LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

tree型記憶とmesh型記憶

はじめに
技術士には、総合技術監理部門を含めて、21の部門がある。自分が持っているのは、電気・電子部門と経営工学部門と総合技術監理部門の3部門だ。技術士の試験勉強をしている時に感じたのは、tree型の記憶はすぐに忘れるけど、mesh型の記憶はなかなか忘れないことだ。

tree型記憶
例えば、初めて聞くキーワードとしてAとBがあり、その関係を理解する。次にまた新しいキーワードとしてCをAとの関係付けで理解する。さらにDもAとの関係付けで理解し、Eも同様に理解する。この方法のメリットは効率が良いことだ。常にAとの関係を理解することでロジックも明確だ。これは例えば、Fintechの用語で言えば何だろう。Aを銀行、Bをネット銀行、Cをペイメント、Dをブロックチェーン、EをIoTなどを連想するとイメージしやすいだろうか。常に銀行を中心に、新しい概念を理解する。
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mesh型記憶
一方、mesh型ネットワークは全ての関係を理解しようという方法だ。つまり、AとBの関係を理解する。これはTree型と同じだ。次のキーワードCをAとの関係だけではなく、Bとの関係も考える。この段階では、リンク数はtree型の1.5倍だ。次のキーワードDをAとBとCのそれぞれとの関係で考える。Tree型ならリンクは3だけど、mesh型だと6と2倍に増える。さらにEが追加する時には、Tree型なら4つだけど、mesh型だと10と2.5倍に増加する。
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100個のキーワードを理解する。
Tree型で100個のキーワードを理解する場合には、例えばある中心的な概念との関係だけなら99個だ。しかし、これをmesh型で理解しようとすると、4950個なので、50倍だ。とても無理と感じるかもしれない。しかし、実際にはカテゴリーで分類する。仮に10のカテゴリーに分類して、それぞれのカテゴリーに10のキーワードがあるとすると、リンクの数は10x45=450なので、99に比べると約4.5倍だ。これぐらいなら何とか頑張ればできるだろう。

mesh型のメリット
tree型の勉強法に比べてmesh型の勉強方法は効率が悪い。効率が悪くなるが、その分メリットもある。それは何かといえば、記憶が定着することだ。例えば、5つのキーワードを理解するときに、あるキーワードを残る4つのキーワードで説明してみる。これは慣れないと結構難しいが、これは物事を多面的に理解する練習にもなる。5つのキーワードの1つでも、2つでも思い出せれば芋づる式に知識を引き出すことも可能なためだ。

講演の時の雑談
何かをテーマに講演をする時には、全体のシナリオを整理して、ロジカルにシンプルに明確に理解しやすいように整理すると、聞いている人は理解しやすい。しかし、それだけだと眠くなる。想定通りの説明が続くと、なぜか脳は理解したつもりになる。聞く必要がないと判断して脳の活動を停止(サボり)してしまう。このため、時々AとB、AとCの関係を説明したら、ところでBとCの関係は?と聴衆者に聞いてみると良い。聴衆者は想定外の質問が出てくるので、おや!と興味を示す。一生懸命に脳が活動し始める。

子供の発想は無限
先月、ある都内の中学校を訪問して、SNSスマホのモラルを高めるための講演をしてきた。45分ほどの講演で、構成としては、最初にアイスブレイクの話、そして実例と前おきして動画を見せる。そして、近くの生徒通しで話をさせた後で、何が問題だったのか、どうすればよかったのかをスライドで説明し、最後にまとめでしめる。だいたいこんな感じだ。その学校は、毎年モラル教室をしているが、前年までは別の会社だったようだ。こんな構成でいいですか?と聞くと担当の先生は面白そう!と反応してくれた。そして、生徒に感想文を書かせますと言われた。先日、会社に行くと、厚さ8cmぐらいの郵送物が到着していた。開いてみたら、300人の生徒全員の感想文だった。

考えさせる教育
生徒たちの作文を読んでいると涙が出そうになる。よく理解している。みんな真剣に感想を書いてくれている。自分のようなものが説明するより、生徒の感想文を先生だけが読むのではなく、生徒間でシェアしたり、全ての保護者にも読んでもらったりすると、生徒たちの気持ちがよく理解できるのではないかと思う。先生は生徒に教えるだけではない。生徒から逆に教わることも多い。このような感想文はその一つだろう。

tree型とmesh型
話を戻す。自分は学校の先生ではないけど、何かを教える時に、tree型だと楽だけど、つい機械的になってしまう。また、忘れやすい。応用も効かない。しかし、mesh型だと応用が効く。子供頃によく、考え事をして、授業についていけないことがあった。あれ?これはどうなっているのだろう?と思案しているうちに、授業は先に進んでいる。これはつまり、先生はtree型でAとB、AとCの関係を説明したら、次に進もうとするけど、生徒はBとCの関係が気になって思案してしまう。そんな構図ではないだろうか。

まとめ
物事を多面的に見るのは結構大変だ。時間もかかる。でも、3次元、4次元、5次元でキーワードを理解してくると何となく分かったような気がするし、どこから何を聞かれても答えられそうな気がする。技術士の二次試験は今日と明日が本番だ。雨の中だけど、受験生には是非頑張って栄冠をゲットしてほしいと思う。

以上