LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

睡眠の科学:恩師に教えてもらった眠りの研究成果

TEDのプレゼン(なぜ人は眠るのか)
英国で神経科学の専門家であるRussell Grant Foster教授によるプレゼンがTEDで紹介されていた。20分ほどのプレゼンだが、睡眠の目的から睡眠不足の弊害、睡眠の誤解などを興味深く解説している。
 https://www.ted.com/talks/russell_foster_why_do_we_sleep?language=ja

OECDの国別睡眠時間調査
OECDの調査結果で日本の睡眠時間が短いと指摘されている(参考1)。しかし、睡眠不足が進んでいるのは日本だけではなく、全世界的な傾向だ。また、日本の睡眠時間は他のOECDに比べて短いというが、日本の睡眠時間の平均値を見ると、男性で8時間ほどだ。睡眠時間は長くても短くても良くないというのが定説だ。

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睡眠時間と死亡率
例えば、2002年の米国の調査結果(参考2)だが、死亡率が最も少ないのは男女共睡眠時間が7時間とある。これを踏まえれば、日本の平均睡眠時間が短いのが問題ではなく、日本がほぼ適正ということになるのではないか。ミクロ(個別)では、過労死の問題や青少年の睡眠不足など多くの問題はあるが、マクロ(平均)の話としては日本の睡眠時間が適正だから日本が長寿国なのではないのかと疑問が残る。

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睡眠による研究の研究
かつての恩師の話を思い出した。それはこういう内容だ。恩師(A教授)がまだ東大の学生だった時に、研究を進めるための研究をしたという。それは夢の活用だ。アイデアのネタを寝る前に仕込んでおいて、夢の中で答えを出させようというもの。枕もとにペンとメモを置いておいて、夢を見たら、その夢をできるだけ速やかにメモを取るということで夢と脳の情報処理の関係を解明しようとしたという。そして、そのA教授はそこで獲得した頭脳の使い方を活用して、大学院に進み、若くして東大の教授にまで上り詰めた。

睡眠学習
それを聞いた私も、早速トライしてみた。夢のメモを取ることはできないけど、非常に悩ましい問題の答えを見つけたい時には、それの前提条件や目的、背景、周辺情報、考慮すべき事項など必要な情報をとりあえず、網羅して、正確にインプットしておく。そして、寝る。そうすると、確かに翌朝にはなんとなく方向性が自分の中で整理されているのに気づく。まさに果報は寝て待てだ。いくら考えても、良いアイデアが出ない時には、得られている情報をすべて脳にインプトットして、枕元にペンとノート(今ならスマホか)をおいて、気付いたらすぐにメモ(今なら音声メモ)を取る。そして、また寝る。また、思いついたらメモを取る。そんな風にしていると、睡眠時間は研究時間のように思えてくる(笑)。

睡眠の科学
睡眠は、心身の健康の為には非常に重要だ。睡眠時間は性別、年齢、国籍によって違う。季節や日照時間にも影響を受ける。冒頭で引用したTEDのプレゼンでは、朝型の効用などないと否定しているが、睡眠に関しては諸説が乱立していて、何が本当で何が都市伝説(迷信)なのかを素人の自分が判断することはできないが、先駆者が調査したことを勉強して、気になる点をまとめることぐらいはできるだろう。例えば、睡眠とストレスとの関係や、睡眠と年収との関係、睡眠時間の国別男女差など興味深いものが多い。北欧を旅して彼らの朝は意外と遅いのに気づいた。

今後の話題展開
このブログも、技術の話、バルト三国の話、いじめ問題と話題が変遷しているが、脱線ついでに睡眠関連を取り上げてみるのも一興かもしれない。そのあとで、ITやAIの最新情報などの最新動向などをできるだけ分かり易く解説できればと思っている。

参考1:http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2329a.html 

参考2:http://mental-suppli.net/info/?p=1278 

 以上

 

apple watchの良さと今後への期待

Apple watchを購入したのは2015年の7月22日だ。電気電子部門の技術士二次試験(筆記試験)が同7月20日に東京大学駒場キャンパスで行われ、これへのチャレンジのために頑張ってきた自分へのご褒美として購入したものだ。

今日は2017年9月3日なので、もう丸二年以上使っていることになる。また、9月12日には早くもApple Watch Series 3が発表されると噂されている。そこで、Apple Watchを使ってきて、これはいいなあと感じたこと(5つ)と、将来への期待(3つ)をまとめてみたい。

1. Apple Watchの素晴らしい点(5つ)
1) お客様からの着信を逃さない
携帯の呼び出し音が大きいと周囲への迷惑になるが、小さいと気づかない。でも、Apple Watchがあれば、iPhoneへの着信時に振動するので確実に気づく。ちょっと地味ですが、Apple Watchを購入して良かったと思う最大はこれだ。ただし、シャワーを浴びる時や夜寝る時にはApple Watchを外すので、その時の着信に気づかないことがあった(涙)。

2) 同様に簡単のSMSも見逃さない
家内はまだガラケーで日常のやり取りはSMS(Cメール)で行っている。Apple Watchでは、SMSも表示してくれるので、これを見逃すことがなくなった。また、あらかじめiPhoneで設定した簡単な返事であれば選択して、返信できる。ただし、Apple Watchの画面が小さいので、ニコニコの笑顔の顔文字を送るつもりで、怒った顔文字を間違えて送った時には、大変なことになってしまった(涙)。

3) LINEのやり取りもApple Watchで読める。
友人や同僚、子供とのやり取りはLINEだ。Apple WatchではLINEの着信だけでなく、メッセージの内容も読めるので便利だ。ただし、顔文字の誤送信とかが怖いので、返信はiPhoneからにしている。

4) アラーム設定
日常電車で移動することが多いが、その時に怖いのが居眠りして通り過ごすことだ。しかし、到着駅の1分まえにiPhoneでアラーム設定すると、Apple Watchが鳴動する。音は小さめにしているが、振動するので、絶対に起きる。寝過ごしはゼロだ。将来は、設定しなくても、デフォルトで下車駅の1分前に振るってくれると嬉しい。

5) 万歩計の代わり
Apple Watchではアクティビティとしてムーブとエクササイズとスタンドの3要素を自動的に計測して、同心円で表示してくれる。可視性が良く便利だ。また、歩数や歩行距離も記録しているので、1週間や1月の運動状況が一目両全だ。将来は、Sleep Cycleアプリ等との連動ができると嬉しい。

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2. 将来への期待(3つ)
1) LTEへの対応
Apple Watch Series3では、新しくLTEへの対応モデルが登場するという噂がある。これが実現すると、iPhoneと連動しなくても、Apple Watch単独でネットと接続できることになるので、便利だろう。問題は、料金プランと電池の持ちか。iPhoneのパケット利用に包含するようなプランができれば料金の問題はない。あとは、電池持ちだ。

2) スマートバンド
これも噂レベルでは囁かれているが、バンドにバッテリー機能を持たせる。重さとのトレードオフになるが、電池容量は格段に改善するだろう。

3) より薄く・軽量に
電池機能をバンドがシェアしてくれれば、その分だけApple Watch本体のバッテリー機能を落とせるので、もっと薄くて軽い本体にできるかもしれない。デザインを一新することも可能だろう。Appleらしさを発揮してほしい。

3. 普及のための鍵
普及のためには次の3つが重要と考えていた。
 1) 防水機能の対応(50-100m防水)
 2) バッテリー機能の充実(1週間無充電)
 3) 低廉な価格帯の設定(1万円代の価格)

最初の防水機能はSeries2でほぼ解決した。Series3でバッテリー機能がどこまで充実されるか。そして、将来のSeries4やSeries5でどこまで低価格化戦略を打ち出せるか。現在は、最安値でも299ドルだが、199ドル(100ドル台)の価格を打ち出せれば、市場は急速に拡大するのではないかと思う。

以上

意識調査:内閣府「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査で感じること

内閣府が発行している「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査(平成25年度)」はウェブで公開されている。ご覧になった人もいかもしれない。

恥ずかしながら私は今日初めて知った。そして、日本の若者と海外の若者の意識の違いに驚くとともに、その原因が日本社会に根ざしているのではないかと考えた。子供の社会は大人の社会の縮図だと言う。子供は親の影響を受けて育つ。若者が見る将来は日本の将来を冷静に見ているのだろう。

結局、子供たちを救うには、若者を救うには日本社会を元気にして、将来の日本に希望を持てるようにするしかないのではないか。そのように感じた。

私が紹介するのは、気になった部分のみだ。このレポートはよくまとまっている。もしご興味があるようなら、次のURLで閲覧できるので、是非一度目を通して欲しい。
 URL : http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/thinking/h25/pdf_index.html

1. 調査対象
日本、韓国、アメリカ、英国、ドイツ、フランス、スウェーデンの7ヶ国で、それぞれの国の13歳から29歳の若者を対象としている。
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2. 自己肯定
(1) 自分の親から愛されている(大切にされている)と思うか?(単位:%、以下同様)
日本においても肯定的な意見(84%)が否定的な意見(16%)を大きく上まっているので、問題ないのかもしれない。ただ、諸外国では素直に「そう思う」と回答するのが最大なのに、日本では、「そう思う(4¥35%)」よりも「どちらかと言えばそう思う(49%)」が多い。日本では親が子供に愛しているよとは言わないことが原因なのだろうか。大切にされているという実感がないのか。

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(2) 自分自身に満足しているか?
日本の若者は自分自身に対する自信というか、満足感が低いことに驚いた。これは(1)の結果とも関連するのかもしれない。素直に「そう思う」と回答したのが7.5%というのは、諸外国に比べても低い。また、肯定的な回答(46%)より否定的な回答(54%)の方が多いのは、日本のみだ。日本の若者は自信を喪失しているのだろうか。

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(3) 自分の意見をはっきりと相手に伝えられるか?
これも日本は諸外国と比べて著しく「そう思う」という回答が少ない(9%)。日本人は空気を読むことに神経を使い過ぎていて、相手に自分の思いを伝えることに臆病になっているのだろうか。

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(4) 憂鬱だと感じたことは?
逆に日本の若者が肯定するのは、悲しいと感じたことはあるか?という問いと、この憂鬱だと感じたことはあるか?という質問だ。どちらも同じような傾向だったので、後者のグラフを掲載するが、あったという回答が44%もある。否定的な意見は22%にとどまっている。どんだけ憂鬱なことや悲しいことがあったというのだろう?

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3. 将来性
(1) 将来への希望はあるか?
日本の若者で希望があると素直に回答したのはわずか12%である。どちらかと言えばあるが多い(49%)ので、肯定的な意見(62%)が否定的な意見(38%)を上回っているが、これも自分自身への自信の少なさと関係するのかもしれない。

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(2) 将来は、世界で活躍しているか?
北欧と英米は高いが、これに比べるとドイツ・フランスはやや少ない。しかし、それ以上に「そう思う」という回答が少ないのが日本(3%)だ。肯定的な意見はわずが15%で否定的な意見が85%をしめている。英語の壁、文化の壁が日本の若者を縮み志向にしているのだろうか。スポーツの世界では、世界の選手と互角に戦っている日本人がいるが、ビジネスの世界では日本企業は苦境に立たされていることが多いためなのだろうか?

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(3) 社会に出て成功するには何が最も大事だと思いますか?
これは興味深い質問だ。日本を含めて、本人の努力と答えている国が多い。しかし、その一方で、韓国は身分や家柄がダントツに多い。この辺りに韓国の問題があるのだろう。英米でも身分や家柄と回答する若者が2割以上ある。日本は、身分や家柄と答えたのはわずか7%であり、意外と格差が少ない社会なのだろうか?

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4. 社会への満足度
(1) 自国の社会に満足していますか?
この質問で「満足している」と答えたのが最も多かったのが英国だったのは正直意外だった。一方、最も少ないのが日本(3%)と次がフランス(4%)。「わからない」と答えたのも日本が最大というのも日本らしい。

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(2) 社会の景気動向はどうか?
社会の景気に不安だと回答したのが最も多いのが日本(26%)だ。どちらかと言えばも含めると、74%が不安に感じている。景気に不安感がないと回答したのが最も多いのがスウェーデンだ。やはり福祉国家としての社会システムが安定していることに加えて、企業の業績も好調なことが後押ししているのだろうか?

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5. 職場や学校への満足度
(1) 学校生活に満足していますか?
これも残念ながら満足と回答したのが最も少ないのが日本(18%)だ。肯定的な意見(70%)が否定的な意見(30%)を超えているものの、日本の若者は学校生活に満足していないのが見て取れる。

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(2) 学校に通う意義
どの質問に対しても、(1)と同様に日本の若者が「そう思う」と回答したのは少ないが、日本人の回答だけを集計したものを見ると、最も肯定的な意見が多かったのが「友達との友情を育む」であり、ついで「自由な時間を楽しむ」であった。自分の専門知識を深めたり、才能や技能を伸ばす場ではないということかなのか?

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(3) 将来の職場での人間関係はうまくいくか?
企業で勤務する上で、人間関係に不安を最も感じている国が日本(32%)だった。他の国でも不安を感じている人が多いが、明確に不安と答えた人が多すぎる。日本人はマイナスのマインドが強いことを再認識した。

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(4) いかなる理由があっても「いじめ」はいけないと思うか?
これは道徳教育が行き届いているかどうかだろう。そう思うと最も多く答えたのはスウェーデン(94%)だった。逆に最も少なかったのはフランス(28%)だった。日本は2番目に少なかった(50%)。日本でのいじめ問題が簡単には無くならない理由がこの辺りに現れているような気がする。

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6. 家庭への満足度
(1) 家庭生活に満足していますか?
満足と回答したのが最も少ないのが日本(16%)だ。肯定的な意見が多いものの不満と回答したのも日本が最も多い(9%)。日本人の若者が家庭生活を満足していないのは何故なんだろう?

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(2) 将来、自分の子供に老後の面倒を見てもらいたいですか?
「そう思う」と答えたのは、日本が5%と最も少なく、ついで韓国の6%だ。地方では親子三世代の家族が多く、そういう地域では子供も安定している。しかし、都心では親と子供の二世代家族が多く、子供は息苦しさを感じているのかもしれない。この調査では三世代家族かどうかの情報はないが、核家族の弊害が出ているのではないか?

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(3) 厚生労働白書より
核家族世帯の推移を調べたところ、1980年には20%弱だったものが、2000年には26.5%に達し、さらに増加する傾向と推計されている。三世帯への復帰が始まるのはいつだろう。それが日本の家族の復活、そして子供達の心の健康とやる気の復活につながり、それが将来の日本を明るくするエネルギーになるように考えるが、楽観的過ぎるだろうか?

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(参考:http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/01/1-2-3.html

7. IT環境
(1) デジタル機器の利用
日本でも携帯電話・スマホの利用は普及しているが、この調査を見る限り、諸外国よりも遅れている。ノートパソコンはなんとか中位だが、タブレットやデスクトップは諸外国に比べて周回遅れの状態だ。日本が諸外国よりも先行しているのは携帯ゲームだ。子供がスマホタブレットを欲しいと言われても与えないが、ゲーム機は与えてしまっているのが、日本の家庭の平均像なのかもしれない。

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(2) 日本のデジタル機器の利用
諸外国に比べると、携帯電話・スマートフォンの利用が87%と遅れている日本だが、それでも高校では90%、大学では98%とある。これは平成25年の調査だが、最近の調査であれば、スマホの利用率は高いだろう。ただ、パソコンの利用率が低いのは気になるところだ。スマホベースのSNSではどうしても短文の文化となる。論理をしっかり考えるには、PCベースのブログなどがお勧めだが、PCを使えない大学生も珍しくないという。この点も心配なところだ。

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8. まとめ
今回のレポートは正直ショックだった。親に愛されている実感が少なく、自分への自信が少なく、将来への希望も少ない。学校に通うのは友達との友情の為であり、学校への満足度も家庭生活への満足度も低い。世界で活躍するといった野心もない。このレポートを見て、専門家がいろいろと分析しているが、危機感を訴えているものは少ない。このレポートは、日本の将来への重大な警鐘を若者が必死にならしていると感じないのだろうか?

以上

いじめ問題:日本の子供の幸せ感はなぜ高くないのか(TEDとUNICEFレポートより)

今日は、世界の国と比べて日本の子供達が幸せなのかどうかという難しい問題について考えてみたい。

ところで、TEDをご存知でしょうか?

Technology Entertainment Designの略で、TEDカンファレンスの様子をNHK教育番組でも取り上げているのでご覧になった方も多いかもしれない。非常に有益な講演が多いし、英語の勉強にもなるので、私はできるだけ時間を作っては見ている。その中で、2011年7月にリチャード・ウィルキンソンが「いかに経済格差が社会に支障をきたすか」というテーマで講演をしていた。

 TED : https://www.ted.com/talks/richard_wilkinson/up-next?language=ja

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上の図はその講演で使われていたスライドの一つだが、横軸が所得の格差であり、縦軸が健康や社会の問題の程度である。日本は格差が少なく、問題が少ない国とされている。いろいろな要素を考慮して数値分析したようだ。

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上の図では経済格差と精神疾患者数との相関関係を示している。日本は経済格差が少なく、メンタル疾患が少ない国とされている。日本でもメンタルが問題になっているケースが多いが、諸外国はもっと多いということか。

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上の図では、経済格差と犯罪者数の相関を示している。ここでも、日本は格差が少なく、犯罪が少ない国とされている。

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しかし、上の図はどうなのか?経済格差が少ない社会では、子供の福祉レベルも高いというのが全体的な相関関係だ。日本は経済格差が少ないはずなのに、子供の福祉レベルは高くない。なぜ、高くないのか?

これの元データは、UNICEFが2007年にOECDへの加盟国を対象に調査をしたものだ。その原本は次のURLで確認できるので、なぜ日本の子供の福祉レベル(幸せ度)が低いかを調べてみた。 参考:https://www.unicef-irc.org/publications/pdf/rc7_eng.pdf

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UNICEFのレポートの内、日本に関係するところを抽出して、レーダチャートにまとめたものが上の図だ。数値は、日本の回答と平均との比較だ。この中から日本が優秀な4つの点と、日本の子供が直面している4つの問題点を説明する。

1. 日本の優秀な4つの点
1) 科学能力が高い
 平均が504点に対して548点だった。25ヶ国中1位だった。フィンランドも同点
 だった。素晴らしい。
2) 数学能力が高い
 平均が505点に対して534点だった。25ヶ国中3位だった。1位はフィンランドで544点、2位はオランダの538点だった。
3) 未成年の出産比率が低い
 日本では4%で最も少なかった。平均で16%、最も多いのは米国で46%だった。沖縄では20歳で産んで祖母に面倒見てもらって、40歳になったら孫の面倒を見るような文化があるが、本土では難しい。ダントツで低い。
4) 働いていない親と同居の比率が低い
 日本では0.4%と最も低かった。平均で5%、最も多いのがハンガリーの11.3%。

2. 日本の子供が直面している4つの問題
1) 自分は孤独で寂しいと考える子供の比率が高い(孤独感が高い)
 日本は29.8%。2番目に多いアイスランド(10.3%)の3倍近いダントツ。平均は7.4%で、最も少ないオランダ(2.9%)の約10倍というのは異常だ。
2) 自分は厄介者で居場所がないと考える子供の比率が高い(孤独感が高い)
 日本は18.1%。2番目に多いベルギーが16.5%。平均が9.8%で、最も少ないのがスウェーデンの4.9%。1)を含めて、この辺りが特徴的な課題だ。
3) 単純労働の就業希望比率が高い(向上心が低い)
 これは向上心を確認する質問で、日本は50.3%と高い。2番目がフランス(41.3%)、平均が27.5%、最も低いのが米国の14.4%だ。
4) 8つの教育項目のうち6つ以下の児童の比率が高い
 日本が53.3%で2番目に高い。もっとも高いのがギリシャ(61.8%)、平均が27%、最も低いのがアイスランド(8.4%)だ。8つとは、机、静かな空間、学習用コンピュータ、教育ソフト、インターネット接続、計算機、辞書、教科書だ。

3. まとめ
日本の子供たちの国語の能力は普通だが、数学や科学の能力は高い。働く親と同居している比率は高く、未成年での出産経験も極めて少ない。一方で、自分が孤独だ、厄介者だ、居場所がないと感じている子供が極めて多い。向上心が低い。楽な仕事を希望する子供が多い。静かな空間や学習用PC、教育ソフト、ネット接続がない子供が多く遅れている。

4. 所感
このUNICEFの調査結果は正直ショックである。2007年当時からどの程度改善されているのかが非常に気になる。パソコンやスマホを子供に積極的に使わせようという機運は日本の家庭も学校もまだまだ不足しているし、住環境も大きくは改善していないだろう。それよりも心配なのは次の2点だ。
 1) 孤独感が高すぎる!
 2) 向上心が低すぎる。
子供の世界は、大人の世界の縮図という。日本社会が将来に希望を持てない、閉塞した社会になっているとしたら、子供を責めることはできない。いじめ問題との関係も気になる。子供が友達と仲良く遊んだり、スポーツに熱中したり、そして将来の夢を叶えるために勉強したり、そんな活発なエネルギーが日本に不足しているとしたら本当に悲しいことだ。子供の孤独感を解消し、向上心を高めるにはどうすれば良いのだろう?

以上

いじめ問題:深刻なのは実態を把握しにくい集団LINEいじめではないか。

集団LINEいじめとは
LINEの中で集団で個人を徹底的にいじめるという非常に卑劣かつ深刻な問題だ。その背景には、LINEでのやり取りは基本当事者しか見れない。大人には判らないという計算があるのではないだろうか?

集団LINEいじめの事例
その1)中学生の事件。卒業文集の寄せ書きに名前がないことから両親が気づき、真相究明に奔走した。同級生32人中24人が関わる。関与していなかったのは携帯を持っていなかった数人のみ。学校は当初誰も知らない。たまたまと穏便に済ませようとした。娘の友人を味方にして、少しづつ証拠を集めて真実が解明された。主犯格は有名高校に合格した優秀な男子生徒。娘の親友も裏幕だった。
 出典:http://www.jprime.jp/articles/-/6169 

その2)ちょっとしたLINEへの書き込みが原因で反感を買い、大勢からLINEで責められて、最終的に自殺に追い込まれる。最初の書き込みから最後まで50近くのトークが交わされているが、その所用時間は1分以内という点にネットいじめの怖さを感じる。

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 出典:http://www.youbaokang.com/odai/2140697153252945601/ 

その3)元同級生を集団で殺人した痛ましい事件。

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 出典:https://matome.naver.jp/odai/2137386429455828801 

いじめ防止対策推進法
いじめに対して、学校、家庭、地域が協力して防止し、被害者の発生を防ごうという趣旨の内容。第2条にいじめの定義があり、第4条で「児童等はいじめを行ってはならない。」と規定しているが、具体的な罰則の記載はない。第19条においてネットいじめへの取り組みが記載されているが、啓蒙活動を行い、体制を整備し、必要に応じて法的な協力を求めるとある。個別のいじめ集団いじめの区別や認識は残念ながらない。

(インターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進)
第十九条 学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校に在籍する児童等及びその保護者が、発信された情報の高度の流通性、発信者の匿名性その他のインターネットを通じて送信される情報の特性を踏まえて、インターネットを通じて行われるいじめを防止し、及び効果的に対処することができるよう、これらの者に対し、必要な啓発活動を行うものとする。
2 国及び地方公共団体は、児童等がインターネットを通じて行われるいじめに巻き込まれていないかどうかを監視する関係機関又は関係団体の取組を支援するとともに、インターネットを通じて行われるいじめに関する事案に対処する体制の整備に努めるものとする。
3 インターネットを通じていじめが行われた場合において、当該いじめを受けた児童等又はその保護者は、当該いじめに係る情報の削除を求め、又は発信者情報(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(平成十三年法律第百三十七号)第四条第一項に規定する発信者情報をいう。)の開示を請求しようとするときは、必要に応じ、法務局又は地方法務局の協力を求めることができる。

集団LINEいじめを撲滅する方法はあるのか?
LINEの利用を規制しても、他のSNSの利用に流れるだけである。集団LINEいじめを撲滅するには、必要に応じてLINEのやり取りの開示を求めることができるという環境を作ることが必要だが、通信の秘密との関係もあり、根本対応は簡単ではない。

米国でのネットいじめ対応
米国では、ネットいじめをCyberbullingと呼び、連邦レベルと州レベルでの取り組みが強化されている。
1) 法的対応
・残念ながらいじめを対象に適用される連邦法はない。しかし、ハラスメントに対して
 は法的に整備されている(日本ではハラスメントに対する法的整備はない)。
・米国では、ハラスメントの中にいじめ(Bullying)が含まれるという整理のようだ。

2) 啓蒙活動
・WEBサイトでの啓蒙が充実している。特に、実情を説明した動画や啓蒙を目的と
 した動画などが非常に充実している。例えば、次のような動画がある。
 https://www.youtube.com/watch?v=2loKRwZoH1w 
  What is bullying。いじめの悲惨さを動画で訴求。
 https://www.youtube.com/watch?time_continue=1&v=Jfu6aUc3Y8Y
  Help Prevent Bullying. Know Bullyingのアプリの有効性の訴求。
 https://www.youtube.com/watch?v=TjaM0tdxtYA
  18歳の少女のTED。私がスマホを使わない理由。

3) SNSの利用
 SNS先進国として、SNSを用いた対策も進んでいる。これは別に機会に整理したい。

日本の状況
Cyberbullyingの英語のWikiの中に日本の状況について次のような記載があった。日本語のWikiよりも英語のWikiの方が日本の実情を詳しく書いているのは皮肉だ。
According to recent research, in Japan, 17 percent (compared with a 25-country average of 37 percent) of youth between the ages of 8 and 17 have been victim to online bullying activities. The number shows that online bullying is a serious concern in Japan. Teenagers who spend more than 10 hours a week on Internet are more likely to become the target of online bullying. Only 28 percent of the survey participants understood what cyberbullying is. However, they do notice the severity of the issue since 63 percent of the surveyed worry about being targeted as victims of cyberbullying.

まとめ
いじめの問題は複雑だし、奥が深いし、深刻だ。ハラスメントといじめの違いも国によって定義が違うようだ。日本国内でもいじめについての定義が変わっていて、現場が混乱している。いじめの問題は、国内だけでなく、海外諸国とも連携しながら子供達を守るための枠組みを検討していく必要がある。海外の動向についてもできるだけウオッチしていきたい。

以上

 

 

いじめ問題:いじめとミルグラムの実験

アドルフ・アイヒマン
アイヒマンの実験について聞かれたことがありますか?Wikiではミルグラムの実験として詳しく説明されている。アイヒマンとは、ホロコーストの責任者で東欧地域の数百万人のユダヤ人を死に追いやったアドルフ・アイヒマンのことであり、彼が特別な人間だったのかどうかをアメリカの心理学者スタンリー・ミルグラムが人間の心理を実験したものだ。

ミルグラムの実験方法
実験の方法は、Wikiやサイコロニュース(参考1)に詳しく解説されているが、次のような構成だ。つまり、Aさんは絶対的な権威者としBさんに指示する。BさんはCさんに問題を解くように指示する。問題を間違えたらCさんは電気ショックを与えられる。ただし、実際にはCさんは演技だが、それをBさんは知らない。

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 参考1:http://www.shinrigaku-news.com/article/48293833.html

Aさん:Bさんに実験を指示する。Bさんから実験を辞めたいと申し出ても4回
 までは続行を支持するが、4回目の指示の後も、実験の中止を申し出れば、
 実験はそこで中止される。

Bさん:最初は45Vで軽いショックだが、Cさんが問題を間違えるたびに15Vずつ
 電圧を上げるように指示を受けている。同時に、最大は450Vだが、375Vが危険
 で苛烈(かれつ)な衝撃と説明している。死の可能性をBさんは理解している。

Cさん:Cさんは120Vで大声で訴え、150Vで絶叫し、270Vで苦悶の金切声を上げ、
 330Vで無反応とするように指示が事前に出ている。

ミルグラムの実験結果
大学生14人に事前アンケートを取ると、450Vまで行くのはごくわずか(1.2%)という予想だった。実際に実験すると、被験者40人中25人(62.5%)が最大の450Vまでスイッチを入れた。実験の中止を申し出る者もいたが、Aさんがすべての責任を持つと権威を持って説明すると、300Vに達する前に実験を中止するものはいなかったという。

ミルグラムの実験結果からの結論
善良な市民であっても権威ある人間からの指示に従わざるをえない状況にあると、多くの人間が悪いことと理解しながらも実行してしまう。これは、あらゆる犯罪が起きる構造に当てはまる。あらゆる組織に当てはまる。そして、これはやはりエスカレートするいじめの構図にもなりうる。

エスカレートするいじめ
怖いほどにいじめの構図は、ミルグラムの実験の構成に類似している。もちろんAさんが自らCさんをいじめることもあるかもしれない。しかし、いじめの内容がエスカレートするのは、主導者(Aさん)と実行者(Bさん)が異なる場合だ。しかも、Bさんは一人とは限らない。いじめのターゲットにならないために、Cさんの友人だった人までがBさんに追随するとこれは悲惨だ。

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いじめの根本対応
自分は、教育者ではないし、学校関係者でもないので、責任ある対応策を提言することは難しい。しかし、いじめが起きた時には、このように実行犯と主導者が異なるような構図なのか、そうではなく1対1の争いかを見極めることは非常に大切だ。もし、前者の構図だった場合には、Aさん、Bさん、Cさんだけでなく、すべての関係者(クラスであれば、すべての生徒)からの声を聞く必要があるのではないか。しかし、数人ならまだしも、40名近くの生徒から一斉にヒアリングすることが現実的ではない。作文を書かせるとか、グループディスカッションさせるとか、個別にヒアリングするとか、非常に難しい対応を求められる。少なくとも、実行犯を見つけて、実行犯(Bさん)を糾弾しても問題解決にならないことを肝に銘じる必要がある。

まとめ
普通の人間が一旦戦争になると敵兵を殺す。そのような歴史を過去に繰り返してきたという悲劇の遺伝子を人間は持っているという悲しい現実を理解しなければいけないのかもしれない。そして、それは程度こそ違っても、幼い子供たちがそのような構図に陥る可能性を否定できない。したがって、大人自身が自戒するとともに、子供たちが悲劇に巻き込まれないように愛情を持って見守ることが大切だ。同時に、子供との信頼関係を学校や家庭や社会が持っているかどうかがより大切な気がする。その意味では、地域の人間関係が希薄な都心部では、学校や家庭に求められる負荷が大きく、それを軽減する仕組みをより強化することが求められているのかもしれない。

以上

いじめ問題:いじめと腸内細菌

腸内フローラ
腸内細菌という言葉はよく聞く。腸の中には善玉菌と悪玉菌があって、ヨーグルトとか納豆とか発酵食品を食べることで腸内細菌が健全に保たれて、健康になる。私も、これを信じて、毎朝納豆やヨーグルトを頂く。腸の中には、数100種類以上の細菌が100-1000兆個いるという。体重60kgの人なら、1kgから1.5kgの腸内細菌がいて、外部臓器とも呼ばれている(参考1)。そして、それが群生している様子がお花畑のようなので、腸内フローラとも呼ばれている。なんとも可愛らしいネーミングだ。
 参考1:http://benpi-kaishou.jp/cho-kenko/akudama-kin/

善玉菌・悪玉菌・日和見
腸内細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌に分類され、それぞれ次のような役割を持っている。
善玉菌:ビタミンを作る。免疫力を高める。排便を促し、顔を予防する。
 (ビフィズス菌ブルガリア菌、乳酸菌)
悪玉菌:タンパク質を分解する。外のバイ菌と戦う。便が硬くなる。
 (ウェルシュ菌大腸菌
日和見:菌の大勢派を味方する。
 (バグテロイデス菌、ユウバクテリウム菌、嫌気性連鎖球菌など)

バランスが大事(善玉2:悪玉1:日和見7)
善玉菌が一杯あれば良いのか?悪玉菌はない方が良いのか?日和見菌はない方がいいのか?それぞれに役割があるので、バランスが大事だ。また、赤ちゃんはほぼ善玉菌だけなので、ウンチも綺麗だが、肉とかを食べると悪玉菌がないので、下痢を起こす。肉食系の動物は悪玉菌が多いらしい。大人であれば、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌:7と言ったバランスが理想と言う(参考2)。

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 参考2:http://www.nyusankin-guide.com/flora/ 

日和見菌の役割
腸内細菌のバランスが理想的な場合には、善玉菌>悪玉菌なので、日和見菌は善玉菌について、善玉菌を応援する。しかし、腸内細菌のバランスが崩れて、悪玉菌が善玉菌よりも増えると、悪玉菌の味方をする。これは主体性がないと批判されそうだが、考えようによっては善玉菌の役割も悪玉菌の役割もこなせる優秀な菌だ。サッカーで言えば、攻守をこなせるオールマイティなボランチのような存在か。

いじめと腸内細菌
腸内細菌を人間関係に変換して考えると、いじめの構図を理解しやすくなるのではないだろうか。仮に善玉菌に相当する人を良識派、悪玉菌に相当する人を武闘派と呼び、日和見菌を追随者や普通の人と呼ぶと下の図のようになる。例えば、良識派の勢力が武闘派の勢力よりも強ければ、追随者は良識派に追随するので、平和な人間関係を維持しやすい。しかし、何らかの理由で武闘派の勢力が良識派よりも強くなると、追随者は武闘派に追随して、実行犯として誰かをいじめて、結果として被害者が発生する。

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問題は何か?
追随者はもっと主体性を持つべきだと言われるが、追随者が悪いのだろうか?大勢について、大勢を応援する機能自体は悪いことではない。問題は、武闘派が良識派よりも勢力を持った理由である。腸内細菌の中で悪玉菌が増える原因を調べると参考になるかもしれない。

悪玉菌が増える原因
腸内細菌のバランスが悪化するのはなぜだろいう?悪玉菌がなぜ増えるのだろうか?これの原因は次の4つだという(参考3)。
 1. 食生活の乱れ:欧米式の食生活(高たんぱく質、高脂質)
 2. ストレス:わずかなストレスでも善玉菌は敏感に減少する。
 3. 抗生物質:薬を服用すると腸内フローラが乱れる。
 4. 加齢:加齢とともに善玉菌が自然に減少する。

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 参考3:http://www.macomo.net/?p=895

武闘派が増える原因(想定)
腸内細菌において悪玉菌が増える原因をベースに武闘派が増える原因を想定すると、次のようになるのだろうか?
 1. 生活環境の乱れ:大人への不信感の増大。スマホの使いすぎ。睡眠不足。
 2. ストレスの増大:イライラしやすい。自分の感情を抑えきれない。
 3. ルールへの反発:ルールを決めると、問題が複雑化する。
 4. 自我の成長:いつまでの良い子ではいられない。反抗期。

対策1. 学校、家庭、社会の人間関係を改善する。
まず考えなければいけないのは、子供の世界は大人の世界の縮図という点だ。例えば、学校内で先生間の人間関係が悪いと子供はそれを敏感に感じる。担任の先生と生徒の間で信頼関係が崩れてしまったら、学校と父兄が対立していたら、学校が社会からバッシングを受けていたら子供は耐えられない。武闘派が勢力をもつだろう。結果として、学校は荒れるし、いじめも起こる。また、生徒の家庭内での環境の問題だ。家庭内の人間関係が悪いと、やはり子供はそれに耐えられず、武闘派になるのではないだろうか?

対策2. 自己抑制力を高める。夢を持つ。目標を持つ。楽しみを見つける。
子供自身の問題だ。自己制御力は子供の成長と共に強くなる。しかし、自分の意思に反して、スマホを使いすぎてしまう。流されてします。このような依存症の子供は確実に増えている。依存から脱却できるように本人も周囲も努力することが必要だ。そのためには、子供に自信を持たせ、夢を抱かせ、目標を考えさせることだ。課題解消型のアプローチよりも、目標設定型のアプローチが望ましい。

対策3. 子供にルールを考えさせる。お仕着せるルールは弊害が多い。
子供がまだ園児であれば、社会のルールを親が子供教える必要がある。小学生に上がり、中学生になり、高校になっても、大人がルールを決める必要はあるかもしれない。しかし、必要以上にルールを決めて問題は解決するのだろうか。子供たちが理解し、共感し、同意するルールならいい。でも、ルールを決めることが目的化し、ルールが形骸化していないだろいうか?決まったルールを守ることは学ばせることは大切だが、結果として、ルールを破る術を学ばせていたら、滑稽である。例えば、登校したらケータイを学校に預ける。しかし、自分なら、メインのスマホは隠して、使わなくなったスマホを学校に人質として預けるだろう。部活の指導や学生との緊急連絡はスマホのLINEに頼ってしまう例も聞く。10年前に生徒がスマホを使うのは考えられなかった。携帯も原則禁止だった。10年後も、がんじがらめの規制が続けるような世界をイメージしたくない。先生も生徒も授業や課外活動に積極的に活用するような世界になってほしい。そのためにはどうすればいいのだろうか?スマホタブレットをいかに活用するか、行政、学校、家庭、保護者が連携して、真剣に検討すべきテーマだと思う。

対策4. 自我の成長:いつまでも良い子ではいられない。反抗期。
AIが発達すると人間の知能を追い抜くのは時間の問題だという。しかし、同時に人間も進化するという意見がある。実際、プロ将棋で29連勝の記録で有名になった藤井プロのようなスーパー人間が今後出てくると期待される。これからの社会は、均質化した人材育成ではなく、尖った人材育成が必要だ。学校で多面的に子供を育て、その才能を伸ばすような子供たちが増えるような社会を目指すべきではないだろうか。YouTuberを目指したいと言う子供が増えている。これに異論を唱える人が多い。でも、人生の目標を持つことは褒められるべきことだろう。YouTuberになるにはどのような勉強をすれば良いのか、どのような人生経験をすれば良いのか、どのようなYouTuberを目指すのか具体的なイメージを膨らませて、応援する方が子供たちの成長につながるのではないだろうか?古い価値観で型にはまった教育をするのでは、日本の将来はない。20年後、40年後に生徒が生き生きとした社会をリードするような大人になるには、自立して活躍するには今どのような教育をするべきか、そんなことがより重要ではないだろうか?

まとめ
腸内細菌にはそれぞれ役割がある。悪玉菌が単純に悪いわけではない。問題は、腸内細菌のバランスが崩れれないようにすること。生徒には、良識派も武闘派も追随者も普通の人もいて、それぞれに役割がある。その役割も固定ではないし、良識派だった人が武闘派に変わることもある。問題は、そのバランスである。武闘派がいても、良識派の勢力が強ければ良い。

大切な事は、武闘派の勢力が拡大した理由であり、それに対処することである。学校や家庭内の人間関係が良好で、地域を含めて社会との関係が良好な環境で、将来への夢を持って、生き生きと頑張るような環境があれば、子供たちの笑顔が溢れるような社会を実現できるのではないか。楽観すぎると批判されるかもしれないが、個人的にはそのように信じている。

以上