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水耕栽培ビジネス(Infarm)の破壊的戦略のプレゼンは成功!でも大失敗(涙)

はじめに
2020年度の夏期集中講座には、アントレプレナーシップ論を受講することにした。最後の最後にどんでん返しがあるのをまだこの段階では知らない。

Infarmの破壊的戦略
講義は7回あり、その最後の講義は学生がプレゼンして、学生が質問して、学生が回答する。先生はそれを見て参考にする。そんな構図を予定していたようだが、発表者によってはあまり質問が出ずに、仕方なく先生が質問役に回ることもあった。

3つの課題
Infarmとは、平石客員教授が日本の代表を務めるグローバルなスタートアップだ。ベルリンが本拠点でノウハウを蓄積している。それが成功するために、次の3つの課題を考えて、発表するものだ。
1) それは新市場型破壊になり得るのか?
2) ローエンド型破壊になり得るのか?
3) 全ての大企業にとって破壊的だろうか?

破壊的戦略のゴール
自分は、3つの問に対しては、全てYESとした。そして、そのゴールとして、「食事に笑顔を!」を設定した。美味しく、新鮮で健康に良い水耕栽培の野菜で子供もお年寄りも、家族もみんながハッピーになる。そんな世界を設定した。しかし、20人ほどの学生がそれぞれ発表すると、完全否定はいなかったけど、部分否定や条件否定もあった。もちろん、否定していけないわけではない。現在の状況ではノーだけど、この環境が整備されればYESということもありえる。大切案ことはその根拠や理由が明確なことだ。
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市場を牽引するエキゾティック野菜
Infarmは水耕栽培のパイオニアではない。すでに先行他社が市場を形成しようとしている。そこに参入するには、勝つための算段が必要だし、Infarmの代名詞になるようなインパクトのある商材が必要だ。自分は、それをエキゾチック野菜とした。瑞々しい緑の野菜に対して、赤い野菜だ。飛び上がるような唐辛子なども面白いかもしれない。Infarmの知名度を高めるような商材を手に入れて、知名度アップがまずは必要だろう。水耕栽培は世界的には2020年から2025年にかけて平均6.8%の成長率が見込まれている。特に欧州では40%以上の高成長が見込まれている。日本の市場はどうなのだろう。
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出典:Hydroponics Market | Growth, Trends, and Forecasts (2019-2024)

3つのマーケットモデル
戦略のゴールができて、代名詞となる商材も決まったら、次はやはり流通チャネルだろう。

モデル1:商業施設との連携
現時点では、スーパーマーケットの一角にInfarmのコーナーを設定してもらって、出来立ての野菜を販売するモデルのようだ。つまり、下の図で言えば、モデル1の商業施設との連携だ。ここで気になるのは、いつどのようにして、スーパーがInfarmに発注するのかだ。コア施設で種から苗に育て、スーパーではその苗から最終商品の段階まで育てて、販売する。個人的には、苗を商品として納品し、スーパーがどの段階で販売するかはスーパーに任せる考えを提案した。例えば、成長段階に応じて、50%ランク、70%ランク、90%ランク、100%ランクとして、そのそれぞれのランクによって、販売価格を割り引くのはどうだろか。例えば、50%ランクなら100%ランクの商品の50%で販売する。これなら消費者は、育てる楽しみと安い苗を変える。一方、多忙な消費者なら100%ランクを買えば良い。
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モデル2:集合施設との連携
最近、サービス付き老人ホームを見学した。施設は綺麗で、食事も美味しかった。環境も良い。以前は60歳から入居できたけど、長寿化に伴って、最近では70歳以上という条件をつけている。そのうち、80歳以上になるかもしれない。そんな高齢者向けの施設や子供の集う施設、学校施設などであれば、水耕栽培で野菜を育てる楽しみ、鑑賞する楽しみ、そして食する楽しみを得られるのではないだろうか。
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モデル3:家庭栽培との連携
水耕栽培キットは数万円で購入できる。種から育てる楽しみから人気だ。でも、種から育てるのは結構大変だ。このため、コア施設で購入者が希望するランクまで育てて、それを宅配便で送り届ける。例えば、残り1週間で食べごろになるような野菜や果実はどうだろう。1週間ほどは育てる楽しみや鑑賞する楽しみを堪能して、最後にみんなでワイワイと食する。そんな世界は素敵だと思う。
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課題1:それは新市場型破壊になり得るのか?
水耕栽培にトライしたいと思っても、やはり基本的な知識やノウハウは必要だろう。そんな家庭菜園のいろはをセミナーで開催したり、新鮮な野菜を活用した料理教室などでファンのネットワークを広げ、それを支援するのはマーケティングアプローチとしても有効だと思う。知らなかったけど、水耕栽培士と言った資格もある。そんな人に講師になってもらって、水耕栽培のムーブメントを加速できないものだろうか?
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出典:https://kaigo.human-lifecare.jp/facilities/ds101_Nagazumi/detail/726.html

課題2:ローエンド型破壊になり得るのか?
水耕栽培にトライして、種から野菜までうまく育てる人もいるだろう。でも、多忙だったり、不器用だったり、知識がない人でも、90%まで育てた野菜なら100%まで育てることはできるだろう。育てる楽しみ、見る楽しみ、食べる楽しみを良いとこ取りをしたい人はターゲットになるだろう。人は、自分で育てた野菜なら、多少の傷やくぼみを気にしない。自分が育てたという思いが、愛情につながる。より美味しく感じる。そんな心情をうまくビジネスに取り込みたいと思う。
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出典:ウチダ理科カタログ 小学校

課題3:全ての大企業にとって破壊的だろうか?
90%まで育てた野菜を消費者が受け入れるかどうかの肝はやはり品質管理だと思う。それは出荷前に行うInfarmによる品質管理と、消費者が100%となったことを知るための品質管理だ。LEDの輝度管理や、栄養水の管理などはInfarmがするべきマストだ。しかし、大切なことは、食べ頃を消費者が理解できるツールを用意することだ。糖度検査ツールは高価だ。そうではなく、スマホで野菜を撮影して、その形状や色彩で成熟度を判断できるようなアプリを開発することを提案する。まさにAI技術を活用して、数多くの野菜を撮影して、品質を精査して開発するとともに、提供してからも消費者が野菜を撮影することでそのデータは飛躍的に増えるし、精度も高まる。口コミとセットにすれば、SNSによる口コミが宣伝にもなる。これはいけるだろう。
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出典:https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/senmon/1810/chosa01.html

破壊的戦略のためのアイデア
1) F1種の活用

F1種とは、美女と野獣の組み合わせだ。つまり、見た目が綺麗だけど病弱なトマトと、見た目は良くないけど病気に強いトマトを掛け合わせると見た目が綺麗で病気に強いトマトができる。これを第一世代と言うことでF1という。F1はいいとこ取りだけど、F2はだめだ。美男と美女のカップルの子供が意外と地味だったりするのは遺伝子のなせる技だ。
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出典:https://ameblo.jp/zeronou/entry-12087680521.html

2) ソーラシェアリング
CO2の排出量を削減するという命題のためにソーラー発電所があちこちに建設されているけど、個人的にはあまり好きでない。一つは美しくないこと、そして土地が死んでしまうこと。さらに天災に弱いこと。台風に直撃されたら一発でアウトではないだろうか。しかし、農業とソーラーの組み合わせはおすすめだ。農業は年間計画で仕入れて、育てて、回収するリスキーなビジネスだ。しかし、ソーラーなら定期的に日銭を稼ぐことができる。しかも、ソーラーの下でも水耕栽培なら空間の有効活用となる。
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出典:https://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1610/17/news018.html

3) 根腐れ防止技術
水耕栽培でのリスクの一つは根腐れだ。これは水の流れが滞ると起こりやすい。水の流れを改善すれば解決するが、その強力な改善ツールがナノバブルを発生する装置だ。これは単に根腐れを防止するだけではなく、酸素濃度を高めるナノサイズのバブル発生器だ。水中には、直径100nmの泡が1ミリリットルに1億個以上発生し、根の周りの微生物を活性化する。
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出典:https://make-from-scratch.com/suikou-micro-bubble/

4) LED光量制御
Infarmの考える水耕栽培ではLEDの光を活用するのが基本だ。しかし、ただ照明を付ければ良いというものではない。苗の成長段階に応じた調整が必要だ。例えば、種から苗に育てる時には、5,000ケルビン(K)の光が良い。成長段階では、5,000〜7,000Kの強い照明が必要だ。そして、開花には、光量を2,000-3,000Kに抑える。そんな風な光量制御が求められる。
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出典:5 Common Hydroponics Problems and How to Solve Them [Full Guide]

5) 古代バビロンでの水耕栽培
アステカとは1428年から1521年まで北米のメキシコ中央部に栄えた国家だ。ここに住んでいたアステカ族はトウモロコシ、スカッシュ、豆、アマランス、トマト、唐辛子を水耕で栽培していた。水耕栽培は古代バビロンや古代インド、ギリシャ、中国、エジプトにも存在した。ミャンマーのインレー湖で伝統的な水耕栽培システムが今も使用されている。
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出典:http://eedu.jp/blog/2014/04/01/inle_hydroponic/

まとめ
火曜日に予告され、木曜日にテーマが決定し、土曜日に発表というタイトなスケジュールだったけど、水耕栽培に興味を持って下調べをしていたので、なんとなくストーリーを妄想して、プレゼンテーションペーパーを作成した。想像したよりも先生は評価してくれたようだ。ただ、大変な落とし穴があった。どうも、この授業の仮予約はしていたが、本登録をしていなかったようだ。先生からは、7回とも全部出席して、発表も素晴らしかったけど、事務局から本登録していない人の評価は不要と連絡があったらしい。ガビョーン!

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。