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皇紀と元号

はじめに
ビートたけしの毒舌が聞ける「TVタックル」で元号について特集していた。いろんなことをそれぞれの出演者が発言していた。まあそうだなあと合意できる意見もあるし、ちょっと違うと感じる意見もあるし、触れられていない意見もあった。

元号とは
昭和64年(1989年)1月7日に昭和天皇崩御され、同日に当時の小渕官房長官が新元号としての「平成」を発表された。その前年の9月に昭和天皇が吐血されたために、「平成」「修文」「正化」の3つの案が密かに絞られていたという。今回は、どのような元号が絞られているのだろうか。そもそも、元号とは、日本や中国、モンゴル、台湾等で使われていた紀年法だ。

紀年法
紀年法には、大きく分類して次の3種類がある。
(1) 紀元法:西暦、ヒジュラ暦仏暦皇紀などの無限の暦
(2) 元号:君主や天皇の即位や事件などでリセットされる有限の暦
(3) 周期法:60年周期の干支や15年周期のインディクティオンなどの循環式システム。

紀元法
(1) 西暦
:紀元法として有名なのは西暦だろう。これはイエスキリストが生まれたとされる年の翌年を元年とした紀年法であり、ACもしくはBCと略される。

(2) ヒジュラ太陰暦イスラム教社会で使われている暦法ヒジュラ太陰暦だ。預言者ムハンマドが聖遷したユリウス暦622年を元年とした。月の周期をベースにする太陰暦なので、太陽の周期をベースにする太陽暦とは年に11日ほどずれる。

(3) ユリウス暦共和政ローマ帝政ローマで使われていた暦だが、西ローマ帝国滅亡後も欧州で使われた。紀元前45年が元年だ。太陽暦だが、平均太陽年を365.25日とする。つまり、1年は365日だが4年に1度は366日とした。

(4) 仏暦:釈迦が入滅したとされる年またはその翌年を元年とする紀年法であり、仏滅紀元ともいう。西暦は生誕をトリガーとするが、仏暦は仏滅をトリガーにするのが違いだ。ミャンマースリランカ仏暦元年は紀元前544年だ。一方、タイ王国カンボジアラオスの仏滅元年は紀元前543年だ。国によって解釈が違っているのが面白い。

(5) 皇紀神武天皇が即位された日を起源とする。紀元前660年を皇紀元年とする。ちなみに、建国記念の日の2月11日は、そもそもは日本の建国を祝う日だ。なぜ2月11日かといえば、旧暦ではその日が元旦だったからだ。皇紀、皇暦、神武暦、日紀等などとも呼ばれるが、学校の教科書や新聞、テレビで報道されることはない。なぜなら戦後GHQが使用を禁止したためだ。これを知っている日本人が増えることを期待したい。

アジア諸国元号
(1) 中国
:日本語のWikiでは、紀元前115年ごろに前漢武帝が「建元」という元号を初めて使用したという。新しい王が即位すると改元された。しかし、当初は元号はなく、単に元年、2年と呼んだらしい。即位すると建元、彗星が出現すると元光、キリンを捕獲すると元狩と行った元号が使われ始めたという。中国王朝の冊封(さくほう)を受けた朝鮮、琉球は、中国皇帝の臣下となった国であり、冊封国は中国王朝への朝貢、中国の元号の利用が義務付けられ、中国から出兵を命令されることもあるが、その逆に冊封国が攻撃を受けた場合は中国に対して救援を求めることができる。

(2) 朝鮮:日本語のWikiや英語版のWikiにはそれなりの記述があるが、肝心の韓国語のWikiは簡単な説明しかない。先の「TVタックル」では元号を今も使っているのは日本ぐらいだと説明されていた。韓国というか、朝鮮は中国王朝の属国だったため、中国の元号を使っていたということを知りたくないし、知られたくないのではないかと穿ってしまう。

(3) 日本:「TVタックル」では日本の最初の元号大化の改新の「大化」だったという。日本書紀には、「天豊財重日足姫天皇の四年を改めて大化元年」とある。大化は、西暦645年から650年までのわずか6年足らずだ。大化の次の元号はなんだったのだろう。本当に初めての元号は大化なのだろうか。元号の選定方法は、昭和大礼記録において簡単平易なこと、音階調和を要すること、意義深長なこと、国家の理想を表徴すること、既存の用語と重複しないこと等と定められているという。
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 出典:元号 - Wikipedia

まとめ
次の元号が何になるかを想像するのは楽しいかもしれない。しかし、日本人としては、元号の継続も貴重だが、同様に皇紀の存在をまずは理解する必要があるのではないだろうか。イスラムヒジュラ暦よりも、西欧の西暦よりも、旧ローマ帝国ユリウス暦よりも、インドの仏暦よりも皇紀は古い。世界最古の紀元法である「皇紀」が日本にはあるということはもっと日本人自身が知るべきではないだろうか。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。