LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

監視カメラを考える。

はじめに
最近は、犯罪者を検挙する三種の神器は、監視カメラとDNAと携帯履歴だという。確かにテレビでも、犯罪現場の状況を捉えた映像を入手しましたとか言って何度も報道している。世の中には一体どれぐらいの監視カメラがあるのか?監視カメラはどこに向かうのか?シェアはどうか?どこがリードしているのか?安全・安心には本当に貢献できているのか?そんな疑問に対する答えを探して見た。

監視カメラの世界市場規模
下の図は2015年8月時点なので、3年前の予測だが、2018年には世界で4,300万台を超えるという。青いパートはアナログカメラで、白いパートはIPカメラだ。2017年にはIPカメラがアナログカメラの台数を超える。今後、増えるのはIPカメラだ。
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 出典:矢野経済研究所(参考1)

ネットワークカメラの動向
下の図は、横軸を成長率、縦軸を台数規模でマッピングしたものだ。右上にあるのはビル・オフィスや店舗・流通だ。セキュリティを高めるためには必須だ。少し台数規模が小さいのが公共系だ。最近は日常化している異常気象に基づく災害監視などで設置が進んでいる。残念ながら左下は工場とか、文教、娯楽施設だ。工場内での活用や学校内では活用されているが、まだまだその規模は小さく、さらに今後の成長率も低いと見込まれている。この辺りの安全・安心を高めることも課題だろう。
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 出典:テクノ・システム・リサーチ(参考2)

街の監視カメラに対する期待と懸念
監視カメラは事業者から見るとセキュリティを高めるツールだ。しかし、監視される側はどのように感じているのだろうか。下の調査によると、犯罪抑止に効果があるとか、迷惑行為が減る、犯罪検挙率が上がるという期待感が多数だ。その一方で、プライバシーや肖像権の侵害を懸念する声もある。特に、最近の監視カメラは解像度が高いために、予想以上の情報を吸い取られている可能性がある。また、本来の目的ではなく、悪意の犯罪者がそのような映像を悪用する懸念もある。
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 出典:アルコム(参考3)

監視カメラの世界シェア
下の図は、世界の監視カメラの出荷台数のシェアだ。2016年実績では4,400万台以上が出荷された。そして、そのうちの32.3%を中国の杭州海康威視数字技術が占める。2位(9.8%)も中国メーカーなので、1位と2位を合わせると中国の2社で40%を超えている。3位はスウェーデンアクシスで日本にも支社がある。日本メーカーではパナソニックが4位に食い込んでいる。
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 出典:日本経済新聞(参考4)

監視カメラの国内シェア
2015年の出荷台数は60万台弱だが、年率10〜20%のペースで伸びている。2019年には100万台を超えると見込まれている。メーカのシェアでみるとパナソニックがダントツのトップで約57%を占めている。ついで、アクシス、キャノン、ソニーと続く。ちなみにスウェーデンアクシスキヤノンが2015年に3337億円で買収して、完全子会社化した。今後はキヤノンが世界のメジャープレーヤとなる可能性がある。素晴らしい。
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 出典:テクノ・システム・リサーチ(参考5)

顔認証技術で世界をリードするNEC
監視カメラの台数ベースにはNECはランキングされていないが、技術力では世界をリードしている。顔認証技術の研究を本格的に開始したのは1989年なのでほぼ30年前からだ。2002年にNewFaceを製品化し、2009年からは米国立標準技術研究所(NIST)のベンチマークで3回連続で一位を獲得している。ただし、このNISTの評価は非常に多面的で多様なので興味のある人は原文レポートを読んで見るのをお勧めする。
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 出典:NEC(参考6)

NECの顔認証制度はダントツ
下のグラフはNECフジサンケイビジネスアイ賞を受賞した時のレポートだ。我田引水に思う人もいるかもしれないが、NECの認証精度の高さは0.3%とダントツだ。人種に対する認識率も2位の2分の1、25度の斜めからも2位の3分の1だったという。
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 出典:NEC(参考7)

顔認証のための分析エンジン
これもNECの資料からだ。自画自賛の部分もあるが、インバリアント分析や異種混合学習、顔画像解析、行動分析などの技術を総合的に活用しているのが、NECの高い認識率を高めるという。なお、インバリアントを日本語でいえば不変量だ。複数の画像データを見比べて、いつもと違う何かを見つけて判定するというNEC独自の技術だという。キヤノンではなく、技術力でリードするNECがもし、スウェーデンアクシスを買収していたら世界の監視カメラの勢力図はまた違ったものになっていただろう。もしくは、NECはもっと別のグローバルなマーケット戦略を検討しているのだろうか?
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 出典:NEC(参考8)

多種多様な用途で高まる動画・画像監視のニーズ
監視カメラのニーズを大別すると、次のような4つに分類できるかもしれない。最近ではいわゆる監視カメラはIP化し、コストも安くなっている。ネットさえあれば動画情報をアップできる。このため、ドローンに搭載したカメラやロボットによる撮影もリアルタイムに見ることさえできる。
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 出典:アスキー(参考9)

ゴーグル型360度カメラ
Indiegogoとは2008年に設立されたベンチャー企業だ。サンフランシスコを拠点としてクラウドファンディングにより資金を調達する。Indiegogoは審査基準が比較的緩く、当初設定した金額に到達しない場合は、出資者らに資金を返す方法とするか、9%の手数料を払って集まった額だけ受け取る方法とするかを選べる。クラウドファンディングでは、Kickstarterの方が11万件、Indiegogoは約4万4000件プロジェクトに対応している。そんなクラウドファンディングを用いてゴーグル型の360度カメラを開発する人たちがいる。面白いことを考えるものだ。
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 出典:indiegogo(参考10)

ポケットに入れて撮影できるペン型カメラ
さっきの360度カメラは最低でも229ドルだが、下の図のようなペン型カメラなら1万円強で購入できる。静止画なら1280×960ピクセル、動画でも720×480ピクセルで撮影できると言う。マイクロSD対応で32GBまで保存可能だ。これぐらいなら買えるけど、こんなペンを持っているとちょっと怪しい。
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 出典:Skylijp(参考11)

パナソニックの「みえますねっと」
安心・安全を考えると、パナソニックが提供する「みえますねっと」のようなサービスも便利だ。でも、これは保育園の様子を外からでも見れると言うだけの仕組みだ。保育園で働く保育士は、園児が寝ている時も15分に1回はチェックしなければならない。0歳児の園児の場合には、5分に1回呼吸をチェックする。これが精神的にも肉体的にもきつい。そういった部分を監視カメラで代用して、リスクが高まったらすぐにアラームを鳴動させて、保育士に対応を求める。そのような仕組みの導入が必要だと思う。そう!昨日アップしたプールの監視システムと同じだ。監視カメラで映像を録画するのをゴールとするのではなく、リスクを監視して、リスクが高まったらアラームを鳴動させる。そういうシステムが求めれらている。
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 出典:パナソニック(参考12)

製造者責任(PL)
リスクを監視して、リスクが高まったらアラームを鳴動させるようなシステムを開発した場合にも、システムは完璧ではない。誤って鳴動することがあるし、見逃すこともある。どちらもゼロに近づけるべきだが、生命に関わるので、やはり見逃す確率を限り無く小さくする必要があり、必然的に誤鳴動が増えて、狼少年的な扱いを受ける懸念がある。また、見逃す確率をいくら小さくしても、見逃すケースもあるかもしれない。そんな時に製造物責任を問われるとしたらこれは辛い。保険制度を導入する等でメーカーのリスク分散をしないと、チャレンジするメーカーがフェードアウトするだろう。この辺りはなかなか難しい問題だ。

まとめ
犯罪者を見逃すのと、無罪の人を誤認するのとどちらがやばいかと言う判断は難しい。より高いセキュリティが求められる空港では前者を最小化すべきだし、アマゾンGOのような商業施設であれば後者を最小化すべきかもしれない。プールの監視システムや保育園の園児監視システムだと生命の問題なので前者を最小化すべきだ。現在の製品やシステムは、どちらかと言うと利便性や警備的な目的のものが多い。しかし、今後は監視員や保育士の気合と根性に頼っている危うい仕組みではなく、ITの力を借りて、より確実に、簡単に、効果的にリスク監視するようなニーズが増えてくるのではないだろうか。リスクを嫌うと言われるパナソニックには、ぜひ先陣を切ってリスク監視システムを開発して欲しいと思う。
以上

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

参考1:https://irorio.jp/agatasei/20150816/252787/
参考2:https://businessnetwork.jp/Detail/tabid/65/artid/3986/Default.aspx
参考3:https://www.arucom.ne.jp/sp_column/column12.html
参考4:監視カメラ世界トップの海康 急成長 :日本経済新聞
参考5:https://businessnetwork.jp/Detail/tabid/65/artid/5271/Default.aspx
参考6:リアルタイム監視を実現する動画顔認証技術 : NEC技報 | NEC
参考7:http://www.fbi-award.jp/sentan/jusyou/2011/8.pdf
参考8:http://portal.isee.kyushu-u.ac.jp/symposium/pdf/005.pdf
参考9:http://ascii.jp/elem/000/001/528/1528353/
参考10:ORBI Prime: The First 360 Video Recording Eyewear | Indiegogo
参考11:偽装スパイカメラ激安通販 おすすめ,長時間隠しカメラ
参考12:保育園の様子がみえます! | みえますねっと | Panasonic

プールの安心安全について考える。

はじめに
小学校の5年生の時に担当の先生から、「プールのことを英語で何というかわかりますか?正解者がいたら今日はプールの日にします。」という発言があった。生徒たちは喜んだけど、英語を知らない。自分は、多少自信がなくても発言するタイプだけど、英語でプールをなんと言うのか知らなかった。もしかして、、、とは思ったけど自信がない。結局、誰も回答せず。プールの授業は実現しなかった(涙)。今時の小学生なら、”Swimming pool!"レッツゴープールアンドスイミング!とか言う子も居そうだ。そんな楽しいプールもやはり危険はいっぱい。

プールでの人命救助訓練
小学校は自宅から歩いて30秒ぐらいだった。公園も隣接していたのでいつも遊び場所だった。多分、土曜日とかだと思うけど、プールに大人が集まって何かしていた。面白そうなので、塀越しに聞いていたら、溺れた人を助けるための訓練だった。へえ!そうやって助けるのかと感心した。そして、そのあとで町内会で近くの海に海水浴に行く機会があった。隣の家のお兄ちゃんは自分と同級生、弟は3歳ほど下だった。海でみんなで楽しく泳いで居たら、その弟が溺れている。周りを見回すけど誰も居ない。どうしよう。。。すぐに助けに行ってはいけない。そうだ。後ろから回り込んでいる訓練風景を思い出して、回り込もうとした。でも、後ろに回り込んだつもりが、くるっとこちらを向く。早く助けてよと必死の形相でこっちをみる。仕方ないので、潜って、後ろに回る作戦にした。うまく回り込めた。でも、その弟は人命救助の訓練を受けていなかった。自分に気づくと必死に抱きついてくる。困った自分は、その弟さんをくすぐった。今から考えると滑稽だが、余計に暴れる。結局、二人で溺れるような状況になった。流石に近くにいた大人も気づいてボートで助けにきてくれた。

浮き輪があればそれに捕まらせる
今から思えば、子供が子供を助けに行ってはいけない。まずやるべきは、周辺の大人に助けを呼ぶことだ。そして、もし近くに浮き輪があれば、溺れている人にその浮き輪を渡して、それに抱きつかせることだ。溺れている人は必死だ。訓練のようにおとなしくはしてくれない。良い子は覚えておいてほしい(涙)。

水難事故
少し古いデータだが、警察庁平成24年に調べて所、大人と子供では水難事故の場所が違っていた。大人は海が52%で河川が30%だ。しかし、子供は55%が河川で海は18%だ。プールが問題になることが多いが、子供の事故でプールはわずか3.3%だ。プールは監視体制にあるため問題視されることが多いけど、その事故件数は着実に減少したと言うことだろうか。事故の未然防止という観点でいえば事故件数の多い河川や海での対策を考えるべきだろう。しかし、プールの監視は不要かといえばそんなことはない。監視員は人間だ。気合と根性で監視するのには限界があるだろう。監視カメラや認証システムが海外では実用化されているので、以下ではその内容を紹介したい。
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 出典:警察庁生活安全局(参考1)

プールの監視カメラ
イギリスでは、プールに監視カメラを設置して安全安心を守っている。北ウェールズのバンガー市内のプールで10歳の少女が水泳中におぼれて、プールの底へと沈んだ。しかし、プールに設置された監視システム「Poseidon」はその異常を検知し、3秒以内にアラームで監視員に知らせた。少女はすぐに救助され、病院に搬送し、意識を回復した。Poseidonのアラームが鳴動してから少女を引き上げるまで要した時間が40秒未満だったことも奏功した。同システムの導入費用は、6.5万ポンド(約1,300万円)だ。このプールは、長さ約33m(110フィート)、深さ1m〜3.8mと大型プールだった。
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 出典:日本経済新聞(参考2)

中国での救済例
監視カメラを活用する動きは中国でも顕著だ。下の写真の左には子供写っている。しかし、スマホの操作に夢中なお母さんは子供の異変に気づかない。下の写真の右では子供はもうプールに沈んだが、母親は反対方向に子供を探しに行く。監視カメラがその悲劇の様を全て撮影していた。しかし、これは監視アラームと連動していないため、この子供が救済されたのかどうかは不明だ。
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 出典:viva(参考3)

8画面の監視システム
英国は海洋システムの技術をリードしている。先述のPoseidonも英国製だが、PoolView Plusという製品も英国製だ。Poseidonの後継機なのか、競合機なのかは不明だ。カメラで撮影した8つの画像を一つのスクリーンで確認できる。また、実際に何か異変があるとアラームが鳴動するので、監視員はすぐに救助に向かえる。監視カメラを製造するビジネスモデルではなく、リスクを監視するサービスを提供するビジネスモデルを考えて見るのも有効ではないだろうか。
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 出典:poolview(参考4)

スイミングプールセミナー2018
事故が起きてからその被害者の治療をするよりは、そもそも事故を未然に防ぐべきだ。そんなコンセプトでのセミナーが9月27日にスコットランドで開催される。参加費用もわずか35ポンドだ。参加したいと思ったけど、スコットランドまでの道のりは長いハードルだ。事故の状況を監視カメラの映像から危険を予知してアラームを鳴動する。そんな仕組みは技術的には可能だ。しかし、パターン認識の場合には、問題を見過ごす可能性と問題ではないのに問題と誤判定する可能性がある。統計的には前者を第一種過誤、後者を第二種過誤と呼ぶ。犯罪の謙虚では第二種の過誤(=冤罪)を避けるべきだが、プールの監視では第一種過誤を最小化すべきだ。
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 出典:poolview(参考5)

まとめ
調べると日本でも今年の6月9日に「繰り返されるプール事故から子供を守る」シンポジウムが開催されていた。事前に知っていたら参加したのにと残念に思う。レポートをみると、その中でも「ヒトによる監視には限界があることがはっきりするのではないか。それがわかれば、ポセイドンのように、機械がプールを監視するシステムを導入すべきであるという判断も生まれてくるだろう。」と指摘されていた。Poseidonシステムを開発したのはフランスのポセイドン社だった。これはプールの監視システムだが、同じような発想で、事故の多い河川や海などでリスクを検出して、注意を喚起するようなシステムを開発することができれば、安心・安全に貢献することができるかもしれない。
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 出典:2017 KIDS DESIGN AWARD(参考6)
以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

参考1:https://www.alsok.co.jp/person/lifesupport/child/09.html
参考2:https://www.nikkei.com/article/DGXZZO12623320R10C10A8000000/
参考3:http://viva-wmaga.eek.jp/2017/01/07/32900
参考4:http://www.poolview.co.uk/poolview-plus/
参考5:Prevention is better than Cure - Scottish Seminar 2018 — Poolview Limited
参考6:http://www.kidsdesignaward.jp/search/detail_171152

バングラデッシュの7日間戦争

はじめに
昨日、「世界一受けたい授業」を見ていたら、「ぼくらの七日間戦争」が今も子供達が読みたい本のベスト10に食い込んでいると言う。この本は、現在90歳になる宗田理さんが30年以上前に書き下ろした小説だ。でも、なぜ今も根強い人気なのだろう。大人が支配する社会の矛盾に憤慨するマグマはいまの日本の子供達の中にもあるのだろうか。

SNSの普及
現代の子供たちが立ち上がるとしたら、工場に立てこもるのではなく、SNSを活用して、問題提起して、署名を集めて、社会を動かそうとするのではないだろうか。子供達が憤慨するようなことを子供たちは見つけることができるのだろうか。

バルト三国独立運動
昨年の今頃はちょうどバルト三国の旅から戻る頃だ。エストニアラトビアリトアニアは、1989年8月当時はソビエト連邦の統治下だった。そして、8月23日には、独立運動の一環として、バルト三国の200万人のひとが手を繋ぎ、エストニアの現首都のタリンからラトビアの現首都のリーガ、そしてリトアニアの現首都のヴィリニュスまでの約600km以上で人間の鎖を形成した。そして、このデモがきっかけとなって、バルト三国は独立を実現した。しかし、彼らはIndepencenceではなく、Restorationと呼ぶ。なぜならエストニアには、1918年2月24日にロシア軍の撤退で独立した。そして、そのあとの不法な占拠から1991年8月20日に独立を回復した。なので彼らは今年の2月に独立100周年を祝ったのだ。
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 出典:Wiki

バングラデッシュの中高生が起こす抗議運動
日本のテレビや新聞では報道されていないが、一部のSNSで拡散しているのがバングラデッシュの抗議運動だ。ことの発端は先月の7月29日だ。無免許バスが起こした事故で10数人が死傷し、10代の生徒二人が死亡した事故だ。運転手は無免許、バスは車検を受けずに客を乗せ、乱暴運転をするという事態に対して、バングラデッシュの運輸大臣が記者会見でよくあることと言わんばかりに笑顔で対応したため学生の怒りが爆発した。7月30日には事故現場を学生が道路封鎖し、大臣の謝罪を求めた。8月1日にはバングラデッシュ全土にデモが広がった。さらにデモに止まらずに通行する車の車検や運転手の運転免許の確認を始めた。子供達の活動にエールを送る声がFBに広がり、一時は学校の先生もバナーを持ってデモに参加するなど、運動が全国に広がったという。運転免許センターは免許の更新や申請をする人で殺到したという。ここまでで終われば美談だった。
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 出典:Livedoorニュース(参考1)

暴動へと過激化するデモとそれを鎮静する政府
デモは一定の成果をあげたのだから鎮静すべきだった。しかし、デモは結果的に大規模な学生による暴動に発展した。これを鎮静化するために政府当局は携帯電話のインターネット接続を止めたと現地メディアが8月5日に発表したという。騒ぎは止まらず、警察はゴム弾や催涙ガスを発射し、ジガタラ地区では100人以上が負傷したという。
 出典:AFP(参考2)

メッシュネットワークによるSNSの活用
バングラデッシュの学生による抗議デモも7日間だが、宗田理の小説よりも数倍過激だ。抗議デモも教育省の許可を取得してから実施した。手順も間違っていない。学校の先生まで応援に来て、国民からもエールをもらった。そこから先は大人の活動にバトンタッチすべきだったが、その信頼関係がなかったのだろうか。ITの専門家としては、スマホやインターネットの役割や効果に関心が向く。2014年9月末に香港で数万人の学生や市民が集まって中国政府による香港の選挙制度の変更に抗議を表明した。そして、この時に活用されたのがメッシュネットワークによるメッセージを拡散するFirChatというSNSアプリだ。メッシュネットワークは、一般には聞きなれない用語かもしれないが、端末と端末が直接通信する方式だ。つまり、政府当局は通常のSNSのメッセージはモニターできる。しかし、端末と端末が直接通信するFireChatをモニターすることはできない。このために一気に香港で普及した。それを聞いて、FireChatにトライしたら、確かに香港人ばかりで日本人などいなかった(笑)。

まとめ
バルト三国独立運動には感激した。平和的な手段で独立したためだろうか、どの国も治安が良い。大人も子供も独立した喜びを大事にしている。犯罪を起こそうとする気配が感じられない。特にエストニアでは、日本と同じかそれ以上に治安が良いと感じた。世の中の矛盾に対して立ち上がるのは良いことだ。しかし、それも社会の秩序の中で行うべきだ。それを実現するのはやはり信頼関係かもしれない。現在の日本において子供と大人。国民と政府の間に硬い信頼関係はあると言えるのだろうか。

以上

参考1:http://news.livedoor.com/article/detail/15138196/
参考2:http://www.afpbb.com/articles/-/3185009?pid=20404757

パンの起源と防腐剤の功罪を考える

パンとご飯
朝食はご飯派ですか?それともパン派ですか?うちはパンの日もあればご飯の日もあるけど、どちらかといえばパンの日が多いような気がする。名古屋に単身赴任しているときは、最初はご飯をちゃんと炊いていたけど、だんだん面倒になって、コンビニのパンとか、即席ラーメンとか、素麺とかになっていった。家族からはカップラーメンだけは止めるように言われた。まあ、毎日料理するのはなかなか大変だ。家内に感謝。下の図は縦軸が単位がバラバラだけど、傾向が一目瞭然で面白い。このブログでは小麦の世界の生産高等について次のように記載している。
世界の小麦生産量は、現在、年間6.45億トンです。このうち、1.25億トンが輸出に回され、日本は5百数十万トン程度を輸入しています。国内の小麦需要量は、6百万トン余りで、国内生産量は85万トン前後となっています。

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 出典:パンを焼こう(参考1)

インスタント・レトルト食品とパンの市場比較
近年の食品業界のキーワードは、健康と付加価値と利便性だという。特に冷凍食品の進歩が目覚ましい。コンビニでお好み焼きを買うと300円から500円ほどするが、冷凍物だと100円から200円で買える。冷凍食品は高価なものではなく、廉価で手軽なものにシフトしている。下の図はインスタント・レトルト食品の市場規模や伸び率とパンの市場規模や伸び率だ。市場規模ではパンが1.5兆円超なのに、インスタント・レトルト食品はまだその3分の1程度だ。
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 出典:矢野経済研究所(参考2)

パンの起源
人類が初めてパンを焼いたのはいつだろう。諸説あるようだが、Wikiによると、ヨルダンでは、約1万4400年前の化石化したパンが発掘されているという。ヨルダンの北東部からだ。下の図(左)のようなところでパンのようなものを焼いたのだろうか。消化をよくするために硬い食物を砕いたのかもしれない。また、粉にすると保存食にもなる。それを水でこねて焼くと今で言うクッキーのような即食になったのかもしれない。今後さらに研究が進むことを期待したい。
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 出典:PNAS(参考3)

奈良明日香の酒船石
飛鳥とググる乃木坂46齋藤飛鳥ちゃんが出てきた。可愛いけど、今回はそちらではない。奈良県明日香村には古代の神秘の遺跡が多い。酒船石もその一つだ。写真(右)は明日香村にあるもので、花崗岩でできた石造物で長さ5.5m、幅2.3m、厚さ1mという巨大なものだ。酒を造る道具とか、薬を造る道具とか諸説あるが何の目的で建造されたのか不明だ。ただ、ヨルダンの遺跡をみていると、なんの根拠もないけど、この明日香の酒船石も食物を砕くのに使ったのかなあという仮説を妄想してしまう。
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 出典:Wiki(参考4)

臭素酸カリウムの使用問題
下の写真は2013年当時のランチパックの裏面の表示だ。確かに臭素酸カリウムと記載されている。臭素酸カリウムは強力な酸化剤だ。他の物質を酸化させる作用がある。加熱により分解し、有毒で腐食性のある気体が発生する。炭素、リン、硫黄などと反応し、火災の危険性もあるため、第1類危険物に指定されている。国際がん研究機関(IARC)では発がん性のある物質と指定していて、イギリスは1990年、ドイツは1993年、カナダは1994年、中国は2005年に食品への使用が禁止されている。日本では、1982年にパン以外での使用が禁止され、パンも最終製品に残留しないと規制されたが、30ppm以下の添付は許容された。日本生活協同組合連合会臭素酸カリウムを食品に使用すべきでないと主張し、山崎製パンも2014年2月以降は臭素酸カリウムを使用していない。製パン業界が、有毒性を指摘される物質を使っていたのは、焼き上がりのふわふわ感に関係するという。
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 出典:pasonisan(参考5)

トランス脂肪酸
臭素酸カリウムの代わりに利用されたのがトランス脂肪酸だという。トランス脂肪酸とはトランス型の二重結合を持つ不飽和脂肪酸のことだ。部分硬化油を製造する過程で生成されるので、油から出来ていると言われる所以だ。マーガリンも同様に製造された硬化油だ。米国では2003年にスナック菓子業者に対してトランス脂肪酸を使わないように求める訴訟が起きた。FDA(アメリカ食品医薬品局)は2006年からトランス脂肪酸を含む加工食品等にトランス脂肪酸量の表示を義務つけた。日本では、「日本人のトランス脂肪酸の摂取量はWHOの目標を十分に下回っている」(食品安全委員会)などとして、基準値の設定や表示義務はまだだ。トランス脂肪酸の健康リスクを懸念する声が高まっている。今後の厚生労働省食品安全委員会の動向が注目される。
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 出典:Wiki(参考6)

農林水産庁のレポート
平成27年5月に農林水産庁からレポートが出されている。このレポートの中で、「エネルギー比2%のトランス脂肪酸をシス型不飽和脂肪酸に置き換えると、約20%の心血管イベントが抑制できる」と言う調査結果を明記している。この結果から、トランス脂肪酸をシス型不飽和脂肪酸に変えることが冠動脈疾患の予防となると言う見解も示されている。さらに、レポートでは若い人や女性は脂肪を多く摂取する傾向があると認め、トランス脂肪酸の摂取は不可欠なものでないとしている。しかし、最終的な結論では、トランス脂肪酸の規制やその表示義務に言及することなく、あくまで任意表示を維持して、メーカーの自主努力を求めるとともに、消費者は栄養バランスをとるべきだとしている。任意表示から表示義務に変更することは、それほどハードルの高いことなのだろうか。
 出典:農林水産庁(参考7)

食品添加物
トランス脂肪酸だけの問題ではない。食品添加物に関する規制が欧米諸国と比べると日本は残念ながらまだ遅れていると言える。イギリスの食事は決して賞賛されるレベルではないけど、添加物の規制は非常に厳しい。日本の食事は美味しいけど、それが安全と同義でないことが残念だ。
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 出典:biron(参考8)

一日許容摂取量と使用基準
少し難しい言葉だが、一日摂取許容量(ADI:Acceptable Daily Intake)とは、食品に用いられたある特定の物質について、生涯にわたり毎日摂取し続けても影響が出ないと考えられる一日あたりの量を体重1kgあたりで示した値だ。単位はmg/kg/day。安全係数は、一般にマウスなど実験動物とヒトとの違いを考慮して10倍とり、さらに個人差を考慮して10倍を乗じた100倍を用いるという。しかし、生物に有毒なものを許容することは本来は好ましくない。消費者が判断できるように摂取量の表示は少なくとも義務化すべきだろう。
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 出典:biron(参考9)

まとめ
ランチパックは駅のキオスク等でもよく見かける。日持ちしそうだし、タレントの剛力が宣伝していて、つい手を伸ばしそうになるけど、自分では買ったことはない。これを食べる機会があり、何と無く嫌な感じがした。なんの根拠もなかったので、少し気になってネットで調べてみようと思った。食の安全はなかなか難しい。専門外のことでもあり、断定的なことは言えないが、まだまだ課題が多いことがわかった。

以上

最後まで読んで頂きありがとうございました。

追加
トランス脂肪酸を多く含む食品の代表はショートニングだ。これは食用油脂だがパンや製菓に用いるとさっくり感やパリッという食感が高まるが、要注意だ。最大値で注意すべきはスナック菓子やクリーム類だ。そのようなお菓子ばかり食べていると、トランス脂肪酸を過量に摂取することになるので危険だ。自分の好きなアイスクリームは比較的低いけど注意は必要だろう。
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出典:食品安全委員会


参考1:パンを焼こう
参考2:https://food.uchida-it.co.jp/seminarreport/20170413/
参考3:http://www.pnas.org/content/early/2018/07/10/1801071115
参考4:酒船石遺跡 - Wikipedia
参考5:http://www.pasonisan.com/sitemap/yamazakipan.html
参考6:トランス脂肪酸 - Wikipedia
参考7:http://www.cao.go.jp/consumer/iinkai/2015/191/doc/20150519_shiryou6.pdf
参考8:http://biron.jp/2014/04/30/additive/
参考9:http://www.fsc.go.jp/koukan/risk-workshop_ooita_211201/risk-workshop_ooita-seido2.pdf
参考10:https://matome.naver.jp/odai/2150202286876449401/2150202818279961603

労働安全コンサルタントへの道のりは長い。。

労働安全コンサルタント
Wikiによると、労働安全コンサルタントとは、労働安全衛生法82条に基づく労働安全コンサルタント試験(国家試験)に合格した者で、同法84条に基づき厚生労働省に備える労働安全コンサルタント名簿に登録した者である。つまり、厚生労働省のお墨付きのコンサルタントだ。

労働安全コンサルタントの受験資格
これも労働安全衛生法第82条において次のような規定されている。つまり、大学等を卒業して5年以上安全実務に従事したものか、短大・高専を卒業して7年以上の安全実務に従事したもの、もしくは指定する資格を有するものだ。技術士もこの資格に含まれるので、受験資格ありとなる。

第八十二条 労働安全コンサルタント試験は、厚生労働大臣が行なう。
2 労働安全コンサルタント試験は、厚生労働省令で定める区分ごとに、筆記試験及び口述試験によつて行なう。
3 次の各号のいずれかに該当する者でなければ、労働安全コンサルタント試験を受けることができない。
一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による大学(短期大学を除く。)若しくは旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)による大学又は旧専門学校令(明治三十六年勅令第六十一号)による専門学校において理科系統の正規の課程を修めて卒業した者で、その後五年以上安全の実務に従事した経験を有するもの
二 学校教育法による短期大学又は高等専門学校において理科系統の正規の課程を修めて卒業した者で、その後七年以上安全の実務に従事した経験を有するもの
三 前二号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者で、厚生労働省令で定めるもの
4 厚生労働大臣は、厚生労働省令で定める資格を有する者に対し、第二項の筆記試験又は口述試験の全部又は一部を免除することができる。

労働安全コンサルタントの試験科目
労働安全コンサルタントになるための試験科目は3つある。必須科目が産業安全一般と産業安全関係法令で、選択科目が機械安全・電気安全・化学安全・土木安全・建築安全のいずれかだ。逆にいえば、こういった機械や電気、化学、土木、建築は危険がいっぱいあるということだ。そして、その危険を理解した上で、いかに安全を高い水準に高めるかが労働安全コンサルタントに求められていることだ。
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 出典:安全衛生技術試験協会

労働安全コンサルタントの試験日程
前項は筆記試験だが、これはまだ地区予選のようなものだ。筆記試験に合格すると口述試験が実施され、これに合格して、登録すれば労働安全コンサルタントとなる。筆記試験が10月16日で、口述試験が1月末だ。合格発表は来年の3月下旬なので、まだまだ先は長い。
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 出典:安全衛生技術試験協会

労働安全コンサルタントの試験免除
技術士は受験資格があるだけでなく、部門によって筆記試験の免除がある。免除規定の17項目のうち技術士関連の5項目の抜粋を以下に示す。自分の場合は、電気部門と経営工学(生産マネジメント)の二次試験に合格しているので電気安全と産業安全一般が免除される。
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 出典:安全衛生技術試験協会

過去問題にトライ
安全衛生技術試験協会のホームページには平成29年度分と平成28年度分の過去問題とその正解が掲載されている。しかし、過去2年分の問題だけではボリュームとして不足だ。色々と図書を探して、過去6年分を入手して、とりあえずトライして見た。最初は全くチンプンカンプンだった。仕方ないので、解説を読んで、解説に書かれていることを理解した(つもり)。それでも全く頭に入らない。そもそも法律の前に用語を理解できていない。状況をイメージできない。何を言いたいのか分からない。もう五里霧中そのもの。それでも、一応過去問題にトライしたら次のような成績だった。全体としては、36%だ。最初はほぼ確率論通りの20%だったので、16ポイントほどアップしたのかなあ。この調子で合格圏内(60%)に持ち上げるには、3回ほどのジャンプアップが必要だ。
 平成29年度:8問正解(正解率:53%)
 平成28年度:3問正解(正解率:20%)
 平成27年度:7問正解(正解率:46%)
 平成26年度:5問正解(正解率:33%)
 平成25年度:6問正解(正解率:40%)
 平成24年度:4問正解(正解率:26%)

今後の学習プラン
 産業安全関係法令は5択の15問を1時間で回答するものだ。一見楽そうだが、結構悩ましいものが多い。正しいものを一つ選ぶか、間違ったものを一つ選ぶ問題だ。しかし、過去問を見ているとどうも矛盾しているものや、誤りが4つあるのに誤りを一つ選べと問題が誤っているのではと思われるものもある。まだ、自信がないが、よく精査したい。まあ、文句をいう前に、自分の実力を高める必要がある。問題をざっとみるとやはり出題パターンがあり、それぞれにキーワードがある。また、よく出題されるフレーズもある。過去問題の再現頻度はそれほど高くないので、過去問題だけ解けても合格できるとは思えない。やはり法令やその背景の安全対策を理解する必要があるだろう。次のようなステップでの学習を想定する。
 過去問題:8月は6年分の問題に3回ほどトライして、弱点を特定する。
 法令メモ:正解できない過去問題の理解を深めるための法令メモを作成する。
      → 安全対策の必要性と法令と課題かなあ。
 過去問題:9月は、過去問題を○と×と△に区分し、特に×と△を繰り返す。
      → 正解できないものは法令メモで補強する。
 記憶定着:法令で暗記すべきものを整理して、録音して、繰り返し聞く。

技術士の勉強法の応用
前述の勉強法は、技術士を受験する時の勉強法に準じて考案したものだ。これがうまく行くのかどうかはまだよく分からない。しかし、まあなんとかなるだろう。まずは、分からないところを特定し、理解を深め、最後は丸暗記。この順番だ。そして、できれば最後の丸暗記を最小限にできるように、法令メモで理解を深めることが肝要だ。

問題文を読む順序
労働安全コンサルタントの試験に限らないが、択一問題ではどうしても正解が最後となる傾向がある。逆に言えば、5つの選択肢は上から読むのではなくて、下から読むべきだ。参考に平成29年度と平成28年度の実績をみると下の通りだった。悩んだら選択5か選択4を選択しよう。
     平成29年度  平成28年度  合計 正解率
選択1   2      2    4 13%
選択2   1      3    4 13%
選択3   4      2    6 20%
選択4   3      4    7 23%
選択5   5      4    9 30%

まとめ
こんなブログを書く前に勉強せいと言われそうだ。しかし、やはり何事も戦略が必要だ。いわゆるPDCAを回すためにもまずは計画が必要だ。そして、その計画に基づいて実行し、改善点があれば修正して行く。果たしてうまく行くだろうか。

以上

 

日米地位協定からJAL SKY Wi-Fiまで

はじめに
日米地位協定を初めて知ったのは在日米軍を担当する営業部門に配属されたときだ。一度しっかりと読み込もうと思いながら月日が経ってしまった。日米地位協定を調べているうちにラプコンが気になり、ラプコンを調べているうちに飛行機内でのWi-Fi通信が気になった。興味本位でまとめたものだが、何かの参考になれば幸いだ。

日米安全保障条約
昭和35年1月19日に締結されたのが日米安保条約だ。英語名は、「Treaty of Mutual Cooperation and Security between the United States and Japan」だ。形式的には、昭和26年に署名された旧安保条約を失効させて、新たに制定されたものだが、実質的には改定版だという。主な改定内容は、日米共同防衛の明文化と在日米軍の配置・装備に対する両国政府の事前協議制度の設置だ。
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 出典:All About(参考1)

日米地位協定
問題の日米地位協定は、日米安保条約に基づく協定だが、旧条約に基づいて昭和27年2月28日に先行して合意されている。英語名では、「Agreement under Article VI of the Treaty of Mutual Cooperation and Security between Japan and the United States of America, Regarding Facilities and Areas and the Status of United States Armed Forces in Japan」だ。先の日米安保条約はTreatyだったが、この日米地位協定はAgreement under Treatyだ。Wikiによると、日米地位協定の運用に関しては月に2回日米合同委員会で協議しているという。そういえば、日曜日の朝の討論番組で石破防衛大臣(当時)がそんなことを話していたのを思い出す。
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 出典:左はBlog.Goo(参考2)、右はNewsYahoo(参考3)

在日米軍基地内はアメリ
沖縄に家族で赴任したと言うと「良いなあ」と羨ましがられることが多い。でも、在沖米軍の担当だったと言うと「???」微妙な反応になることが多い。多分、米軍基地内に入ったことがない人が大部分だろうし、それに対する考え方も確固たるものを持っている人は少数かもしれない。幸い、自分が担当した時期には戦争や紛争がなく平和だった。個人のパスに加えて、カーパスも取得したので、在沖米軍の基地内にはほぼ自由に出入りが可能だった。当時0歳だった息子も土日のたびに出掛けて、ほぼ全ての在沖米軍基地を訪問した。たぶん、全然覚えていないだろう。その時に感じたことは基地内はアメリカそのものだと言うことだ。基地の中には、学校もあり、スーパーもあり、映画館もあり、ボーリング場も、ゴルフ場も、将校クラブもある。商品を購入することはできないが、施設の利用やその場での飲食は自由だ。ちょっとしたルーレットマシンなどもあった。ゴルフはゲストは50ドルほど払う必要があるが、米兵は10ドル程度でプレイしていたような気がする。ゴルフの打ちっ放しの練習場などもあり、美人のスタッフもいたので、一時期通ったものだ(笑)。

在日米軍の施設
北は北海道から南は九州・沖縄まで在日米軍は配備されている。在日米軍基地には自衛隊の基地が併設されていることが多く、土地や施設は自衛隊が管理している。陸軍の中心は座間基地やトリイ(沖縄)だ。空軍は横田、三沢、嘉手納、海軍は横須賀、佐世保、ホワイトビーチ(沖縄)だ。これらの陸海空の兵隊は優秀だし、プライドも持っている。一方、問題を起こしやすいのが海兵隊で沖縄の北部の基地はほぼ海兵隊の基地だ。本土では岩国だ。沖縄の海兵隊の基地も南の普天間やコートニーなどは本部機能だが、北部のハンセンやシュワッブはいわば突撃隊だ。基地内に入ると銃弾の練習などをしていたりして、緊張感が高まる。深い森の中でのサバイバルゲームなどもあり、兵隊も命がけだ。兵隊も教育レベルが高くないため、玉石混合だ。
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 出典:防衛白書(参考4)

自衛隊と米軍
主要国の軍事費と軍人のランキングをみると、軍事費では米国が圧倒的に多く、中国語、サウジと続き、日本は6位だ。一方で、軍人数では中国が最も多く、インド、米国と続き、日本は同じく6位だ。
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 出典:Wiki(参考5)

台頭する中国
下の図は1989年から2014年までの26年間での日本と中国の軍事費の推移だ。日本は1.27倍とほぼ横ばいだが、中国は約10倍に増大している。2017年度の米国の軍事費は6,098億ドルと2016年から0.87%の微増だが、中国では2,282億ドルと1.57倍に増大している。仮にこのペースで増大すれば4年後には中国の軍事費が米国の軍事費を抜くことになる。2022年の米国と中国のパワーバランスがどうなるかが懸念される。しかし、中国の軍事費が米国の軍事費を追い抜くのは、もはや時間の問題だろう。その時に日本がどのようなポリシーを取るべきかは難しい問題だ。
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 出典:Hatena(参考6)

横田ラプコン
話題が少し変わるが、「ラプコン」をご存知でしょうか?日本語では空域でしょうか。英語では、Radar Approach Controlの略でRAPCONと言い、直訳するとレーダー進入管制だ。日本には、米軍が支配するラプコンが横田と岩国と嘉手納の3つがある。特に大きいのが横田ラプコンだ。北は新潟から西は静岡までの1都8県にまたがる。横田空軍基地から三沢空軍基地までは米軍の戦闘機では20分ほどだと言う。急発進と急停車でGもすごく、米兵も一度乗るともう乗りたくないと言う(笑)。一方、羽田空港から三沢空港まで飛行機で行こうとすると1時間15分ほどかかる。これは当然、急発進・急停車をしないし、巡航速度も違うが、飛行ルートが全然違う。横田ラプコンで制限されているので、羽田を離陸するとまずは東方向に向かい、太平洋上を北上し、三沢空港に近づくと左旋して着陸する。ただし、最近の国内ジェット機の巡航高度は8,000m~12,000mと高いところを飛ぶので実効的な問題はないと言う意見もある。横田空域は、平成4年に約10%、平成20年9月25日に約20%が返還されて現在に至っている。
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 出典:dmcr(参考7)

嘉手納ラプコン
下の図は嘉手納ラプコンのイメージだ。嘉手納基地を中心に半径約92km(50海里)、高度約6千m(2万フィート)の巨大なゾーンだ。那覇空港の管制空域は半径5km、高度600mとわずかだ。よくこれで運航できていると感心する。那覇空港を離発着する民間機は北向きに離陸する場合は高度300m以下、南向きに離陸する場合は高度600m以下に制限される。これは辛い。嘉手納ラプコンは平成21年(2009年)までには返還することが合意されているようだが、進んでいるのだろうか。
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 出典:ExciteBlog (参考8)

国内空域の容量倍増
通信の世界では時分割とか空間分割と符号分割とか多様な方式がある。飛行機の空路は基本的に空間分割だ。進行方向2,000ftで隔離していたが、1,000ft間隔とすることで輸送量の拡大を図っている。この方式をRVSMと呼ぶ。日本語では短縮垂直間隔、英語では「reduced vertical separation minimum」と言う。RVSMは英国では2001年に導入し、欧州、米国で導入されて、日本は2005年から導入している。
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 出典:国土交通省(参考9)

飛行機からの通信方式
最近は、飛行機の中からもWi-Fiを利用できるサービスが拡充されている。日本では下の図(右)の衛星を用いる方式を採用しているが、米国では地上から飛行機に向けて電波を出すATGが使われている。日本はラプコンの関係もあり、海上を運航することが多いので、ATGには不向きだが、この仕組みはドローンの走行ルートでドローンとの通信を安定化するためには有効かもしれない。
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 出典:thePoint(参考10)

まとめ
日本の空域については、断片的な知識しかなかったが、今回の調べてみて理解は深まった。しかし、空の制御権などの軍事問題の解決には時間がかかる。また、中国の台頭がどこまで進むのか、日中米の関係を理解するのは、経済問題だけではなく、軍事問題も不可欠な情報だと感じた。平和利用という意味では飛行機内でWi-Fiが使えるようになったり、今後のドローンの安定運行にATGのような方式が有効かもしれないというのは新鮮な気づきだった。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

以上

参考1:https://allabout.co.jp/gm/gc/293316/2/
参考2:https://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/891846011d81c34854fe9fee9c4dd080
参考3:https://news.yahoo.co.jp/feature/290
参考4:3 在日米軍の駐留
参考5:https://ja.wikipedia.org/wiki/自衛隊
参考6:http://f.hatena.ne.jp/kibashiri/20150413153216
参考7:首都圏の空域について
参考8:https://stowaway.exblog.jp/2809203/
参考9:http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha04/12/120226/04.pdf

トリクルダウンとベーシックインカム

はじめに
トリクル(trickle)とはポタポタ落ちるとか、ちょろちょろ流れるという意味だ。そして、トリクルダウン理論といえば、シャンパングラスを重ねてその頂上にシャンパンを注いでいくと全てのワイングラスに行き渡るというイメージから、富裕層が潤えば、社会全体に富が行き渡るはずだというまやかしの理論だ。
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資産5000万ドル(約52.5億円)以上の大富豪が多い国・地域
富裕層とは100万ドル以上の純金融資産を有する人であり、超富裕層とは5000万ドル以上の純金融資産を有する人らしい。イギリスのコンサルティング会社ナイトフランクが発表したウェルスレポート2018に基づくと超富裕層の世界ランキングのトップ5は次の通りだ。米国がトップなのは理解するが、二位が日本には違和感を感じる。本当なのだろうか。
 1位 米国  38,500人
 2位 日本  9,960人
 3位 中国  8,800人
 4位 ドイツ 8,070人
 5位 カナダ 5,500人
 出典:zoo online(参考1)

国別のミリオネア人口
クレディ・スイスは毎年、グローバルウェルスレポートを発表している。これによると、2015年から2016年にかけて、最もミリオネアが増加したのは日本だという。みのもんたがMCをするクイズミリオネアの影響ではないだろう。トリクルダウン効果を享受している人たちがいるという証左だろうか。ちなみにこのレポートによれば、全世界のミリオネアは2015年の32,335人から2016年の32,931人に596人増加しているが、日本の738人を除くとマイナスだ。最もマイナス値が大きいのは英国の406人で、次がスイスの58人、中国の43人だ。なんだか肌感覚と違いすぎてよくわからない。
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 出典:editor.fem(参考2)

マタイの法則
トリクルダウンはまず富裕層が富み、その後に中間層、最後に貧困層に富が回るという理論だ。というか理論にもなっていない。途中で搾取されるに決まっている。マタイの問いかけに主イエスは次のように答えたという話は有名だ。
「持っている人は更に与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる。(マタイ 13.12)
 出典:quasimotos(参考3)

ベーシックインカムのトリクルダウン効果
トリクルダウンの上段と下段を逆にするとどうなるのだろう?国民全員にまずはシャンパンをそそぐ、そして、国民に富が行き渡ったら、その富が企業に回り、企業が潤ったら国に回り、そして国民に還元する。そんな夢のようなことは無理に決まっているというご批判の声が聞こえそうだ。しかし、ベーシックインカムの基本概念はこれではないだろうか。
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年代別の非正規雇用
下のグラフは、男性の出生コーホート別年代別の非正規雇用率だ。自分は1957年生まれだが、自分の同級生には非正規社員は多分いなかったと思う。でも、会社で働くようになったら、事務のプロフェッショナルが派遣社員として活躍しているのを見てびっくりした。最近では、非正規社員の方が正規社員よりも多いという会社も珍しくないかもしれない。
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 出典:ikedanobuo(参考4)

社内失業者の増大
経済財政白書(2009年度版)によると、当時の1-3月期で社内失業者が607万人と想定されている。これは、企業で働くサラリーマンの13%に相当する。大企業の経営が行き詰まってもなんとか我慢している。外資系の企業なら必要人員まですぐにカットするのかもしれない。是非は別にして日本企業の特徴なのかもしれない。
 出典:LiveDoor(参考5)

自己研鑽の位置付け
厚生労働省は「過労死ゼロ等」緊急対策を2016年12月26日に取りまとめて発表した。これは、2015年12月25日に電通に勤務していた24歳(当時)の女子社員が過労死で自殺したことを踏まえてのものだ。そして、この中にはいろいろな答申が盛り込まれているが、自己啓発についても労働時間として取り扱わなければならないとある。
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 出典:mhlw(参考6)

長時間労働防止と自己研鑽
サービス残業はいけない。長時間労働はいけない。仕事が終わったら早く帰れ。最近はそういう会社が多いのではないだろうか。そして、時間に余裕ができた社員は資格取得のための勉強をし始める。自己啓発は、あくまで自発的なものだ。それに対して残業代を払えというのはちょっと厳しいのではないか。このブログでも書いたが、情報工学部門の技術士の勉強のため6月、7月は月140時間レベルで勉強時間に当てた。これは厚労省からみれば過労死レベルかもしれない。でも、別に会社の命令に従ったわけでもないので、残業をもらおうとは思わない。しかし、業務として、会社から資格取得を要請されて、それに対して時間を割いて勉強するのであれば、それは業務かもしれない。製造会社のQC活動は以前は業務外だったが、最近は業務だ。

まとめ
日本のミリオネアが増えているというのは本当だろうか。AIやITの進展に伴って、これまでの人海戦術で対応していた業務はどんどん自動化するだろう。その結果として、大手企業には企業内失業者がさらに増大するのかもしれない。収益が低下したら非正規社員を大幅カットするかもしれない。失業者を最小化するためのベクトルが日本社会では機能しているが、それも限度がある。しかし、「働かざる者食うべからず」では消費が低迷し、日本経済は活性化しない。究極の解決策はやはりベーシックインカムしかないのではないかという思いを強くする。ベーシックインカムによるトリクルダウン効果に期待するしかないのではないかと思う。どうなのだろう。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

P.S.
今日はお休みをとって免許の更新や各種手続きをしました。思いの外早く終わったのでスタバで勉強でもしようとしたけど、ブログに走ってしまいました(汗)。

参考1:https://zuuonline.com/archives/183986
参考2:http://editor.fem.jp/blog/?p=3083
参考3:https://quasimoto2.exblog.jp/22685030/
参考4:http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/cat_50041028.html
参考5:http://news.livedoor.com/article/detail/5215317/
参考6:https://www.mhlw.go.jp/kinkyu/dl/151106-03.pdf