LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

子供講座:ケータイの仕組み(基地局編)

基地局とは
携帯電話やスマートフォン(以下、「ケータイ」という)から電波が出ていることはよく知られているが、ケータイは誰と通信しているのだろう?例えば誰かと通話をする。誰かにメールを送る。誰かとLINEで繋がる。そんな時には、ケータイは最寄りの基地局を探して通信を行う。

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(出典:日経テクノロジー、参考1)

基地局の種類
基地局は大別すると屋外用と屋内用がある。そして、屋外用には、鉄塔タイプとビル設置タイプ、さらには電柱等への設置タイプがある。屋外の基地局からの電波だけではビル内でケータイへの電波が十分ではない場合には屋内でも利用可能なように対策を設置する。注意深く天井を見ると、下の図の右のような円形のアンテナが一定間隔で配置されていたりする。
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(出典:総務省、参考2)

基地局の性能
鉄塔に設置する基地局を一般にはマクロセルと呼ぶ。第一世代や第二世代では10km以上の半径のエリアをカバーしたが、第三世代や第四世代では1km程度の半径のエリアをカバーしている。そして、利用者が多い場所やビルの影などはマイクロセルと呼ぶ小型の基地局を設置している。例えば渋谷の交差点のように多くの利用者が集まる場所では複数のマイクロセルが重畳的にエリアをカバーしている。さらにエリアを改善するためにピコセルと呼ばれる小型の基地局を導入する。最近では半径500mぐらいのエリアをカバーするようにビルの屋上にアンテナが林立している。屋外局の電波が届かないビル内ではピコセルと呼ばれる屋内用の基地局を設置したり、フェムトセルと呼ばれる超小型の基地局を設置したり、レピータと呼ばれる増幅器でカバーを広げたりしている。
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(出典:日経テクノロジー、参考1)

基地局の進化(その1)=小型化
基地局の進化はケータイの進化そのものである。例えば、第一世代のケータイでは、基地局にはキュービクルと呼ぶ小部屋に通信機器を設置していた。第二世代になるとこのキュービクルは小型化され、第三世代になると前述のようにその容量も20リットル程度の大きさになった。無線設備はどんどん小型化され、最近ではアンテナ内蔵型も出ている。

基地局の進化(その2)=小セル化
基地局の小型と同時に基地局がカバーするエリアも小さくなっている。これを小セル設計と呼ぶ。これにはニーズとシーズの2つの理由がある。まずニーズとしては、利用者数の増加に対応するには、小セル化が有効だ。1つのマクロセルで例えば1000人をカバーしたとする。同じ容量の小セル局を10個配置して1000人に対応すれば、10倍の1万人をカバーできる。次はシーズだが、基地局で用いる周波数だが、これは次項で説明する。
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(出典:ITプロ、参考3)

基地局の進化(その3)=周波数の高周波数化
第一世代から第三世代にはプラチナバンドと呼ばれる800MHzに加えて、1.5GHzや2GHz用いている。そして、第四世代や第五世代では、下の図のように3.6GHzや6GHz、28GHzと言った高い周波数を用いる予定だ。電波伝搬損失は距離の2乗に比例して増大する。したがって、必然的に電波のエリアカバーが小さくなる。そこで期待されているのがビームを絞る方式(=ビームフォーミング)だ。

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(出典:auのHP、参考4)

基地局の進化(その4)=ビームフォーミング
第一世代携帯の基地局は周辺360度に電波を放射していたが、第二世代から第三世代では3セクター方式として、120度ずつをカバーした。第四世代から第五世代にかけてはさらにビームを絞るビームフォーミングが始まっている。「人と話をする時には相手の目を見ながら話を士なさい。」と小学生の時に先生から教わったような気がするが、基地局も第五世代には小学生のレベルになるのかもしれない(笑)。
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(出典:ITメディア、参考5)

まとめ
基地局の役割や進化の方向性をできるだけ平易に説明したつもりだが、伝わっただろうか。子供講座といいながら大人でも難しい内容になってしまった。平易に説明するのは難しい。

以上

参考1:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20130708/291281/?P=2&rt=nocnt
参考2:http://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/ele/body/1-01.pdf
参考3:http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20130623/487025/?rt=nocnt
参考4:https://www.au.com/mobile/area/5g/gijyutsu/
参考5:http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1505/20/news069_2.html 

通信事情:エストニアとフィンランドを結ぶフェリーで5Gの実験開始

TALLINKで5Gの実験開始!
エストニアなどバルト三国を旅行したせいか、TALLINKの文字がパッと目に入った。TALLINKとは、エストニアの首都タリンと、フィンランドの首都ヘルシンキを結ぶフェリーの大手企業だ。また、Teliaとはスウェーデンフィンランドで最王手の通信事業者で、エストニアでも携帯電話事業を提供している。このTeliaとTALLINKとエリクソンなどが協力して、フェリーとの第五世代通信(5G)の実験を9月末から開始した。
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(出典:エリクソン資料、参考1)

港とフェリー間を5Gで試験接続
タリンとヘルシンキの間のフェリー内では、フィンランドエストニアの中間地点の一部を除き、Wi-Fiを快適に利用できる。仕組みとしては、港に設置した基地局とフェリーの上部に設置したアンテナ間で5Gの通信を行い、それをWi-Fiの電波として船内をカバーする考えだ。
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(出典:TeliaのHPより、参考2)

5Gを目指す仕様
モバイル通信の世界ではほぼ10年単位で世代交代している。いわゆる第三世代は2000年の実用化を目指し、4Gは2010年、そして、5Gは2020年の実用化を目指している。5Gではデータ通信の体感速度を10倍から100倍に高めるだけではなく、同時接続可能数を10倍から100倍に、データ量を1000倍に高める。同時に接続遅延も短縮し、電池の持ち時間も高める。日本、韓国、中国、欧米が中心に検討を進めている。
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(出典:METIS、参考3)

まとめ
自分の専門分野を優しく説明するのは意外と難しい。ついつい、詳しく、細かく、自分の興味の有る分野に偏りがちだ。今回は、エストニアヘルシンキを結ぶフェリー向けの通信インフラとして5Gの実証実験をするというニュースを紹介してみた。2020年の実用化に向けて各国、各社でトライアルや試験を進めている。

以上

参考1:https://www.ericsson.com/en/news/2017/9/5g-goes-live-in-the-port-of-tallinn 
参考2:https://www.ericsson.com/en/networks/cases/networks-cases/5g-telia-tallink 
参考3:http://blog.goo.ne.jp/imssr_media_2015/e/613da7ebaa98d93fa6db5bb15c2bed9e

子供講座:ケータイの仕組み(端末編)

ケータイの仕組み
ここでは、次の3つについて説明する。
・端末のお話
基地局のお話
・交換機のお話

今回はその第一弾として、端末(特に、ガラケーを想定)について説明する。ガラケーと言われる現在の端末から過去の端末にさかのぼってみたいと思う。スマホについては、「ケータイの仕組み」の後の「スマホの仕組み」で説明する。

「ゲラケー」とは
ガラケーとは、ガラパゴス携帯電話端末の略だ。日本での携帯電話端末は、ガラケースマホ(スマートフォン)とに分類する。下の図のように第二世代のPDC方式はすでに日本では使われていないので、現在ガラケーと呼ばれるのは第三世代方式の通信方式を用いる端末で、かつ日本独自のソフトウェアで動作するものだ。いわゆるおサイフケータイワンセグケータイ、防水ケータイなどは、いわゆるスマートフォンより、早く取り入れられ、すでに完成系の域に達している。微妙なのは、ガラホとかガラスマと呼ばれるものだ。基本ソフト(OS)はAndroidで中身はスマホだが、外見や操作性をガラケーに近づけた「なんちゃってガラケー」だ。月額料金はガラケーと同じ扱いなことが多いため、利用者は意識しないうちにガラケーからガラホに機種変更している可能性がある。

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フィーチャーフォン
一方、海外では、フィーチャフォン(Feature Phone)とスマートフォン(Smart Phone)に分類する。Feature Phoneは基本ソフトがBrewやSybianなどを使っているものが多く日本ではガラケーと呼ぶ端末だ。Blackberyは悩ましい。1999年にカナダのRIM社から独自OSで発売され、QWERYキーボードが付いているのでアルファベット文化を持つ欧米で強く支持されたが、独自OSの限界から2015年にはAndroid版を発売したが、正直通常のスマートフォンに押されて淘汰の危機にある。

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日本のガラケーが急速に進化した本質的な理由
ガラケーがなぜ日本でこれほど急速に進化したのだろうか。ガラケースマホの違いは、誰が仕様を決めたかが根本的な違いだ。スマホは端末メーカーがその仕様を決めたが、ガラケーは携帯電話事業者がその基本的な要求仕様を決めた。このため、日本の携帯電話事業者は、端末の仕様と通信網の仕様とネット(コンテンツ系を含む)の仕様を同時に決めることができた。したがって、ワンセグ機能に対応したり、おさいふケータイ機能に対応したり、動画のストリーミングサービス機能に対応したりすることを機動的にできた。また、電池の持ち時間を長くするために、通信網と端末の細かなパラメータを独自にチューニングして、端末メーカーにその仕様を伝えて開発することができた。これが大きい。

ガラケーの機能拡充の軌跡
1) ストレート型
infobarは2003年に発売し大好評となり、4年後にinfobar2を発売した。その後、Andoid OSに対応してから、C01を2012年、A02を2013年、A03を2015年に発売してスマホの仲間入りをしている。注目すべきかは、それぞれの機種のCPU速度や画面の大きさと高精細度の進化の速度だ。また、スマホではないが、変身型のInfobarのおもちゃが発売されている。将来はロボットに返信するInfobar Androidが発売されるかもしれない(笑)。

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2) タフネスケータイ
防水対応に初めて本格的に対応したのはカシオだ。2000年にC303CAを発売した時はストレート型だった。日立カシオとして2005年のG`zONE Type-Rと2010年のType-Xは折りたたみ式で防水を実現した。さらにNEC日立カシオとして、米ベライゾン向けに2013年にスマホ型のCOMMANDOを発売した。やはり画面、CPUが高度化しているのを見て取れる。

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3) 東芝製のケータイ(au対応)
東芝の第1号機はTu-Ka向けのPDC端末TH341だ。重量やCPUは不明だが、何しろ重かった。横から波打っている形をウェービングフォルムと言って売りにしていた。自分はPHS派だったけど、携帯電話事業部に異動したため初めて購入したのがC5001Tだ。au初のムービ対応だ。でも、画面サイズも小さいし、荒いし、4096色にしか対応していない。gpsOneに対応し、位置情報も利用できた。今の仕様とは比べようもないけど楽しかった。2005年にはA5511Tを発売した。au初のワンセグケータイ対応だ。今回は取り上げていないけど、2006年2月には、日本初のハードディスク(HDD)内蔵ケータイを発売した。HDD内蔵ケータイはその後は聞いたことがない(笑)。そして悲しいが、東芝最後のケータイとなったのがLIGHT POOLと言って折りたたみ式の携帯をたたむと表面が光るというデザインケータイだ。こんな遊び心が満点だったが、東芝は携帯電話事業を富士通に譲渡してしまった。残念だ。

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(今日はこれぐらいで終わります。)

まとめ
端末の事を整理していくと、携帯電話の開発や携帯電話システムの開発の議論をした日々を思い出す。思いは尽きない。ただ、子供講座と言いながら、大人向けの内容になってしまった。反省。。

以上 

 

子供講座:ケータイの仕組み(通信の振り返り)

ケータイの仕組み
先に宣言したように子供講座のシリーズの中で、順次ケータイやスマホSNS、IoTの仕組みを説明していきたい。まずは、ケータイの仕組みだ。

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ここでお話しすること
ケータイがどのような仕組みで機能しているのだろう?ケータイと言うとまず思い浮かぶのが端末だろう。初期の端末からガラケーと呼ばれる端末までの変遷を振り返える。また、ケータイと通信するのが基地局だ。ビルの屋上に立っているものや鉄塔の上に立っているものを見たことがある人もいるだろう。そして、基地局の先にあるのが交換機だ。それがどんなものかを説明していきたい。
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ケータイの前=固定電話
ケータイはそもそも通話をするために開発された。そのため携帯電話と呼ぶ。それまでの電話は固定電話と呼ぶ。固定電話というと、「サザエさん」や「まるこちゃん」のお家で使われる黒電話が昭和の戦後に普及した。岐阜県恵那市明智町にある日本大正村を訪問すると、下の写真のように大正から明治に使われた電話機が展示されている。

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(出典:筆者が2017年7月16日に日本大正村で撮影)

外出先で電話する仕組み=公衆電話
固定電話は、文字どおり、特定の固定した場所で使う。このため、外出先で電話をするときには公衆電話を使っていた。日本では1984年(昭和59年)に約93万台あったが、2015年(平成27年)には約17万台まで減少した。携帯電話の普及に伴い、エストニアなど海外では公衆電話を一層した国もある。

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(出典:2017年7-8月の旅行時の筆者撮影写真より)

公衆電話の前=電報
電話の前は電信だ。今でも、結婚式にはお祝いの電報を送るが、その電報を伝えたのが電信だ。手紙を遠方まで届けるのは大変だけど、電報を使えば瞬時に遠方まで送れるので画期的な発明だった。日本では、1870年1月26日(明治2年12月25日)に東京と横浜の間で電報が開始された。電報の略字(約字)なども定められていた。

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(出典:ヤフオク、資料1)

電報の前=モールス信号
その電信の前はモールス信号だ。「ト(・)」と「ツー( − )」の組み合わせで信号を遠方まで伝えた。遭難信号をSOSという。「・・・ −−− ・・・」(トトトツーツーツートトト)と組み合わせる。つまり、Sは「・・・」と表し、Oは「−−−」で表す。これをモールス符号と呼び、アメリカのサミュエルモールスさんが1837年に発明した。

モールス信号の前=手旗信号
電信が発明される前は手旗信号を使われていた。目視できる範囲で言葉を伝えることができた。1893年に当時の海軍で規定した手旗は元の姿勢と0から14を示す姿勢で数字を示し、その数字を組み合わせることでカナを伝える。たとえば「スキ」と伝えるときには、スは1→2→5の組み合わせ、キは6→2の組み合わせで示すので、次のような手旗の組み合わせとなる(笑)。

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(出典:WIkiの図をもとに筆者が加工した)

手旗信号の前=狼煙
日本でも戦国時代に狼煙(のろし)を使った場面が時代劇などで見れる。日本ではヤマギや藁を燃やしたが、中国では狼の糞などを燃やして色をつけたので狼煙という。平家物語の中で、敵襲でないのに狼煙(当時は「烽火(ほうか)という」を何度もあげて、兵士の士気が低下して平家が滅んだ原因になった(参考2)。

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(出典:ブログのムツゴロウ、参考2)

気をつけるべきこと
通信の手段はこのように狼煙〜手旗〜電信(モールス信号)〜電報〜電話(固定電話、公衆電話)そして携帯電話と進歩した。今では、高精細な写真でも、動画でも簡単にスマホからSNSにアップすることができる。2016年1-3月期で20億ほどの動画が約2億時間分アップされているという(参考3)。写真に至っては、現在までに約3.5兆枚が撮影され、そのうちの10%は最近1年間で撮影された。「Facebookには14oo億枚の写真が投稿された。」と言う(参考4)。生き残る生物は強い生物ではなく、環境の変化に追随する生物だという。情報通信の技術革新に追随することは必要なことだが、同時に環境変化に振り回されることのないように節度を持った使い方が求められる。

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(出典:Gigazine、参考4)

以上

参考1:https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/c625203490
参考2:http://hiroba.main.jp/mutsugoro/2015/11/27/273/
参考3:https://www.lifehacker.jp/2016/05/160521youtube_99.html
参考4:http://gigazine.net/news/20110921_how_many_photos/

子供講座:ケータイやスマホ、SNS、IoTのお話し

ケータイ教室:今のお仕事
子供達にケータイ電話やスマホの利便性と怖さを伝え、正しい使い方のお話をしている。昨年度で年間200講座、3万人以上の生徒さんや保護者、教職員の方々にお話をしている。また、その半分は小学生だ。子供達の天真爛漫な笑顔や驚いたような顔、そして最後の「ありがとうございました♪」という感謝の言葉を聞くと、なんて素敵な仕事なんだろうと嬉しくなる。

子供講座:仕組みを考える!
ケータイ教室では主に倫理的な話をする。最初にケータイの振り返りのような話をして関心を高める。30年前にケータイ電話はあったでしょうか?とか聞くと自信無げに数名が手を挙げるけど、ショルダーホンを示すと、知ってる!(平野のらの)「しもしもだ!」とか声が上がる。なぜケータイやスマホが繋がるのかといった素朴な疑問をもっと感じさせて、考えさせて、説明したいけど、そのような仕組みの話はケータイ教室の主題ではないので、あまり踏み込めない。そのため、特に小学生3−4年生ぐらいの子供達を想定して、ケータイの仕組みの説明にトライしたい。

子供講座のシリーズ化
携帯電話がどのような原理で繋がるのかを説明するのは結構ムズイ。しかも、限られた紙面の中で小学生3−4年生の子供達が理解できるように文字と絵で説明するのは結構大変だ。そのため、「子供講座」をシリーズ化して、その仕組みを少しずつ説明したい。例えば、次のような構成だ。

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ケータイの仕組み
ここでは、ショルダーホンからアナログの第一世代、デジタルの第二世代、そして第三世代のガラケーまでの流れと、それを支える技術(仕組み)についてできるだけ分かり易く解説していきたい。

スマホの仕組み
iPhoneを中心に初代からiPhone X(テン)までを振り返りながら、ガラケースマホの違いや電波の話、パケットの話、データ通信速度の話などを少しずつ踏み込んでいきたい。

SNSの仕組み
インターネットの登場、PCによるインターネット利用からスマホによるインターネット利用への変革、代表的なSNSの特徴と動向などを説明していきたい。

IoTに向けて
インターネットやワイヤレス技術の発達に伴って2020年には世界中の500億台以上のデーバイスがインターネットに接続される時代が来る。IoTとはどういうことなのか、そしてそれによって我々の生活はどのように便利になるのか?危ないことはないのか?そして未来はどうなるのか?そんな話でこの子供講座を締めくくりたい。

まとめ
あまり難しく考えずに、子供達に話しかけるつもりで少しずつ子供講座のブログも初めていきたいと思う。できれば、年内、遅くとも年度内には一旦区切りをつける。このブログはそれ以外のトピックも思いつくままにトライしたいので、しばらくはヘテロな状態になるがご容赦願いたい。

以上

 

 

心理問題:記憶のメカニズム

心の三要素
意識したり、記憶したり、想像するのは頭脳の働きだ。では、心はどこにあるのだろう。下の図によると心には、求める心(欲求)と、感じる心(感情)と、考え話す心(言語)がある。つまり、欲求、感情、言葉が心の三要素という。心の構造を知ることは自分自身を知ることに通じる。

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(出典:人間存在研究所、参考1)

人間の3つの脳
人間は生物であり、人間の脳には、生物の進化の名残が色濃く残っている。下の図によると、人間の脳には爬虫類の脳と、哺乳類の脳と人の脳の三層構造となっている。そして、爬虫類の脳(脳幹)は、食欲や性欲などの各種生存欲求を受け持っている。哺乳類の脳は、快適とか不快とか不安とか、怒りなどの感情を担っている。そして、人の脳は、理解する、考える、注意する、認識するなどの言語を担っている。

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(出典:海馬の我楽多箱より、参考2)

脳の構造
爬虫類の脳と呼ばれる脳幹は脳の下にあり、骨髄につながっている。脳は第二の腸と呼ばれるが、脳内で神経伝達物質であるセロトニンの約95%は腸で作られるという。哺乳類の脳(馬の脳ともいう)と呼ばれる大脳辺縁系はこの脳幹の上につながっている。運動を司る小脳は脳幹の後ろにつながっている。アントニオ猪木が考案した延髄蹴りはこの小脳にショックを与えるものだ。危ないのでやめてほしい。言語を司る大脳がハードディスクなら1ペタバイト(1000テラバイト)の容量を持つ(参考3)。

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(出典:海馬の我楽多箱より、参考2)

大脳の3つの要素
大脳は大脳皮質と白脳と大脳基底核の3つから構成されている(参考3)。知覚や知覚情報の分析、統合、運動随意性統御、記憶、神経の伝導を担っている。それぞれの機能は次の通り。
・大脳皮質は厚さ2mmの皮質状組織で6層構造を持ち、思考や言語の機能を担う。
・白脳は大脳皮質の下にある神経線維の束で延髄と大脳皮質をつなぐ。
大脳基底核は運動調整や認知機能や感情、動機付け、学習などの機能を担う。
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(出典:wiki、参考4)

大脳辺縁系
諸説あるようだが、大脳辺縁系には扁桃体と海馬体があり、海馬体とは海馬、海馬台、歯状回の集合と言う。前述のように感情を司っており、この「大脳辺縁系を刺激することは記憶や記憶の連想を活性化する」という(参考5)。したがって、例えばスターバックスでコーヒーを飲みながら勉強したり、おせんべいを食べながら勉強したりすると、味覚や食感や匂いや音とともに記憶されるので思い出しやすくなる。子供の頃、お小遣いの10円を持って駄菓子屋に行って、1枚1円に塩煎餅を購入して、算数のドリルを1枚終わったらお煎餅を1枚食べるという報酬系を自ら考案したが、これは脳幹と大脳辺縁系と大脳をダイナミックに連携させているので非常に理にかなった勉強法だと言える。また、非常に嬉しい時や悲しい時のことは記憶が鮮明になることが多いので、冷静に勉強するよりは、感情をむき出しにして、やたら感動しながら、勉強する方が効率が良いと言える(笑)。

小脳の3つの機能
少し専門的になるが、小脳もまた、下の表のように、前庭小脳(古小脳)と、脊髄小脳(旧小脳)と大脳小脳に分かれる。脳の構造は世代ごとに建て増しした複雑怪奇な古い旅館のようだと言われるが本当にそうだ。どんだけ複雑なんだ。これだけ脳の構造が複雑だと、脳死の定義も複雑なのだろう。ここでは詳細は割愛するが、脳死の定義は国によって異なるし、日本でも法的な脳死の定義と臨床的な脳死の定義が異なる。海外では脳死でも21年間生存し、かつ身体が成長した事例もあると言う。

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(出典:Wiki、参考6)

記憶と忘却
表題からかなり脱線してしまった。人が思い出せないというときには、本当に記憶が薄れて忘れた時と、そもそも覚えていない時がある。下の図は学習曲線と忘却曲線の関係を示したものだ。このような実験の場合には、心静かに感情を抑えて実験しているが、前述の通り大脳だけでなく、大脳辺縁系や小脳、脳幹までを総動員すると効率的に記憶でき、忘れにくくなる。残念ながらそのような観点の実験結果を見つけることができなかったが、散歩しながら考え事をしたり、ブツブツ言いながら記憶するのも効率的だ。

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(出典:IMS、参考7)

エビングハウス忘却曲線
脳に記憶させても人間は忘れるようにできている。記憶の失敗には、そもそも記憶していないという失敗、覚えたけど忘れたとう失敗、覚えているけど思い出せないという失敗がある。また、多面的に理解したものと、表面的に理解したものでは、後者の方が忘れやすい。下の図は、有名なエビングハウス忘却曲線だが、これは心理学者のヘルマン・エビングハウスの中期記憶に関する実験結果だ。
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(出典:GOING EXTRA MILEより、参考8)

記憶の二重貯蔵モデル
人は見たり、聞いたり、触ったものを全て覚えているわけではない。興味がなければ、短期の記憶(ワーキングメモリ)に保持されるのはわずか1-2秒だ。興味があると、20秒程度は保持する。美人だなあとか、美味しいなあとか、気持ち悪いなあといった感情や経験に基づいて長期の記憶になったり、一連の意味を理解して長期の記憶になる。記憶のメカニズムを短期と長期に分けて考えるのが二重貯蔵モデルだ。

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(出典:近畿大学菅井康祐さんの作成資料より、参考9)

記憶の種類
下の図は、感覚記憶は1-2秒で消滅するが、その感覚が必要と感じると作動記憶となり、20秒程度は維持する。お!美人だ!とか感じると20秒ぐらいは覚えているということか。そして、その意味や背景を理解すると短期記憶に保存されるが通常は2-3分で消滅するが、意味を持たせると海馬に記憶されて24時間程度は残る。例えば、勉強であれば、その意味を繰り返し反復することで中期の記憶になり、さらに理解が深まると長期の記憶として側頭葉に保存される。

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(出典:海馬の我楽多箱より、参考10)

長期記憶の種類
記憶には短期の記憶と長期の記憶があり長期の記憶には次の図のように4種類の記憶がある。左のプライミング記憶は以前から知っている情報が後の情報に影響を与えるような記憶であり、先入観とか思い込みとか勘違いが生じるのもこの記憶だ。手続き記憶とは、自転車に乗るとか、スキーをするとか身体で覚えた記憶で無意識に対応できる記憶だ。そして、意味記憶には九九とか年代とかを覚える言語記憶と絵画とか音楽等の非言語記憶がある。最後のエピソード記憶は、体験や出来事などの言語記憶と風景とか、音とか風の感覚と言った非言語記憶がある。効率的に記憶したければ、イメージとか、体験とか、意味とか、感覚とか感情を総動員した方が長期記憶になりやすいし、思い出しやすいと言えるのではないか。

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(出典:たかが英語されど英語より、参考11)

まとめ
脳の話から記憶の話まで支離滅裂気味だったが、最後まで読んで頂いてありがとう。勉強をすることは何かを理解して、記憶することであり、冷静な作業の方が効率的と思いがちだが、実は感情や感覚やイメージや想像力を総動員して、感情や頭脳を大きく揺さぶりながら繰り返すことで効率的に長期記憶になる。好きこそものの上手なれというが、ちょっとしたことにも「へえ〜!!」とか、「すっごい♪♪」というふうに感動しながら勉強したり、話をする方が記憶にも定着する。つまり、効果的に勉強がはかどるということなのかもしれない。でも、ちょっとファニーかもしれない(笑)。

以上

参考1:https://sites.google.com/site/sawatani1/home/xintoha-heka
参考2:http://www.geocities.jp/todo_1091/short-story/026.htm
参考3:http://www.excite.co.jp/News/odd/Tocana_201601_post_8711.html
参考4:https://ja.wikipedia.org/wiki/大脳
参考5:https://ja.wikipedia.org/wiki/大脳辺縁系
参考6:https://ja.wikipedia.org/wiki/小脳
参考7:http://www.imstechnologyservices.com/ 
参考8:https://blogs.yahoo.co.jp/hyper_kurakura/16718279.html 
参考9:https://www.slideshare.net/KosukeSugai/201412-42886890 
参考10:http://www.geocities.jp/todo_1091/short-story/029.htm
参考11:http://blog.etn.co.jp/english-brain-science-3/434.html 

心理問題:ジョハリの窓

ジョハリの窓(Johari Window)
自分が認知する自分と他人が認知する自分にはギャップがある。サンフランシスコ州立大学の心理学者ジェセフ・ルフトとハリ・インガムが1955年に「グループ成長の為のラバラトリートレーニング」で対人関係における気づきのモデルを発表した。ジョハリという博士がいるわけではなく、ジョセフとハリの二人の名前を組み合わせて、ジョハリの窓と呼んでいる。

日本語での理解
ジョセフの窓というと、横軸は自分自身が知っているか知らないか、縦軸は周囲の人が知っているか知らないかというマトリックスだ。

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     (出典:TRIBAL MARKETINGより、参考1)

英語での理解
横軸も縦軸も基本は日本語の理解と同じだ。しかし、面白いのは横軸はask(聞くこと)、縦軸はtell(述べること)と主語が自分だ。つまり、自分のことを他の人によりオープンに伝える人は左上のゾーンが大きい。自分が他人からどのように見られるかが気になる人は右上のゾーンが大きくなる。自分のことを他人にあまり言わない人は左下のゾーンが大きくなる。右下のゾーンが大きいのは自分のことは他人に伝えないくせに、他人からどう見れるかは気になって仕方がないというミステリーな人だ。

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     (出典:MySourcingLeader.comより、参考2)

全国の小中学校で講演をして感じること
特にSNSスマホに関しては子供はよく追随している。興味津々だし、よく使っている。しかし、大人は未だにガラケーだったり、スマホでも使い方がよくわからないし、危ないイメージを持っている。啓蒙活動をして一番問題だと感じるのは、大人が子供の実態を理解していないこと。逆に言うと、子供達は、自分のことを大人が理解していないと感じていること。大人にスマホのことを聞いても、教えてもらえるわけではなく、怒られるだけなので聞かない。大人も聞かれても答えられないので、聞かない。言わない子供と聞かない大人。そして、問題が生じると大騒ぎになる。そんな構造が一番の問題だ。本来、人間は他人に理解してもらいたいと思っている。他人に評価して欲しいと願っている。つまり、上の図のように左上のゾーンが大きいのが正常な姿ではないか。その意味では、SNSなどで自分のことを他人に公開するのは自然な行為・願望なのかもしれない。

まとめ
ジョハリの窓という概念は面白い。人材育成などにも活用されている。国際比較などをすると各国の特徴が明確になるかも知れない。日本人は、自分のことを他人に伝えないと言われるが、それも年代や性別によって違うだろう。機会があれば調べてみたいものだ。

以上

参考1:http://www.ikedanoriyuki.jp/?p=2767 
参考2:https://mysourcingleader.com/category/group-leadership/johari-window/