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東京2020パラリンピックを考える。

はじめに
2020年8月には、東京オリンピックに続いて、東京パラリンピックが開催される。パラリンピックは、オリンピックと同時に開催されるため、Para+Olympicの造語で、ParaLympicsと名乗っている。しかし、これは1985年に再定義されたものであり、元々は1964年に東京で開催された時に、「オリンピック開催年にオリンピック開催国で行われるParaplegiaのためのOlympicということでParalympicと日本で命名された愛称だ。Paraglegiaとは対麻痺(ついまひ)のことだ。つまり、四肢麻痺ではなく、両下肢のみの運動麻痺がある状態のことだ。

1964年の東京パラリンピックは2部制
あまり知られていないが、1964年の東京パラリンピックは第2回とされている。第一回は1960年のローマだ。しかし、1960年のローマ大会ではまだパラリンピックという愛称はなく、国際身体障害者スポーツ大会と呼ばれていた。そして、1964年の東京パラリンピックは、このローマ大会に続く国際ストーク・マンデビル大会(第一部)とすべての身体障害者と西ドイツの招待選手による国内大会(第2部)で構成されていた。当時の日本の身体障害者の身体能力は断トツに高かったので、この第1部には参加できず、第2部にのみ参加が許されたようだが、その詳細を示す資料はなかなか見つからない。
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 出典:https://www.jsad.or.jp/paralympic/what/pdf/olympic_paralympic_table2.pdf

パラリンピックでのメダル数
第一回のローマでは日本は不参加だった。第二回の東京大会では10個のメダルを受賞した。うち4個が卓球で、卓球では金1、銀1、銅2と堂々たる成績だ。他は水泳が銀1銅1、アーチェリーが銀2、車いすフェンシングが銀1、ダーチェリが銅1だ。その後、回を重ねるごとにメダルも増えて、1988年のソウルでは46個、2004年のアテネでは52個のメダルを受賞している。しかし、このあと減少し、直近の2016年のリオでは24個のメダル(銀10、銅14)だった。
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 出典:https://www.jsad.or.jp/paralympic/what/pdf/para_medal_per_summersports4.pdf

出場選手とメダル数
出場者の数とメダルの数はやはり相関関係がある。実力者が多く参加できるかどうかがポイントだ。2020年の東京パラリンピックでは一体何名の選手がエントリーするのだろう。東京2020パラリンピックでは、22競技539種目の開催が予定されている。
開催年  大会     日本選手 日本役員 日本合計 日本メダル
1988年 ソウル大会    141名  69名  210名   46個
1992年 バルセロナ大会  75名  50名  125名   30個
1996年 アトランタ大会  81名  42名  123名   37個
 出典:http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n197/n197_026.html

東京2020パラリンピックの出場者は4400人規模
前回2016年のパラリンピックリオデジャネイロ大会では159の国と地域から史上最大規模の4300人の選手が集まった。東京2020パラリンピックではこれを上回る4400人の選手が集まると予定されている。大いに盛り上がって欲しいと思う。
 出典:パラリンピックの出場資格知ってますか? オリンピックとの違いは? | ZUU online

世界で初めての2回目のパラリンピック開催国
東京2020パラリンピックは、単に史上最多の選手が集まるだけではない。同一エリアで2回のパラリンピックを開催してくにはいない。もして、同時開催もない。東京2020が初となる。東京都庁の職員による講演を聴く機会があったが、この点を強調されていた。

パラリンピックの将来の可能性
個人的には、パラリンピックは、身体や運動能力にハンディキャップのある選手がこれを乗り越えて戦うことに感動する。それだけではなく、近年では義手や義足の性能向上が目覚ましい。例えば、ドイツの男子走り幅跳びで8m40cmの世界記録を持つマルクス・レームの記録は、直近のリオ大会のオリンピックの金メダリストの記録8m38cmを超えている。今後、パラリンピックの選手とオリンピックの選手が同じ土俵で戦うこともあるのであろうか。現在の規則で言えば、オリンピックの選手がパラリンピックの大会に参加するのは難しいが、逆にあり得るだろう。ただし、その時に問題になるのが、器具の性能の正当性かもしれない。あえて健常者と戦うよりも、例えば、サイボーグオリンピックのようなものがそのうち開催されるようになるのかもしれない。
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 出典:パラリンピック生んだ「悲しい歴史」 選手団に軍経験者がいる理由 - withnews(ウィズニュース)

まとめ
来年の8月25日から9月6日までは東京2020パラリンピックが開催される。文字通り暑い日々が続きそうだ。その頃には卒業プロジェクトの研究も進んでいるだろうか。それとも、難航しているのだろうか。何れにせよ、素晴らしいパフォーマンスを発揮して楽しんで欲しいと思います。

以上

(追伸)
自分自身は1964年に開催された東京パラリンピックについての記憶はない。しかし、上京してから初めて参加したボランティア活動が語学奉仕団だった。現在は日本赤十字語学奉仕団として、東京2020パラリンピックへの奉仕活動も予定しているようだ。語学奉仕団では、土曜日とかに身体障害者施設を回って英語を教えたり、海外の赤十字の関係者が来日された時の対応などをお手伝いした。非常に楽しい日々だった。研修中は暇だったので、結構活動できたけど、職場に配属されたら、いきなり新サービスの講師をせいと言われて、それに集中するために活動を自粛するようになり、そのままフェードアウトしてしまったのは少し残念だ。ただ、若い頃の懐かしい記憶だ。その意味からパラリンピックには個人的だけど強い思いがあり、このテーマを選びました。
 出典:http://www.tok-lanserv.jp/sub4.html


最後まで読んで頂きありがとうございました。