erlebnis-Restaurant)
(4) フィンランド子ども食堂(レイッキプイスト)

まとめ
子ども食堂の活動が草の根的に全国に広がっている。子ども宅食という新しい試みも始まっている。海外でも同様の活動は進められている。これはもしかすると、人口減少問題に対する人類の知恵の戦いなのかもしれないと感じる。

以上

最後まで読んで頂きありがとうございました。