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日本人の起源:日本語とヘブライ語

杉原千畝の美談
今年の夏はバルト三国を旅した。杉原千畝の記念館も訪問した。何千人というユダヤ人に命のビザを発行したのは美談だし、それはその通りだ。杉原千畝は本国から反対されても、人道的見地からビザを発行した。それも嘘ではない。でも、本当に日本国がユダヤ人を助けようとしなければ、彼らは日本には入国できなかっただろうし、入国しても、ドイツ国との同盟を重視すれば即監獄行きになったかもしれない。もしくは、文字通り2週間で出国を要請したらユダヤ人はどうしただろう。日本人とユダヤ人の間にはもっと深いところでの繋がりがあるような思いが強くなった。

日露戦争ユダヤ
話は少し横道にそれるが、日本は日露戦争でロシアを負かした。しかし、日露戦争勝利するには莫大な戦費調達が必要だった。そして、その資金調達を命じられた高橋是清は当時の2億ドルの資金調達に成功し、その軍資金で日本はロシアに勝つことができた。その軍資金を提供したのはジェイコブ・シフーというユダヤ系の資本家だ(参考1)。なぜ、シフーは日本に莫大な資金を提供したのか?それは、ロシアがユダヤ人を迫害したからだ。日本がロシアの暴挙に立ち上がるのであれば、それを後押しすることでユダヤ人が助かると考えたという。日本の快挙の裏にはユダヤ人との繋がりがあった。

ヘブライ語とは
古代ヘブライ語で書かれた最古の書物は聖書(いわゆる旧約聖書)である。一方、現代ヘブライ語は、1800年の時を経て復活したイスラエル公用語としてのヘブライ語である。また、ヘブライ語は「ヘブライ文字」を持っている。22のアレフベートという子音だ。ヘブライ文字は基本的に子音で記載し、母音は省略するという。例えて言えばNHNGと書いてNIHONGOと読むようなものだ。ただし、母音もあり、日本語と同じく5つだ。下は、ヘブライ語の子音と母音を日本語に対応した図表だ(参考2)。ヘブライ文字が日本語のカタカナと妙に一致していると指摘されている。
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ヘブライ語と日本語の類似性
日本語で日常的に使われている言葉でも、その語源がよく分からない言葉がある。次の表は、ヘブライ語と日本語の類似性を示すものだ(参考3)。ちょっとこじつけではないかと思うものもあるが、これほど多くの類似性をこじつけだけでは説明できない気がする。はっけよい、のこった、ありがとう、すけべい、ぐる、わるなど日常口語で使う言葉などいっぱいありすぎて怖い。
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君が代の俗説
君が代は日本の国歌である。2020年の東京オリンピックパラリンピックでも君が代が斉唱されることが期待される。でも、そんな君が代の歌詞に違和感を感じたことはないでしょうか?Wikiを見ると、「日本国国歌。「天皇の治世」を奉祝する歌であり、「祝福を受ける人の寿命」を歌う和歌を元にしている。」という説明がある。その通りだと思う。下の図は、君が代の歌詞をヘブライ語と考えた時の意味だという(参考4)。これもこじつけなのだろうか。
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正しい歴史観
先に、日本人の祖先はブリヤート人かというブログを書いた。日本人の祖先は多くの外来人だったのだろう。でも、その歴史観を持つと、日本人とヘブライ人の奇妙な一致も何か意味があるような気もする。日本の歴史と世界の歴史は一連のものだろう。今後、遺伝子工学が進歩すれば、正確な歴史の事実があきらかになっていくと期待する。

以上 

参考1:https://ja.wikipedia.org/wiki/ジェイコブ・シフ
参考2:http://www.historyjp.com/dictionary.asp 
参考3:http://tenkataihei.xxxblog.jp/archives/51886051.html
参考4:http://sekainoura.net/fm-sugata4.html 

 

日本人の起源:ブリヤート人が日本の祖先なのか

日本人はどこから来たの?
NYは人種のるつぼ、日本人は純血だと言われる。本当だろうか?NYには確かに多様な人がいる。肌の色も目の色も言葉も多様だ。一方、日本人は肌の色も目の色も言葉もほぼ同じだ。しかし、日本人の顔や身体をよく見ると、この人は韓国系だなあとか、南方系だなあとか、北方系だなあとか、モンゴル系だなと感じることがある。海外から日本に戻る時に、日本人のコーナーと日本人以外のコーナーがあるが、え!この人が日本人?とか、え!この人は日本人ではないの?と不思議に感じることがある。

下の図は、遺伝学の根井正利さんのデータに基づいて独自の見解から作成された尾本恵一さんの資料だ(参考1)。これによると、20万年前にアフリカで「新人」が発生し、ヒマラヤ山脈を北上したグループがさらに日本列島に流れてきたという。

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日本人とユダヤ人
下の図は、Y染色体(Adamo Y-DNA)の系統図だ(参考2)。これは父系で遺伝するY染色体に着目した系統図だ。これによると、日本人やチベットに見られるDや日本人に見られるDE、イスラエルや古代ユダヤに見られるEは古代血統と呼ばれる同じグループを起源にしている。

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縄文人のルーツと日本人
このY染色体のDEのグループはYAP(Y-chromosome Alu Polymorphism)と言う。Wikiによると、古代におけた変異の痕跡がRNAに転写されずに、DNA配列に挿入されたものだ。YAP変異を持つ系統はハプログループのE系統とD系統に限られるという。Wiki(参考3)によると、Dタイプには、竹村健一堀江貴文、Eタイプにはアインシュタインオバマヒットラー、ナポレオン、マンデラライト兄弟が列挙されている。下の図は、国立大学法人総合研究大学院大学が発表した内容だ(参考4)。これによると、縄文人アイヌ人にもっとも近く、ついでオキナワ人に近いと言う。また、縄文人のDNAから、縄文人は、アフリカから東ユーラシアに移り住み、最も早く分岐した古い系統であることが判明した。また、日本人には、縄文人ゲノムが15%程度残っているという。

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東日本と西日本のルーツの違い
下の図は、文化人類学者である小山修三の年代感に基づいて、伊藤利行さんが独自に推定したものだ(参考5)。これによると4,300年前にはバイカル湖から来た民族が勢力を伸ばして、25万人まで増加した。一方、その時期の西日本には中国や江南地区からの民族を中心に9500人ほどだった。その後、急激な寒冷化と言う気候の変動を受けて、東日本の民族は激減するとともに、西日本に進出したという理解だ。

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世界的な気候変動
Wikiによると、7500年前から5000年前は世界的な温暖化で現在より2-3度暖かかったという(参考6)。そして、5000年前から2500年前には世界的に氷河が進んだ寒冷期だった。そして、2500年前から現在は温暖化の時期にあるという。

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気候変動と温度変化
では、その温度変化はどうだったのか。同じくWikiの英語版だが、次のような温度変化のグラフが掲載されていた(参考7)。これによると、5000万年前にはなんと現在よりも14度も高い。これをピークに気温が低下して、2万年前には現在の温度より10度近く日かかった。その後、温暖化に向かい、1万年前にはほぼ現在の温度分布帯に移行した。2050年や2100年に温度上昇がどこまで伸びるのか、もしくは抑えられるかは我々現在を生きる人間に突きつけられた大きな課題だ。
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気候変動が引き起こす民族の大移動
下の図は、同じく伊藤利行さんのブログに掲載されている図だ(参考8)。Wikiの用語で言えば、サブボレア期の寒冷期には、北の民族が南に大移動した。これはアジアに限らずゲルマン人の南下やアーリア人の南下が起きている。万里の長城は紀元前214年に秦の始皇帝によって建設されたというが、これも匈奴のような北方の異民族の侵攻に対抗するためだ。つまり、攻める側にも寒冷化と言う最大の危機に対して生き延びるための南下だったということだろう。

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ブリヤート人が日本の祖先か
大阪医科大学松本秀夫名誉教授は、東アジアから東南アジアの130集団(約2万人)の遺伝子を調査した結果を論文で発表している(参考9)。これによると、日本人の起源は基本的に北アジアであり、特にシベリアのバイカル地方の可能性が高いした。

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まとめ
日本人の起源は今後のDNAやRNA分析によって、もっと正確な系統がきっと究明されるだろう。正しい歴史観を持つことは日本人としてのアイデンティティを確立することにつながる。日本語とヘブライ語の共通点などの理由も明らかになるだろう。以前、国際会議に参加した時に、各国の代表者が国名のABC順に座った。東アジアからの参加者は日本だけだったので、Japanの隣に座ったJordanからの代表者に仲良くしてもらった。ゲルマン系とラテン系が喧々諤々に議論する様子を見ながら通信の標準化は実質的にこの欧米での議論がリードしているのだというのを痛感するとともにお、イスラエル系の人との遺伝子的な距離の近さを感じた。

この夏にバルト3国を旅行した時にも、日本人との共通性や類似性を感じることが多かった。エストニア人は北欧系であり、民族的には異なるがその勤勉性や真面目さは共通し、信頼しあえる民族だと感じた。また、リトアニアの国際博物館を訪問した時には、下の写真のように、古い民家の展示があった(参考10)。日本の古い民家との共通点は多いのではないだろうか。これ以外にも、「そろばん」や「かんな」が骨董屋で陳列されていた。いずれも原理は同じだが、それぞれで工夫した結果、細部で異なっていた。例えば、そろばんは玉の数が違っている。リトアニアの「かんな」は押して使うが、日本の「かんな」は引いて使う。それでも妙な符合に気づくことが多い。 自分は民俗学の学者ではないが、今後もこれらの研究の動向はウオッチしていきたいと思う。
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以上 

参考1:http://www.geocities.jp/ikoh12/honnronn4/004_09.html 
参考2:tps://blogs.yahoo.co.jp/yynatunatu1108yysummer/GALLERY/show_image.html?id=17908450&no=3 
参考3:https://ja.wikipedia.org/wiki/ハプログループDE_(Y染色体)
参考4:http://www.soken.ac.jp/news/30232/ 
参考5:
http://www.geocities.jp/ikoh12/honnronn2/002_05nihonnjinnokisousyuudan.html
参考6:https://ja.wikipedia.org/wiki/古気候学
参考7:https://en.wikipedia.org/wiki/Paleoclimatology
参考8:http://www.geocities.jp/ikoh12/honnronn2/002_04_01kannreika_gamotarasita_jyoumonnhoukai.html 

参考9:https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjab/85/2/85_2_69/_pdf 
参考10:http://hiroshi-kizaki.hatenablog.com/entry/2017/08/10/013147 

 



安心安全:ジニ計数を考える。

ジニ計数をご存知ですか?
恥ずかしながら私は今日、初めて知った。ジニ計数をWikiで調べると、次のような解説がある。つまり、富が一部の富裕層に集中するとこのジニ計数が高くなり、40%が警戒ラインとされている。

ジニ係数とは、主に社会における所得分配の不平等さを測る指標である。ローレンツ曲線をもとに、1936イタリア統計学者コッラド・ジニによって考案された。所得分配の不平等さ以外にも、富の偏在性やエネルギー消費における不平等さなどに応用される。

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ジニ計数の推移
下の図は、日本と世界主要国のジニ係数について、1820年からの推移を示したものだ(参考1)。これによると、1820年元号で言えば文政3年で江戸時代だ。この頃のジニ計数をどのように計算したのかは興味のあるところだが、当時の日本のジニ計数は53%であり、現在示されている警戒ラインを超えているものの、他の先進国はさらに高かった。第二次世界大戦後の1950年には一気に36%まで低下し、2000年当時では33%まで低下している。一方、米国は1970年に36%まで低下したがその後は上昇し、2000年には44%と再度警戒ラインの40%を超えた。米国は一部の富裕層に富が集中していることがよく報道されるが、トランプ政権においてこれがさらに加速されるのか、是正されるのか。残念ながら前者の可能性が高いのではないか。また、スウェーデン福祉国家として1980年には29%まで低下したが、その後増加し、2000年時点では34%と日本より高い水準となっている。

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ジニ計数の国際比較
最近の動向を示す数字を調べると、舞田敏彦さんのホームページに次のグラフが掲載されていた(参考2)。この調査した範囲ではオーストラリアを筆頭に危険水準と言われる40%を超える国が13国(約35%)に登っている。一方で、40%以下は24ケ国(65%)あり、さらに30%以下の国も3ケ国ある。正直、チェコオーストリアアイスランド福祉国家のイメージがなかったので驚きだ。なぜ、これほどジニ計数が低いのかは別途深堀したい。
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2012年と200年の比較
日本を含めた主要国で、2000年から2012年にかけてジニ計数が増えたのかどうかを確認した。そうすると、フランスで10%強も増えていた。フランス国民の中で貧富の差がかなり進展している。これは移民問題とも関連があるのかもしれない。米国は0.5%減少したもののそれでも43.4%と高水準だ。トランプ政権でこれがどちらに移行するのか不透明だ。日本は、諸外国に比べると35.3%と低いが、2%も増加している。いわゆる勝ち組に富が集中する傾向は是正されるのか、助長されるのか。
         2000年  2012年  差分
 フランス    37.2%   47.5% 10.3%の増加
 米国      43.9%   43.4% 0.5%の減少
 英国      40.5%   39.5% 1.0%の減少

 スウェーデン  34.6%   37.5% 2.9%の増加
 日本      33.3%   35.3% 2.0%の増加

所得格差の拡大とジニ計数の低下
下の図は厚生労働省のデータをもとに、税金・社会保障の再配分前のジニ係数と再配分後のジニ計数を示したものだ(参考3、出典:The Capital Tribune Japan)。これによると再配分前の所得格差は拡大傾向にあるが、采配分後のジニ係数は若干だが減少傾向にある。日本の再配分政策はきめ細かく実行されているのだろうか。

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まとめ
ジニ計数は、富の集中や貧富の格差の程度を見るバロメータとして、注目すべき数字のように感じた。また、このジニ計数は危険水準という40%は下回っているものの米国やフランスは治安が懸念される水準にある。日本はもっと貧富の格差を是正するという方向性を示せないものか。ベーシックインカム(UBI)を導入することのメリットや課題が一部で議論されている。UBIを導入すると、普通に考えれば、このジニ計数は低下するはずだが、UBIの導入と同時に既存の福祉をカットしすぎるとこのジニ計数が増加するリスクもある。国民の安心安全を確保するのは難しい問題だ。

 

参考1:http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4652a.html
参考2:tp://tmaita77.blogspot.jp/2015/10/2012.html  
参考3:https://thepage.jp/detail/20131021-00000001-wordleaf 

ゴルフ:ボビージョーンズを読んで

ゴルフが好きな人でボビー・ジョーンズを知らない人は多分いないだろう。毎年春に米国オーガスタで開催されるマスターズゴルフを企画した人だ。全英アマ、全英オープン全米オープン、全米アマの世界4大タイトル(当時)を全て優勝し、初めて年間スラムを達成した人だ。1936年当時には利用できるクラブの本数が決まっていなかったが、ジョーンズが14本にしようと提案し、1939年にR&Aが規定したのを知っている人は少ないかもしれない。そんなボビー・ジョーンズが英語で書いた原書を2012年の頃にタブレットKINDLEで読んだ。

でも、当時使っていたタブレットは会社に返却したし、当時使っていた電話番号も変わり、ダウンロードしたはずのボビーの電子図書をkindleで見ることができない。アマゾンで探しても見つからない。次の図書だったような気もするが、自信がない。
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でも、当時、その原書を読みながらメモしていたものは手元にある。2012年と言えばゴルフを一番練習して、スコアもピークだった頃だ。80台は普通に出て、一度79も出た。

今は、ゴルフの練習もサボっていて、スコアもボロボロだ(涙)。当時、ボビーのレッスン書を読んで何を感じていたのかを思い出すのは、自分だけでなく、ゴルフに悩んでいる人や、もっとうまくなりたいと思っている人の参考になるのではないかと思う。

息子がゴルフをしたいと言ってきたので、過去のメモを少し編集してみた。これを読むだけでゴルフが上手くなるわけではないけど、ゴルフの楽しみや奥深さを少しでも感じてくれたら嬉しいと思う。いつか息子ともフェアウェイを歩きながら一緒にゴルフや将来の夢について語り合いたいと思っている。

ボビージョーンズを読んで
1. 基本的な考え方。
1) コースマネジメント
ゴルフとは、不確実性と相対するゲームである。

2) マナー
きびきびとプレイする。同伴プレイヤーのプレイをよく見る。同伴プレイヤーがナイスショットの時は、きちんと声をかける。お互い気持ち良くプレイする。

3) フィロソフィ
完璧なショットは、優雅であり、美しく、首尾一貫している。重要なことは、クラブヘッドを振るということ。そのために適切なバックスウィングを行うこと。この2点はゴルフの基本中の基本である。スウィングで重要なことはリズムとタイミングである。力任せに打つ人は、これとは無縁である。ゆったりとリズミカルにスウィングする上での問題が切り返しである。機械的な再現性の高いスウィングを行う上でのポイントは、手首とお尻の動作である。十分にバックスウィングを行い、自分自身を信じて、そして勇気を持ってクラブヘッドを振り抜こう。右利きのプレイヤーは、左サイドを意識し、左腕を伸ばし、左手のコックがほどけないように、しっかりと、グリップする。右手は器用だが、すぐに手先を使おうとしない。右手は添える程度と心得ておく。

2. ゴルフスウィングの基本
1) プレショットルーティング
上級者は、ボールを何処に運ぶかのみを考える。どのような球筋で攻めるかをイメージする。イメージすることで、全身がそれを実現するように適切に反応する。常に良いプレイを行うには、自分自身を抑制しなければならない。どのようにスウィングすべきかを正しく理解する。その上で、考えるのではなく、感じることが重要である。

2) アドレス
後頭部と背中と尾骨が一直線になるようにして、その姿勢を維持する。その上で、股関節の部分で上半身を前傾させる。ゴルフクラブを左手のひらと人差し指のみでホールドし、クラブのフェイスがターゲットを向くように練習する。同様に右手のひらと右の人指し指でクラブをコントロールする。左手の人指し指のみでクラブを操れるようになったら、そのイメージを維持しつつ左手の小指と薬指でグリップをしっかりと握る。左手の中指と親指は軽く添えるイメージ。さらに、右手の人指し指一本でクラブをホールドしたイメージで右手のひらと右手の人指し指を優しく添える。右手のその他の指は軽く触れる程度。ゴルフで最も重要なのはバランスを維持すること。特に、しっかりと握ることと リラックスすることが大切である。コントロールとリズムのバランスを維持する。簡単な矯正方法の紹介。右手をウィークにするとスライス防止、逆にストロングにするとフックの防止となる。正しいグリップにより両手は一体化させる。最も良くないのは左右のグリップがバラバラである。グリップを短く持ったり、長く持ったりすることで、クラブを軽く感じたり重く感じたりできる。特に、ドライバーやパターで有効である。

3) バックスウィング
これはボビージョーンズの確信であるが、バックスウィングにおいて重心を左から右へ移動させるべきではない。正しいアドレスは正しいバックスウィングを生み出し、正しいバックスウィングはナイスショットを確実なものにする。この正しい動きは、お尻の動きから始まり、左足から身体、両腕、そしてクラブと伝搬して、最後に全てのエネルギーを漏らすことなく、クラブヘッドからゴルフボールにしっかりと伝えることが重要である。あるべきスウィングとは、バックスウィングからトップにかけて蓄積したパワーをさらに増大させながらボールに伝える。スウィング軌道は余計な力が掛からないため自然で、リラックスしていて、かつ美しいものである。グリップは左手でしっかりとホールドする。右手は、タイミングとタッチを感じる。力任せに素早くバックスウィングして、素早くスウィングしても、スウィングはいびつなものになり、ボールに正しくエネルギーを伝えることはできない。リラックスしてこそ、ナイスショットが出る。

4) トップ
トップでは決して左腕を緩めない。トップでは、ヘッドをリリースして無重力を感じる。トップでは、左足よりも右足よりに重心を感じる。スウィングとは、下半身と上半身とクラブが連動して実現するものであり、そのタイミングをマスターするには、ハーフトップでのスウィング練習をしっかりと行うことが重要である。ハーフトップとは、下半身を動かすことなく、両腕とクラブを持ち上げ、グリップをできるだけ身体から離し、かつクラブヘッドが右肩を指すまでグリップをコックする。左腕がターゲットの後方かつ水平になるまで上半身を捻転させる。フルスウィングでのトップでは、お尻、上半身、両腕、そしてクラブヘッドの順番に連動させ、クラブヘッドがターゲット方向に水平もしくはターゲット方向の若干右側を指すまで捻転させる。この時に重要なことは、ハーフトップの位置からは右サイドを使ってクラブヘッドの動きを受け止めること。左サイドの力と右サイドの力が拮抗したときに静止(トップ)するのであり、受け止める力が働かなければ、クラブヘッドは(横峯さくらのように)どこまでも動こうとする。ポイントは左サイドの力で止めるのではなく、右サイドの力で受け止めること。左肘は左脇から十分に離れていて、かつ両肘が地面を指している。一方、右脇はしっかりと締まっているので右肘は右脇の下にコンパクトに収まっている。

5) ダウンスウィング
トップで無重力を感じたら、ダウンスウィングのフェーズとなる。クラブヘッドがハーフトップの位置に来たら、お尻の穴を上に向けるイメージで股関節をニュートラルの位置に戻し、上半身とクラブヘッドがスウィングして、頂点の到達するのを待つ。クラブシャフトがターゲットに向き、かつ地上と平行になり、頂点を迎えたと感じたら、ハーフトップの位置まで静かに重力にしたがう。ハーフトップの位置を過ぎたら、左股関節を軸にして一気に下半身を回転させ、下半身の動きにつられて、上半身がボールに相対するまで、ヘッドエンドがボールのある位置を指すようにする。上半身がニュートラルの位置に来たら、お尻を一気にターゲット方向に移動させ、その反動で上半身がターゲット方向に回転する。インパクトはこの回転の途中で迎える。ヘッドエンドがボールに向かっている間にパワーと方向性が醸成される。ダウンスウィングの始動はお尻をターゲット方向に向けることで行う。特に上級者はお尻で体重移動している。一方、初心者は下半身ではなく、上半身で体重移動するため、バランスを崩し、スウエイとなる。正しい方向性と飛距離が実現するには、懐を広く大きく保ちつつ、背筋を伸ばし、正しい姿勢を維持しながら、また右手とシャフトの角度を維持したまま、右肘を身体から離さずに右肘を下方に寄せる。トップで形成された左腕とクラブシャフトの角度は、ボールにインパクトするまで出来るだけ、早期にコックがほどけないように、維持する。

6) インパク
正しいスウィングをすると、ボールにインパクトする寸前は身体が浮いたような無重力の感覚を生み出しことがある。インパクトの後は何もすることはない。ただ、慣性に委ねてスウィングがゆっくりと完成するのを感じることが重要である。

7) フォロースウィング
正しいスウィングを行えば、インパクト時にはまだ左右の両足の体重がかかっているが、フォロースルーからフィニッシュにかけては、左足一本で全体重を支えている。また、その場合に、左足は真っ直ぐ正面を向き、左膝の上に左太ももがあり、その上に左股関節が乗っている。

8) フィニッシュ
左のお尻は左膝よりもターゲット方向を向いているが、上半身、特に両肩と頭は逆にターゲットの後方に残っていて、その分両腕が伸び伸びとターゲット方向に伸びる。

3. ショートゲーム
1) アプローチ
90を切れない場合の課題は、多くの場合、グリーン周りである。上級者のアプローチの特徴は、きちんとスウィングしていること、打ち急がないこと、力任せに打たないこと、リラックスしていること等。ロフトの大きなクラブは難しいので、役割や利用前提が明確となるまではバックにしまっておこう。ロフトのあるクラブを使うのは、手間のバンカー等のハザードを確実に越えてグリーンに届かせたい場合と、ライが悪く非常に重い場合である。この場合にも、出来るだけストレート系のボールで攻めたい。スナップだけとか、両腕だけでスウィングしてはいけない。アプローチであっても、肩を回し、場合によっては腰や両足まで使って、クラブを大きく、ゆっくり、滑らかにスウィングする。何より重要なことはクラブヘッドを歯切れよくサクッとコンタクトさせて、ターゲットとなる場所に運ぶ。バンカーを挟んだ距離のないアプローチは高度な技術とデリケートなタッチと勇気が必要である。このようなアプローチを残さないようにコースマネジメントするべき。また、平均的なゴルファーのミスは、ボールに近く立ちすぎでかつ、力が入っていて、前屈みになっている。 

2) ロングパット
パッテイングでは、身体の特定の部位を使うのではなく、身体全体をスムーズに、かつ連動して動かせることが重要。また、ラインを読み、距離感を固めたら、ボールを転がすラインをイメージして、そのラインにのせるように、しっかりと、インパクトすることが需要である。距離感を合わせるには、手首のリストを使うのではなく、左手の角度を維持した状態で、クラブの振り幅で、距離感を合わせる。ロングパットでの失敗の多くはショートすることにある。正しい距離感を出せない原因はいくつかあるが、スウィングにテクニカルな面では、次のような原因が考えられる。クラブヘッドがボールセンターの少し上をヒットしている。これは、スウィングの途中でヘッドアップしている場合と、打ち急いでいる場合がある。そもそもバックスウィングのパワーが不足しているケースは、練習をして距離感を養う。ヘッドアップは本人が気つかないが、早い場合がある。ストロークして、2秒程度はスウィングの姿勢を維持すること。

3) ミドルパット
パットで重要なことは、リズム感を持つこと、リラックスすること、テンポをキープすること。距離が10ヤードから20ヤードにある時には、ホールまでのラインをしっかりと読みきる。

4) ショートパット
背中の軸を意識して、両腕とパターと上半身を一体化して、縦振りストロークでカッコーンとカップインするイメージを持つ。距離感はバックスウィングの振り幅とダウンスウィングの加速感で決める。最も重要なのは、カップの上を50cmほど通り過ぎるような軌道をイメージして、しっかりと、スイートスポットでヒットすること。カップが近いと、バックスウィングが小さく、かつ短くなり、パッテイングのリズムが台無しになるので、ゆったり、大きくスウィングすることを心掛けること。

以上

iPhone X:変革の本質と目指すべき将来の可能性

iPhone Xの噂
iPhone X(テン)が2017年9月13日(日本時間の2時より)にAppleより発表された。噂で、今回の発表はiPhone 8とiPhone 8 PlusとiPhone Xの3機種になると報道されていて、本当かなあと思っていたら、本当にそうだった。

iPhoneへの思い
Steve Jobsが初代iPhoneを発表したのが10年前の2007年1月だった。日本で発売されたのは翌年2008年7月11日のiPhone3Gだった。当時は、ライバル会社からの発売だったが、店頭に並んですぐに購入した。1989年にAplleのLC2というコンピュータを購入した当時からのAppleファンだったので、嬉しかった。でも、その頃のiPhoneAppleらしくバグが一杯残っていて、ヘビーな使い方をするとMacと同じように爆弾マークが出てフリーズした。懐かしかった。やはりAppleの製品だなあと変な郷愁の念を感じた。

iPhoneのナンバリングへの違和感
AppleiPhoneを毎年リリースして、2年おきにナンバーを変えていった。昨年はiPhone7をリリースしたので、今年はiPhone7Sのはずだ。なのになぜiPhone8なのだろう。なぜ、同時にiPhone Xをリリースするのだろう。なぜX(テン)なのだろう。疑問は尽きない。

iPhone Xの製品プレゼン
発表当日はさすがに日本時間の2時には起きれなかったけど、3時にパッと目が覚めた。そして、すぐにネットで見ようとしたがうまくいかない。YouTubeで探すとリアルタイム実況がすぐに見つかって、正座して聞いた(笑)。すべて英語で、日本語の字幕もまだ用意されていなかったが、英語でも意味はわかった。だって、ほぼ噂通りなんだもの!そして、プレゼンを聞いていて、AppleiPhone Xにかける情熱を感じた。

iPhone Xの来年以降のナンバリング
これは個人的な想像だが、Appleは来年以降はiPhone X 2018editionとか、iPhone Xシリーズ2というナンバリングに移行するのではないかと思った。そして、来年のナンバリングがiPhone 8S/8S Plusになるのか、iPhone 9/9 Plusになるのかに関心が集まる。個人的には後者だと予想する。その場合だと、2019年には廉価版のiPhone SEと高級路線のiPhone Xに集約していくのではないか。ただし、現在も過去の製品を売っているように、前年度のiPhone9や前々年度のiPhone8も製品ラインアップとしては残すだろう。

iPhone Xのチャンレンジ
顔認証とか、無線充電とか、フルスクリーンとか、防水とか色々な機能はあるが、それらはiPhone Xの本質ではない。iPhone XとそれまでのiPhoneが決定的に違うのはホームボタンの有無だ。Appleのユーザインターフェイス仕様書は分厚い。印刷したら数cmはあろうかと思う。Androidとの決定的な違いは、Appleがユーザインターフェイスを非常に重視していることだ。そのAppleがホームボタンをなくすというのはもう地動説から天動説に変わるような大きな発想の転換だと思う。

iPhone Xはホームボタンなしで大丈夫なのか?
大丈夫なわけがない。これがiPhoneの本質だったのだから。フルスクリーンにしても、仮想的なホームボタンを残す方法もあったはずだ。でも、Appleはホームボタンという機能をなくすことを決断した。そして、ユーザインターフェイスを変更した。これは、今後10年を見通した戦略的な決断でないはずがない。

Apple Watchの順調な立ち上がり
AppleApple Watchを2年前にリリースして、今年はシリーズ3だ。自分は初期のApple Watchを愛用しているが、これにも実はホームボタンはない。Appleの製品なので、ホームボタンが本当は欲しいが、小さな画面にホームボタンを設定してもユーザは嬉しくないのでサイドボタンがその機能を一部になっている。Apple Watchも初代のiPhoneほどではないが、時々動作がおかしくなる。さすがに爆弾マークはまだ見たことがないが、フリーズしたことは何度もある。言いたいことは、AppleApple Watchでホームボタンのないユーザインターフェイスもありだと気がついて、自信を持ったのではないか。そして、iPhoneには電源ボタンもボリュームボタンも付いている。だから、これをうまく使えばいいじゃないかと考えたのではないかと想像する。

顔認証技術の実現
iPhone指紋認証に成功した。しかし、今回の新機種シリーズでは、顔認証技術(Face-ID)にチャレンジした(参考1)。これは大きい。これが成功しなければAppleもホームボタンを削除できなかっただろう。しかも3Dで登録するので顔写真ではダメだという。指紋認証でロックしていても、寝ている時に指紋認証して、こっそりiphoneにアクセスするなんていう強者がいるようだが、寝ている時の顔でも認証するのかどうかが気にある。できれば、目を閉じた顔は登録しないので、寝ている時には認証しないでほしい(笑)。あと、このFace-IDでは一人の顔しか登録できない。指紋認証であれば最大5つまで登録できるので、家族で共有しているようなケースでは注意が必要だ。

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iPhone Xでのユーザインターフェイスの変更
ホームボタンをなくしたので、ホームボタン関連の操作は次のように変わった。まあ、慣れの問題であれば時間が解決するかと思います。
1) 初期画面への戻り(ホームボタンの押下)
 ・これは画面下からのスワイプ
 ・ロック状況からなら、顔認証で初期画面
2) ロック画面からの解除・指紋認証(ホームボタンの長押し)
 ・顔認証で初期画面。
 ・顔認証に失敗した時はパスワード入力
3) マルチジョブ画面の並列表示(ホームボタンのダブルクリック)
 ・画面下からのスワイプ&ストップ
4) 画面の下へのスライド(ホームバタンの高速ダブルクリック)
 ・これはどうするのだろう?
5) スクリーンショット(スリープボタンを押しながらセンターボタンの押下)
 ・「電源ボタン」と「ボリューム上部」の同時押下
6) Siriの起動(ホームボタンの長押し)
 ・電源ボタンの長押し
 ・もしくは「Hey! Siri!」と呼びかける。
7) ApplePayの起動
 ・電源ボタンのダブルクリック

Bluetooth5.0の実装
Appleは保守的な面もあるが、挑戦的な面もある。特に、無線分野では最新技術にトライする傾向にある。Wi-Fi802.11acへの適用もIEEE802.11acの最終規格を制定するのを待っていたかのように展開した。また、今回、実装したbluetooth5.0も昨年の12月にBluetoothの規格を制定しているSIGが発表したものだ。下の図のように高速、広範囲、大容量そして同時接続機能の向上を図ったものだ(参考2)。このBluetooth5.0への拡張は今後のIoTの展開をにらんだものだ。Bluetoothは別に詳しく解説したい。
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iPhoneシリーズの将来の拡張の可能性
特に根拠はない私の勝手な憶測だが、iPhone Xが今後10年を睨んだものだとすると、今回のプレゼンから感じた可能性は次のようなものがある。
1) AR機能の充実
AR機能の強化を図るということはプレゼンでも発言されていた。ゲームの機能をどこまで取り込めるかはゲーム機との闘いでもある。画面の解像度を上げたり、高品質音声に改善するだろう。iPhone Xの次は、折りたたみ式のiPhone Wかもしれない。また、以下に記載するように時計やメガネなど多彩な機器との連動があるだろう。
2) Apple Watchとの連動
今回、Apple WatchLTEに対応した。通話や簡単な情報検索であれば、Apple Watchのみで可能になる。今後、Apple Watchの機能拡張やiPhone Xとの連動が強化されるのではないだろうか。ただ、今回のSeries 3はBluetooth4.2なので、来年のSeries 4ではBluetooth 5.0に対応して、さらに連動の可能性が広がると期待する。
3) スマートグラスとの連動
複数デバイスの連動という意味では、スマートグラスもARの強化には必要だ。数年前からAppleも開発しているという報道がある(参考3)。Google Glassのような形なのか、ゴーグルのような形なのか、今後の開発に期待したい。

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4) スマートカーとの連動 
Appleが虎視眈々と狙っている新製品の一つはスマートカーだろう。Appleがイメージするスマートカーはどんだけスマートになるのだろうか。BMWは断固否定しているが、AppleBMWと連携してスマートカーを開発しているのではないかという噂は報じられている(参考4)。2020年には完全自動運転も解禁になると期待されているが、そんなタイミングでAppleらしいスマートカーが発売されたら買っちゃうかも(笑)。

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まとめ
今回は、AppleiPhone Xの商品発表で感じたことをベースに、Appleが目指すであろう将来の可能性を妄想してみました。なんの根拠もないけど、こんな楽しい世界が実現したら素直に嬉しいと思う。

以上

 

参考1) https://www.technadu.com/apple-iphone-8-3d-laser-scanner-facial-recognition/650/
参考2) https://mspoweruser.com/bluetooth-5-spec-released/
参考3) http://www.businessinsider.com/apple-is-working-on-smart-glasses-2016-11 
参考4) 
http://www.bmwblog.com/2016/08/20/apple-analyst-claims-bmwapple-joint-venture/

エネルギー問題(その4):将来への3つの方向性

エネルギー問題
その1では電力のためのエネルギー確保が可能か、その2では各発電方式の環境への影響、その3では環境への影響軽減策を考えてきた。今回は、その4として、マクロな視点でのスーパーグリッド構想とミクロな視点でのLCCM構想、さらにこれを後押しする4Rに絞って、今後の方向性をまとめてみた。

1. 人類は必要なエネルギーを将来にわたって確保できるのか。
2. エネルギーを消費することで環境への深刻な影響を与えないか。
3. 各発電方式で環境に与える影響は軽減可能か。
4. 将来の望ましいエネルギー活用への3つの方向性

4.1 方向性1:天然ガスパイプライン構想とスーパーグリッド構想の連携
(1) 石油とガスへの依存度のバランス

下の図は、三菱総合研究所が発表した各国の石油とガスのシェアのマトリックスだ(参考1)。1995年ベースなんで少し更新する必要があるが、これによると日本は石油ベースの社会となっている。日本が今後どのポジションを目指すかは議論の分かれるところかもしれない。現在は、天然ガスの容量を液化することで約600分の1に圧縮できるLNG(液化天然ガス)に依存しているが、輸送コスト低減にはガスパイプラインの整備が必要である。
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(2) 北東アジアのガスパイプ構想
下の図は、アジアパイプライン研究会が作成した資料の引用だ(参考2)。ただ、同研究会は2009年に解散しているので、幻の構想となる。ただ、天然ガスの産地と消費地地政学的な関係が分かりやすいの引用させて頂いた。
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(3) 北東アジアのスーパーグリッド構想
下の図はNAPSNet政策フォーラム(参考2)において2015年4月13日にDavid Fon Hippelが提案した北東アジアでのスーパーグリッド構想だ。ロシア、モンゴル、韓国、中国、日本等を高電圧直流送電(HVDC)方式を活用して接続するものだ。この構想では北朝鮮も含まれているが、現在の政治情勢では考えられない構想だ。しかし、日本が大陸と接続するには樺太経由でロシアで接続するルートと、韓国経由で接続するルートが現実的だし、少なくとも2ルートは確保したいところだ。
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(4) アジアスーパグリッド構想
下の図は、ソフトバンクグループが提唱するアジアスーパーグリッド構想だ(参考4)。東日本大震災の後、2011年9月に発表し、2016年3月には中国、韓国、ロシアの電力系企業と企画立案のための覚書を締結している。
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(5) まとめ
天然ガスパイプの構想も、電力系のスーパーグリッド構想も陸続きのない日本が参加するには、海底ルートが不可避である。いずれの構想を壮大なものであり、かつ関係諸国の友好関係を維持できるかに大きく影響を受けるだろう。また、建設費用を抑制して、効率的で安全な運用を確保するには、この2つの構想を総合的に考慮しながら、最適な構築・運用をする着眼点が必要ではないかと思う。ただ、いずれも非常に難易度の高い構想なので、連携することで実現が遠ざかるリスクもある。今後の国家間の政治交渉から目を離せない。

4.2 方向性2:ゼロエミッションからLCCM(Life Cycle Carbon Minus)へ
(1) 国連大学が提唱するゼロエミッション
ゼロエミッションとは、家庭やビルや工場、タウン等の単位において、CO2や廃棄物などの副産物の産出をゼロにすることを目指す取り組みだ(参考5)。
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(2) ゼロエミッションハウス(ZEH)
ゼロエミッションの考え方を家に適用したものがゼロエミッションハウスだ。下の図のように自然エネルギーの利用や断熱工法を活用するものだ(参考6)。
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(3) ゼロエミッションハウス(ZEH)からLCCMへ
このZEHの考え方をさらに推し進めたものがLCCM(Life Cycle Carbon Minus)住宅だ。建設から廃棄までのライフサイクル全体でのCO2の排出をマイナスにする住宅だ(参考7)。LCCMを実現する4つの要素は次の通りだ(参考8)。
 1) 住宅の断熱性を高める。
 2) 夏と冬で外気の活用を変えるなどエネルギーの利用効率を高める。
 3) 太陽光発電風力発電などを活用して、エネルギーを創出する。
 4) 建築段階や廃棄段階もCO2排出削減を図る。
国は、長期優良住宅や低炭素住宅、ゼロエネルギー住宅などには、省エネルギー基準を満たす場合に給付金などを支給している。f:id:hiroshi-kizaki:20170914132309p:plain

(4) まとめ
エネルギー消費量全体のうち家庭の占める比率は14%程度(2012年度)であるが、民生部門では42%をしめている(参考9)。家庭ではZEH、会社ではZEB、地域ではZET(Zero Emission Town)を目指すことで全体としての電力やエネルギーの消費量を削減しつつ、CO2の排出削減を目指すというのが国が考える方向性だろう。今後、省エネではないリニア中央新幹線を導入するとこの運輸部門の比率がさらに高まるだろう。運輸部門でもゼロエミッションを目指させるような指導が必要ではないのだろうか。
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4.3 方向性3:EVの電池の再活用・3Rから4Rへ
(1) 家庭への蓄電システムの導入
自然エネルギーや深夜の安い電気を有効活用するには家庭に蓄電システムを導入することが有効だ(参考10)。家庭においても非常時の停電対策としても有効だ。特に、電子機器の保護のためのUPS的な利用ニーズもあるかもしれない。しかし、高性能かつ大容量の電池を導入するのは価格面でも厳しい。

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(2) EV向けのバッテリーの有効活用
今後、ガソリン自動車が急速に電気自動車にシフトすることが予想されている。まさにZEV(ゼロエミッションビークル)へのシフトだ。下の図は、ETP(Energy Technology Perspective)2012の地球の平均気温上昇を2度以下に抑える想定から導かれたものだ(参考11)。
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(3) EVの高性能バッテリーの有効活用
下の図は日産が提唱する4Rの概念図だ(参考12)。つまり、従来のリユース、リデュース、リサイクルの3Rではなく、EV用のバッテリーとしての寿命を終えたバッテリーを他の用途に合うように再製品化し、再販売するという考え方だ。個人的には、EVの規格と家庭用電池としての規格に整合性をも持たせてプラグインで再利用可能とすべきだと思う。

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(4) まとめ
EV用のバッテリーを孤島の蓄電池システムとして活用する事例がある(参考13)。また、EVを家庭用の外部電池として活用するアイデアもあるが、EVを使いたい時に電池が放電していたのでは意味がない。個人的には、古くなったEVの電池を家庭用に再活用するようなリユースが定着すれば、自ずとZEHの普及を後押しすることになるように思う。

4.4 将来への3つの方向性
エネルギー問題を解決するための方向性を色々と考えた結果、上記のようにガスパイプや広域スーパーグリッドといった国の枠を離れたマクロな観点と実行が求められていると考えた。この点ではソフトバンクグループが頑張っているが、企業努力に委ねるのではなく、国策としても後押ししていく必要があると思う。一方、ミクロの観点ではゼロエミッションに止まるのはなく、ライフサイクルカーボンマイナス(LCCB)の概念に向けて技術をさらに磨いていく必要がある。そして、そのためには、貴重で高価で高性能なリチウム電池を単にEV向けではなく、LCCMハウスでも使えるような配慮と工夫が必要と考えた。エネルギー問題は、自分の専門分野ではないため、知らないこと、分からないことが多数あったが、いろいろと調べると多くの人が検討したり、提案したり、実行したりしていることを理解した。エネルギー問題は、安全安心な社会に向けては不可避な課題であり、今後ともできるだけアンテナの感度を上げて情報キャッチしていきたい。また、自分の専門分野である情報通信の観点では、スマートグリッドスマートハウス、コネクテドカーなど関連するプロッジェクトも数多い。今後、これらの導入や普及で世界中に少しでも貢献できるように頑張りたいと思う。

以上

参考1:http://home.hiroshima-u.ac.jp/yhiraya/er/Rene_T.html
参考2:https://nautilus.org/napsnet/
参考3:http://home.hiroshima-u.ac.jp/yhiraya/er/Rene_T.html
参考4:http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/040101396/?rt=nocnt 
参考5:http://www.toda.co.jp/solution/ecology/zero.html 
参考6:http://www.meti.go.jp/topic/data/images/e80617aj_1.jpg 
参考7:http://se-seki.jp/zeh.html 
参考8:http://www.jsbc.or.jp/lccm/files/lccm_01.pdf 
参考9:tp://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2013html/2-1-2.html
参考10:https://www.orix.co.jp/grp/business/eco/storage_battery.html
参考11:https://dot.asahi.com/print_image/index.html?photo=2017030100036_1
参考12:https://www.4r-energy.com/company/about/
参考13:http://newswitch.jp/p/4440

エネルギー問題(その3):環境への影響軽減策

エネルギー問題
その1では電力のためのエネルギー確保が可能か、その2では各発電方式の環境への影響を考えてきた。今回は、その3として、環境への影響を軽減するための方策はどのようなものがあるのかを深堀したい。

1. 人類は必要なエネルギーを将来にわたって確保できるのか。
2. エネルギーを消費することで環境への深刻な影響を与えないか。
3. 各発電方式で環境に与える影響は軽減可能か。
4. 将来の望ましいエネルギー活用への3つの方向性

3.1  火力発電方式での環境への影響とその軽減策
環境への影響のうちに特に温暖化の原因とされるCO2に対する対策を中心に解説する。
3.1.1 CCS(CO2回収・貯蔵)
(1) 構想
CO2の排出量を抑制することに加えて、発生したCO2を分離して地中深くに貯蔵するというアイデアだ。下の図は1993年に小井仁(当時早稲田大学教授)が提唱した構想だ(参考1)。
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(2) CCSへの期待
IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)において示された予測だ(参考2)。CO2の大気放散を削減するにはCCSへの期待感が最も高い。
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(3) CCSの原理
CO2を地下に貯蔵するには、地表から1000m以上の深さの貯蔵層と地上にガスが漏れないための遮蔽層と呼ばれる地層が必要だ(参考2)。
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(4) CCSの課題
CO2を安全確実に地中に貯蔵するには、次のような条件を満たす必要がある。これはI2CNER(九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所)における九州大学の辻さんの検討資料(参考3)より抜粋したものである。

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(5) 日本におけるCCSの候補地
RITE(公益財団法人地球環境産業技術研究機構)による調査結果として、国内の候補地を次のように示しています(参考4)。
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(6) 苫小牧での実証実験
国内では、CCSの実証実験として、下の図のように2012年から準備を進めている(参考5)。また、2016年4月から2017年8月で約6.9万トンのCO2を圧入した。2018年まで年間10万トン以上のCO2を圧入する予定だ。

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(7) 海外におけるCCSの取り組み
CCSは海外においても研究が進められている。下の図は欧州を中心にした研究事例だ(参考6)。

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3.1.2 CCU(CO2利用)
CO2を貯蔵するだけではなく、分離したCO2を再利用するアイデアだ。具体的には、EOR(石油増進回収)や炭酸飲料への活用、農業への利用だ。下の図は、経済産業省資源エネルギー庁の資料からの抜粋だ(参考7)。
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3.1.3 CCSU(CO2の回収・貯蔵・利用)

CCSとCCUを包含してCCSUと呼ぶ。矢野経済研究所の推計では下の図のようにCCSUの世界規模を、2030年には1,040Mt-CO2/年、2050年には4590Mt-CO2/年に立ち上がると予想している(参考8)。
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3.2 原子力発電方式での環境への影響とその軽減策
(1) 福島第一原子力発電所
下の図は電気事業連合会のホームページの「再稼働は大丈夫?原子力発電所の安全対策のいま」に掲載されていた資料の抜粋だ(参考9)。東日本大震災の被害のうち地震で起きたのは外部電源の喪失のみであり、他の被害は津波によるものであることが示されている。
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(2) 安全確保のための対策
同ホームページ(参考9)では、原子力発電所の安全対策について実施したことと、今後実施することを整理して示している。過去の事例に基づいて対策を講じることは当然であるが、問題は想定外の事態の発生の可能性はゼロとは言えないこと。そして、想定外の事態が発生した場合の影響が広範囲かつ深刻かつ超長期に渡るという点が問題である。今後の原子力発電所の再稼働は、これらを慎重に検討して対応方法を検討することが必要だ。
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3.3 水力発電方式での環境への影響とその軽減策
(1) 環境への影響の傾向
下の表は、経済産業省資源エネルギー庁が平成16年3月に発行した「水力発電環境保全対策ガイドブック」からの抜粋であり、昭和61年から平成13年までに報告された環境保全措置の事例である。環境要素として特に多いのは自然景観であり、全体の約32%である。一方、設備で多いのは取水ダムであり、全体の29%である。セグメントで多いのは、取水ダムへの動物被害の64件、水圧管路の景観41件、発電所の水質39件でこれら上位3項目で全体の約45%をしめている。
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(2) 環境への影響の軽減策
・取水ダムへの動物被害:魚類の遡上水路の確保が対策となる。
・水圧管路の景観:管路の緑化による法面保護が斜面対策となる。
発電所の水質:発電所の油流出防止と取水設備の濁水低減が対策となる。

(3) 小出力水力発電のメリットと課題
1) マイクロ水力発電のメリットと課題
マイクロ水力発電のメリットは下の図のように導入が比較的簡単で設備効率が高いことだ一方、課題は、河川法に基づく人が必要なことや、メンテナンスが必要なことだ。
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2) 発電コストの比較
水力発電と他の発電方式の発電コストを比較すると、資産の前提条件によって数値は変わるが、水力発電のコストは比較的低廉である(参考10)。
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3) 発電効率とCO2排出量の比較
水力発電は自然の河川のエネルギーを活用するのでCO2の排出が少なく、エネルギー効率も高い(参考11)。
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(4) マイクロ水力発電の可能性
例えば、富山県では、二上浄化センターの下水処理水を活用して発電する方式にトライした。最大出力は10kWで年間発電量は8万kWhにも達するという。浄水場からの水なので水利権を取得する必要がないのもメリットだ。このようにアイデア次第で発電できるのがマイクロ水力発電だ。

3.4 風力発電方式での環境への影響とその軽減策
風力発電の環境への影響は、低周波音・騒音、バードストラキング、景観の3つである。それぞれの対策イメージをしたに示す。低周波音騒音に関しては、特に出力の大きいもので苦情が強いので、騒音レベルを例えば45dB以下に抑えるなど数値を可視化して、心理的な不安を解消する努力も必要である。鳥の保護については、営巣地や渡り鳥のルートを回避するような事前のサーベイは重要だ。最後の景観に関しては、客観的な評価尺度が必要だが、自然公園や住宅地の近傍を避ける配慮は必要だろう(参考12)。f:id:hiroshi-kizaki:20170913153031p:plain 

3.5 太陽光発電方式での環境への影響とその軽減策
太陽光発電の最大の弊害は20年間の利益が担保された金融商品として太陽光パネルを設置し、結果として、景観に影響を与えることや貴重な森林が安易に伐採されることだろう。景観の影響は近隣の別荘地の価値が下落するというケースもある。設置も安易な場合には台風等での被害が懸念される。何らかの適切なガイドラインが必要だろう。善意でグリーンファンドの投資したのに太陽光パネルの設置が目的化して、結果的に自然の破壊を推進するのでは本末転倒である。
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3.6 まとめ
発電するには、どのような方式であれば環境への影響は発生する。それらを以下に軽減するかは、発電方式によって異なる。環境保護のためにグリーンファンドに投資した結果、環境破壊が促進されるのは悲劇ですらある。しかし、人間の生活には水は必ず必要であり、その水のエネルギーを電力に変換するマイクロ水力発電は、メンテナンスの問題があり、かつ個々の容量は小さくが、その設置数が増えれば、大きな電力をまかなることが可能ではないだろうか。エネルギー問題を解決するには、これに関心を持ち、可能な工夫や改善を繰り返す必要があると感じた。

以上

参考1:http://co2.eco.coocan.jp/AAAwhysubsurface0.htm
参考2:http://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/kigyoritchi/ccs/ccsnogaiyo.html  
参考3:https://www.slideshare.net/globalccs/tsuji
参考4:http://www.rite.or.jp 
参考5:http://www.jccs-tomakomai-monitoring.com/JCCS/index.php/slideshow/slide13/  
参考6:https://www.slideshare.net/liegecreative/ 
参考7:http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy_environment/jisedai_karyoku/pdf/
参考8:https://www.yano.co.jp/press/press.php/001375
参考9:https://www.fepc.or.jp/enelog/archive/sp/2015_vo4.html 
参考10:https://www.hg-c.co.jp/proposal/small-hydro/ 
参考11:http://www.chuden.co.jp/energy/ene_energy/water/wat_shikumi/wat_tokucho/index.html 
参考12:http://jwpa.jp/2011_pdf/90-32mado.pdf
参考13:https://hokutonetwork.jimdo.com