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MBAのプロジェクトに向けての戦略設定

はじめに
こども食堂ネットワーク事務局の方から直接いろいろとお話を伺うことができた。その現状や課題を踏まえて、MBA修論としてどのような切り口で料理するのか。シラバスの定義を踏まえて、どのような絞り込み方法があるのか、アイデアを一人ブレストしてみる。

こども食堂の現状と課題
1) 目的
こども食堂の目的は貧困問題の解決と地域の交流の活性化の両方だ。
2) プレーヤ
・利用者(子供)とその保護者(大人)と運営者(大人)が主たるプレーヤだ。
こども食堂の運営を通じて救われるのはこの全てのプレーヤというのが特徴だ。
・運営者は比較的資金的にも時間的にも余裕のある人が多いが、そうでない人もいる。
3) 付随的効果
・千葉台風直撃の災害時にはこども食堂が普段の実績と信頼関係をベースに活躍した。
・高齢者は運営者としてやりがいを感じている。孤食の解決にも貢献する。
4) 課題
・課題は多いが、会場の手配と資金の援助のスキームが特に重要。
5) ゴール
・地域密着という意味では小学校の2万拠点が1つの目標の身安となる。
・地方も問題だが、都心部は潜在化して、重篤化するためより重要だ。

MBAのプロジェクトとしての課題設定
シラバスには、成績評価の方法と基準について次のように記載されている。
1) プロジェクトの内容(50 %)
 以下の3つの観点から、「内容の意義深さ」を総合的に評価する。
・革新性…コンセプト(仮説)の発想の新しさ
・実現性・論理性…コンセプト(仮説)の実現可能性あるいは論証の正しさ
・発展性…コンセプト(仮説)の将来的な発展の見通し
2) 報告書の記述レベル(50 %)
 目次構成、図表、参考文献などについて定めた「プロジェクト報告書作成の手引き」を準用する。

プロジェクトのスケジュール
シラバスには、8月上旬に第一回の中間発表会、11月上旬に第二回中間発表会、そして、最終審査会が2月中旬にある。また、これに先立って2月上旬に報告書を提出する。また、第一回の中間発表会で重視されるのは革新性だ。その上で、第二回や最終審査会では実現性や発展性を含めて評価される。このため、革新的でないものはまず第一回の中間発表では評価されず酷評されることになる。多少、実現性がクエスチョンでも最初の発表会は大風呂敷を広げる方がいいのだろうか(笑)。

プロジェクトの対象の絞り込み
修論のテーマとしては、ベーシックインカムに始まり、貧困問題や地域の活性化から「こども食堂」に行き着いた。しかし、まだ修論のテーマとしては絞り込みが不足している。こども食堂をテーマにするにしてもなんらかの絞り込みが必要だ。現在のままでは、こうなるが、このような工夫(仮説)を講じることで、課題を解決して、さらにこんな効果も得られる。実現性もこうだと畳み掛ける。そのためには、いくつかの方法がある。想定されるのは次のような手法か。どれがいいのだろう。

1) 対象地区の絞り込み
 特徴のある地区や、課題のある地区に絞り込んで課題を設定して解決する。

2) 対象者の絞り込み
 今回のプレーヤには、利用者(こども)、利用者(保護者)、運用者(大人)、支援者、行政機関などがある。そのうちの特定の条件のプレーヤに絞り込む。例えば、ある年齢ゾーンの子供とか、シングルマザーの保護者に焦点を当てて、課題を解決する。

3) 利用場所の絞り込み
 こども食堂で利用されるのは、運用者の自宅だったり、小学校だったり、公民館だったり、学童だったりする。そのどれかをピックアップして課題を設定して解決する。

4) コラボ先の設定
 スポーツジムとか、学習塾とか、レストランとか、コンビニとか、民間の営利事業とのコラボの可能性とその有効性を検証する。例えば、スタバではクリスマスシーズンに子供を集めたイベントとかを実施している。老人ホームとのコラボとかも面白いかもしれない。

5) お寺や神社など伝統的な施設とのコラボ
 古代からの伝統を学ぶ方法もあるかもしれない。神社や寺を利用した例もあるけどマイナーだ。利用する上での課題やメリットを明確にすることは意義があるかもしれない。

6) 災害発生時のセーフティネットとしての意義
 千葉に台風が直撃した時には子供食堂の組織やネットワークをベースに活躍した事例がある。日本は災害大国である。これは発展性も大きいかもしれない。

7) フィンテックの活用
 経済的な貧困に対応するためフィンテックを活用する。例えば、こども食堂を利用する子供たちの証券口座を開設して、こども食堂の利用頻度に応じた少額の入金を行い、その資金を運用することの効果や留意点を子供自身に体験させる。この理念に共感する証券会社があるかどうか。そもそも小学生が証券会社の口座を開設できるのかどうか。しかし、これは革新的だし、貧困の解消にも貢献するかもしれない。 

8) アグリテックの活用
 農業体験とのコラボ。健康食品とのコラボ。精米していない米、精製されていない小麦から作ったパン、自然の塩。そういう健康に良い食物に関する知識を得て、体験して、食することには意義があるのかもしれない。

9) 美しい音楽とのコラボレーション
 こども食堂にBGMとして、美しい音楽をかけたり、アニメソングのような楽しい音楽をかけたり、ヘビメタロックのような刺激的な音楽をかけた場合に、子供たちの行動がどのように変化するのか、しないのかを検討するのも面白いかもしれない(笑)。

10) 海外の事例との比較
 まあこれはありがちだけど有効かもしれない。ただ、現地に行ってサーベイする必要がある。

まとめ
本年の8月や11月の中間発表に向けて、どのような方向で進むべきか苦悩は続く。しかし、悩んでいても仕方がない。可能性のある絞り込みの手法の革新性を比較して、新規性があり、実現性があり、発展性のある仮説を設定して深掘りしていくしかない。現段階ではコラボレーションの案と、災害対策時のセーフティネットとしての有効性を示す案と、フィンテックで貧困解消する案が面白いと思うが、どうだろう。

以上

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。