LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

バルト三国を旅して意外な7つのこと(クイズ)

  1. エストニアとラトヴィアではすでに廃止されているが、リトアニアではまだ残っているものは何でしょうか?
    (ヒント)コイン式とクレジットカード式があるけどほぼ使われていない。
  1. 鳩と同じぐらいの大きさで、おしゃれなグレーの羽。エストニアの公園とかで鳩と並んで大人しく地面を突いている鳥は何でしょうか?
    (ヒント)顔を精悍で少し尖った感じでした。リトアニアまでくると少し体も大きくなり、色も真っ黒に近くなってきました。
  1. レストランではミネラルウォーターは有料なことが多い。ミネラルウォーターより安い飲み物は何でしょうか?
    (ヒント)土地土地にローカル味があります。コクの深いものとスッキリ系があります。自分はスッキリ系が好きです。
  1. ヘルシンキで空港から市内まで電車を利用しました。でも改札はありません。切符を買い忘れても乗車できますが、無賃乗車の検察に引っかかると罰金を請求されます。何倍程度でしょうか?
    (ヒント)ヘルシンキの国際空港から市内までは5ユーロですが、不正乗車の抜き打ち検査で検挙されると80ユーロの罰金を取られるそうです。怖いですね。
  1. エストニアで「てれ」と言うと「てれ」と返してくれます。その意味は?
    (ヒント)リトアニアでは「らばす」と言うと、「らばす」と返してくれます。現地の言葉を使うと一気に現地の人との距離が縮まることを実感できます。
  1. バルト三国では、バスやトラムの利用が非常に便利です。どちらも乗車時に現金で運賃を支払うことは可能ですが、割高だし、面倒だし、かっこよくない。現地の人はスマートパスと呼ばれるICカードを使っていますが、これはどこで買えるのでしょうか?
    (ヒント)バスやトラムの停留所では売っていません。社内でも最近は売らないようです。フィンランドではKiosiki、エストニアではR-kiosk。ラトヴィアとリトアニアではNarvessenと名前は違うけど主要な場所にはコンビニと駅の売店の中間のようなお店があります。
  1. 日本では一般的だけどバルト三国にはまだないものは何でしょう?
    (ヒント)四つ星ホテルのトイレにも、空港のトイレにも行ったけど残念ながら無かった。

お付き合い頂き、ありがとうございます。回答は次の通りです。

(答え)
1. 公衆電話です。リトアニアでも撤去されるのは時間の問題でしょう。

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2. です。顔つきと飛び方は烏そのものですが、おとなしい感じでした。

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3. ビールです。エストニアではSakuビールが有名。佐久市とも姉妹都市

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4. 16倍です。自動販売機の右下の80ユーロが罰金の意味だ。

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5. 挨拶です。「こんにちは」の意味。現地の言葉を使うと旅は10倍楽しくなる。

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6. コンビニのような店です。ここで、スマートパスを購入できる。

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7. ウオシュレットです。まだまだ開拓の余地は大きいと思う。

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以上

デフレは悪か?実質賃金が低下し、貯蓄率がマイナスに転じるが実質GDPは好調だ。

実質賃金
実質賃金とは名目賃金➗物価指数である。従って、デフレになると物価指数が低下するので緩和される。つまり、名目賃金は100から90に下がっても、物価が100から90に下がれば、実質賃金は100のままである。では、その実質賃金はどのように推移しているのだろうか?

厚生労働省が発表する実質賃金の推移
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上の図は、murrielzブログに掲載された図表だ。出典は総務省消費者物価指数厚生労働相の毎月勤労統計とある。2000年を100とした指数の数を示している。2000年を起点にすると2012年の名目賃金は10ポイント近く減少しているが、物価指数も7ポイント近く減少しているので、実質賃金も7ポイントほどの減少にとどまっている。

デフレは悪か?
デフレは不況の代名詞のように語られることがあるが、名目賃金が低下する経済環境の中でインフレが起きたら、実質賃金はさらに低下してします。平均賃金が低下したので、デフレが起こり、デフレ環境の中でさらに賃金が低下するという悪循環をいかに断ち切れるのかが問題だ。

平均貯蓄率の低下
実質賃金が低下した家計は、それまで頑張って続けてきた貯金をやめてしまった。貯金しても得られる金利がわずかだということも貯蓄を嫌気した原因かもしれない。参考1に分かりやすいグラフがあったので、引用する。出典はOECDデータとあり、編集したのは経済産業省だ。家計貯蓄率は、1970年代では20%近くあったものが、1990年代は15%を切り、2001年には5%に低下し、2013年度はマイナス1.3%まで低下している。他の先進国と比べてもその低下傾向は著しいことがわかる。
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 参考1:http://rionaoki.net/2010/03/3448 

 失業率の増加
実質賃金が低下し、貯蓄率が低下しているが、失業率はどうだろうか?
経済産業省のレポートを見ると、完全失業率は5-7%を前後しているが、潜在的な失業者数が急増していることが見て取れる。潜在的な失業者数とは、完全失業者数と雇用保蔵者数の合計である。雇用保蔵者とは、適正な労働をしていない雇用者のことであり、英語ではピッタリの英語はない。
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 出典:経済産業省「日本の産業をめぐる現状と課題」(平成22年2月)

日本の実質GDP
このように見ると日本の経済は大丈夫かと心配になり、GDPの推移を調べてみたら、堅調だった。1986年の256兆円から、2000年度に460兆円を超え、2016年度には521兆円を超えた。今後も順調に推移する見込みだ。

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 出典:世界経済のネタ帳(http://ecodb.net/country/JP/imf_gdp.html)

日本では人手不足を自動化で吸収する方針
潜在的な失業者数が急増する一方で、約6000人の労働者が不足するとも言われている。しかし、参考2によれば、まずはロボット等の自動化により対応し、実際に不足するのはその11%程度だという。

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  出典:オンライン日経ビジネス(2017/8/28)
 参考2:http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/278202/051600032/

 

まとめ
日本での実質GDPは堅調に推移しているが、潜在的失業率は急増し、平均賃金が低下し、その結果として貯蓄率はマイナスに転じている。さらに、人手不足はロボット等の自動化で対応する方針だ。これらを総合すると、日本こそ、自動化で獲得したメリットの一部をベーシックインカム(UBI)として国民に還元すべきかもしれないという気がする。

以上



 

ベーシックインカム(UBI)を提供する本質的な意義

UBIの本質とは?
UBIは、弱者保護や格差是正少子化対策といったことを目的とした施策のように捉えられることがある。それらは一面正しい。しかし、それらは本質だろうか?

弱者保護か?
失業者が増えると犯罪が増える。収入がなくなるので消費が減る。それを防ぐ効果はあると思うけど、それは本質ではない。低所得層を救済するのであれば、現在の福祉制度を強化するべきだろう。

格差是正か?
低所得者層に資金を再配分するのがUBIの本質だろうか?同じ金額でも、高所得層よりも低所得層の方が、その効果は大きい。例えば、年間100万円で生活している人にとって例えば年100万円のUBIを貰えればそれは所得倍増になるが、年収1千万円の人にとっては1割の増加でしかない。しかし、UBIを導入しても収入が単純増加(平行移動)するだけで、格差是正にはならないし、これが本質でもない。

少子化対策か?
ホリエモンこと堀江貴文さんはツイッター等で、UBIは少子化対策になるとつぶやいている。学費免除よりもUBIの方が家計の救済効果は大きいし、極端な話、失業した夫婦が子供の一人産めばUBIの受け取りは1.5倍になる。二人産めば倍になる。将来の生活への不安も払拭されれば子供を持ちたい夫婦にとっては朗報だろう。しかし、高額所得層にとっては、UBIを受け取るからもう一人産もうということにはならないだろう。これも本質ではない。

 

では、何が本質なんだろうか?

 

ロボット(AIを含む)と人間の関係
私は、人間(国民)とロボット(AIを含む)の関係をどうするのか、どうあるべきなのかという議論がUBIの本質だと思う。つまり、ロボットは人間と競合する存在なのか?それとも、人間の僕(しもべ)のような存在なのか?もしくは、ロボットから見ると人間は愚かな家畜のような存在になっていくのか。

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希望的観測を含めて個人的な意見としては、上の図のように当面は労働者の労働がロボットに置き換わって失業するという競合状態が発生するが、ロボットの利用が増大し、定着すると、ロボットが多くの労働の担い手となって社会を支える存在になるのではないか。さらに、人間は人間にしかできないことを追求し、ロボットと切磋琢磨しながらさらに幸せで高度な社会を作っていく。そのようなユートピアを目指すという楽観的なシナリオを描きたい。その逆は、ロボットに職業を奪われ、最低限の生きていくための収入で生きていくという図式だ。

整理していて感じることは、ロボットの能力は指数関数的に高まってきたし、これからも高まっていくだろう。しかし、人間が自らの能力を高めるかどうかは、人間次第だ。従って、UBIが実現した時に、ロボットの機能を活用し、さらに上を目指す、例えて言えば将棋の藤井プロのような存在を目指すのか、それとも面倒な仕事はロボットがやってくれるのでラッキーと怠惰な存在となるのかは、個々人の価値観次第だ。上を目指すのも良いし、楽な生活を目指すのも悪くはないかもしれない。どちらが幸せと感じるかはそれぞれだからである。

しかし、いずれにせよ、そのような図式の社会にシフトしていくには、ロボットが頑張って生産性を高めて、必要な食料、必要なインフラ、必要な情報を生成し、その成果を基礎として人類が生きていくということになる。その場合には、UBIのような仕組みは必須である。

ロボットによる成果とUBI
UBIが可能かどうかとか、UBIとして支給すべき金額というのは、AI技術を含めて、ロボットがどれだけ生産性を高めているのか、どれだけ貢献しているのかに依存する。ロボットの活用が未成熟な社会では、UBIを支給する原資がない。

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これをチャートにすると上の図のようになる。現状は左下のマトリックスだが、ロボットの生産性が高まるのに何もしないと失業者が不要に増大してしまう。そのために、ロボットが高めた生産性に応じて、適正なレベルのUBIを支給する。このように右上の間トリックを目指すのが望ましい社会だろう。

避けなければならないのは、右下と左上だ。右下の状態が長く続くと不況が深刻化して、UBIの原資がないという議論からUBIも支給できず、最悪のスパイラルに陥るリスクがある。一方、左上はロボットによる成果以上に、もしくはそれに先行して、UBIを開始するために、原資を確保できずに行き詰まってしまう。一度行き詰まると再度UBIを展開することが非常に困難となる。

したがって、UBIの展開はロボットの成果に合わせて徐々に拡大することが肝要だ。ロボットの進化は指数関数的に進展するため、UBIの展開はスモールスタートが効果的ではないだろうか。金額の問題ではなく、UBIを展開する仕組み作りがより重要だ。

UBIを提供する仕組みとそこから生じるビッグデータの活用
国がどのようにしてUBIを国民に支給するのか。支給されたUBIを国民がどのように利用するのか。その利用状況を蓄積し、ビッグデータとして活用することは可能か。そのような仕組みを十分に議論するべきだ。

現在は、月7万円程度を例にして説明されることが多いが、スタート時は、その10分の1でもいいのではないか。そのレベルであれば長期的に展開すると政府もコミットできるのではないだろうか。そして、ロボットの普及に伴いロボットが社会に貢献するようになったら、その原資をUBIとして還元し、ロボットが生産したものやサービスを人間が消費する。そのような図式でバランスを取っていく。

景気対策の調整弁としてUBI
UBIの支給金額が適正金額よりも多いとインフレになると言われている。意志を持ってインフレにするのは別にして、適正以上のUBIを支給すると必要以上に需要が喚起して、供給を上回るので、インフレになる。これは理解しやすいだろう。逆に、UBIが適正以下だと、本当は需要があるが、それを我慢するためモノやサービスが購入されずに、値下げ競争(=デフレ)となる。

デフレ脱却の必要性を政治家がよく発言するが、本当にデフレ脱却したいのであれば、消費を喚起するためにUBIを導入すれば有効だろう。金利を下げても、マネタリーベースを増やしても需要は喚起されない。しかし、消費者が自由に使えるUBIを制度化すれば需要は喚起されるだろう。ただし、UBIの本質的な意義は景気の調整弁ではない。

UBIの適正な運用が重要
適正以上に支給すれば当然ながら原資が不足して破綻するリスクがあるので注意が必要だ。同時に、適正以下の水準だと、十分な経済効果を得られず、失業問題やデフレ問題、自殺問題などが多発する不幸な世界に突入するリスクがある。適切なレベルでのUBIの支給が非常に大切である。また、景気の調整は付随的な機能だ。ロボットの活躍による効果を人間にフィードバックさせることで、ロボットと人間のWin-Win関係を維持することがUBIの本質的な役割だと考える。

以上

ベーシックインカムで支給されたお金の利用状況をビッグデータとして分析・活用できるのか?

景気対策手法としてのUBI
好景気か不景気かといった状況に応じて、政府や日銀は金融政策や財政政策、公共投資を行って物価上昇率や為替レートを調整している。しかし、不景気だからと金利を下げても、マネタリーベースを増大してもその効果は限定的だったり、即効性がなかったりする。なぜならお金を使うのは消費者であり、その消費者が自由に使えるお金が増えない限り、消費は増大しないからだ。では、どうすれば良いのか?文字通り、自由に消費者が使えるお金を供給すれば解決になるのだろうか。ベーシックインカムとして、無条件に全ての国民に一定の収入を担保し、提供すれば、消費は上回るのであろうか?

金利政策やマネタリーベースの政策、インフラ投資の政策よりは、ベーシックインカムの施策の方が即効性はあるだろう。ただし、どのようにベーシックインカムを国民に支給するのか、どのように管理するのか、また、その利用用途に制限を加えるのかが問題である。

UBIの提供に関して工夫すべき点
個人的には、次の3点について入念に工夫する必要があると考える。

 1) どのように支給するのか?
 2) 利用状況をどのように管理するのか?
 3) 不正な利用を規制するのか?

それぞれについて、私案を複数列挙してみる。

1) どのように支給するのか?
 案1:現金(キャッシュ)で支払う。
 案2:指定された銀行口座に振り込む。
 案3:電子マネーとして支給する。
 案4:その他の方法で支給する。

2) 利用状況をどのように管理するのか?
 案1:管理しない。無条件で支給する。
 案2:管理する。例えば、前項の案3であれば、登録IDで利用状況を管理する。

3) 不正な利用を規制するのか?
 案1:規制しない。無条件で支給する。どのように使うかは個人の判断とする。
 案2:規制する。利用の有効期限を設ける。利用の用途を定める。

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これを整理すると、上図のようになる。現金や指定された口座に振り込まれる方法は国民としては便利だけど、支払い〜受け取りまでの事務処理を考えると効率的ではない。UBIは短期的に終わるものではなく、今後何十年も長期的に継続して実施する制度である。IT技術を最大限に活用して、少ない工数で自動的に回る仕組みが望ましい。過剰な管理や規制は本末転倒であるが、やはり一定の管理や規制は必要だろう。

その意味では、案3の登録したIDに基づいて利用状況の管理や不適切な利用の規制を行う方法が望ましいのではないか。代案として、ブロックチェーン技術を用いた仮想通貨とする案4も想定される。 

ベーシックインカムの支払い方法として、仮に政府系の電子マネーとして提供する方法を採用したとすると、その場合のメリットと問題点は次のようになる。
1. メリット
・政府が保証する電子マネーとして国内で広く活用される。
電子マネーのやり取りをすべて電子マネーのフローを管理できる。
・具体的には、個人と個人、個人と法人、法人と法人での処理が含まれる。

2. 問題点
電子マネーの仕組み作りが必要になる。
② 子供名義の電子マネーカードに対する親権のルール作りが必要になる。
電子マネーを使いこなせない高齢者の対応支援が必要になる。

3. 今後の検討課題
電子マネーの仕組み作り
・日本国民が広く国内で利用可能なインフラを整備する。
・国外での利用は原則不可とするべきかどうか。
・ここでは、政府から直接国民にUBIを電子マネーで支給する処理を想定する。
・つまり、政府から支給されたUBIを国民が使って、企業に回り、銀行に回る。
市中銀行を経由してUBIが中央銀行に回ってくる。
・政府は、中央銀行に対して国債を発行することでこれを精算する。

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② 未成年に対する考慮事項
・子供名義の電子マネーカードに対する親の権利をどのように定義するか。
・養育費相当を子供名義のカードから親名義のカードに移転可能とする等。
・現在の子ども手当は、親が受け取るが、UBIの受取人はあくまで本人である。

高齢者に対する考慮事項
高齢者が自立している場合は問題はない。
・家族や施設の支えが必要な場合にUBIをどのように受け取るべきなのだろう。
・UBIを第三者に代行受け取りさせる場合のルールを検討する必要がある。

以上

将来日本でベーシックインカムが導入されたら失業率、犯罪率、離婚率、出生率、自殺率はどうなるのだろう?

景気と失業率、失業率と犯罪率、景気と離婚率、失業率と出生率、失業率と自殺率等には相関関係があると言われている。それらの現状の調査結果をレビューするとともに、全ての国民が無条件に一定の収入を得ることができるベーシックインカム(UBI)が導入された場合にこの関係がどのように変化するのかを大胆に予想してみたい。

フィリップ曲線
景気と失業率の関係は、フィリップ曲線として有名である。つまり、物価上昇率が高いときは失業率が低いが、物価上昇率が低くなると失業率が高くなるという負の相関関係を有している。下図は、総務省統計局のデータを加工したものである(参考1)。
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失業率と犯罪率の相関
失業率が高いほど犯罪率が高く、失業率が低いほど犯罪率も低いという事象である。この傾向は特に日本で顕著であり、下の図では相関係数が0.88と非常に高い結果になっている(参考2)。しかし、米国では0.31、英国では0.13と日本以外の諸外国ではここまで高くないのは、海外では失業率以外の要因が支配的ということと理解される。

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景気と離婚率の相関
景気と離婚率の相関係数は算出されていないが、時系列の調査結果があった(参考3)。ここで特筆すべきは、単に相関関係があるだけではなく、離婚率が先行指標となっていることである。特に、1980年代に離婚率が先行して上昇し、それを追うように景気が上昇している。しかし、2001-2002年を底にして、離婚率がまた増加に転じている。その後の景気の上昇機運は弱いので、もう少し精査が必要かもしれない。

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失業率と出生率
失業率が増加すると、出生率は低下するだろうか?CIAのWorld Fact Bookのデータを重回帰分析した調査結果があった(参考4)。そこには次式のように、インターネットの普及率が高まると出生率が低下するという。さらには、失業率が増大すると出生率も高まる(参考5)という内容だった。

 出生率=23.6 - 0.235 × インターネットの普及率(%)+ 0.147 × 失業率(%)

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失業率と自殺率の関係
失業率が増大すると、自殺する人は増えるのだろうか?1953年から2013年までのデータを男性と女性に分けてその相関関係を分析している調査があった(参考6)。これによると、男性は+0.891と非常に高い正の相関関係を示す一方で、女性は-0.223と低い負の相関関係を示している。男性は職をなくすことで生きる気持ちをなくす。しかし、女性は居直って生を謳歌するのだろうか。これを分析した松尾先生の講演を聴く機会があった。その場では、「女性が自殺する場合はうつ病になっていることが多く、失業してうつ病になる人もいる。この点を補正しないといけない」と補足されていた(追記:2017/8/27)。

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ここまでは、文献やウェブベースでの現状までの調査結果である。UBIが導入された場合には、これらの関係はどのように推移するのだろうか?大胆に予想してみたい。

  1. 景気と失業率の関係
    仕事をするかどうかにかかわらず、人間としての尊厳を維持するための最低限の生活費がUBIとして支給される。本人が希望する仕事がなければしなくても良い。そのような社会システムが整備された段階においては、もはや失業率は重要な指標ではない。企業に勤務する人、企業から給与が支給される人は減少するだろう。つまり、失業率としては、増大すると予想する。しかし、どの程度まで失業率が増大するかは、今後の検証が必要である。
  2. UBIと犯罪率の抑制
    UBIが支給された場合には、失業率が実質的にゼロとなったことと同義であり、犯罪率は抑制されると予想する。また、UBIの前提は無条件に全国民に支給であるが、犯罪を起こした人に対してまでUBIを支給するのかどうかは、議論を要するだろう。犯罪を起こすと貰えるべき収入(UBI)を受け取る権利が消滅するとした方が犯罪の抑止力となるかもしれない。もしくは、UBIは理念の通り支給されるが、刑務所への入所代金として服役者から適性額を徴収する方が公平かもしれない。
  3. UBIと離婚率との関係
    これは微妙だ。ただ、特に低所得層においては、家族の人数分のUBI収入は貴重であるので、できるだけ仲良く生活するようなベクトルが働くのではないかと予想する。しかし、高所得層においては、UBIの収入による抑止力は低いと予想される。
  4. UBI出生率との関係
    出生率は増加傾向に働くだろう。特に低所得層や若年層においては、結婚すれば二人分、赤ちゃんが生まれれば三人分のUBIが支給される効果は大きい。二人目、三人目を産もうと考えるカップルも増えるだろう。ただ、これも所得層によって傾向が分かれるのではないか。つまり、現在の日本社会においては、教育費が非常に高いので、高度な教育を受けさせようとする特に都心部の家庭では、UBIが支給されても、子供への教育費に満たないので、出生率を高める効果は低いだろう。
  5. UBIと自殺率との関係
    男性の失業率と自殺率の高い相関関係は悲劇だが、UBIが導入されれば、これの抑止効果は働くと予想する。ただし、女性は負の相関関係であるが、UBIが導入されたから自殺率が増加するとは思わない。UBIによる収入を含めて、さらに生を謳歌するのではないだろうか。

まとめ
現状で入手できる調査結果を整理するとともに、それらの傾向からUBIが導入された場合の効果を大胆に予想してみた。しかし、これはあくまで予想であり、仮説である。今後、裏付けデータを積み重ね、仮説を検証していく必要があるが、所得層によりUBIの効果は異なると予想される。ただし、UBIの支給方法を工夫することで、国民の生活データをビッグデータとして分析したり、これを活用することが技術的には可能だ。今後はその可能性を検討してみたい。

 

参考1:日本経済再生のために (http://www.ochiaitakayuki.com/agenda/exit_deflation)
参考2:svnseeds` ghoti! (http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/)
参考3:社会実情データ図録 (http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2780.html)
参考4:Life is beautiful (http://satoshi.blogs.com/life/2008/06/post-1.html
参考5:CIAのWorld Fact Book (https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/)
参考6:データえっせい (http://tmaita77.blogspot.jp/2015/02/blog-post_6.html )

 

ベーシックインカム(UBI)への期待感と留意事項

ベーシックインカムとは
ベーシックインカムという言葉を聞いたことがありますか?
Wikiで調べると、2010年時点で参院選政党所属候補者に対する意識調査をしたところ、賛成が50名(38%)、反対が37名(28%)、どちらとも言えないが44名(34%)だったという。海外では、盛んに議論されている。スイスでは国民投票が行われた。日本でも、日経新聞で解説記事が出たりしているが、一方的かつ古い論調であり、あまり盛り上がっているとは言えない。ITを中心とする技術革新は指数関数的に進展しているが、その先は幸せな世界なのか、逆に不幸な世界なのか。もし、問題点があるならそれをどのように克服すべきかのかという大きな問題をもっと掘り下げて議論する必要がある。ベーシックインカム(以下、「UBI」という。)は、この問題の解決策として期待されている。単に国が国民に現金をばらまくヘリコプターマネーと呼ばれる施策ではない。
UBIはUniversal Basic Incomeの略である。海外ではUBIと呼ぶことが多いので、このブログでもUBIと呼ぶ。


公益の確保
技術士の責務には、公益確保の責務(技術士法第45条の2)として、「技術士又は技術士補は、その業務を行うにあたっては、公共の安全、環境の保全その他の公益を害することのないように努めなければならない。」という規定がある。これは、技術的なプロジェクトを経済性原理のみで推し進めるのではなく、社会への影響、環境への影響を考慮して進むべきという技術士の倫理規定である。
IT技術やロボット技術、AI技術、バイオ技術などを活用して社会の仕組みや会社の業務を効率化する動きは加速している。これらの新技術を活用することは、当然悪いことではない。しかし、これを突き進めると人類や国民は本当に幸せになるのか?もしくは、失業者が蔓延して、不安定な社会に向かうのだろうか?技術が進歩しても単純の仕事がなくなるわけではなく、業務を効率化する業務や、新しい仕組みを導入する業務、人間でないとできない業務が生み出されていくことになると思う。
でも、その結果、人間にしかできないような高度な業務と、機械化する意味のない価値の低い業務は残るが、それ以外の中間的な業務は大幅に効率化されると考える。


国民の幸せ
そのような社会になった時、そのような社会システムで国民は幸せを感じることができるのだろうか。安心して人生を過ごすことができるのだろうか?できる人とできない人。持てる人と持てない人。裕福な人と貧しい人の格差がますます広がるようなことになるのではないのか。そのような社会は果たして優れた社会なのだろうか?このような問題を解決することは単純な問題ではない。しかし、この問題を解決するための有力な方法がUBIではないかと思う。


UBIにまつわる多くの問題
UBIを実現するには財源の問題を筆頭に数々の問題が指摘されている。UBIを理解するには、次のような問題についての理解を深めることは必須だ。これらについても、少しずつ整理していきたい。
・そもそも、UBIとは何か?
・なぜUBIが必要なのか?
・日本での検討状況は?
・海外での検討状況やトライアル状況は?
・UBIが導入されるとどのような効果が期待できるのか?
・逆にUBIを実現するには、何か問題(ネック)なのか?
・政府通貨の発行は可能か?財源問題の解決策となりうるのか?

UBIに対する期待感と実現のための留意事項
UBIを導入すれば全ての社会的な問題がなくなるとは思わない。しかし、UBIを適切に導入することで多くの社会的な問題を解決するのではないかという期待感はある。これは単に失業者対策や社会福祉の観点だけではなく、お金とは何か、生きがいとは何か、幸せとは何かを考えることにつながる。日本でUBIが導入されるまでには、10年から20年の検討スパンが必要だと予想する。UBIは、早く導入することが大切なのではなく、日本の実情に合わせて、段階的に導入し、着実に継続して、改善していくことが重要だ。今後、日本社会においても、UBIに関する議論が深まっていくことを期待する。
個人的には次のような点を含めて、技術士の目線で調べたことや検討したことを少しづつでも、このブログの中で報告していければと考えている。
銀行システムに代わる新しい経済システムの可能性
金利政策に代わる景気調整機能としての可能性
・消費データをビッグデータとして活用する可能性
小さな政府が実現する可能性
出生率を高める可能性
犯罪抑止力としての可能性
・物価の安い地方や過疎地への移住が進む可能性
・伝統的な農林水産業を長期的に取り組む社会の可能性
・趣味や研究や芸事に没頭できる可能性

参考
・BI実現を探る会より、http://bijp.net/review/article/457
Wikihttps://ja.wikipedia.org/wiki/ベーシックインカム
・TED、https://www.youtube.com/watch?v=aIL_Y9g7Tg0

 

 

 

Memorial photos and my impressions of the Baltic counties trip(4/4) Tartu, Tallinn(again) and Helsinki(again)

I would like to finalise my impressions of Baltic countries based on my pictuires as below, 

1. Tartu 
1-1 It took 8 hour from Vilinus to Tartu via Riga. There are two major bus company, ECOLINES and LUX EXPRESS. The bus I have used is all ECOLINES up to Tartu.
In the bus of ECOLINES we can use Wi-Fi, Drick cafe, and WC available. Only problem is there are no Electoric Power. And LUX EXPRESS provides it.

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1-2 Tartu is beautiful city
When arriving at Tartu city, the husband of the owner welcomed me! How kind! It was 23 O`clock and seems that they worried about if I lose my way. When we were arrived at the house I stayed the host(mother) and grand mother welcomed me and had a nice hot coffee. It made me happy and warm in mind. In the morning I walked aound the house, and I found very beautiful Ema yuigi River and houses with beautiful flowers.
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1-3 I reserved the ticket to Tallinn from Tartu, the bus was LUX EXPRESS.
I should return to Tallinn on 12 Aug, then I immediately reserved the bus ticket and the bus is LUX EXPRESS. It was first time to use the LUX. I was little bit happy because the bus provides AC power and sound luxuary.
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1-4 Beatiful city hall of Tartu
After reservation of bus ticket, I moved to the center of Tartu city, and found the places are very beautiful and those building and street are remained as if it was middle ages. Middle pictuire as below is the man and lady who hold each other and kiss. So cool!
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1-5 Outlook of the Tartu University.
How do you think about this beautiful building! This is the University of Tartu is biggest university and only classical university in Estonia and it was established by swedish King in 1632. 
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1-6 I visited the Tartu University and musium inside of it. 
It is little bit hard to find the entrance of the musium because inside of university only small signboad and the entrance door was closed. I knocked and opened the door, I young person looked at me seems he was little bit surprised, and this is the right reception. He asked me if I want to visit only museum or all the exbitions, and I said I want to see all. Then he first guide me the rooms where many precious scalpture are exibited.
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1-7 A purnishment room for student
When I finished to look around the scalpure, the young person asked me to wait for a while because there are another guest and he want to guid us simultaniously to the next exibition. We guided to go up and up the stair and finnally we were arrived at a dark small room under the eaves named the purnishment room. The room was used to purnish student who broke the rule of the universtity. The student was lonely stay the room for three weeks. There are bed, desk, and WC. They are surved only some bread and milk. But it seems to be good for to concentrate to paint a picute. 
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1-8 Ceremony Venue of the University
Final exbition was the ceremony Venue at grand floor named Assembly hall where the entrance celemony and graduation ceremony were held. The hall was fired and present furnituire was restored one. 
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1-9 Antique store and Abacus in it.
After visiting the Tartu university I vesited one antique store and find avacus as right picture as below. This type of avacus was used at Russia and they has 4-2-4, total 10 ball at each row. It is different from Japanese abacus which has 1-4, total 5 ball. But it is very interesting because Estonian people are very good at calcurating same as Japanese.
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1-10 An Estonia Plane
One more thing that I was surprised at the Antique store is Plane. I asked the shop master how to use this plane, he answered that this plane is cut wook by pushing. It is very looks like Japanese plane but Japanese one is used by pulling. I can not judge which is reasonable but maybe both is OK and each one should be suitable for each people.
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1-11 Chest of drawers
There are beautiful dishes but I was interested in the chest of drauwer as below. Maybe people who can use the plane can make a fine furniture include the chest of drawers. When I pull the drawer it smoothly pull like a Japanese furniture.
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1-12 The Lunch at the Tartu
Neare the Tartu University there are a famous restrant, Pussirohukelder. I supporsed the restaurant should be top of hillside but I could not find the restaurant, because it is under the hill! I finally found the restaurant but the prices are little bit high than I expected. So I selected reasonable one chicken wing, but oh my god! It is only 6 small wing. It was delisious but I can not be satisfied with that. If you want to eat chicken wing, you are advised to come Nagoya of Japan, the Tebasaki is much delicious. After drink beer and chicken wing, I departed the restaurant and find another good cafe and order chocorate cake and kafe mocha. It was delicious and I was satisfied a lot!
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1-13 The breakfast at the house and funny house near there
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1-14 Morning market at Tartu city
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2. Tallinn(again)
2-1 Tallinn again. Welcome back! 
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2-2 Have a lunch at the same restaurant.
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2-3 Traditionanl Telegraaf hotel where I just stopped and passed 
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2-4 Nice surveniour shop at Tallinn
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2-5 Driverless auto pilot trial bus. And I can got on!
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2-7 Celebrate my self with Sacher Torte and mocha coffee.
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3. Helsinki(again)
3-1 Welcome back Helsinki!
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3-2 Helsinki station and I bought ticket!
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3-3 How to buy ticket at Helsinki Airport to Helsinki center of the city.
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3-4 Very reasonable Lunch for the local people.
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3-5 The automated check in system for the airplane
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