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2020年の上り坂傾向x10選

はじめに
MBAのレポートで食品産業について調べてみたら、いろいろ新しい傾向を再認識した。でも、奥さんに聞いたら知っているよと軽く流されてしまった(汗)。折角の年始なので、縁起のよさそうな上り坂についてまとめてみたい。

世界の人口
十数万年前のホモ・サピエンスの頃には一体地球上にどの程度の人がいたのだろう。人口が急激に増加したのはやはり産業革命の時期だろう。1950年から1987年の37年間で世界の人口は25億人から50億人に倍増した。そして、2050年には98億人は通過点で2100年の110億人をピークに減少傾向に向かうと予想されている。
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 出典:https://yutasato2001.exblog.jp/239618036/

穀物の生産量と需要量
下の図は、1970年から2009年までの穀物の生産量と需要量の推移だ。これを見ると、需要量は滑らかな増加曲線を描いている。これに対して、生産量は上がったり、下がったりしながらも、需要の増大に追随している。これはどういうことかと言えば、やはり気候の変動等により生産量が増えたり、減ったりする。生産量が需要量を超えると在庫が増え、逆に生産量が需要量を下回ると在庫が減る。在庫が減ると穀物の価値が上がり、生産意欲が増加して、生産量が増加する。そんなメカニズムが働いているように感じる。
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 出典:https://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h21_h/trend/part1/chap1/c1_01.html

水産物の輸出量
日本は農産物の輸入国だ。ちょっと古いけど2004年時点では輸入が415億ドルに対して、輸出はわずか19億ドルだった。農産物の輸入はほぼ横ばいだけど、輸出は右肩上がりに増加している。農林水産省は2020年までに1兆円を超えることを目標にしている。2013年に5,505億円だったものが、2017年には8,071億円、2018年には9,068億円と順調に伸ばしていたが、輸出先トップの香港の混乱もあり、2019年の1兆円突破は難しいようだ。しかし、世界の輸出大国である米国やドイツに比べると10分の一の規模だ。東アジアへの輸出を考えると20兆円の市場にもなる。まずは目指せ10兆円か。
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 出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000288.000026157.html

長いも導入による一戸あたり生産額
オランダではシリコンバレーならぬフードバレーが成功している。これはいわば農業の産学官連携だ。日本でもフードバレーとかちと呼ばれるエリアで農業の研究開発施設の集約が進んでいる。ここでの成功例の一つが、長いも栽培だ。夕張市から導入した種子が気候風土にマッチして生産額が増加した。ここまでの収益性を実現できれば、農家を目指す人も増えるのではないだろうか。
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 出典:https://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2016/2016honbun/i2340000.html

健康志向チョコレート市場
2016年の頃から健康志向のチョコレートの市場が急速に拡大している。2017年7-8月にエストニア に旅行した時にもカカオ90%とか100%のチョコがいっぱい売っていたので、日本だけではなく、世界的な動向かもしれない。この理由はカカオポリフェノールの効用だ。有名なのは、血圧低下とか、動脈硬化予防、美肌効果などだ。しかし、ポリフェノールは長くは持続しないので、チョコメーカは1日に数回チョコをこまめに食べることを勧めている。商売上手(笑)。
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 出典:https://www.meiji.co.jp/sweets/chocolate/chocokoka/howto/

ミールキットの急拡大
外食はほぼ横ばいだけど、内色が増えている。特にお惣菜系や食品宅配市場が堅調だ。食品宅配市場は2018年には前年度比2.8%増の2兆1,399億円だ。また、レシピと調理に必要な食材がセットになったミールキット の伸びがすごい。下の図にあるように知名度は2年で4倍に増えた。2019年3月期のKit Oisixの売り上げは、20%増の296億円まで伸びた。忙しい働く主婦や若いママの強力な見方だ。
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 出典:https://www.oisixradaichi.co.jp/news/posts/kit_ninchi/

2050年には100歳以上の高齢者が50万人を超える
2016年時点では100歳以上の高齢者は6.6万人だったが、それが2049年には51.4万人まで増加する見込みだ。年率で3%の増加だ。しかし、高齢者を65歳と固定的に定義することには疑問がある。国連が高齢者を65歳と決めた1956年当時の平均寿命は65歳だった。高齢者の定義を平均寿命と定義するならば、高齢者の定義は85歳とすべきかも。そうすると下の図もだいぶ異なる。
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 出典:https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/2050_keizai/pdf/001_04_00.pdf

単身世帯比率は2040年には39.3%にまで拡大
地方の小学校に行くと、子供がのびのびとしている。なぜかと学校の先生に聞くと、この辺りは三世代同居が多いからだという。しかし、都内の小学校に行くと子どもが元気がないというか、だらだらとしている。なぜかと学校の先生に聞くと、この辺りは共稼ぎが多くてという。小学校なのに、数万円するシューズを忘れても取りにもこないという。どういうことか。子供にお金だけは渡しているけど、愛情を注ぐ時間が少なくて、寂しい子供等が多いような気がする。しかし、下の図を見ると、それ以前だ。子供を産むのではなく、結婚するのでもなく、もしくは離婚して単身の世帯が2030年には2千万世帯を超える。さらに2040年には単身世帯の比率が40%に近づく。日本は大丈夫なのか。
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 出典:https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/2050_keizai/pdf/001_04_00.pdf

女性の就業者は2019年に3千万人超に増加
2000年台の働く女性は2,600万人台だったが、2013年から増加傾向に転じて、2019年6月には3千万人を超えた。就業者全体の伸びの9割が女性だ。なぜなのだろうか。やはり男性の給料が増加しないので、生活費を稼ぐために働き出したということなのか。その時に、しっかり稼げるならいいけど、バイトやパートに比率は40%を超えているのが、個人的には残念だ。
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 出典:https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/2050_keizai/pdf/001_04_00.pdf

快進撃を続けるフルグラ
フルグラとは、フルーツグラノーラの略だ。カリスマ経営者の松本社長(当時)が、フルグラのうまさを認識し、「こんなうまいものが売れないわけがない!」とマーケットに注力して一気に花開き、今やカルビーの高成長を支える柱の一つだ。2017年3月期には約292億円を突破した。中国向け市場の伸び悩みもあり、2018年度の売り上げ500億円には達していないが、堅調に売り上げを拡大した商品だ。恥ずかしながら昨日初めてスーパーで購入して試したけど、美味しい。コーンフレークに近いサクサク感とフルーツのしっとり感が混じった食感も楽しい。
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 出典:https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1605/24/news032.html

まとめ
新春の上り坂傾向を並べてみたら10個あった。2020年は良い年になるだろうか。明確なのは、2050年までの30年と、その後30年はきっと全然違う世界になると思う。日本も2050年になると、団塊の世代は人生を卒業し、令和生まれの世代が30歳を迎える。今の子供たちがどんな世界観を持っているのだろうか。

以上

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。