LuckyOceanのブログ

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コンビニの成人向け雑誌から十訓抄まで(笑)

コンビニの雑誌販売
コンビニはとても便利だ。でも、どうも違和感を感じるものがある。特に海外から帰国するとドキッとする。多分、日本に来た外人旅行客も驚くのではないかと思う。この前も、その話をとある校長先生に聞いてみた。最初は思いつかなかったようだが、こちらから指摘すると確かにそうかもしれない。もう日本人の感覚が麻痺しているのかもしれないとおっしゃっていた。子供達に、ふざけた写真や人に見せられない写真を撮ったり、取らせたり、ましてネットに絶対アップしてはいけないといくら熱弁を奮っても、学校近くのコンビニには成人向け雑誌が堂々と陳列されている。特に、トイレを使おうと店の奥に行くと、そういう場所に成人向け雑誌があったりする。小さな子供から、あれなあに?と聞かれたお母様も回答に困っていたりする。大人になったら読む本なのかと理解している子供たちもいるかもしれない。成人向けの雑誌は、表紙を見ただけで内容を想像できそうなけばけばしい写真がふんだんに使われている。これは教育には良いわけはない。

コンビニの店舗戦略の見直し
最近は、これを見直す動きが出ている。調べてみると2つの方向性が見えてきた。一つは、地域社会からのクレームを受けて、店舗での陳列や販売を見直す動きだ。例えば、大手コンビニのミニストップ千葉市内の店舗で成人向けの雑誌の取り扱いをやめると発表した。本年1月からは全国のミニストップで販売を停止するという。もう一つは市場の需要に基づく戦略の見直しだ。大手コンビニのセブンイレブンでも、旧店舗のリニューアルの時には、雑誌のコーナを半減させたりしている。その空いたスペースはイートインなどに転用するケースもある。下の図は、2001年から2016年までの店舗数の推移と、出版物の売り上げの推移だ。店舗数は約4万店舗から5.6万店舗に1.4倍に増加している。しかし、出版物売上高は約5千億円から1859億円と、4割以下に減少している。書籍離れに拍車がかかっているのだろうか。
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(出典:GarbageNews、参考1)

好調な週刊文春
下の図は一般週刊誌の2017年7-9月の発売部数と前年同期比だ。これを見ると最大部数を誇るのがセンテンススプリングこと週刊文春で64万部だ。二位が週刊現代、三位が週刊新潮、そして四位が週刊ポストだ。また、前年同期比で見ると、増加している雑誌はなく、かろうじて週刊文春が2.7%の微減にとどまっている。あれだけ芸能や政治のスキャンダルを暴きながらも販売部数を伸ばせない。世の中はネットにどんどん移行する中で、逆風の中で頑張っているというべきなのかもしれない。しかし、国際便などではこれらの週刊誌も持ち込み禁止のポルノ雑誌だ。実際、これでもかというぐらいヌード写真が連発されている。報道の自由表現の自由を主張するのは自由だが、日本の美徳はどこに行ったのかと書くと笑われるのだろうか。
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(出典:GarbageNews、参考2)
アダルト向け市場の動向
国内でのアダルト市場の動向について矢野経済研究所が調査をしていた。10の分野に分類していて、その最初の5つを下に示す。詳しくは参考3を見て欲しい。これによると、ギャンブル系がほぼ30兆円、酒タバコなどが7兆円、衣料品が約1500億円、アダルトコンテンツ系が700億円、そして、出版市場が400億円といった規模感だという。そして、どの分野も市場規模が縮小している。コンテンツ系は伸びていると想定したが、ネットの無料動画に流れていて、有料のDVD等の売り上げは減少しているということだ。アダルトグッズの成長ターゲットは女性、外人、輸出という。
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(出典:矢野経済研究所、参考3)

アダルト系の起源
男女の営みを描いたものは紀元前30世紀のシュメール時代に、粘土板に描いた線刻画が残っているという。紀元前13世紀ごろの古代エジプトパピルスには、ドデカテクノン(12態位)という春画が描かれているという。詳細はエロティシズムの世界史に書かれているようだが、残念ながらネットでは目次までしか確認できなかった。機会があれば拝読してみたいもんだ。
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(出典:nitesha、参考4)

日本での春画
古くは平安時代に、偃息図(えんそくず)と呼ばれる春画があったという。下の図は、小柴垣草子(こしばがきぞうし)という春画の絵巻物だ。宗教的な極意伝授を意味する『灌頂巻』とも言う。道を究めることを得意とする日本人は性の世界でも48手を極めている。現在残っているのは江戸時代の模本や写本だ。庶民に広がるのは室町時代から歌磨呂を代表とする江戸時代だ。日明貿易で明国に輸出された扇子には、不肖の画が書かれていたものもあったという。ネットで春画と入力して、画像を検索すると、素晴らしい春画が一杯表示される。かつて、ヨーロッパを旅行した時に、海外に流出した浮世絵を必死で買い漁っていた日本人旅行者がいたが、今はネットで見れる。良い時代になったものだ。
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(出典:aucfan、参考5)

チビッ子猛語録
「自分の若かった頃は」という書き出しは好きではないが、小学校の時に同級生と性の話になり、その友達から紹介されたのが、チビッ子猛語録だった。今の子供達は、性をきちんと学ぶバイブルはあるのだろうか。チビッ子猛語録は現在は発禁になっているが、アマゾンで検索すると中古品を三千円前後で購入できる。でも、子供に性教育するのは難しい。自分には無理だ(涙)。
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(出典:JUGEM、参考6)
十戒の教え
モーセ十戒(じっかい)と言えば、モーセが神から与えられたという10の戒律だ。宗派によって多少の違いはあるが、例えば、プロテスタントでは、次の10の戒律を定めている。これは倫理というよりは、刑法で定めるような内容ではないか。
 1. 主が唯一の神であること
 2. 偶像を作ってはならないこと(偶像崇拝の禁止)
 3. 神の名をみだりに唱えてはならないこと
 4. 安息日を守ること
 5. 父母を敬うこと
 6. 殺人をしてはいけないこと(汝、殺す無かれ)
 7. 姦淫をしてはいけないこと
 8. 盗んではいけないこと
 9. 隣人について偽証してはいけないこと
10. 隣人の財産をむさぼってはいけないこと

十訓抄
突然、十戒が出て失礼した。古い書籍を調べていると「十訓抄」(じっきんしょう)が出てきた。どうも、鎌倉中期の教訓話集だという。10の戒めという意味では先の十戒と対比するのが面白いだろうと思って十戒を先述した。十戒は盗むな、殺すな、姦淫するな、嘘をつくなと説いている。一方、十訓抄では人には徳を施せ、友人を選べ、思慮深くあり、他人を羨むな、自らの才能や技術を磨けと説いている。どちらの民度が高いかは一目瞭然ではないだろうか。我々日本人は、こんな素晴らしい教えで育っていたことを現在の日本人はどれほど知っているのだろうか。少なくとも私は知らなかった。無知を恥じるばかりだ。
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(出典:Wiki、参考7)

まとめ
コンビニでの成人向けの雑誌は、今後是正されるのを希望する。どうしても売りたいなら、ツタヤのように暖簾の奥に置くべきだ。しかし、市場が減少していることを考えると自然淘汰される方が早いのかもしれない。成人向け雑誌の起源を調べると、国内では偃息図、世界ではドデカテクノン(12態位)があることを知った。機会があれば拝読したいものだ。また、期せずして、鎌倉時代の倫理本=十訓抄を知った。そして、その教えのすばらしさに二度ビックリした。縄文時代の土器は発掘されるし、狩猟用の武器も発掘されるが、人と人の争いのための武器は発掘されたものはないという。そして、おおらかな性を楽しんだようで、まじわいの時間も長かったらしい。戦国の時代は、そのような時間も短かくなったが、江戸時代にはまた比較的おおらかになったようだ。平和な時代と戦国の時代とではどっちが良いのかは論を待たないと信じたい。
以上

参考1:http://www.garbagenews.net/archives/1987200.html
参考2:http://www.garbagenews.net/archives/2183069.html
参考3:https://www.yano.co.jp/press/press.php/001498
参考4:https://www.nitesha.com/?pid=56554111
参考5:https://aucview.aucfan.com/yahoo/s560100954/
参考6:http://ouraimono.terakoyapro.net/?eid=1400257
参考7:https://ja.wikipedia.org/wiki/十訓抄