LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

tree型記憶とmesh型記憶

はじめに
技術士には、総合技術監理部門を含めて、21の部門がある。自分が持っているのは、電気・電子部門と経営工学部門と総合技術監理部門の3部門だ。技術士の試験勉強をしている時に感じたのは、tree型の記憶はすぐに忘れるけど、mesh型の記憶はなかなか忘れないことだ。

tree型記憶
例えば、初めて聞くキーワードとしてAとBがあり、その関係を理解する。次にまた新しいキーワードとしてCをAとの関係付けで理解する。さらにDもAとの関係付けで理解し、Eも同様に理解する。この方法のメリットは効率が良いことだ。常にAとの関係を理解することでロジックも明確だ。これは例えば、Fintechの用語で言えば何だろう。Aを銀行、Bをネット銀行、Cをペイメント、Dをブロックチェーン、EをIoTなどを連想するとイメージしやすいだろうか。常に銀行を中心に、新しい概念を理解する。
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mesh型記憶
一方、mesh型ネットワークは全ての関係を理解しようという方法だ。つまり、AとBの関係を理解する。これはTree型と同じだ。次のキーワードCをAとの関係だけではなく、Bとの関係も考える。この段階では、リンク数はtree型の1.5倍だ。次のキーワードDをAとBとCのそれぞれとの関係で考える。Tree型ならリンクは3だけど、mesh型だと6と2倍に増える。さらにEが追加する時には、Tree型なら4つだけど、mesh型だと10と2.5倍に増加する。
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100個のキーワードを理解する。
Tree型で100個のキーワードを理解する場合には、例えばある中心的な概念との関係だけなら99個だ。しかし、これをmesh型で理解しようとすると、4950個なので、50倍だ。とても無理と感じるかもしれない。しかし、実際にはカテゴリーで分類する。仮に10のカテゴリーに分類して、それぞれのカテゴリーに10のキーワードがあるとすると、リンクの数は10x45=450なので、99に比べると約4.5倍だ。これぐらいなら何とか頑張ればできるだろう。

mesh型のメリット
tree型の勉強法に比べてmesh型の勉強方法は効率が悪い。効率が悪くなるが、その分メリットもある。それは何かといえば、記憶が定着することだ。例えば、5つのキーワードを理解するときに、あるキーワードを残る4つのキーワードで説明してみる。これは慣れないと結構難しいが、これは物事を多面的に理解する練習にもなる。5つのキーワードの1つでも、2つでも思い出せれば芋づる式に知識を引き出すことも可能なためだ。

講演の時の雑談
何かをテーマに講演をする時には、全体のシナリオを整理して、ロジカルにシンプルに明確に理解しやすいように整理すると、聞いている人は理解しやすい。しかし、それだけだと眠くなる。想定通りの説明が続くと、なぜか脳は理解したつもりになる。聞く必要がないと判断して脳の活動を停止(サボり)してしまう。このため、時々AとB、AとCの関係を説明したら、ところでBとCの関係は?と聴衆者に聞いてみると良い。聴衆者は想定外の質問が出てくるので、おや!と興味を示す。一生懸命に脳が活動し始める。

子供の発想は無限
先月、ある都内の中学校を訪問して、SNSスマホのモラルを高めるための講演をしてきた。45分ほどの講演で、構成としては、最初にアイスブレイクの話、そして実例と前おきして動画を見せる。そして、近くの生徒通しで話をさせた後で、何が問題だったのか、どうすればよかったのかをスライドで説明し、最後にまとめでしめる。だいたいこんな感じだ。その学校は、毎年モラル教室をしているが、前年までは別の会社だったようだ。こんな構成でいいですか?と聞くと担当の先生は面白そう!と反応してくれた。そして、生徒に感想文を書かせますと言われた。先日、会社に行くと、厚さ8cmぐらいの郵送物が到着していた。開いてみたら、300人の生徒全員の感想文だった。

考えさせる教育
生徒たちの作文を読んでいると涙が出そうになる。よく理解している。みんな真剣に感想を書いてくれている。自分のようなものが説明するより、生徒の感想文を先生だけが読むのではなく、生徒間でシェアしたり、全ての保護者にも読んでもらったりすると、生徒たちの気持ちがよく理解できるのではないかと思う。先生は生徒に教えるだけではない。生徒から逆に教わることも多い。このような感想文はその一つだろう。

tree型とmesh型
話を戻す。自分は学校の先生ではないけど、何かを教える時に、tree型だと楽だけど、つい機械的になってしまう。また、忘れやすい。応用も効かない。しかし、mesh型だと応用が効く。子供頃によく、考え事をして、授業についていけないことがあった。あれ?これはどうなっているのだろう?と思案しているうちに、授業は先に進んでいる。これはつまり、先生はtree型でAとB、AとCの関係を説明したら、次に進もうとするけど、生徒はBとCの関係が気になって思案してしまう。そんな構図ではないだろうか。

まとめ
物事を多面的に見るのは結構大変だ。時間もかかる。でも、3次元、4次元、5次元でキーワードを理解してくると何となく分かったような気がするし、どこから何を聞かれても答えられそうな気がする。技術士の二次試験は今日と明日が本番だ。雨の中だけど、受験生には是非頑張って栄冠をゲットしてほしいと思う。

以上

フィンテック#5を受講して

はじめに
フィンテックの授業は、第一線で活躍されている専門家による講演も魅力だ。昨日は、みずほ銀行の大久保光伸さんとエメラダ株式会社の広報担当の野澤真季さんの講演だった。時間的には大久保さんが16:50から18:30までの100分だった。途中で質疑応答を交えての講演だったが、そのスライドはなんと108枚ほどの大作だった。どのスライドも力作で素晴らしいが、それ以上に優しく判り易く語り口が魅力だ。なお、ここで記載することは講演のレポートではない。講演を聞いて興味深いと感じたことを自分なりに調べた上でまとめたものだ。

シニアデジタルストラテジスト
大久保光伸さんの所属は、みずほ銀行デジタルイノベーション部データビジネスチームで、そのタイトルが「シニアデジタルストラテジスト」だ。システム開発会社やインターネット専業銀行を経て、2016年からみずほに入行された。講演後の懇親会では、実は銀行家の家系で三代目だと伺った。将来、大久保さんが「銀行業界の中興の祖」だったと言われるのではないかと思うほど素晴らしい講演だった(笑)。本人のミッションは関係者のマインドチェンジだ。頑張ってほしい。
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 出典:5枚の名刺で銀行の「縛り」解く|日経BizGate

7つの名刺
自分が勤務する会社もまだ副業には厳しい。日本技術士会認定グループの役員をすることを上司に相談したら、りん議が必要と言われた。副業申請書に必要事項を記載して、捺印して、りん議を切った(涙)。大久保さんが勤務するみずほも副業はまだ解禁されていない。銀行業界はどこもまだ慎重のようだ。しかし、フィンテック分野の専門家ということで、政府機関からの委員を拝命し、銀行も政府機関からの依頼であればということでOKをもらったらしい。大久保さんは、みずほ銀行と、BlueLabのCTOと金融革新同友会FINOVATORS、一般社団法人Fintech協会でのアドバイザーなどを兼任されている。名刺も現在は7枚だという。名刺入れには確かに複数の名刺がぎっしり入っていた。ネットで調べると高校時代には、アメフトで日本一になったという。しかも、ポジションは司令塔のクオーターバック。どんだけすごいのだ!下の写真は、フリーアナウンサー唐橋ユミさんがFINOLABを直撃して、大久保さんにインタビューされた時の写真だ。
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 出典:https://special.nikkeibp.co.jp/atclh/NBO/17/I_will/woman/vol1/

デジタルガバメント技術検討会議
インターネット専業銀行では、約17年間も政府が発行するガイドラインに準拠しながらもクラウドサービス(AWS)を導入し、その事例を国内外に公開して、クラウドエコシステムの構築の啓蒙活動に尽力されてこられた。詳細は聞けなかったけど、将来の銀行業務に危機感を持つ銀行から白羽の矢が立ったのだろうと想像する。今年の7月からはデジタルガバメント技術検討会のグランドデザインTFの諮問委員も務められている。ネットで見ると難解だけど、「グランドデザイン WT にて、行政サービスのグランドデザイン素案と実現に必要なデジタルインフラの特定やその他検討課題を洗い出す」のがミッションようだ。
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 出典:https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/dejigaba/dai7/siryou2-1.pdf

GAFAの襲来
GAFAの説明は不要だろう。GAFAはインターネット時代の覇権を握る代表的な企業であるGoogle, Apple, FacebookそしてAmazonの頭文字だ。ここにMicrosoftが入っていないのが面白い。GAFAの事業分野は情報通信分野だけではない。下の図で特に注目すべきは金融分野への参入だ。この図にはないが、この4社の中で頭一つ抜け出したのがFBのLibraだろう。
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 出典:GAFA vs NATU : le choc des titans - MBA MCI

キャッシュレスのジレンマ
みずほフィナンシャルグループが発表したキャッシュレス社会の実現に向けた取り組み(2018年6月)によると、現金の取り扱いにかかるコストは現状年間8兆円。キャッシュレスが実現すればこの半分が削減できるという。これはキャッシュレス化を進める目的の一つだ。しかし、キャッシュとキャッシュレスが混在する過渡期では、両方の対応が求められるため逆にコスト増になりかねない。個人的には、キャッシュレスの方が楽だし、どんどん進めてほしい。
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 出典:https://www.bcnretail.com/market/detail/20190526_119765.html

ブロックチェーンではakamaiが最速
講演の中でブロックチェーンの話が少し出たので、質問の時間にこれはいわゆるオープン型やプライベート型ではなく、コンソーシアム型かと質問したらそうですという回答だった。そして、米akamaiが最強だという。アカマイ・テクノロジーズとは、米国の企業で、CDN(コンテンツデリバリネットワーク)事業や、クラウドセキュリティー事業を提供している。MITの応用数学の教授トム・レイトンが中心に1998年に設立した企業で、本社はMITの目の前にあるという。akamaiと聞くとちょっと不思議なニュアンスを感じるが、これはハワイの言葉で「知性」を意味するらしい。面白い。下の図は三菱UFJ銀行akamaiと開発したシステムの構成イメージだ。リップルakamaiの戦いはまだ始まったばかりだ。
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 出典:三菱UFJ銀行がリップルと競合?超高速ブロックチェーンをAKAMAIと開発。MUFGコイン構想はどうなる? | 暗号資産投資の研究まとめ

完全自動運転銀行
現在は銀行に用事があったら最寄りの店舗に出かける。しかし、これからは銀行がお客様の方に来るものだとJDDのCEOはJDDの開所式でぶち上げた。JDDとは、ジャパン・デジタル・デザインの略で、三菱UFJフィナンシャルグループからスピンオフした企業名だ。今日の講演で、「完全自動運転銀行」というキーワードが聞こえた。聞き間違いかと思ったら「みずほ自動銀行」とか、「みずほ完全自動運転銀行」で登録商標されている。今後は、ATMの機能を持つ車両が自動運転で利用者の元に出かけるのだろうか。大手町には、お昼になると弁当屋の車両が並ぶが、給料日になるとATM機能を持つ車両が並ぶようなイメージだろうか。面白い。
 出典:もう「メガ」じゃない(3)「ヘンな銀行」作れるか :日本経済新聞

BlueLabの活用
インターネット業界の動きは早い。しかし、銀行は慎重な対応が必要なためスピード競争で立ち行かない。このため、みずほ銀行では、仲間を募って、IoTインキュベータカンパニーBlue Labを2017年6月に設立した。みずほの出資比率は15%未満に抑えているため子会社にも関連会社にもならない。このため、銀行で議論したら数ヶ月かかる案件でも、Blue Labの社長がOKといえば5分で意思決定できる。このスピード感の改善は大きい。このため、何か新しいアイデアがあれば、まずはBlue Labで検討し、実験する。この取り組みは素晴らしい。下の図にあるようにレンディング、資産管理、AIを活用した定型業務といった3つの分野がターゲットだ。そして、2016年11月に設立したJ.Scoreはこのレンディングの分野の成果だ。銀行業を始めるとか、銀行が何か新しい事業を始めることは大変だ。特に、銀行はオンプレミスに執着するので、設備投資をすると、最低でも減価償却が終了するまでは頑張れと言われてしまう。しかし、事業がうまくいかないと判断したら素早く対応すべきだ。AWSなどのクラウドを活用すれば、小さく始めて、成功すれば大きくできる。ヤバイと判断すれば撤退も簡単だ。Blue Labの存在意義はそんなところにもあるように感じた。
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 出典:https://manelite.jp/megabank-regionalbanks/

J-Coin Pay
ネーミングは大事だ。当初はJ-Coinとして事業展開する予定だった。しかし、流行語のPPAPを商標出願して有名になったベストライセンス社が2018年5月に「J・COIN」の商標を出願していた。その結果、多分色々な議論があったと思うけど、「J-Coin Pay」というサービス名で本年2月20日よりサービスを開始した。J-Coin Payは全国の地銀と連携している点が素晴らしい。地方には、地銀と信金がある。後者の信金の場合には、一般ユーザを対応するのは全国の信金だが、それぞれの信金の経営相談や資本増強を信金中央金庫が担っている。つまり本部としての信金中央金庫と現場の信金がうまくタイアップして事業を進めている。個人的には、信金よりも、地銀が心配だ。自分が心配してどうなるものでもないけど、それぞれの地銀とみずほがタイアップするような関係が作れれば、地銀も活路が開けるのではないだろうか。J-Coin Payはそんな構想の試金石のように感じるのは自分だけだろうか。
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 出典:スマホ決済で銀行連合=みずほ主導、地銀半数と3月開始:時事ドットコム

Xigniteデータ連携
金融機関に対してマーケットデータを提供するという事業があり、Xigniteはそのためのプラットフォームだ。米Xigniteは2003年に創業したFinteckスタートアップの草分け的存在だ。マーケットからのデータを分析して、組み合わせて、APIベースで使いやすく提供する。Fintechの世界でもAPIはキーワードだ。今回の講演でもOpen APIというキーワードがあり、質問の時間に本当にOpenなのかと聞いたら、FINOLABのAPIサンドボックスであれば、NDAへの署名など簡単な手続きさえすればOKだ。本番環境は流石に電子決済等代行業者の登録が必要だ。米XigniteはFintech企業1100社にデータ提供している。累計で36億ドルの資金調達を行い、年間1.5兆回のAPIリクエストに対応しているジャイアントだ。モバイル証券のRobinhoodやロボアドバイザーのWealthfrontにも提供している。マーケットデータを「REST+JSON」形式のAPIで使えるのがミソだ。国内では、金融情報サービスを提供しているQUICKと共同で「QUICK Xignite APIs」を提供している。
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 出典:QUICK Xignite APIs | TOP

まとめ
今回の講演は、興味深い内容の宝庫だった。ブロックチェーンありきで開発すると失敗しがちだ。将来のあるべき姿からビジネスモデルを逆算するべきだ。銀行はお金を取り扱う会社だったけど、今後は情報を取り扱う会社かもしれない。米倉先生に言わせれば、信用を創造する会社であるべきだ。世の中のマーケットに応じたダイナミックな価格設定を行うプライシングサイエンスも興味深かった。貴重な講演を拝聴できて本当に光栄でした。ありがとうございました。エメラダの野沢さんもありがとうございました。

以上

追伸)講演が終わった後に、生徒からもプレゼンを行った。恥ずかしいばかりだ。自分はベーシックインカム関連の話をした。最初に参加者に質問を2つさせてもらった。最初の質問のベーシックインカムを知っているのかどうかは、7割がたはご存知だった。そして、2つ目の質問の5年以内に実現するかは、全員がノーだった。まあ、そうだろう。自分もそう思う。しかし、現在および将来のマクロ的なトレンドを考えると、実現味を帯びる時期が来るかもしれないと予想する。その時に、勢いで実行するのではなく、実行した時に、どのような効果やハレーションがあるかを冷静に分析して置くべきだと思う。つまり、ベーシックインカムを導入したら、消費行動は喚起されるのか、仕事の意義や人生の価値観が変わるのか、少子化対策として有効か、そして、国民の幸福度は改善するのか。そんな相関関係を調べてみたいと考えている。うまくいくだろうか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

消費者行動論#6を受講して

はじめに
坂本先生の授業も今回を含めてあと2回。豊橋から通うのも大変だっただろう。先週は、ダメかと思ったけど、タクシーに乗ったら、たまたま運転手が豊橋の出身者で駅まで猛スピードで走ってくれて、なんとか最終の新幹線に飛び乗れたらしい(笑)。

商品展開の事例
1) カップヌードル

小学校の時に、桂三枝(当時)が司会をしていたヤングオーオーという番組を見に行ったことがあった。初代司会は、三枝だけでなく、笑福亭仁鶴もやっていた。その後には、横山やすし・西川きよしが加わるという夢のような豪華なラインナップだ。さんまがブレイクしたのもこの番組だ。スポンサーは日清食品だった。なぜかといえば、景品がカップヌードルだった。子供だったので、なんてエッチな食べ物かと誤解した(笑)。ヌードルが麺という意味だと知らず、ヌードに反応してしまった。カップヌードルは日本だけではなく、海外でも売られている。しかし、当初は麺ではなく、スープとして販促したそうだ。
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 出典:https://la-life.info/nisshin-cup-noodle/

2) 吉野家
日本では牛丼のみに絞っているが、海外では居酒屋よろしく品揃えを広げているようだ。しかし、コアとなる牛丼はあくまで本場の日本の味にこだわりを持って成功しているようだ。
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 出典:http://blog.livedoor.jp/zzcj/archives/51952988.html

3) 味千ラーメン
ミレニアムの前後には、香港に赴任していた。でも、その頃には味千ラーメンの存在は知らなかった。味千は国内には約90店鋪ほどあるが、海外では750店鋪(2015年7月時点)もあるようだ。1968年に生麺の製造を開始し、1972年からフランチャイズ化し、1994年に台北、1996年に香港に出典している。海外の経営は女性中国人がCEOとして仕切っている。すごい。そんな味千も品揃えは広げているが、ラーメンの素材やスープは日本で製造したものにこだわっているようだ。名古屋にいた時は、味仙によく行ったが、これとはべつだ。
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 出典:味千拉麺@香港国際空港や香港の麺料理、ノスラーなど : ラーメン食べたら書くブログ

文化と言語学
1) ベントの民族心理学

実験心理学の父と称されるのが、ドイツの哲学者ヴィルヘルム・マクシミリアン・ヴント(1832年8月から1920年8月)だ。ドイツの牧師の息子で12歳で大学に入学するので天才かと思いきや、高校時代は勉強嫌いだった。でも、ハイデルベルク大学の医学部では勉強に目覚めたようだ。ヴントは、心理学の研究の中心は自己観察だと考えたようだ。
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 出典:ヴィルヘルム・ヴント - Wikipedia

2) サピア=ウォーフ仮説
日本では言霊という。言霊には命が宿るという概念だ。海外でも、同じようなことを考える人がいる。ある人の認識や思考は言葉に依存する。言語相対主義と言うようだ。アメリカの言語学者 E.サピアならびに B.ウォーフの主張が基軸となっている。
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 出典:サピア=ウォーフの仮説 - Wikipedia

3) 虹色の数
虹は7色というのは常識だ。でも、これは日本の常識であって、民族による。もっといえば言語によるらしい。アフリカのある部族は8色と認識する。アメリカでは藍色の概念がなく6色。台湾のブヌン像は3色、南アジアのバイガ族は2色だと言う。言語に思考が支配されていると言う証左だろうか。
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 出典:https://weathernews.jp/s/topics/201807/240205/

比較文化
1) アジア・日本文化

アメリカは長所を褒めて伸ばすが、日本では短所を指摘して矯正する。まあ、今の時代は褒めて伸ばすにシフトしつつあるのだろうか。自分のことを英語では"I"としか言わないけど、日本語だと私とか、俺とか、僕とか、色々と使い分ける。日本人はあまり自分を主語にした主張をしないけど英語圏では基本自分の考えを示さないとバカと思われる。

2) アメリカ・ヨーロッパ文化
アジアはネットワーク的だけど、ヨーロッパは統制的だと言う。因果関係を重視する一方で、原理原則に従い、開放的で外交的だと言う。まあ、この辺りの分類は個人差の方が大きい。

抽象化(ラダーアップ)と具体化(ラダーダウン)
何か文章を描く場合や、人に話をする場合に、抽象度を上げたり、具体的な事例の話をしたりすると理解されやすい。つまり、抽象度を上げたり、下げたりすると、視点が変わるからだ。これを海外では、ラダーアップとか、ラダーダウンという。一種の訓練が必要だけど、常に意識するだけでも能力アップになるので、ぜひ試してほしい。
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 出典:http://gitanez.seesaa.net/article/50744773.html

ロボットのイメージ
1) HAIシンポジウム2018

HAIを初めて聞いた。HAIとは、返事ではない。Human-Agent Interactionの略だ。つまり、人間とエージェントとのインタラクションの研究だ。この分野の研究を促進するために、2006年に慶應大学でHAIシンポジウムが開催され、2018年には専修大学で開催されたようだ。坂本先生の所属先である豊橋技術科学大学でもこんな可愛いロボットを研究している教授がいるらしい。
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 出典:HAIシンポジウム2018

2) 不気味の谷
日本人は、ロボットに対して比較的好意的な意識を持っている貴重な民族だ。それでも、ロボットが徐々に人間に近づいてくると、怖くなる。そんな現象をロボット工学者の森政弘が1970年に提唱したのが、不気味の谷だ。これはその後の実験でも傾向は確認されているようだ。
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 出典:https://wired.jp/2015/11/06/uncanny-valley-creepy-robot/

まとめ
今日の話は駆け足だった。多分、今頃豊橋まで駆け足で移動しているのだろう。消費者行動論は幅広く、色々な研究が並行して進んでいる。要は、これらの研究を実際のマーケティング活動に活かすことだ。このような視点があることを知っているだけでも、社会の事象を観察するときのヒントになるはずだ。今日はこれぐらいにしておきたい。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ファイナンス#5を受講して

はじめに
昨日(7月6日)も含めて土曜日には、3教科を連続して受講する。授業に加えて宿題も重なり、ブログ作成の優先度が下がってしまう。ファイナンスの授業はテキストがネットで配布され、これにそった説明が続く。先生の熱意や関心ごとを正確にまとめるのは厳しいけど、気になった部分を復習してみたい。

会社の価値
1) 上場企業の価値

企業の価値とはなんだろう。金額で換算する方法で最もシンプルなのは、株式数x株価=時価総額だ。

2) 非上場企業の価値
株式が上場していれば、株式数x株価で計算できる。しかし、非上場の場合には、どのように算定するのだろうか。特にベンチャーキャピタルが企業に投資をしたり、買収したり、売却したりするときには、その企業の価値を正しく評価しないと交渉すらできない。一般には、下のチャートにあるような方法がある。7月6日の授業で習ったのはこの中の比準方法だ。
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 出典:企業価値の算定

β値
企業価値を計算する上でβ値は必須かつ非常に重要な数値だ。β値とは、わかりやすく言えば、TOPIX等の株価指数とある会社の株価の感応度を示す変数だ。エクセルで相関関係の計算式を用いれば簡単に計算できる。そもそもこのβ値はCAPM理論において、自己資本コストが次の式で示されると定義されたものだ。
 自己資本コスト=自己資本残高×(Rf+MRP×β)
 ここで、Rfは無リスク債券の利回り、MRPはリスクのある株式市場に投資した場合の利回りをいう。
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 出典:CAPM(資本資産評価モデル) | オントラック

レバードβとアンレバードβ
借り入れありの場合には、レバードβといい、借入金がない場合にはアンレベードβを用いる。アンレバードβ(βU)とは、企業が全額資本金で資金調達(無借金経営)すると仮定した際の株式のβ値。負債を持つ企業のβ(=レバードβ)から、財務リスク要因を除去したβとも解釈できる。アンレバードβとレバードβの関係式は、次のように表すことができる。
βU = βL ÷(1+(1-t)× D/E)
 βU: アンレバードβ
 βL: レバードβ
 t: 実効税率
 D: 負債
 E: 株主資本(時価ベース)
アンレバードβとレバードβの関係式を解明することで、企業が資本政策を変更した際の株主の期待利回り、ひいては資本コストを算出することができる。同様の内容は次のWEBにも詳しく解説していた。
 出典:アンレバードベータとは? - 法務部リスク管理課

類似企業から企業価値を換算
ある企業の価値を評価したい場合には、その企業と同業で、同程度のポジションで同程度の規模の企業を複数選択して、その企業の業績からβ値を計算する。そして、そのβ値を色々と加工することで、ある企業の価値を計算して、例えば50億円だったとする。その企業の価値は50億円と言えるのだろうか。そうではない。その企業が成功する確率が重要だ。参考にした複数の規模はその業界で生き残っている=成功したということだ。しかし、ある企業が成功する確率が仮に10%と想定し、90%の確率で失敗するとする。そうした場合には、50億円の価値となる確率は10%なので、その企業価値は5億円となる。まあ、そんなものだろう。

ベンチャーキャピタルヒアリング力
ある企業が成功するかどうかは社長の手腕にかかっている。そして、その企業が成功するかどうかは社長を中心とした関係者や同業他社からのヒアリングをして、それを参考に決めるしかない。ここはAIではできない非常に人間的な部分だ。しかし、それ以外の部分の企業評価はAIが得意な分野だ。必要なパラメータを確定したら、その企業価値をAIに計算させて、直感的にあっているのか、どうかを判断する。そんなプロセスをアジャイル的に回すことになるのだろうか。次のWEBにも詳しく記載されていた。
 出典:https://www.ycg-advisory.jp/whats_ma/valuation/

ベンチャーキャピタル(VC)の判断基準
以前ならリターンが35%ぐらいはないとVCからはGOの判断が出なかった。しかし、松田先生に聞こえてくる情報では、最近は25%ぐらいのリターンがあれば投資するらしい。VCは投資した企業が株式公開すれば、リターンを得ることが出来る。しかし、その確率は1%程度だ。投資した株式の評価を的確に実施する必要がある。VCは投資を求められても求められている金額、例えば5億円とか10億円をフルに投資することは少ない。そうではなくて、段階的に融資する方法が一般的だ。まずは、数千万円レベルで融資をして、計画通りに進めば、次のステップとして数億円レベルを融資する。そんな感じが多いらしい。
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 出典:http://j-net21.smrj.go.jp/well/fund/fundnoshikumi.html

公募と私募
公募は不特定多数の複数の投資から資金を集めることだ。公正で平等な順が重要だ。一方、私募は限られた投資家に限定して多く口の顧客から資金の提供を募る方法だ。後者は基本的によく知っている企業だ。なので、社会人学生の場合には、企業経験は十分でないかもしれないが、社会人学生はそういった経験は有効だ。
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 出典:https://job.career-tasu.jp/finance/guide/financial_seminar/002/005/

まとめ
来週からは企業家のための投資を習う予定だ。毎週のことだが、土曜日の授業は朝の8時50分から、夜の20時15分までびっちりとある。宿題は一つずつ処理するしかない。ファイナンスもあと2回だ。ちょっと寂しい気がする。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

消費者行動論#5

はじめに
今日の消費者行動論も振り返ると盛りだくさんだった。やはり聞いただけだと忘れそうだ。先週習ったヘルマン・エビングハウス忘却曲線よりも多分早く忘れるだろう。書いているうちに忘れそうだ(笑)。

国際競争力指標(GCI)
世界経済フォーラム(WEF)が2018年10月17日に発表した国際競争力レポート2018では日本は5位だった。140カ国の調査でトップは米国、2位がシンガポール、3位がドイツだった。そして、スイスが4位に食い込み、日本は5位だった。日本が5位に入り込めたのは、評価方法が少し変わったためとも言われている。
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 出典:https://kokai.jp/wefの国際競争力は米国が首位へ、日本は5位(評価/

グローバルイノベーションインデックス(GII)
イノベーティブな国はどこだろう。コーネル大学INSEAD世界知的所有権機関(WIPO)が共同でGIIを発表している。126カ国の経済状況を80項目の指標によって分析する。そして、トップはスイスだ。2011年以降トップを堅持している。スイスは特許や知的所有権などの法的な整備でも進んでいるし、産学協同でも世界のトップを走っている。日本はトップ10に入れず13位だった。特に日本で評価を下げているのは、Human Capital and ResearchとCreative Outputsだ。これ以外はまあまあ検討している。日本人のイノベーションに対する研究開発と創造性かもしれない。逆に言えば、日本がもっとイノベーティブになれば、日本はまだまだ伸び代があるということだ。
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 出典:https://www.wipo.int/publications/en/details.jsp?id=4330

スキーマ理論
イギリスの心理学者フレデリック・C. バートレットが1932年に論文を発表した。それは、知識の構造をスキーマと呼ばれる構造や型に基づいて情報を表現するスキーマ理論だ。講義では、完全一致と、適度な不一致と完全不一致に類型したケースだった。消費者行動論的に一番重要なのは適度な不一致だ。似ているけど、完全には一致しない。それがもっとも購買意欲を高めるという。
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 出典:http://www.lit.kobe-u.ac.jp/~yomatsum/classes2/形態論%E3%80%80資料.pdf

古典的条件付け
条件反射といえば、パブロフのイヌが有名だ。これは、ロシアの生理学者イワン・ペトローヴィチ・パブロフ(1849年9月から1936年2月)が示した実験だ。イヌに食事をさせるときにベルを鳴らす。これを繰り返すと、ベルを鳴らしただけで、犬はヨダレを垂らすようになる。何か強烈な快感を得るときに、何かをする。そうすると何かをするだけで強烈な興奮が蘇る。これもパブロフの犬と同じ現象かもしれない。
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 出典:http://occupational-hygienists.com/blog/?p=357

オペラントの条件付け
アメリカの心理学者エドワード・L・ソーンダイク(1874年8月から1949年8月)が行なった実験が初めてとされる。その後、バラス・フレデリック・スキナー(1904年3から1990年8月)がマウスや鳩を用いて体系化した。この実験で用いられたのがスキナー箱だ。これは、マウスがレバーを押すと、餌が出る仕掛けだ。たまたまレバーを押すと餌が出ることから、レバーを押せば餌が出ることを学習する。これはオペラント学習とも呼ばれる。
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 出典:http://www.counselorweb.jp/article/441254429.html

観察学習
人の行動を観察して、他人から学ぶ現象を観察学習という。兄弟で言えば、弟の行動がそうだろう。お兄ちゃんがヤンチャなことをして、母親から叱られるのをみて、何をしたら叱られるのかを学習する。なので、弟は要領がいい。あまり叱られることなく、褒められることを自然にする。なので、お兄ちゃんから見ると、ちょっと意地悪したくなるのかもしれない。下の写真は人間ではなく、イルカの観察学習の事例だ。イルカの赤ちゃんは、お母さんイルカがすることをしっかりと観察していて、トレーニングしなくても、自然に大人のイルカと同じことを覚えていくという。
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 出典:海響館 » 第177回「観察学習」

本能
オーストリアの精神医学者ジークムント・フロイト(1856年5月から1939年9月)は精神分析学の創始者だ。フロイトは、自我をエゴ、さらに超自我をスーパーエゴと定義した。また、現在はidと訳されているが、ドイツがではesと呼び、超自己中の欲求、つまり生存要求だ。そして、徐々に上位の欲求がエゴだ。スーパーエゴは、スーパー利己的の意味ではなく、自己実現に相当するような高度な欲求だ。
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 出典:Freud's Id, Ego, and Superego

パーソナリティ理論
人の性格を分析する手法は色々と開発されている。その一つがEPPS特性論だ。ネットで調べると、簡単にできそうだった。トライしたら、質問すうが多い。どうも50問ほどあるらしい。最初の20問ほどはきちんと答えていたが、途中から適当に回答したら、「回答の一貫性がやや低いです。」としっかり見抜かれていた(汗)。多分、真面目に回答すると、ばらつきが小さくなるのだろう。自分の特性としては、自立が9と高く、そして、変化の7と顕示の7だ。低いのは攻撃の4だ。救護の5と支配の8はばらつきが大きいので、適当に答えたハレーションかもしれない。でも、結構当たっているかもしれない。
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 出典:EPPS性格検査結果

特性5因子論
ハーバード大学の心理学者ルイス・ゴルドベルク(1932年1月生)が提唱するのが、ビッグ5理論(five-factor model:FFM)だ。具体的には、次の5つだ。
N:神経症傾向(Neuroticism)は、環境刺激やストレッサーに対する敏感さ、不安や緊張の強さ
E:外向性(Extraversion)は、社交性や活動性、積極性
O:経験への開放性(Openness to experience)は、知的好奇心の強さ、新しいものへの親和性
A:協調性(Agreeableness)は、利他性や共感性、優しさなど
C:誠実性(Conscientionsness)は、自己統制力や達成への意志、真面目さ、責任感の強さ
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 出典:Personality, motivation and emotion

AIOアプローチ
ライフスタイルを分析する手法の代表がAIOアプローチだ。AIOは次の3つの単語の頭文字だ。このAIOという3つの側面で特性を分析することで、消費者のライフサイクルを測定する手法だ。
A:活動(Activities)とは、消費者のライフスタイル特性
I:関心(Interests)とは、興味・関心を持っていること
O:意見(Opinions)とは、政治や社会問題など様々な出来事についての意見
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 出典:https://insight.rakuten.co.jp/knowledge/column/vol23.html

VALSアプローチ
VALS(Values and Lifestyles)は、1978年にコンサルタント会社SRIで開発され、1989年にはスタンフォード大学、UCバークレーの専門家の協力を得て開発されVALS2への改良された分析システムだ。このVALS2では、人々のライフスタイルを分類して、購買行動とライフスタイルの関連性を分析することが可能だ。下の図は、Japan-VALSとして市場を3つに区分し、その動機を10のグループに分けて分析するものだ。
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 出典:量的データから見出すインサイト|デジタルマーケティング情報サイト MarketingBase

AAA戦略
ニューヨーク大学のゲマワット(Pankaj Ghemawat:1959年9月30日生)教授は、ハーバードビジネス大学でも教えていた。ゲマワット教授は、グローバル戦略を立案するときに、3つのAに着目すべきと主張した。3つのAとは次のものだ。この3つの視点ではバランスを取ることが重要だ。逆に言えば、現在の世界は中途半端だという。完全にどこかに統合されている訳でもないし、国と国には差がある。したがって、重要なことは洗濯と集中だ。メリハリをつけることだ。
1) 集積(Aggregation):生産・開発拠点などを一国に集中させ、スケールメリット・集積による学習効果を高める。
2) 適応(Adaptation):一国一国の顧客や経営環境の違いに、細かく対応することに注力する。
3) 裁定(Arbitrage):労働コストの低い国に生産拠点を移すなど、国と国の格差を活用する。
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 出典:https://www.sbbit.jp/article/cont1/22166?page=2

CAGE分析
企業が海外に進出するときには、何を考えるだろう。個人で旅行するなら、その国の治安とか、物価とか、法律とか、民族性などが気になるかもしれない。CAGE分析とは、パンカジュ・ゲマワット教授が提唱したフレームワークだ。グローバル経営において地域の固有性や他の地域との隔たりをなどを分析する。
1) 文化的(Culture)は,言語,民族,宗教,価値観などだ。規範や倫理などがある。
2) 制度的(Administrative)は,法律や制度などだ。地域貿易ブロック,貨幣,政治的な対立が該当する。
3) 地理的(Geographical)は,いわゆる地政学的な要素だ。物理的な距離,時差,気候などがある。
4) 経済的(Economic)は,物価や経済だ。貧富の差,天然資源、人的資源などがある。
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 出典:工学部システム創成学科C(知能社会システム) - ppt download

PEST分析
コトラー教授を崇拝する人は多いかもしれない。現在は88歳だ。PESTはアメリカの経営学者であるフィリップ・コトラー(Philip Kotler、1931年5月27日生)が提唱した分析法だ。つまり、Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)という4つのフレームワークでマーケットを分析する手法だ。CAGE分析と似ているような気もするが、どちらが古い(=オリジナル)のだろう。
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 出典:https://www.sbbit.jp/article/cont1/29171#&gid=null&pid=1

宿題
最後に個人のレポートの再確認だ。提出期限は7月13日。この中から発表する人を選んで、最終日の7月18日に選抜された生徒が発表する。できれば、これには残りたいなあ。JETROのサイトの調査レポートは秀逸とも聞いた。今週の週末にはちょっと頑張ってレポートするかなあ。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

3Mに学ぶ:イノベーションの歴史

はじめに
今日は、米倉教授の教え子である一橋大学の教授が講師だ。対象は米国の3Mだ。スコッチテープとか、ペタメモで有名だ。最近では素材の分野でも事業を拡大している。そんな3Mの歴史や成長の秘密を考える授業だった。授業を通じて感じたことや思ったことを振り返ってみたい。

人は何のために働くのか
最初に聞かれたのは、人が働く目的だ。あなたは何のために働くのか。まず出たのはお金だ。自分は、「暇つぶし」と言ったら「そんな面はあるけど」と笑われた。一般には、生活のためとか、出世のためのとか、自己実現とかだろうか。自分の仕事が他人の役に立ったり、社会の役に立ったりするのを実感できると幸せな気持ちになる。そんなことが働く意義なのだろうか。

3Mが革新性を生み出す理由は何か
(1) 15%ルール

3Mでは、与えられた業務だけをしていれば良いわけではない。個人的に興味があることへの研究に就業時間の15%まで割り当てることができる。10時間であれば1時半ほどか。新しいことにチャレンジしろという奨励する企業は多くても、このように具体的に15%の時間を使いなさいと明示する企業は少ないのではないだろうか。
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 出典:https://school.nikkei.co.jp/news/article.aspx?aid=MMSCe9000019122016

(2) 部下のアイデアを殺さない(十一番目の戒律)
3Mは部下のアイデアが明らかに失敗すると証明できる場合以外は、そのアイデアを却下できないというルールがある。これが十一番目の戒律と呼ばれるものだ。これは、ポストイットが数多くの失敗や挫折を乗り越えて実用化して、大成功したことのアンチテーゼかもしれない。
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 出典;技術立脚型企業

(3) 複数の階層の研究機関(ジェネシスプログラム)
3Mには、短期的(3年未満)な実用化を目指す研究所と中期的(3−5年)な実用化を目指す研究所、長期(5年以上)的な実用化を目指す研究所に階層化されている。より現場に近いところは短期的な研究に重点をおき、より全社的なところにある研究所はより基礎的な研究に注力する。それぞれの研究者は交互に情報交換し、刺激し合っている。15%ルールで商品化を目指す人は、このような研究所や所属長と交渉して資金を提供してもらうことが可能だ。

(4) 人事評価制度
3Mでは、信賞必罰というよりは、褒めて育てるタイプだ。給与水準はトップクラスではないが、トップクラスの企業の平均レベルを目指す。その代わりに優秀な社員には昇級のご褒美や昇進のご褒美を与える。ベストなシナリオは、研究開発で実績を上げて、昇進していって、最後に管理的な地位に収まるものだ。その逆は原則ない。つまり、管理的な成果を上げた人に研究職の上位職にはつかせない。これを許すとやはり研究や実用化に対する臭覚が鈍るし、インセンティブが落ちる。過去には失敗もあったのだろう。

自主性を促す方策と暴走を防ぐ方策は両立するのか
自由闊達な社風は社員の創造性を高めるだろう。しかし、自由を与えるだけだと暴走する懸念があるという。しかし、個人的には暴走するような社員が出ればめっけものだと思う。そんな人が一人でも二人でも出てきて、暴れまわったら面白い会社になる。それよりも、心配なのは、例えば15%ルールで何かアクティブが活動をするのではなく、単にサボってしまう人かもしれない。年休がわりに15%ルールを悪用されては困る。

規則は強化されるが規制緩和は難しい
何か事件や事故が起こるたびに対策が検討される。そして、その対策は多くの場合には、対策を決めて、それをルール化する。つまり、規制の強化だ。そして、規制はどんどん強化されて、規制だらけになる。女子高生の校則が厳しすぎると笑っていられない。あまりに規制が強化されると働きづらくなる。しかし、規制の緩和は難しい。リスクテイクすることはなかなか簡単ではない。ガバナンスを強化すべきという意見は出ても、ガバナンスを弱くしようという声は出にくいし、出しにくい。

3Mの実戦から学ぶ具体的な方策の提案
創造的な仕事をした成功例があるかと先生に聞かれた。思い出すのは、携帯電話のクレームを能動的に発見するツールを開発した時のことだ。つまり、クレームはお客様からくる。これを受動的ではなく、能動的にクレーム対応しようと思った。仕組みはこうだ。携帯電話の内部にアプリを常駐させて、通話が切れたり、データ通信が止まったりする事象が起きたら、その前後10秒の電波状況をサーバにストアする。そうすると法人利用してくれている会社に対して、今月はあなたの社員の端末でこれだけのインシデントが発生した。これを改善するために、こういう対策をしたいと思うが、協力して欲しい。そんな風にプロアクティブに対応する仕組みだ。そして、これが実現した背景には、グループメンバーと緊急性と重要性について話し合ったことが契機となっている。

緊急性と重要性のマトリックス
メンバーはいつも忙しそうにしている。実際忙しいのだろう。特に、クレーム対応の業務は緊急性の高いものが多くて、スピードを求められる。緊急度が高くて、重要度も高いものは最優先で対応するべきだ。また、緊急度も重要度も低い案件の優先度は下げるべきだ。問題は、重要度は低いけど緊急度が高い案件と、その逆で重要度は高いけど緊急性が低い案件のどちらを優先するか。現状は前者が優先されていた。メンバーと話し合って、そうではなくて後者を優先しようとなった。下の図で言えば第3領域の強化だ。つまり、緊急度は低くても、それを実現することで仕事全体の質が上がるとか、抜本的な対策になるとか、そういう重要な仕事にもっと注力しようと宣言した
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 出典:https://www.rosei.jp/jinjour/article.php?entry_no=55549

小さな成果を積み上げる
理念を掲げてもすぐに成果が上がるわけではない。しかし、そんな理念に合致する仕事は、能動的だし、やりがいがある。重要度が高いので当然だ。その結果、単なるクレームの受付チームだったのに、そのクレームを迅速に処理するための測定ツールを開発したり、根本対策を講じるまでの暫定対策スキームを開発したりして、事業部の表彰を受けたりした。そのうちに、それをメインとするメンバーまで育てることができた。そして、先述のような能動的な監視ツールを開発することもできた。ただ、振り返ると仕事をしたことよりも、飲み会でワイガヤすることが楽しかったように思う。

展示会のブースでのクアルコムとの出会い
携帯電話の性能は向上していたが、電波状況を24時間監視して、インシデントをサーバーにあげることができないかと移動機メーカーに打診しても良い返事はなかった。でも、ワイヤレスショーだと思うけど、展示会でたまたまクアルコムのブースに立ち寄って、係りの人にその話をしたら、そのコンセプトで開発を進めているインド人を紹介されて意気投合した。予算も取っていなかったので1年間は無償トライアルにしてもらった。インド人の優秀さには目を向いた。こちらから要望を出すと、それを上回る製品を出してくる。もうびっくりした。ただ、どうもこれは自分だけではなく、アメリカの携帯電話事業者もカスタマーにしていて、そこからの要望に対応した結果のようだった。

リサーチとイノベーションの定義
これは3Mの哲学だが、研究とは資金とマンパワーといったリソースを投入して、有用な知見を得ることだと定義している。そして、面白いのは、イノベーションの定義だ。つまり、研究で獲得した貴重な知識や知見を活用してお金を儲けることがイノベーションだという。3Mは金を儲けることだけを目的として事業をしているわけではないが、イノベーションの定義をそんな風に定義するとは面白い。やはり成果を出さないと、事業を継続することはできない。

まとめ
今回は、3Mのイノベーションについてのレポートがあらかじめ配られて、それを読んで課題についての意見を各自が考えておいて、グループディスカッションして、発表する。そして、生徒同士で質疑応答して、さらに理解を深める。そんな授業だった。住友3Mは環八沿いにあり、担当営業だった時はよく訪問した。自由闊達な雰囲気は感じられたし、外資系企業のような雰囲気もあった。こんな会社で働きたいなあとも思った。そんな会社が対象の授業だったので、興味深く参加することができた。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

フィンテックと企業経営#3を受講して

はじめに
初回が休講だったので、昨日(6月29日)の授業が3回目だった。今回は遠藤准教授による講義ではなく、マネーフォワードの瀧俊雄取締役FinTech研究所長だ。結論から言えばとても面白かった。まず話題が豊富だ。FinTech関連であれば、どんな質問にも自分の経験や知識に基づく回答がある。素晴らしい。さすがです。瀧さんが話した内容というよりは、私が理解した内容やその後ネットで調べた内容を以下にします。

マネーフォワード
2012年5月18日に設立されたベンチャー企業だ。東日本大震災のほぼ1年後だ。創業して7年経過するが、ユーザの声を聞き続けることと、テクノロジーの力でその課題を解決するという道筋はぶらさなかったという。マネーフォワードという社名は、「お金を前へ。人生をもっと前へ。」という想いからだ。社長は、辻 庸介(1976年生まれ)で、京都大学卒業後、ソニーに入社し、マネックス証券に出向時の留学先で瀧さんと出会ったという。
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 出典:未来を建設しよう

結婚式はクラウドファンディング
生徒と聴講生が計8人ほどいたが、マネーフォワードを使っているかという質問に誰も手をあげなかった。スマホを取り出して、すぐにアプリをインストールするように指示された。私はすぐにインストールした(笑)。ちょっと勢いがすごいと思ったら、結婚式の後なので、少しアルコールも入っていたのかもしれない。そして、結婚式では主賓としてスピーチを依頼され、結婚式は結婚する二人の将来に対して投資をするクラウドファンディングのようなものと話をされたらしい。私はなるほどと納得した。

家計簿ソフトから会計ソフトへ
家計簿ソフトというと、ZaimとMoney Forwardが競っている。Zaimの設立は2012年9月だ。瀧さんも辻さんも家計簿をつけることが目的なのではなくて、家計簿ができたうえでの意思決定をしたかった。つまり、家計簿を自動化するソフトを開発するということだ。そして、家計簿ソフトの利用者を調べると、意外と中小企業が多い。しかし、家計簿ソフトは会計ソフトではない。確定申告に対応するには、せめて複式簿記に対応する必要があるのではということで会計ソフトの開発を決めたという。

イノベーションは無謀な人が起こす
企業の会計ソフトを開発すると、想像以上に大変だったという。イノベーションを起こす人は、ある程度無謀でないと一歩を進めることができない。しかし、なんとか解決してしまうのがすごい。ただ、会計ソフトは数字が命だ。一円でも間違いあると信用されない。この辺りは生命線のようだ。

貯蓄ゼロ世帯
日銀の調査によると、世帯の約3分の1では貯金がゼロだという。日本人は貯金が好きな民族のように言われるが、30代と40代では33.7%が貯金ゼロだ。これは貧富の格差が広がっているためかと思ったら、年収1200万円以上の世帯でも8世帯に1世帯は貯蓄ゼロだという。これはどういうことなのだろう。年金問題が話題になっているが、個人個人では将来のための貯蓄をしていないので老後が不安ということか。貯蓄がなくても将来はなんとななるという楽観論者が多いのか、悲観論者が多か、これだけだとなんだかよくわからない。研究するには良いテーマかもしれない(笑)。
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 出典:貯金ゼロ家計を待ち受ける地獄。3世帯に1世帯は破綻寸前だった | 日刊SPA!

プラットフォーマー
瀧さんは、GAFAへの安直な批判はちょっと反対だという。MicroSoftを含めてIT企業が富を独占していて、個人情報も独占して、けしからんという論法は一理はあるけど、そこに至るまでには数多くの競争と切磋琢磨があった。利用者に満足してもらって、使ってくれる人を増やすことが大事だし、大変だ。ちなみに家計簿ソフトの無料版を使う人に比べて有料版を使う人の毎月の貯蓄額は一万円ほど違うという。やはり意識の高い人が有料版を使うということなのだろうか。

LTVとCAC
私が調べたところでは、SaaSのリカーリングモデルでは、「LTV/CAC > 3x」が健全な水準だ。LTVとはライフタイムバリューだ。つまり、顧客が、生涯でどの程度サービスを利用するかという視点だ。一方のCACとは、顧客あたりの平均獲得コストだ。CAC payback<12ヶ月ともいう。つまり、月々の利用金額が300円だとすると、獲得のためのコストは300x12=3600円未満であるべきで、かつ、LTVはその3倍つまり10,800円以上でないと健全とは言えない。携帯電話の世界も他社にチャーンされたり、他社からチャーンしたりとしている。契約のキャンセル料金を1000円に引き下げられるこの健全なレベルから逸脱するのではないかと心配になる。
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 出典:One More Time: What Drives SaaS Company Valuation? Growth!! | Kellblog

ターゲットは中小企業
いわゆる大企業だと四半期決算を実施したりしていて、月末や四半期末では早く経理を締めるようにうるさい。そして、システムが整備されているので、基礎的な数字が確定すればすぐに経営状況をレビューすることができる。しかし、多くの中小企業で年度の決算数字を経営者が目にするのはお盆の休み明けとか、9月だという。なぜかというと6月に経理伝票とかを締める。そのあと経理事務所が必死にレシートを打ち込んで、仕分けして、決算書ができるのが8月上旬から中旬だ。そして、社長に見ますか?と聞くと、今週は盆休みやで。休み明けでええわ(なぜかここが関西弁)となる。中小企業では稼ぐことに必死なので、経理や財務分析は後回しになりがちだ。しかし、2月になると納税の時期になる。無用な納税はしたくない。ここで税理士が活躍するが、そのためには決算書が必要。でも、優先度は低いので、こうなる。しかし、これでは、羅針盤なしで船を運航しているようなものだ。ナビゲーションシステムなしで自動車を運転するようなものだ。

FIN/SUM2018
昨年の9月にフィンサムが開催された。瀧さんは麻生大臣のモノマネがめちゃうまかった。フィンサムとは、フィンテックサミットの略だ。日本経済新聞社金融庁が主導で開催したイベントだ。2018年は、FIN/SUMxREG/SUMとなっている。REG/SUMとは規制緩和を議論するということか。しかし、そんな会議隊とは別にFaceBookは着々とLibraの推進を進めてきた。やはりデファクトを作るのが王道だろう。
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 出典:https://pipitchoice.jp/fintech-2/

Frey&Osborne論文
英語が苦手でなければ、Frey&Osborneの論文の原文を読むように進められた。ググるとすぐに出てくる。でも、日本語の解説論文もある。英語が苦手な人はまずは日本語で読むのも方法だ。AIが普及して仕事の自動化が進むと雇用はどうなるかを調べた先駆的なものが、2013年9月17日に発表されたFrey&Osborneの研究だ。下の図が特に有名だ。難易度が中庸だ需要の大きな業務から自動化が進む。その結果残る仕事はより高度な仕事か、より単純な仕事だ。どちらの業務をするかで当然報酬が決まる。貧富の差はさらに拡大する方向に進むのだろうか。
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 出典:https://www.oxfordmartin.ox.ac.uk/downloads/academic/The_Future_of_Employment.pdf

質疑応答
参加した生徒からは宿題として作成したレポートを発表するとともに、それに対する質疑応答などを行なった。詳しい内容は割愛するが非常に的確な回答が多くあり、びっくりした。さすがです。エストニアでは、コンピュータが可能な作業は人がやらないという方針でシステムの整備が進められているが、日本ではなかなか進まないなぜか?といった部分を質問したら、税金は、戦後の復旧時においては役所の人手が足らないということで、申告納税制度の拡大を見た。だんだんとエストニアのような自動化が可能にあってきているのではないか、という。人口が減少し、働き手がいなくなる一方で、AIをはじめとするコンピュータのパワーがアップするのであれば、目指すべき道は明らかなはずだ。しかし、現実の社会はそう単純でもない。この辺りも研究課題としては面白い。実行に向けてのあるべき姿を示すことまではまずやるべきだ。

まとめ
日本のフィンテックの第一線を進んできた瀧さんの講義は素晴らしかった。このような方々の話を聞けるだけでも、MBAコースに通う意味はあるかもしれない。MBAに興味にある方はぜひ検討してはいかがでしょうか?

以上

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。