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究極のコールドチェーンは見込み配達方式かも。

コールドチェーン
生鮮食品や医薬品などを生産者(地)から消費者(地)までの全過程で途切れることなく、低温を保つ物流方式をコールドチェーンと呼ぶ。例えば、マグロであれば、マグロ漁船がマグロを釣り上げたらすぐに冷凍し、冷凍したまま卸市場(一部常温エリアあり)で売買されて、スーパー等に卸されて家庭の食卓に届く。

 

消費者(地)とは
現在のコールドチェーンで消費者とはスーパーの店頭までが多いが、低温のまま家庭まで配達すれば家庭が消費者となる。でも、配達されてすぐに調理するわけではないので、各家庭の冷蔵庫の冷凍室に格納されるまで冷凍されていれば完璧だろう。

 

再配達率は20%
クール宅急便は便利だが、配達されるドライバーは大変だ。日時指定されていても再配達は一般には20%に達するという。再配達の依頼はすぐに来て欲しいというのが定番だが、それも難しく約束した時間に配達してもまた不在だと荷物を投げ出したくなる気持ちもわからんでもない。

 

宅配便受け取りボックス
宅配便の再配達を減らすには受け取りボックスが有効だ。パナソニックの実験では受け取りボックスを導入すると再配達率が49%から8%に減少したという。でも、通常の受け取りボックスは常温前提であり、冷凍品は考慮されていない。

 

家庭からのゴミの約半分は包装
体積比では約54%、重量比では約23%が包装によるという。包装をいかに減らすかは社会的な問題でもある。

 

配送ロボットは可能か
国内だけでなく、海外でも配送ロボットは検討されている。でも、現状では自動運転やリモート運行操作を前提にしているものだ。先の究極のコールドチェーンの配送先である冷蔵庫の冷凍スペースまで運ぶことはかなり技術的にハードルが高い。

 

初めてのお使い
子供なら3歳児ぐらいでも頑張れば一人でお使いができる。でも、現在のロボット技術を持ってしても、買い物リストを渡して、スーパーまで行って、買い物して、戻ってきて、冷蔵庫にしまうまでをさせることはかなり厳しいだろう。

 

実現方法
現在の人間を前提にしたシステムにおいて、お使いロボットを開発するのではなく、お使いロボットが機能するような社会インフラを並行して整備することが必要なのかもしれない。つまり送り手のロボットと受け手のロボットが共同して作業することでお使いロボットは完成する。

 

ドローンの活用
例えば、ドローンが送り手の場合に、どのような受け手があればいいのだろうか。ドローンからの荷物を受けて、冷凍スペースに運ぶ。もしくは棚に並べる。そんな機能を持つ仕組みを例えばベランダのスペースに用意することができれば、自動配達も現実味を帯びてくるのではないだろうか。ただし、現在の法律では市街地でドローンを飛ばすことには制限があるので、規制緩和とそれを実現する安全確認が必要だ。

 

通信機能は必須
その場合にも、やはり受け取れるものや運べるものの条件が送り手と受け手で合意できる必要がある。いわゆるハンドシェイクのような処理だ。送り手も受け手も可能と確認できたら、その前提条件に従って、配達して、受け取る。利用者や購入者に報告する。これをサポートするのはやはり通信技術だろう。

 

未来の受け取りボックス
例えば、使用環境として、マンションの標準的なベランダのスペースに設置し、常温での受け取りと、冷凍での受け取りが可能。大きさは、ピザボックスレベル。ドローン型の配達ロボットと通信して、荷物を受け取り、指定した棚に保存する。少なくとも、マンションのセキュリティを通過し、階段かエレベータで所定の階まで行って、ドアの鍵を開けて、ドアを開けて、冷蔵庫を見つけて、そこに格納するという気の遠くなるような処理に比べるとシンプルだ。

 

費用は?
仕組みによるがいくらでできるのだろう。冷凍保存でなければ構造も簡単だが、冷凍機能を有するとなると、冷蔵庫なので、やはり数万円は必要だろう。まずは常温前提で開発して、冷凍機能はその後というのが現実的かもしれないが、究極のコールドチェーンを実現するには、やはりこの機能は外せない。う〜ん。なかなか難しい問題だ。

  

豆腐売り
自分が幼少の頃は、豆腐屋さんが住宅地を回って、主婦から声がかかったら、ボールにハイと豆腐を移していた。自分も母親から頼まれて買いに行ったこともある。配送ロボットと受け取りロボットが高度化したら、こんなことが可能になるのかもしれない。

 

注文する前に配達
アマゾンは注文を予測して、注文が来る前に配送センターに荷物を運んでおいて、注文が来たらすぐに配達するという仕組みを検討しているという。でも、そんなことは実は、前述の豆腐売りもやっていたことだ。

 

個別生産と見込み生産
生産方式には、注文を受けてから製造する個別生産方式と、注文を予測して事前に生産して販売する見込み生産方式がある。現在の配達はいわば個別の注文を受けてから配達する個別受注配達方式だ。でも、前述の豆腐売りのように、あらかじめ需要を予測して、必要量を保持し、注文が来たらすぐに渡す見込み配達方式があっても良いのかもしれない。

 

再配達は構造的にゼロ
見込み配達方式の場合には、配達者と受取者のニーズが一致することが前提条件なので、必然的に再配達はありえない。リアルタイムにニーズが合致したらはいどうぞという仕組みだ。

 

今後の検討課題
規制緩和の問題:ドローンの飛行、配達
・技術的な問題:必要な処理を安全・確実に実施可能かどうか。
マーケティング的問題:費用、効用、市場、納期、などなど

 

最後に
当面は夢物語かもしれないが、10年後には個宅への配達が普通になっているのかも。それを実現する可能性が一番高いのはやはりアマゾンだろう。誰も着手しなければライフワークとして検討してみるか(笑)。