労働安全コンサルタントの可能性
日本技術士会の分科会主催の話力のセミナー
講師は、一般社団法人話力総合研究所の理事長である秋田義一さんだ。秋田さんは情報工学部門の技術士でもあるが、現在はビジネスコミュニケーションの啓蒙活動に尽力されている。
理事長あいさつ|話力総合研究所
「聞く」と「聴く」と「傾聴」と「訊く」
話力というと話し方教室と勘違いする人がいるかもしれない。話力は話す力とキク力を総合したものだ。そして、キク方法は多様である。まずは聞く。そして、目と心を加えて「聴く」、さらに相手に心を傾けて聴く。最後は相手に質問をぶつけながら訊く。
秋田先生の講演は素晴らしい
最初に登壇された時の笑顔、姿勢、お辞儀、そして発声、さらには話の組み立てや、聴衆者を味方につけながら聴衆者の心をがっちりと掴みながら話を進めるテクニックは大変勉強になった。さすがだ。しかし、本当に見習うべきはやはりその姿勢だろう。今日参加した人に伝えたいことをしっかりと伝えるという使命感や責任感を感じた。わたしも講演することが多いが、自信を持って、堂々と、時にユーモアを交えて話せる時は多くない。
労働安全コンサルタントと労働衛生コンサルタント
今回のこのセミナーの主体は日本技術士会の中の労働安全衛生コンサルタントグループという分科会だ。皆様は労働安全衛生コンサルタントという言葉を聞かれたことがありますか?恥ずかしながらわたしも耳にはしていたけど詳しくは理解していなかった。調べてみると、厚生労務省が認定する最難関の国家試験が労働安全コンサルタントと労働衛生コンサルタントだった。労働三法には含まれないが、労働者の安全と衛生を守るために昭和47年に労働安全衛生法が制定された。そして、労働者の安全と衛生を守るための指導や診断を行うのが、労働安全コンサルタントであり、労働衛生コンサルタントだ。前者は技術面を担当する。後者は産業医などが取得することが多い。
労働安全コンサルタント
労働安全衛生法第82条に基づき認定された国家資格である。厚生労働省に登録することで労働安全コンサルタントを名乗ることができる。試験には機械、電気、化学、土木、建築の5種類がある。試験はこれらの分野を選択した上での記述試験と、分野にかかわらず共通の産業安全一般と、産業安全関係法令の択一試験があり、この一次試験に合格すると、口述試験の二次試験に進むことができる。概ね一次の合格率が2割、二次の合格率が8割と難関だ。
技術士による一次試験の一部免除
機械、電気、化学、土木、建築に相対する部門の技術士試験に合格している場合には、一次試験の記述試験が免除される。また、経営工学(生産マネジメント)に合格している人は産業安全一般の択一問題を免除される。ということは、電気・電子部門と経営工学部門に合格しているわたしのような技術士は、択一の産業安全関係法令を受験して、合格したら口頭試験に進めるということだ。これはラッキー!
まとめ
問題は、現在勉強中の情報工学部門への受験と労働安全コンサルタントの受験を同時にトライするのか、どうかだ。これはもう少し考えてから決めることにしよう。