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少子化問題:働く一人親世帯に厳しい日本社会

はじめに
待機児童が問題になり、子育て支援も検討されている。しかし、国の政策は民意とのズレがあるという指摘もある。専門外の問題であるため、勘違いの部分があれば指摘してほしい。調べれば調べるほど知らなことが出てきた。こう言う複雑な福祉の問題をAIに解かせたらびっくりするような面白い解決策を示してくれるのだろうか。

待機児童問題とは?
出生率が低下しているのに、テレビでは待機児童問題がなくならないと報道されている。会社の同僚も家を買うときには保育所に入れるかどうかが重要な判断要素だという。香港に赴任していたときには、ベビーシッター(現地では「アマさん」と呼ぶ)が子供の送り迎えや炊事・洗濯をして、母親は働くのが当たり前の世界だった。沖縄に赴任したときには、ウチナンチュ(沖縄のひと)は20歳で子供を産むのが当たり前だけど、仕事は辞めずに母親の母親(=おばあさん)が育児を担当する。そして、子供に子供(つまり、孫)ができたら、仕事を辞めて子育てする。だから40歳で孫、60歳でひ孫という家族も多い。そんなことを思い出しながら、待機児童問題がなぜ起きるのか、代替案はないのか、海外に比べて日本社会は特殊なのか、今後どうすればいいのかといったことについて、考えてみたい。

待機児童の実態
最新ではないが、2015年に発表された厚生労働省のプレスを見ると、保育所の定員の方が利用児童よりも多くなっている。マクロ的には定員の問題はないと言えるのだろうか。しかし、定員と利用者を比較することがそもそも間違っているのではないか。待機している人以外にも利用を希望している人(隠れ待機児童)もいるだろう。定員と希望者数で比較すべきではないかと思う。希望者数とサービス品質(希望が叶う率)を決めれば必要数(定員)はトラヒック理論のアーランB式で求まる。100%希望を叶えることはできないが、それを90%とするのか、99%とするのか、99.9%とするのかを決めるのが政策ではないだろうか。f:id:hiroshi-kizaki:20171123195818p:plain
(出典:厚生労働省、参考01)

 保育所の募集枠と入れない子
これまた2014年2月と古い情報だが、世田谷区で60%、杉並区で56%、目黒区で53%、台東区で48%、港区で46%、足立区で44%、江東区で42%の子供が認可保育所に申し込んだが入れなかったという。現在は、もっと減っているのだろうか。

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(出典:東京新聞、参考02)

保育士が保育士にならない理由
希望する児童が保育所に入れない理由が保育所の不足なのか、保育士の不足なのかは不明だが、保育士に就業できる有資格者が保育士としての就業を希望しない理由がプレジデントオンラインで掲載されていった。その最大の理由は賃金が希望と合わない。要は賃金が低い割に責任が重いし、事故があると大変だし、割が合わないということなのかもしれない。
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(出典:President Online、参考03)

出生率保育所の利用児童数の推移
出生率は、1980年代の1.5から2010年代には1.0を切るまでに低下した。しかし、下の図を見ると保育所の利用児童数は1995年ごろから増加している。保育所の定員も増加しているが、利用数が定員よりも少ないのは当然だろう。このグラフには是非利用希望の児童数や希望したけど利用できない児童数をプロットしたい。希望するけど入れない児童がやはり増大しているのだと思うけど、なぜそのようなグラフが見つからないのだろう。政府や市区町村の検討資料をもう少し調べてみたい 
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(出典:朝日新聞デジタル、参考04)

ベビーシッターは代案になり得るのか
希望する保育園に児童を入れらない場合に、ベビーシッターが自宅で児童を見てくれて職場復帰できるとしたら希望しますか?という質問に対する回答が次のグラフだ。全体の約75%は希望するという回答だった。しかし、その場合にもどの程度の料金になるかが問題だろうし、ベビーシッターを自宅に招くことに抵抗を感じる家庭も多いだろう。
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(出典:KIDS LINE、参考05)

幼稚園の在園者数と保育所の利用児童の推移
出生率の低下に合わせて幼稚園の在園者数は減少している。幼稚園は入園者数の減少が経営課題となっているのかもしれない。一方、保育所の利用児童は右肩上がりで増加している。この差の原因はなんだろうか。保育園も0−2歳児と3-5歳児で分けてその傾向を理解すべきだけど、そのような統計はどこにあるのだろう。
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(出典:WinF、参考06)

正規社員とパート等での就業率の推移
内閣府の「仕事と生活の調和レポート(2011)」によると、第1子出産後の正規社員の就業率は着実に増加している。特に育児休暇制度を活用して比率が高まっている。一方、派遣社員やパート等ではそもそも育児休暇制度を受けられるケースが少ないためだろう。パート等で育児休暇制度を利用する比率は4%と正規社員の10分の1程度だ。パート等で就業している人の大多数は育休なしだ。特にパート等の派遣社員は、子供を産みたくてもそれを支援する制度が不足していると言えるのではないか。

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(出典:内閣府、参考07)

増大する非正規雇用社員比率
2014年までの統計資料だが、着実に非正規雇用労働者の比率が増大している。2016年の非正規雇用労働者の割合を調べると既に40%を超えていた。企業の内部留保の増加傾向と非正規社員労働比率の相関が高いという調査結果がある。非正規雇用労働者の比率が高まることは、労働者市場全体として、収入の低下や育児休暇を取得できない人の比率が増大することになっているのではないか。
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(出典:総務省の統計情報をもとにnippon.comが作成、参考08)

企業の規模別の育児休業規定の有無
下の図は、非正規社員の有期契約労働者を対象に、企業規模別に育児休業規定があるかどうかを調査したものだ。 従業員が301人以上の場合には8割が育児休業規定があるが、100人以下だと52.5%まで低下する。全体でも7割弱だ。非正規社員に対する育児休職の制度はまだまだ不足している。

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(出典:内閣府、参考07)

育児休業制度の所得期間
下のグラフは、出産後にも育児休業制度があった場合に、どの程度の期間育児休暇を取得したかを調査したものだ。もっとも多いのは、9ケ月から12ケ月のケースと、12ケ月から15ケ月がもっとも多く、この両方の合計で約4割を占めている。しかし、9ヶ月未満のケースが同じく約4割を占めている。育児休暇を2年間も取得できるような企業はまだまだ少ないのだろう。1年6ケ月以上の比率をもっと高めることと、その時の生活保障を充実させることが課題ではないだろうか。

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(出典:育児ログ、参考09)

派遣社員の実態の男女比較
下の表は、「働く女性の全国大会」の資料からの抜粋だ。年収的には100〜299万円が多い。職業欄で見ると、女性は事務従事者、男性が製造・建設作業者が過半だ。雇用全体に占める派遣社員の比率は2.4%程度だ。パート社員や嘱託も増加していて、雇用形態別の労働者数調査によると、有期雇用労働者の比率は1986年の16.6%から2017年の37.3%に増加している。以前、派遣社員として勤務してもらった人も大学院を卒業して、博士課程前期まで行った人だった。優秀だったけど、もったいないと感じる。
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(出典:スライドシェア、参考10)

育児休業制度の国際比較
下のグラフは、イクメンの状況を国際比較したものだ。日本のデータは内閣府の「少子化社会に関する国際意識調査(2011年)」だ。これによると、スウェーデンでは男女ともに75%程度が育児休業制度を活用している。これに対して、日本の女性では17%だが日本の男性は韓国よりも低い4.8%と悲惨な状況だ。取引先の主任さんが育児休業を取得されたことを聞いて驚いたことを覚えている。普通になるのだろうか。

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(出典:President Online、参考11)

父親と母親の育児の関与度の国際比較
下のグラフはOECDの調査結果と、総務省の「社会生活基本調査(平成13年)」に基づいている。他国と比較して母親の育児時間や家事時間は他の欧米諸国と大きな差はない。しかし、日本の父親の育児への関与度は他国と比較して短い結果となっている。

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(出典:福島県、参考12)

家族関係社会支出の対GDP比の国際比較(2003年)
下の図は内閣府による国際比較だ。福祉先進国のスウェーデンではGDPの約3.5%を家族関係の社会支出に費やされている。これに対して日本は0.75%スウェーデンの5分の1強だ。米国は日本よりさらに低い0.7%というのも驚きだ。2016年時点の軍事費のGDP比は、米国で3.29%、フランスで2.27%、ドイツで1.19%、日本で0.99%だ。米国は論外だが、フランスやドイツは軍事費よりも家族関係社会費用に多くの予算を投じている。平和国家を目指すなら、日本でもGDP比1%程度の予算を家族関係社会支出に予算配分すべきではないのだろうか。少子化が社会問題と指摘されているが、国家予算の配分を見ると正直ショックだ。
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(出典:内閣府、参考13)

女子の就業率と特殊出生率との関係
下の図は、内閣府が発行する男女共同参画会議での調査資料で、OECD加盟24カ国における性労働力率と合計特殊出生率の相関関係が見て取れる。この図では、女性が働いても出生率は下がらないとコメントが記されているが、相関関係の高いゾーンと、あまり高くないゾーンがあるように思う。イタリアからアイスランドにかけては前者だが、日本からスイスは後者のように思える。出生率を上げるには、女子の就業率を上げることよりも、安心して結婚して、出産して、育児休業を取得できるような環境を作ることが重要なのではないだろうか。
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(出典:内閣府、参考14)

日本の一人親家庭貧困率
下の図は、OECDによる調査結果だ。ともに一人親家庭だが、その親が働いているケース(左)の日本の貧困率が57.9%で2位だ。トルコの次に高い貧困率だ。一方、その親が働いていないケース(右)の日本の貧困率は52.1%で7位だ。OECD平均よりも少し低い。働いていないケースより働いているケースの方が貧困率が高いということはどういうことなのだろう。家庭が裕福で働く必要のないようなケースが右には含まれているのだろうか。働くほど貧困というのは社会保障が生んだ矛盾と言えるだろう。なお、アメリカは働かないケースでは94%の貧困率だ。アメリカは働いても40%が貧困だ。現在のアメリカの影の部分を表している。

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(出典:OECD、参考15)

祖母による子育ての手助け
沖縄では、祖母が子育てするが、そこまでいかなくても、祖母による手助けの状況を探すと、下の調査結果があった。ともに青線は妻方の母親で年を追って増加している。一方、夫側の母親はほとんど増減がない(左)。さらに、妻が就業するケース(右)では逆に減少している。妻が仕事をしだすと、夫側の母親は手助けがしにくくなるのだろうか。微妙な家族問題が透けて見えそうだ。
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(出典:ガベージニュース、参考16)
婚外子率と出生率の相関
長くなったので、これで最後にする。下の左の図は文字が小さくて恐縮だが、婚外子率と出生率には高い相関関係があることが指摘されている。左下に日本があり、右上にはスウェーデンやフランスがある。婚外子の是非論は別にして、少子化対策としては効果があるという調査結果だ。しかも、驚くべきはスウェーデン婚外子比率が56%と高いことだ。一方の日本はわずか2%だ。北欧では社会福祉制度が充実しているため、婚外子でも子供を産んで育てることができるのだろう。北欧ではベーシックインカムの議論も進んでいるが、日本ではトライアルすら5年以内に実現するのは難しいだろう。

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(出典:少子化と社会環境、参考17)

まとめ
待機児童問題は、保育士が不足しているといった問題ではなく、国の保障制度や国家予算の配分の問題と理解すべきではないのだろうか。日本において出生率が低下するのは、多くの女性が母親になることを希望していないのではなく、経済的な問題や就業上の問題でとても子供産んで育てる経済的余裕がないという悲しい社会構造にあるようだ。また、日本では父親が育児休暇を取ることには抵抗があったり、派遣社員にはそもそも育児休暇制度が不十分であったり、婚外子を倫理的に許容しないなどの条件が揃っているように思われる。軍事費よりも家族関係に国家予算を回してほしい。日本では、希望の党がマニュフェストにベーシックインカムの検討を打ち上げたが、見事に頓挫している。ベーシックインカムの議論は常に財源の問題でストップするが、前向きな議論が日本でも進むことに期待したい。日本は弱者に厳しい国ではなく、弱者に優しい国になってほしいと思う。

以上

追伸)年齢別の待機児童数
世田谷区は東京都内で最も待機児童の多い区だが、世田谷区のホームページには年齢別の待機児童数の推移が掲載されていた。平成28年度には1198人まで増加したが、平成29年には861人と337人減少していた。素晴らしい!特に3-5歳の待機児童はゼロとなっている。問題は0-2歳の児童だ。これはもう単に保育所の問題ではなく、、ベビーシッターを増やしたり、育児休暇制度を充実したり、家族や地域で共に赤ちゃんを育てるといった社会の仕組みそのものの充実が必要な問題ではないのだろうか。

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(出典:世田谷区のホームページ、参考18)

 

参考01:http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11907000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Hoikuka/0000098603.pdf
参考02:http://yamatea.at.webry.info/201403/article_1.html
参考03:http://president.jp/articles/-/19252 
参考04:http://www.asahi.com/special/taikijido/
参考05:https://kidsline.me/magazine/article/29
参考06:https://winfriede.com/child-neglect/
参考07:http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000
参考08:http://www.nippon.com/ja/features/h00133/
参考09:http://ikuji-log.net/entry/childcare-leave-period
参考10:http://slidesplayer.net/slide/11193588/60/images/12/
参考11:http://president.jp/articles/-/5040
参考12:https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/16005c/danjo-beyourself20.html 
参考13:http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/meeting/priority/kihon/k_2/19html/s1.html
参考14:http://www.nga.gr.jp/data/report/report26/141118.html
参考15:http://www.geocities.jp/yamamrhr/ProIKE0911-116.html
参考16:http://www.garbagenews.net/archives/2340533.html
参考17:http://slidesplayer.net/slide/11169510/
参考18:http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/103/129/1812/d00031371.html

 

経営工学:原理・原則や法則類

経営工学を勉強していて理解した原理・原則や法則類について、かつて作成した技術ノートをベースに少しおさらいをしてみたいと思う。

1. ハインリッヒの法則
労働災害における経験則の一つである。1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300のヒヤリハットが存在する。アメリカ人のハーバート・ウイリアム・ハインリッヒ(1886-1962)が工場で発生した5000件余りの労働災害を統計的に調査してこの法則を導き出した。大切な事は、重大な事故が発生してから大騒ぎすることではない。軽微な事故を見逃さず、それぞれの原因を追求し、対策を講じることで重大な事故を未然に防止する。さらに言えば、日常的に起きているヒヤリハットから改善点を見つけ出し、地道な改善を進めば、軽微な事故も発生しないし、結果として重大な事故の防止にもなる。そのような考え方で広く活用されている。同様の法則はバードの法則やダイ=ピアソンの法則などあり、数値が多少異なっているが、本質的な意味は同じである。

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(出典:Wiki等の資料をベースに筆者が加筆した)

2. 動作経済の原則
動作経済の原則とは、疲労を最小にして、有用な仕事量を増やすため、人間のエネルギーを有効に活用する経験的な法則である。具体的な特徴は次の4点だ。
1) 作業物を近くに置く。作業の動作距離を最小にする。
2) 障害物は取り除き、正しい作業面で作業する。
3) 両手や足を同時に使う。両手を交差しない。ジグザグ動作を避ける。
4) 重力を活用する。立ったり座ったりしない。手持ちをなくす。
また、手の操作と視覚での確認に頼りがちなので、ペダルを使うとか、音を使うとかで負担を軽減することも全体作業を効率的に行うコツだ。ゴルフのスウィングも動作経済の原則に沿って矯正すると無駄がなくなるかも(笑)。f:id:hiroshi-kizaki:20171123165441p:plain
(出典:ユニオン、参考1)

3. ECRSの原則
ECRSとは、下の図のように排除(Eliminate)できないか、結合(Combine)できないか、交換(Rearrange)できないか、簡素化(Simplify)できないか?という4つの動作を順番に行なうことで、作業の効率化を図る手法だ。一般にはイクルスの原則と呼ぶが、日本語の最初の1文字をとって「な・い・じゅ・か」と呼ぶこともある。作業全体を見直し、問題点を見つけ出す手がかりとする。そして、改革すべき各業務をECRSの原則で考えることで検討の切り口のヒントを共有する。E→C→R→Sの順番を守ること。たとえば排除(E)と簡素化(S)は検討内容が一部重複するとしても、それぞれのフェーズでしっかりと検討する必要がある。最後のフェーズの簡素化は最も実行しやすいが効果は低い。安易に簡素化するのではなく、作業を一緒にしたり、分離したり、入れ替えたり工夫することによる改善を検討してほしい。業務を改善する施策は出しきってから絞り込む。アイデアを徹底的に出す。ECRSの順番に検討してから絞り込むことが重要だ。
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(出典:後継者育成サービス、参考2)

4. 合理化の3S
合理化の3Sは改善手法である。単純化(Simplification)と標準化(Standardization)と専門化(Specialization)の3つだ。単純化は、Simple is the Bestの実践。対象を整理する。標準化は、漠然とした現状を整理整頓する。一定の基準で分類し、種類を限定して統一し、最後に規格を決めて標準化する。最後の専門化は製品や作業方法について特色を打ち出し、同業他社に対して優位性を獲得するように特化していくプロセスです。3Sに頼りすぎると、環境の変化や進歩、顧客のニーズに弾力的な対応ができない可能性がある。より幅広い知見から俯瞰的かつ柔軟な発想で考えることも重要だ。ボトルネックを特定してからECRSの原則を用いて仕事の進め方を検討する。着眼点を見落とさないように、7つの構成要素7つの無駄と組み合わせて考える。7つの構成要素とは人、物、金、情報、やり方、空間、時間。7つの無駄とは作りすぎ、手持ち、運搬、加工、在庫、動作そして、不良を作るムダ。業務の見える化では、SIPOCの着眼点も有効だ。SIPOCは、Supplier、Input、Process、Output、Customerのイニシャルだ。

5. マイルズの13のテクニック
米国のGE社に勤務していたL.D.Miles(マイルズ)は、製品やサービスの価値を最大にする手法としてVE(Value Engineering)を開発した。日本語で言えば費用対効果を最大にする手法だ。下の表はマイルズの13のテクニックとして広く知られている。
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(出典:MONOist、参考3)

6. パーキンソンの法則
シリル・ノースコート・パーキンソンによると、役人はライバルではなく、部下が
増えることを望み、相互に仕事を作り合うという。コンピュータに適用した法則もある。つまり、データ量は与えられた記憶装置の容量を満たすまで膨張する。下の図のように法則は2つある。まず、第一法則は仕事の量は完成のために与えられた時間を全て満たすまで膨張する。そして、第二法則は支出の額は収入の額に達するまで膨張する。役所にとどまらず組織は、組織存続のために機能する。したがって、これを改めるにはより上位の意思決定に基づくトップダウンの行動が不可欠である。なお、パーキンソンの凡俗法則とは、組織は示唆な物事に対して不釣り合いなほど重点を置くというものだ。国会での国家予算の審議よりも、ゴシップネタの議論に時間を多く費やしたり、報道も後者に重点を置いたりする傾向もこれにあたる。
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(出典:スライドシェア、参考4)

7. デナードの法則
2年でコンピュータの性能が2倍になるという「ムーアの法則」の限界説がよく議論されるが「Universal Limits of Computation」ではムーアの法則の原則は600年で限界になると発表した。眼下で限界に達しているのはデナードの法則である。デナードの法則とは、半導体の寸法をk分の1にすると、遅延時間はk分の1に短くなり、消費電力はkの2乗分の1に下がるというものだ。つまり、半導体を小さくするだけ、高速かつ低消費電力になるという極めて魅力的な法則である。しかし、半導体の微細化は限界に達しており、これ以上微細化するとリーク電力が急激に増大し、電圧を下げられない。
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(参考:Moore, ISSCC keynote 2003、参考4)

8. ファンドリーの法則
経営工学からやや脱線するが、ムーアの法則はコンピュータの性能は2年で倍増するというもの。デナード則はコンポーネントを小型化するほど性能が高まるというもの。そして、ファウンドリーの法則とは、チップの工場のコストは4年ごとに倍増する。東芝が経営再建のために半導体グループ会社を売却する方向で検討しているが、4年ごとに倍増する投資負担は無理と判断したという側面もあるかもしれない。
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(出典:インテル、参考5)

まとめ
経営工学関連と言いながら、後半はIT関係の法則になってしまった。世の中の動きを予測するのは難しいが、世の中の変化の道理を理解して、先入観を除いて、冷静に計算した結果を謙虚に受け止める勇気が求められる。必要以上に恐れる必要もないが、楽観しすぎることも危険だ。今の10代の子供達は20年後には30代の大人になり、40年後には50代の大人となる。20年後といえば、2037年。人口は1億人を切って超高齢化社会に突入しているのだろうか。40年後はすでに団塊の世代の多くは天国に旅立っているので、日本の人口は減少するが、歪(いびつ)な人口ピラミッドから脱却しているという予想もある。中国やインドが超高齢化社会に突入する時代に、日本は細マッチョで筋肉質の人口ピラミッドになって、競争力を再び奪い返しているのかもしれない。そんな風に考えれば、まだまだ日本の将来は明るいと信じたい。

以上

参考1:http://www.union-group.co.jp/merumaga/2016/04/12/動作経済の原則/
参考2:http://kubo-cpa-office.com/business/ecrs/
参考3:http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1011/08/news113_3.html
参考4:https://www.slideshare.net/
参考5:http://www.intel.co.jp/

技術士試験:経営工学の勉強の棚卸し

経営工学とは
現在、技術士の経営工学部門にチャンレンジしている。すでに筆記試験は無事通過し、12月9日に口頭試験を控えている。筆記試験の為に作成した技術ノートをもう一度振り返ってみるのも一考だろう。経営工学とはなんだろうという素朴な疑問にももう一度向き合ってみたい。Wikiによると、英語ではManagement Engineeringとか、Industrial Engineeringであり、「材料装置情報エネルギーを総合したシステムの設計・改善・確立に関する活動である」という。フレデリック・テイラーは経営工学の父であり、科学的管理法を研究したパイオニアだ。現在の課題は評価基準の多様化だ。利益追求だけの観点ではなく、環境面の問題や、健康面への影響、倫理面など広い見識が求められている。

経営の語源
そもそも経営とはなんだろう。紀元前8世紀に周の国の詩人が謳った「経之営之」が語源と言われている。「これを経しこれを営す」と読む。祭壇を築く時の言葉だった。土木工事の時にまず杭を立てるがそのような行為が経である。工事を始める前に外枠を決めるがそれが営だという(参考1)。つまり、経は、縦糸であり、道理を示し、変えてはいけないもの。営は横糸であり、時代の変化に合わせて変えていくものという説もある(参考2)。信念を持って変化に適応するのが経営の本質なのかもしれない。

IE(Industrial Engineering)とは
アメリカIE協会では、1995年に「IEとは、人・モノ・設備の総合されたシステムの設計・改善・確立に関するもので、そのシステムから得られる結果を明確にし、予測し、かつ評価するために、工学的な解析・設計の原理や方法とともに、数学・物理学・社会科学の専門知識と技術を利用する」と定義した。

日本インダストリアル・エンジニアリング協会の定義
アメリカIE協会の定義とほぼ同様だが、日本の協会では2008年に「IEは、価値とムダを顕在化させ、資源を最小化することでその価値を最大限に引き出そうとする見方・考え方であり、それを実現する技術」と定義した(出典:日本IE協会、参考3)。

経営工学と組織論と行動科学
初期のIE効率性を高めることに主眼を置いたが、仕事を効率化するには最適な組織が重要ということで組織論が進化した。最近では組織を構成する個々人の能力をいかに発揮してもらうかという行動科学が進化した。下の図は、それぞれが密接に関係を示していることを示している。
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(出典:Me Consulting Group、参考4)

技術ノートのおさらい
全部で150枚ほどの技術ノートを作ったけど、次のように生産管理、各種法則、経営管理、物流管理に分類されるものが多かった。これ以外にも金融工学があるが、未だによくわからないし、専門分野外なので割愛する(笑)

1. 生産管理
今回、チャレンジしているのは生産マネジメント分野、つまり生産管理は本丸だ。キーワードを並べると、最も多かったのが工程管理と品質管理だった。主に、工場での生産性を高めるような観点からの知見を問うものだ。筆記試験でも、「生産拠点を海外の新興国に移転する。QCDの観点から移転する理由とリスクを述べよ?」という問題があった。品質とコストと納期に関していかに競合他社に対する競争力を高めるかは生産管理の本質を問う良い問題だ。でも、600字の原稿用紙2枚では書ききれないし、そもそも工場経験のない自分では迫力の有る回答は難しいと判断して、別の問題(=損益分岐点分析)に回答した(笑)。最近は、生産ロボット技術が発展し、従来の産業用の垂直多関節ロボットに加えて、双腕ロボットとか、人型ロボットも活用され始めている。これに伴い、生産の前の設計段階の重要性が高まっていて、コンカレントエンジニアリングやフロントローディングの手法も注目されている。そんなことがこの生産管理の中で勉強したことだ。

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2. 各種法則
経営工学の勉強をしているとxxの法則とか、xxの原則を目にすることが多い。皆様もご存知のことが多いかもしれない。使えそうな原則とか法則も多いので、ひとまとめにした。現在は、全国の学校を訪問して、生徒さんや先生、保護者にスマホSNSの利便性とともにリスクを説明しているが、保護者や先生に話をするときはハインリッヒの法則を伝えるようにしている。子供たち自身にルールを考えさせること、そして、それを守っているかどうかを見守ることは重要だし、必要だ。でも、ルールを作ることで、子供たちがドキッとしたり、トラブルに巻き込まれた時に、保護者や先生に相談もできる環境にすることも重要だ。この2つは相反する部分がある。ルールを厳しく指導しすぎると問題が水面下に埋没する。一方、ルールを緩くすると問題が起きるかもしれない。そんな複雑な問題だということを理解することが大切だと思う。f:id:hiroshi-kizaki:20171123112746p:plain 

3. 経営管理
品質を高めるには、統計的な手法は有効だ。今回の筆記試験でもX-R管理図を用いた解法と見識を問う問題が出た。もう一つの問題はQCD+E(環境)に対するPDCALCA(ライフサイクルアセスメント)を問う問題だった。どちらの問題にするか苦慮したが、前者の方は鮮やかな正解を見つけられば高得点を得られるはずと判断し、グラフにプロットしたら、期待通り出題者の狙いが見えてきた。つまり、上限値と下限値の間にあり、一見問題はないようだが、一定数以上が平均値の上もしくは下に続くものを「」と言い、これが7つも続いていた。これは危機的状況ですぐに対処が必要なので、その点を訴求したら、期待通り評価Aだった。この問題を選択してよかった(ホッ)。

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4. 物流管理
経営工学には、生産マネジメント、サービスマネジメント、ロジスティックス(物流)、数理・情報、そして金融工学の5つの分野がある。自分は生産マネジメントを選択したが、物流関係のキーワードも結構頑張って整理した。なぜなら、技術士試験を受験するときに提出する受験票には、5つの経歴と共に、そのうちの1つの業務の詳細を720文字で説明する必要がある。ここで技術士としての知見と経験と能力をアピールする必要がある。受発注業務や在庫管理業務も生産マネジメントの範疇だということで、自分が担当した需給の業務について記載することにした。発注方式には、定量発注方式と定期発注方式やダブルビン方式がある。また、見込み発注方式と受注発注方式がある。携帯電話を法人のお客様に提供するために必要な端末を発注する業務だが、3つの課題があった。年度末の在庫を最小限にすること(不良在庫ゼロ)、受注案件を確実に納品できること(欠品ゼロ)、そして営業担当からのリアルタイムでの在庫照会&確保処理への対応だ。また、需給業務では、在庫管理責任も問われるので、物流センターとは密接に連携したので、物流業務の勉強にもなった。着任当初は営業担当から要請されるままに端末発注をしていたら、案件が見送りになったり、台数が下方修正されたり、納品時期が延期したりして、不良在庫が蓄積し、50億円近い特別損失を計上する危機に瀕した。これは大変だと、年度末の在庫を縮小すべく締め付けるが、年度末は営業担当にとっても商談をクロージングする重要なタイミングだ。年度末在庫はゼロにはならないが、ゼロにするつもりで、もうギリギリのやりくりを営業担当とギリギリ行ったのが、今となっては懐かしい思い出だ。
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まとめ
筆記試験に向けて作成した技術ノートを体系化してみた。これが正解かどうかはわからないが、頭の整理にはなった。幾つかの技術ノートは機会があればブログでも紹介(=解説)したいと思う。ああ、口頭試験がだんだん近づくにつれて焦ってきた(汗)。

以上

参考1:http://chiejin.link/経営の語源%E3%80%80~語源を知れば、はじめにやること/
参考2:http://office-peach-craft.com/2015/11/12/経営とは仏教用語だった%E3%80%82/

参考3:http://www.j-ie.com/about/about-ie/ie-history/
参考4:http://www.mejapan.com/09_29.html

茅野&諏訪の驚き:縄文文化と名酒真澄と天然上水

縄文の国
茅野駅に着くと、いきなり2つの国宝として、縄文のビーナス仮面の女神に歓迎された。これらの土偶茅野市尖石縄文考古館に普段は保管されている。ただし、10月3日から11月26日までは京都国立博物館特別展覧会「国宝」で展示されている。レプリカ版でもいいので、訪問しようとしたが、バスでは10分しか滞在できず、タクシーだと片道4-5千円はかかると言われ、残念ながら別の機会にした。f:id:hiroshi-kizaki:20171122164238p:plain
(出典:筆者が撮影、関連情報は参考1)

茅野市尖石縄文考古館
縄文時代の遺跡で、最も多いのが北海道で、ついで多いのが長野県だという。特に、茅野市には230あまりの縄文遺跡がある。是非機会を作って訪問したい。
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(出典:茅野市尖石縄文考古館、参考2)

縄文時代の人口分布
東京大学の川幡教授によると、縄文時代の初期の日本の人口は約2万人だった。縄文時代は1万年以上継続するが、今から約5000年前には26万人にも増加した。東北を中心に東日本に人口が集中していたが、関東や中部の人口密度が高い。
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(参考:GENDAI ISMEDIA、参考3)

なぜ縄文人は東日本に偏重するのか
九州の阿蘇山を中心に100立方km以上のマグマを放出するカルデラ噴火は、1万年に1回程度発生した。数10立方km以上の噴火ならば12万年間に18回、つまり6千年に1回の頻度だ。このようなカルデラ噴火の影響で九州地区だけでなく、四国や中国地方縄文人が壊滅的な被害を受けたためだ。平均6,000年間隔で起こっていたカルデラ噴火が、最近7,300年間は発生していない。巨大なカルデラ噴火は周囲100~200kmの範囲で火砕流が覆い、火砕流は時速100kmを超える速度だ。自然災害で最もリスク値の高いのがこのカルデラ噴火ではないだろうか。

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(出典:NHK備える防災、参考4)

出雲族の可能性
縄文時代は竪穴式住居であったため、諏訪湖の水位が上がっても浸水しないことが条件となる。このため、縄文遺跡は全て水面から800m以上高いところにある。縄文人平和な民族だった。弥生人の遺跡からは武器が出るが、縄文人の遺跡からは狩りの道具は出ても、戦争のための武器は出ていない。古事記日本書紀によると、そんな平和な土地に出雲族が訪れたという。西村真次博士の「大和時代」によると、出雲族満州からシベリア・極東からのツングース人が紀元前1800年から1000年ごろに日本海を南下してきた。出雲族は、木造の高床式の住居文化を持つなど、当時の縄文人よりも高い文明を持っていたようだ。話を茅野&諏訪に戻したい。f:id:hiroshi-kizaki:20171122165505p:plain
(出典:記紀の中の出雲族、参考5)

名酒真澄は素晴らしい
長野にスキーに行く時にはお土産に真澄をよく購入したものだ。でも、その拠点が諏訪とは恥ずかしながら知らなかった。下の写真は、お土産に買った山花やその箱や説明書きだ。まだ、いただいていないけど、極上の真澄と呼ばれているので、楽しみだ。真澄の蔵元が酒造りを始めたのは1662年なので、今から355年前だ。徳川家康の六男・松平忠輝はこの真澄を愛飲したらしい。なお、この真澄という酒名は諏訪大社・上社の宝物殿に納められている真澄の鏡から来ている。f:id:hiroshi-kizaki:20171122172455p:plain

諏訪の水道は天然の地下水
茅野で講演した時にミネラルウォーターを頂いた。その時に、諏訪の水は天然の地下水を使っているので美味しいと伺った。確かに美味しかった!名酒ができるのも、やはり水そのものが美味しいことが大きな背景にあるのだろう。これを読んでいる人の中には上下水道の専門家がいるかもしれないので、少し調べてみた。確かに茅野市上水道湧き水と深井戸を取水していた。f:id:hiroshi-kizaki:20171122173752p:plain
(出典:茅野市水道ビジョン、参考6)

美味しい水の数値
厚生労働省は、美味しい水の水質要件を定めている。茅野の水はそれらの要件を満足していて、やはり美味しいことが裏付けられた。なお、これを検査した時期が8月だったが、それ以外の時期には20度以下だということです。f:id:hiroshi-kizaki:20171122174057p:plain
(出典:茅野市水道ビジョン、参考6)

大黒屋のお菓子
これも茅野市の関係者から教えて頂いたお菓子ですが、美味しかった。東日本大震災で被災された方が、こちらに来てお菓子店を開き、すごく美味しいので、評判になった。茅野市に来られた時には、市役所の対面なので、是非寄って欲しい。

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(出典:大黒屋のホームページ、参考7)

まとめ
今回、初めて茅野市諏訪市を訪問した。中央自動車道を走ったこともあるし、JRで通過したこともあるけど、実際に訪問してみるといろんな発見があるものだ。特に、縄文時代の国宝で盛り上がっているのにはびっくりした。縄文時代は1万年以上続いた平和な時代だ。フィージーで今月開催されたCOP23において持続可能な社会を目指そうと世界の英知が議論しているが、1万年以上も持続できる社会があったというのは励みになるだろう。縄文時代弥生時代。学校の社会でも学んだ時には縄文時代の方が古くて、劣っていたようなニュアンスだったけど、本当にそうなのだろうか。最近では、遺伝子レベルでの解析も進み、人類がどのように進化したのか、日本人の起源はどうかといったことがかなり解明されるようになってきている。先に言及した出雲族縄文人弥生人の仲介をしたような説もある。これらが本当なのかどうかが解明されるのも時間の問題かもしれない。

以上

参考1:http://www.city.chino.lg.jp/www/togariishi/index.html
参考2:http://www.city.chino.lg.jp/www/togariishi/index.html
参考3:http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39815?page=2
参考4:http://www.nhk.or.jp/sonae/column/20130314.html
参考5:http://korot.hatenablog.com/entry/2015/11/15/002059

参考6:http://www.city.chino.lg.jp/www/contents/1000001220000/files/suidouvision.pdf  
参考7:http://www.daikokuyasweets.com

趣味嗜好:スタバ大好き♪

スタバのReward獲得
スターバックスでは、グリーンスターというスタンプのようなサービスをしていて、50円ごとに1Starをもらえ、250Starになるとグリーンスターからゴールドスターになる。この度無事ゴールドスターになったら、Reward e-ticketを貰えた。下の左の写真のようなバーコードを示すと、最大700円までのカフェラテを無料でもらえる。とりあえず一番大きいのにしてもらったけど、それでも450円。ホイップクリームを乗せてもらったけどそれでも追加50円。これ以上は考えつかないので、それでもらう。でかい!でも美味しい。そのあと、スマホで先ほどの画面を見たら、Thank You!と言う画面に変わっていた。さすがスタバしっかりしている♪
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スタバ大好き♪
カフェラテを作って頂いているところをパチリ。普段はホットかアイスなので、待たされることはないけど、こういうオーダーするとお店の人も大変だろうなあと思った。ありがとうございます。

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今回は軽いトピックでした。

以上

 

技術士試験:口頭試験へのチャレンジ

SukiYaki塾の手羽先の会
技術士の試験にチャレンジする人を応援する会がSukiYakiだ(参考1)。これは主宰者である鳥居先生が始めた活動で、世話好き(Suki)、世話焼き(Yaki)が語源だ。すき焼きが好きな会ではなかった。また、名古屋にもそのローカル組織があり、それが手羽先の会だ(参考2)。この会に入って3年目になるが、皆世界の山ちゃんの「手羽先」が大好きだ。昨日も、2017年度の二次試験の筆記試験に合格した人が次の口頭試験に合格できるように応援する活動に参加した。内容的には、鳥居先生による講演と、先輩技術士によるエール、そして、先輩技術士と受験者による模擬試験だ。そして、世界の山ちゃんで幻の手羽先をたっぷり頂くお疲れさん会だ。その活動の中で感じたことを受験生へのエールとしてまとめてみた。
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(出典:世界の山ちゃん、参考3)

最後の頑張り
技術士の筆記試験(二次試験)で合格した人は、技術士の登録まであと少しだ。下のグラフに示すように技術士試験は合格率1割程度の難関試験だ。しかし、最後の口頭試験に限定すれば、過去の実績では分野によっても異なるが概ね9割程度は合格している。これは逆に言えば1割は不合格になっているということだ。その1割に入らないためにはどうするか!と考えるか、合格の5割に入るにはどうするか!を考えるか、それとも合格の上位に入るか!と考えるかによって、学習の戦略は異なるだろう。
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(出典:技術士インフォ、参考4)

不合格の1割に入らないための戦略
最近の合否通知は下のようなハガキが送付される。必須科目は選択式の問題で60%以上の正解率が合格基準だ。記述式の問題IIと問題IIIの点数は、A判定は60%以上、B判定は40-60%、そしてC判定は40%未満だ。下の例は問題IIも問題IIIもA判定だが、どちらかがB判定でも、トータルで60%以上の場合の総合判定はAとなる。しかし、選択問題の評価がA/BやB/Aの方は要注意だ。特に、口頭試験では、課題解決能力を問う問題IIIも口頭試験の試験官の面接材料として配布される。したがって、なぜ評価がBだったのかをしっかりと反省する必要がある。技術士の資質として、「フォローする」という能力が問われている。このため、口頭試験でのツッコミは必然的に厳しくなることを覚悟すべきだ。これに対応するには、やはり入念な準備をするしかない。
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(出典:筆者が当該者の了解を得て掲載)

合格の5割に入るための戦略
要は合格者の平均像を目指すということだ。技術士のセミナーにて先輩技術士の先生が指導することを真面目にきちんとマスターすることだ。現在のパターンは平成25年度から5年目なので、口頭試験の傾向と対策も多くの先生が指摘する通りだ。オーソドックスな質問を50問程度は用意して、それへの回答を用意すること。模擬面接を最低でも3回程度は実施して、想定問答の見直しをすること。忙しい日常の中でも、時間を捻出して、致命的なミスをしなければ、合格するだろう。

合格の上位に入るための戦略
記述問題がA/Aの人は、単に合格するだけではなく、今後の後輩の規範になるような受験姿勢と受験勉強をしっかりとしてほしい。想定問題も100個程度は用意し、模擬面接も4-5回を目指そう。もしくは、用意した想定問答をスマホに録音して、隙間時間に何度も何度も繰り返し聴きましょう。何度も自分の問答の様子を聞いていると、ちょっと流れが悪いなあとか、冗長だなあとか、説明がロジカルではないなあとか気づくことがある。ぜひ、自分自身で一人ツッコミをして、問答内容をブラッシュアップしてほしい。スキルアップとして気になる点を列挙する。

1) 人の評価は最初の3つの印象でほぼ決まる
技術士にふさわしいと試験官に感じてもらえることが重要だ。アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが1971年に提唱したメラビアンの法則によると人は目から入る情報が55%、耳から入る情報が38%、そして話している内容はわずか7%だという。また、スリーセット理論によると、人は最初の印象と二回目の印象と、三回目の印象でほぼ決まるという。口頭試験で言えば、書類による印象と入室時の見た印象と、受験者が話す声の印象で受験者の印象=評価はほぼ決まるという。入室時の身なりや動き、そして、受験番号や名前を述べた時には、試験官の印象がほぼ決まっていることをよく理解すべきだ。
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(出典:トレンディに追いつかなきゃ、参考5)

2)口頭試験は加点主義
口頭試験の試験官は、筆記試験であなたの答案を見て合格と判断してくれた人です。つまり、あなたを合格させようとしている。その期待に沿った努力をすることは当然の責務です。しかし、本番の口頭試験では、回答に困るような質問や、回答しにくい質問、質問の意味がよくわからない質問がある。そのような時にはどうすべきでしょうか?適当に答えるのはダメだ。時間の無駄だけではなく、試験官の印象まで悪くなる。必ず質問の主旨を再確認して、相手の意図に合うように回答しましょう。また、本当に知らないことは「すいません。その点は不勉強でよくわかりません。」「うまく説明できません。この後しっかり調べて勉強します。」などと潔く降参して次の質問に取り組みましょう。米国は加点主義だが、日本は減点主義が多い。幸い技術士試験の口頭試験は加点方式だ。ホームランではなく、ヒット狙いがお勧めだ。

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(出典:仕事辞めたいの?、参考6)

3)試験官との論争は禁物
優秀な受験者ほど、自分の知見や意見に自信を持っていることが多い。試験官が理不尽なことを言うこともないとは言えない。そのような時に論争するのは厳禁だ。これは座談会ではないし、議論の場でもない。あなたは評価されている立場だ。「へりくだる」必要はないし、自分の意見を曲げる必要もないが試験官に対する攻撃は最低だ。そのような場合にも、「そのような見方があるのですね。勉強になりました。」とか、「この件は議論の余地がないと考えていましたが、そのような解決法もあると気づくことができました。ご指摘ありがとうございます。」など、要は相手の立場を理解し、試験官の意見を尊重する姿勢を崩さないことが肝要だ。

4)PREP
プレゼンテーションでは、SDS法やPREP法が有効だ。SDS法とはSummary、Details、Summary、つまり、まず結論を述べ、その詳細を説明し、最後にまた結論を述べる方法だ。またPREP法とはPoint、Reason、Example、Pointの4文字のイニシャルで、まず結論を述べ、その理由を述べ、その例を示し、最後に結論をもう一度述べる。人は、抽象的な一般論と具体的な各論を繰り返すと理解の幅が広がり、納得しやすい。これと真逆なのは、背景→条件→考慮事項→理由→(最後に)結論で、公務員が陥りやすいパターンだ。口頭試験では時間の制限がある。SDS法やPREP法でまず結論を述べたら、試験官の顔を見て、「理由を詳しく説明した方がいいですか?」「この内容で詳しく説明してよろしいでしょうか?」とか聞いてから次に進むのがお勧めだ。試験官によっては、最初の結論だけで「次の質問に移ります」と言ってくれることがある。その場合には最初の結論だけで回答になっているので、貴重な時間の節約以上に加点を繰り返せるという効果がある。

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(出典:Kaizen Base、参考7)

5)イメージとロジックで人は納得する
人は物事をイメージして、ロジックを理解できたときに納得する。これは人間の脳が左脳と右脳に分かれていることに起因する。これは、口頭試験の特に小論文(詳細業務)の説明のときに意識すべきだ。つまり、例えば「橋梁」の改善を説明するなら、どんな橋かを試験官にイメージしてもらうことが先決だ。幅員10mの橋なのか、100mの橋か、それとももっと巨大な橋なのか。どんな橋なのかのイメージがずれていたらこれは悲劇だ。何を説明しても質疑が食い違ってしまう。手振りをまじえなが試験官との間で同じイメージを共有できたら、次は冷静に端的にロジックを説明する。課題は3点です。目的はこれです。解決策は3つありますが、私はA案が最適と判断した。その理由は3つあります。このようにマジックナンバー3をうまく活用しながら説明すると、人は納得した気になるものです。

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(出典:ロジックとパッションの狭間から、参考8)

6)沈黙を恐れない
口頭試験で最悪なのは試験官の質問に対して回答できずに無言の時間が続くことだ。これは時間の無駄だけではなく、印象も悪くなるので最低の対応だ。分からなければ、「すいません。勉強不足です。また、勉強します。」等でなんとか切り抜けよう。口頭試験は加点主義なので、わからないことをわからないと回答しても何も減点されない。場合によっては潔ぎ良い態度として好感される可能性さえある。そのような受動的な沈黙は避ける必要があるが、能動的な沈黙(=間)を使えれば、プレゼンの上級者だ。つまり、試験官の質問に対して、先のPREPの最初のPを説明する。そのあと、わずか1秒弱の沈黙、つまり間をおく。そして、その1秒弱の試験官の反応を見極めて、詳細説明に続くのか、それとも、先に行ったように「続けてよろしいでしょうか?」と試験官とキャッチボールをするのか、その後のプレゼンを微妙に起動修正させる。大切なことは話すことではなく、理解してもらうことだ。そのためには、間をおくことがとても有効だ。また、ヨッヘン・バイヤーが書いた『プレゼンのパワーを最大限にする50のジェスチャー』には、プレゼンのテクニックが満載だ。例えば、下の図のように表情を使い分けたり、手のひらを見せたり、プレゼンと口頭試験は同じではないが、余裕があれば一度してみるのも一考だ。 
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(出典:LifeHacker、参考9) 

まとめ
口頭試験の目的は合格することだ。そのためには、不合格の1割に入らないという戦略でも、合格者の5割、つまり平均的な合格者の戦略でもいいと思う。しかし、本当に合格して、技術士として活躍したいと考えるのであれば、合格の上位者を目指して欲しい。技術士試験に合格するのはゴールではなく、スタートだ技術士として活躍するには、物を書いたり、講演で話をしたり、経営者の相談に乗ったりすることがある。そのようなことに対応できる能力を有するのかどうかを試されているのが試験だが、同時にそのような能力を伸ばすチャンスでもある。単に合格するのではなく、上位者での合格を是非目指して欲しい。サッカーに例えて言えば、1点差で勝利するのではなく、2点差で勝利を確実にするのではなく、3点差をつけて、圧倒的な勝利を目指して欲しいと思います。そうすることで、相手に1点を取られても、2点を取られても、勝利=合格できると確信出来る。最後の一踏ん張りです。
一緒に頑張ろう!

以上

参考1:http://www.pejp.net/pe/
参考2:http://sukiyaki-nagoya.blogspot.jp
参考3:http://www.yamachan.co.jp
参考4:https://gijutsushi.info/archives/279
参考5:http://skplan.main.jp/sunnyday/2015/12/31/post-4633/
参考6:http://shigoto783.hatenablog.com
参考7:https://www.kaizen-base.com/contents/biz-42993/
参考8:http://kayumi.jp/archives/1813155.html 
参考9:https://www.lifehacker.jp/2017/09/170929_book_to_read.html

通信事情:IoTとLPWAの関係と5Gへの進化への期待

はじめに
IoTは新聞紙上でも記事にならない日はないぐらい日常的に使われている流行り言葉だ。Internet of Thingsの略で、すべてのモノがインターネットに繋がれる時代が来るぞと、IoTの用語を始めて使ったのは1999年で、ケビン・アシュトンだという。国際通信連合(ITU)ではユビキタスネットワークという用語を用いて、未来の情報通信社会を説明していたが、IoTはユビキタスネットワークの後継とも言える。

e-Japan
最近は聞かれないが、ITUユビキタス構想を受けて、日本政府が提唱したのがe-Japan構想だ。2000年9月に森総理大臣(当時)が150回国会の所信表明演説としてIT国家戦略を打ち出した。しかし、当時の総理大臣は「イット(IT)」とはなんだと言って国民の失笑を浴びたことを覚えている人もいるだろう。その当時には、モバイルの波がここまで大きくなると予想するのは難しかったのだろう。

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(出典:総務省のホームページ、参考1)

IoTが目指す未来社
2017年3月8日に開催されたデータマネジメント2017において、IoTが目指す未来社を次のように示していた。IoTの適用領域を思いっきり広げた感じだ(笑)。シスコ社は、2013年時点で100億近くまで増大しているIoTが2020年には500億まで増加すると予想している。あらゆるものがインターネットに接続する時代が来るのだろうか?
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(出典:データマネジメント2017、参考2)

総務省が描く未来社
総務省が2015年7月に示した「新たな情報通信技術戦略の在り方」に関する情報通信審議会からの中間答申の中では、未来社会を下の図のように示していた。つまり、現在の電気通信は人と人を結ぶものだ。今後は情報利活用技術によって人と情報を繋ぐ。さらに、将来は他分野の市場や技術・制度と融合することで新たな価値を創造する。それこそがIoTの目的だ。これに異存はない。
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(出典:総務省、参考3)

パケ詰まり
現在の携帯電話システムはいわゆる第三世代と第四世代で運用されている。第三世代はIMT-2000として、2000年の実現を目指したモバイルシステムだ。厳密に言うとITUは初期のLTEは3.9世代と呼ぶが、商用的には3.9世代も第4世代と呼んでも良いと許容されていているのでLTE=第4世代と理解した方がシンプルだろう。第三世代の時代には、データ通信が急増した結果、パケ詰まりが流行り言葉になるほど混乱した。2013年当時といえば、ソフトバンク孫社長がパケ詰まりを解消します!と下の図で宣言していた。しかし、LTEの登場に伴ってこのパケ詰まりも今は死語となっている。

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(出典:Livedoor News、参考4)

期待されるLPWAシステム
LTEの投入に伴ってモバイル通信は、速度も容量も品質も格段の飛躍を遂げた。しかし、それでも500億のIoT端末をLTEで結ぶことは難しい。これはLTEシステム側の容量の問題に加えて、通常のLTEの料金ではIoTの裾野を広げることができない。このため、ISMバンドと呼ばれる自由に使える周波数を使って、もっと安く、簡単に、機器を接続できれば便利だということで検討されたのがLPWA(Low Power Wide Area)システムだ。文字どおり、小さな電力で広いエリアをカバーするという通信方式だ。そして、その裏には低速度という特徴もある。代表的なものはSIGFOXとLoraの二方式であり、最大の違いは速度だ。日本が主導する方式がWi-SUNで電力のテレメトリーへの適用が想定されている。そして、NB-IoTは通信事業者がこれらに対抗する方式で検討が急速に進展した。

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(出典:筆算作成)

ISMバンド
先に引用したISMバンドとはなんだろうか。Wi-FiBluetoothで使われている周波数帯だといえば理解される人も多いだろう。ISMとは、Industry Science Medicalの略で、産業、科学、医療の目的のために自由に使えるようにITUにより割り当てられた周波数帯だ。代表的なものは、電子レンジにも使われている2.4GHzやWi-Fiで利用されている5GHzだが、それ以外にもRFIDで使われる13.56MHzや、市民ラジオ(CB無線)で使われる27.12MHzなどがある。また、携帯電話の周波数再編に伴って、920MHzも特定用途向けに利用が解放された。この920MHzをサブギガヘルツと呼ぶこともある。

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(出典:Ownd、参考5)

LoRa(Long Range IoT)
ローラといえば、モデルを思いつきますか?それとも傷だらけのローラを思い出しますか?残念ながらどちらでもありません(笑)。そもそもモデルのローラはRolaです。傷だらけのローラを歌うのはちびまる子ちゃんのお姉ちゃんが大好きな西城秀樹です。LoRaは日本ではソラコムが2017年2月よりサービスを提供している。同社のホームページを見ると大まかなタリフが掲載されている。
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(出典:ソラコム社のホームページ、参考6)

SIGFOX
2009年に設立された仏SigFox社が開発し、2012年からサービスを開始している。100bpsと超低速だが、年間1ドルを目指す。日本では京セラ系のKCCSが2017年2月からサービスを開始する。現在は、双日とも連携して顧客を広げている。条件が合えば年額100円からの利用で、電池が10年持つことを目標にしている。
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(出典:Business News、参考7を一部加工)

NB-IoT
SigFoxやLoRaは900MHz帯のいわゆるサブギガヘルツの周波数を活用し、かつ通信時間を短くし、電力消費量を最小限にしながらも、低速の通信を可能とするように工夫した方式だ。一方、このNB-IoTは、LTEGSMの隙間の帯域を活用する方式だ。日本以外の海外ではいわゆる第二世代の携帯電話方式(GSM)が使われており、これを活用する方策は必須だ。日本では、第二世代の携帯電話方式(PDC)は全てサービスを終了しているため、LTEの電波の隙間を活用する。したがって、全国に整備したLTE基地局カバレッジと無線通信品質をそのまま継承できるのが最大の強みだ。
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(出典:NOKIA資料、参考8)

NB-IoTとLTE-M
少しわかりにくいのがNB-IoTとLTE-Mの違いかもしれない。共に通信事業者が提供するサービスだ。前者のNB-IoTは、前述の通り既存のLTEのガードバンド等の隙間電波を活用する方式で、帯域が200kHz以下なので、通信速度も100kbps程度だ。そして、LTE-Mとは、3GPPが推進するMachine Type Communicationのための仕様であり、その広い帯域を活用することで高速通信にも対応する。その先には2020年をターゲットとして推進する第五世代に向かっている。
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(出典:エリクソン資料、参考9)

LPWAから5Gへの進化
下の図はSIGFOX、LoRA、NB-IoT、LTE-Mさらには5Gへの進化を理解するための諸元だ。このように見ると5Gが最も優れているように見えるかもしれないが、5Gのコンセプトはいいとこ取りだ。使えるものは何でも使って、多重化して、高速化して、容量も増やしてという考えだ。したがって、ユーザの要求条件はそれぞれ異なるので、それぞれのユーザに最適な通信方式を模索し、採用し、構築する。そんな積み重ねの先に5GによるIoTの世界が広がると理解している。
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(出典:lafibre、参考10)

まとめ
自分の専門分野のことをブログにアップするのには勇気がいる。まずは、やはり細くなりすぎる。また、調べているうちに、興味がどんどん広がってしまってまとまらない。専門家として嘘を言いたくないけど、分かりにくのも本末転倒だ。今回は、IoTとLPWAという観点からできるだけ分かりやすく説明したつもりだが、まだまだ説明をスキップしたり、大切な考え方の説明が抜けているのも多いと思う。しかし、IoTの実現に向けて世界中の通信関係の技術者が必死に研究を続けていることを知ってほしい。また、(多分)コンピュータの世界と異なり、通信の世界の技術者は基本的に仲が良い。なぜなら、仲良くしないと通信できないからだ。そんな通信の世界の技術文化は大好きだし、これからも可能な限りどっぷりと参加して、そこで得た知見をできるだけ分かりやすく解説できればと思う。

以上

参考1:http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ict/u-japan/new_outline01.html 
参考2:http://www.seminar-reg.jp/jdmc/dm2017/
参考3:http://blogs.itmedia.co.jp/business20/2015/08/2030.html
参考4:http://news.livedoor.com/article/detail/7520912/
参考5:https://mksund.amebaownd.com/posts/2152694?categoryIds=520280
参考6:https://soracom.jp/press/2017020702/
参考7:http://businessnetwork.jp/Detail/tabid/65/artid/5600/Default.aspx
参考8:https://wirelesswire.jp/2016/04/52700/
参考9:http://businessnetwork.jp/Detail/tabid/65/artid/4274/Default.aspx
参考10:https://lafibre.info/internet-des-objets/lte-m/