LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

やる気=使命感×責任感×ワクワク感

はじめに
最近、良い図書を自由に読める夢のような環境にある。どういうことかというと、4月から勤務している職場のアイデアで従来は倉庫になっていたところを改装して、ライブラリーコーナーができた。そこはTsutayaとスタバがミックスしたような素敵な環境だ。寸志(100円)でコーヒーも飲めるし、気になる図書を借りたり、ソファーで読んだりできる。すでに20冊ぐらい借りて読んだ。正直、流し読みで終わる本もあるし、じっくりと読みたくなる本もある。

僕らの未来を作る仕事
これは東大医学部を卒業し、脳外科の研修を受け、海外留学して、そこからマッキンゼーに転職して、いまはスタートアップ企業の経営者という異色の医者が初めて書いた図書だ。その経歴もすごいが、読んでいると共感できることも多い。ぜひ一読をお勧めしたい。その中の終盤に書かれていた仕事のやる気や優先度に関する記述が独特だったので紹介したい。
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(出典:amazon

やる気の定義
仕事のやる気を分解すると、使命感と責任感とワクワク感になる。仕事には、A=自分がやりたいこと、B=自分がやるべきこと、C=自分しかできないことの3種類がある。そして、このAとBとCという3つの円が重なるところで勝負をすることが重要だという。また、AとBが重なると使命感が得られる。BとCが重なると責任感が得られる。そして、CとAが重なるとワクワク感が得られる。使命感があり、責任感もあり、さらにワクワク感もあるような仕事ならもうやる気は120%だろう。

ポジションを取る
仕事を行う上で大切なことはポジションを取ることだという。つまり、自分の考えや意見を持つということだ。自分は何をやりたいのかを自問自答する。現在の環境のもとで自分は何をやるべきかを客観的に分析する。そして、自分しかできないような得意分野を磨く。そのような努力をすることで、仕事に対する自分の意見を明確に持つようになる。日本社会では、個人の意見を主張することはあまり評価されない側面があるように言われるが、そんなことはない。では、どうすれば自分の意見を持てるのだろうか。

最後まで考える習慣
何か問題や課題が会った時に、人の意見に耳を傾けるのは大切だ。そして、その意見に100%賛成できるのか、100%反対なのか。賛成か反対かを聞かれるが、合意できる部分もあるが、合意できない部分もあるようなケースが多いのではないだろうか。そのような時に、どの部分には合意できるのか、そして、どの部分には合意できないのか、それはなぜなのかを突き詰めて考える習慣を身につけることが重要だという。最後まで考えることで積極性と責任感が養生されるという。

優先度を考える
複数の仕事に対応する時に、通常より優先度を考えて対応すべきと言われる。しかし、この著者は単なる優先度ではなく、次の3つを考えるべきだという。
 1) その仕事が必要かどうか
 2) その仕事が緊急かどうか
 3) その仕事がボトルネックになるかどうか

仕事の進め方
著者自身が医者としての仕事とマッキンゼーでの仕事は全く異なると言っている。医者は、目の前の患者を全力で治療することを考える。計画よりも実践だ。しかし、マッキンゼーでは、資料を作成したり、プレゼンをすることも重要だが、それ以上に仕事に着手する前の戦略が重要だという。それはそうだろう。あなたの仕事はどちらがより優先されるのだろう。しかし、どんな仕事であっても、前述のように、その仕事が必要なのか、緊急なのか、ボトルネックにならないかという観点で考えることは有効だろう。まず必要でない仕事はすべきでない。しかし、これも簡単なようで難しい。なぜなら、必要か必要でないかの判断は個人によって異なるからだ。自分は必要と思っても上司は不要と判断するかもしれない。その逆もある。緊急かどうかの判断も個人に委ねられる。ある人にとっては非常に緊急な案件も、他の人にとってはそうでもないことはある。特に、チームで仕事をしている人なら、必要か緊急かという判断をチーム内でよく意見を交わしてコンセンサスを得ておく必要がある。そして、最後のボトルネックになるかどうかは、やはりその仕事を客観的に見れているかどうかだ。より上位の視点から全体を見回して、全体の中のボトルネックになっている部分を集中的に強化するのはマネジメントの鉄則だが、そのような視点を持つということだ。

まとめ
この著者がチャレンジしている医療系のWikiともいうべきMEDLEYや遠隔診断を可能とするCLINICSもよく考えられている。興味のある人は是非購読するか、調べて欲しい。日本には、著者のように未来を作る人材が多数いるはずだ。そんなパワーをうまく活用できる社会にできれば、日本の未来は明るいと感じることのできる素晴らしい図書でした。

以上

社会問題と子供のいじめ問題

セクハラ対パワハラ
最近は、ゴシップネタともいうべき低レベルな問題が新聞、雑誌、テレビで糾弾されることが多い。官僚のトップである事務次官が女性記者に不適切な発言をして、セクハラをしたという。これが本当なら弁解の余地のない問題だろう。しかし、同時に女性記者は所属する会社に対して、セクハラを受けていることを訴えたのに、それに適切に対応しなかった。真実は不明だが、もし会社が女性記者に対して、それでも記事をとってこいとプレッシャーを与えていたのであれば、それはパワハラではないのか。双方にそれぞれ反省すべき点がある場合には、喧嘩両成敗だろう。事務次官は辞職しても、報道機関のトップは辞職する気配もない。これって公平なのだろうか。

公益通報者保護法の限界と改正の必要性
公益通報者保護法をご存知でしょうか?これは、内部告発者が不利に取り扱いされないように内部告白者を保護する法律だ。これに基づき、内部告白者を解雇や減給にするような取り扱いにされない仕組みだ。あらゆる問題が対象となる訳ではないが、パワハラも法規制の違反行為であるから、対象であるべきだろう。内部告発者が通報すべきは、1) 事業者内部、2) 監督官庁や警察・検察等の取締り当局、3) その他外部(マスコミ・消費者団体等)の3つだという。この法律に基づけば、まず女性記者は、上司に行っても対応してくれなければ、会社のコンプライアンス部門や監査部門に申告すべきだった。そして、ここでも対応してくれなければ総務省に申告し、それでもダメなら外部機関に申告すべきだった。今回は、その手順をすっ飛ばして、雑誌の会社に情報を提供した。しかし、この法律に沿った手順は現実的なのかという疑問を抱く。

セクハラ&パワハラ被害者の救済とハニートラップ論争
公益通報者保護法に定める手順で申告していないと女性記者を責めるのは、適切ではない。女性記者の行動は適切ではなかったかもしれないが、ではどうすればよかったのだろうか。適切に対応できるような内容に、公益通報者保護法を改正すべきではないのだろうか。今回のようなセクハラとパワハラが例外的なレアケースであれば良いが、氷山の一角ではないかという懸念もある。そして、被害者として辛い思いをしている人たちが大勢いるとしたら、その人たちを救済する仕組みを導入することが最重要なのではないだろうか。事務次官の退職金を話題にする方が視聴率を取れるのかもしれないが、人を責めるのではなく、仕組みを改善すべきだと思う。そして、そんなことはないとは思うが、誰かが何かを目的として、ハニートラップの指示を女性記者に出していたのだとしたら、それこそ糾弾すべき事件ではないのだろうか。

子供の社会は大人の社会の縮図
行政を指導すべき官僚のトップと、公平な報道をすべき会社の体質が絡む今回のような問題の場合には、何が本当で何が本当でないのかが全く分からない。そして、このような騒動を子供達がテレビのニュースで日々見ていることを再認識すべきだ。大人は子供の模範となる行動をすべきだ。でも、日々報道されるのは低次元なゴシップネタだ。そして、マスコミは、ターゲットを決めたら徹底的に糾弾し、それを一般国民は傍観者となってそうだそうだと批判する。そして、ターゲットとなった人は社会的に抹殺される。この構図を子供が真似をしている可能性はないのだろうか。いじめの問題はこれまでも何度か取り上げたが、子供の社会は大人の社会の縮図だ。子供にだけいじめはいけないと言って、どれだけの説得力があるのだろうか。

まとめ
子供は日々大人がしていることをよく見ていることをやはり肝に銘じるべきだと思う。そして、マスコミも行政も政治家も良識ある行動を示して、子供の模範になるような姿を示してほしい。マスコミは警察でも検察でも裁判所でもない。国民の感情を煽って人の行動や人格を糾弾するのではなく、問題の再発防止のためにはどのように社会の仕組みを改善すべきか等、前向きな議論をする姿勢をぜひ示して欲しいと思う。

以上

夕焼けトワイライト:可処分時間の捻出が課題

4月から仕事(職場)が変わり、生活スタイルが変わった。

もっとも大きいのは、可処分時間だろう。これまでは、ミッションとしての講演をこなせば、その前後の移動時間や待機時間を含めて、その時間の使い方は自分の自由だった。講演のない日は、つぎの講演の準備や実施すみの講演の報告や事務処理を行うが、効率的に行って浮いた時間の使い方は自由だった。スタバ開店の7時からお昼までがんばり、自宅に戻ってPCを充電しながら自分も食事したり、リラックスして、夕方からスタバの閉店まで集中して調査したり、ブログを書くこともできた。これまでここまでのブログを書くことができたのは、やはり可処分時間に恵まれたことにつきるだろう。

しかし、現在の仕事は基本9時から17時半までだ。しかも、残業規制が厳しいため、早朝から仕事をしようとしても、原則9時までまたなければいけない。集中して仕事を処理して午後の2時に終了しても、勤務時間の17時半まではオフィスにいることが基本だ。まして、夜遅くまでオフィスに残って残業することは御法度だ。しかし、まあ逆に考えれば、9時から17時半の勤務時間に集中し、それ以外は自由な時間なので、可処分時間の使い方を工夫する必要があるのかもしれない。

また、平成30年度の技術士試験(二次試験)において情報工学部門にチャレンジするかどうかをいまだに迷っている。やるべきとか、やめようという決定打がない。とりあえず申込書の案は作成したが、こんな調子で受験して合格に間に合うのだろうか。まあ、昨年も4月と5月は別のセミナー資料の作成に追われ、経営工学の勉強を本格的に着手したのは5月下旬からだったので、間に合わないことはない。

情報工学は、どうも選択問題での足切りされることが多いようだ。これの5年間の過去問は何度かトライしているが、たしかにムズイ。過去問の制覇と技術ノートの作成にまずは集中する必要がある。ゴールデンウィークの予定はとくにないので、4連覇に向けて頑張ってみるかなあ(笑)。

今日はとりとめのない内容でした。

以上

4KモデルのiMacを購入しました♫

iMac購入
単身赴任から帰任したのを機会にデスクトップ型のパソコンとして、iMacを購入した。これまでと違って、自宅にはWi-Fi環境もあるし、これまで使っていたMacBookAir(MBA)の残容量がほぼなくなっていたので、思い切って決断した。5K対応だと高価だし、今のパソコン机に置ききれないので、手頃なモデルとして4Kモデルにした。また、RAMも標準の8GBではなく、16GBにした。やはりメモリーは多い程よい。
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MacBookAirの購入
5年前の2013年にMBAを購入した。これまでは外出することが多く、かつ単身赴任先のマンションには残念ながらWi-Fiがなかったので、専らMBAを愛用していた。特にスターバックスノマド活動をしている人の多くはなぜかMBAだった。それは、きっと単におしゃれで薄くて使いやすいだけではなく理由がある。それはまず第一にバッテリーの保持時間が長いことだ。そして、iPhoneとの連動性の良さだ。仕事でも趣味でもほぼいつもMBAをリュックに入れて持ち歩いたのは良い思い出だ。

初めてのパソコン(LCII)の購入
1992年に初めてのパソコン、AppleのLCIIを購入した。沖電気から独立した知人がセールスにやってきて、衝動買いをしてしまった。メモリーは標準で4MBだが、これを最大の10MBに拡張してもらったのを覚えている。ハードディスクは中古のリユース品だったので、いろんなアプリがプレインストールされていて、けっこう楽しめたものだ。CPUはMotorala 68030(16MHz)だった。確か、色々と含めて30万円ぐらいかかった。
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Macintosh LC II - Wikipedia

PowerBookDuoの購入
1995年になり、希望のSE部門に配属となった。ここはMac大好きな人間が集まっていた。インターネットの黎明期でもあった。海外出張も多く、MacBookDuoを購入して、現地でのレポートを作成しては、FAXモデムで国内に報告した。ホテルの代表にFAXして、プリンター代りに活用したのもよく覚えている。フロントに私宛に何か来ていないか?と聴くと大量のFAXが来ているよと渡してもらった。良き日々だ。また、このDuoは、Duoドッキに挿入するとデスクトップパソコンになるという優れものだ。
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Apple’s First Subnotebooks: The PowerBook Duos and the 2400c | Low End Mac

沖縄ではパナソニックのデスクトップパソコン
1997年に沖縄に赴任して、現地ではWindowsが多数派だった。自宅では、テレビも見れるパソコンがパナソニックから売られていたので、これを購入した。しかし、ネットで調べてもなかなか出てこない。パソソニックといえば、現在ではタフパッドだ。古いPCはもう過去のものか。

SonyVaioノート
香港に赴任すると、中国への出張が多かった。1995年に購入したPowerBookDuoはもうかなり疲弊していた。そこで、重量が約1kgと超軽量だったので、Sonyのサブノートパソコンを購入して、外出時だけではなく、オフィスでもこれを外部ディスプレイに接続して愛用した。これはこれでなかなか便利だった。
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PCG-C1XE

東芝Qosmio
日本に戻ってから購入したのが東芝のパソコンでテレビもみれるQosmioだ。画面が非常に綺麗だったので購入したが、最初に悪くなったのがディスプレイだった。IEEEのWCETという資格試験を勉強するときには、デジタルテレビとこのQosmioHDMIで接続してなんとか用を足した。
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30年間で7台のパソコンを利用
平均すると5年ほど使っては新しいパソコンに乗り換えて来た勘定だ。今回購入したiMacは同じペースなら2023年までの5年程度の利用だろうか。そして、パソコンの性能は30年で約1000倍に成長している。シンギュラリティが予想される2045年には、11代目のパソコンを使っているのだろうか。そのときには、パソコンのイメージはどうなっているのだろうか。スマホスマートスピーカー、スマートウオッチ、スマートグラス、サーバー、クラウドなどが連携してシームレスな使い勝手の良いものになっているのだろうか。利用者が主に操作するのは、いつも身につけている時計やメガネであり、それ以外のものはクラウドやエッジコンピュータとして舞台裏で活躍しているのかもしれない。

今日はパソコンの自分史を振り返って見ました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

副業について考える

はじめに
最近、「副業」に関する話題を耳にすることが多い。日本の労働環境においては、副業の禁止を就業規則で謳っていることが多く、それが普通と思っていた。しかし、海外では通常は雇用契約を締結するし、その中で排他的な雇用を謳えば副業禁止だが、そうでないことが多いのではないか。実際、Wikiで調べても副業禁止は日本の就業規則に基づくものであり、そもそもこの就業規則も戦後制定されたものだ。終身雇用と年功序列が守られてきた時代では副業禁止は意味があったかもしれない。しかし、終身雇用もなく、年功序列もなく、正規雇用よりも非正規雇用が主流になる時代において副業禁止は意味があるのだろうか。そんな疑問を感じながら少し調べてみたい。

1. 副業とは
1.1 働き方改革が目指すもの

 働き改革の中で副業の解禁が話題になっている。しかし、これも政府と、厚生労働省では少し温度感が違うようだ。そもそも現在のデファクトとなっている就業規則には副業禁止の条項が有り、新しいデファクトでは副業禁止を除外する方向で検討しているようだが、まだ議論百出の状況のようだ。政府が副業解禁を推進したい狙いは、成長戦略だ。優秀な人材が持つ能力を他社でも活用し、新事業の創出につなげる。社員にとっても、スキルアップやキャリアアップ、収入アップの効果が期待出来るという。本当だろうか。
(出典:President Online、参考1)

1.2 法律的な側面
そもそもなぜ副業がダメなのだろう。日本国憲法第22条1項で職業選択の自由が宣言されている。民法にも労働基準法にも副業や兼業の規制はない。問題は就業規則だ。しかし、その就業規則自体でも、デファクト版では副業や兼業の規制を無くすべきと、厚生労働省が平成30年1月にまとめた副業・兼業の促進に関するガイドラインで示している。
(出典:厚生労働省/参考2、キャリアコンパス/参考3)

1.3 副業のパターン
副業には、複数の会社と雇用契約を締結するケースと、会社員と自営業を兼業するケースがあるようだ。この2つの定義はあまり明確ではないが、仮に前者を副業、後者を兼業とする。

(1) 複数の企業と雇用契約する副業
メインの会社に勤務しながら、サブで別の会社にも勤務して報酬を得る。就業規則で禁じているのは主にこのケースだろう。これは雇用契約を締結するような労働者を想定している。ここで懸念されるのは、やはり過重労働や健康面、待遇面の問題だろう。以降は、このイメージでの副業について記載する。

(2) 会社員が自営業を兼務する兼業
メインの会社に勤務しながら大学の非常勤講師を請け負う。メインの会社に勤務しながら、株式運用やFX運用で稼ぐ。メインの会社に勤務しながら、資格を活かして個人事業主になる。メインの会社に勤務しながら、非常勤役員を兼務する。これらは、複数の会社と雇用契約を結ぶわけではないので、そもそも就業規則にも違反しないと言えるのだろうか。この辺りがよく分からない点だ。

1.3 副業のメリット
(1) 社員のメリット

独立行政法人労働政策研究・研修機構が行った2009年の調査では、下のグラフで示すように、副業の理由のトップは「収入を増やしたいから(52.7%)」、ついで、「自分が活躍できる場を広げたいから(26.8%)」、さらに「一つの仕事だけでは生活自体が営めないから(26.5%)」と続いた。収入を増やしたいという理由は正社員<非正規社員だが、活躍の場は、正社員>非正規社員だった。つまり、ともに収入増を目的としているが、正規社員はやりがいや、人脈の広がりを重視していて、非正規社員は生活のため収入増が必要という側面がうかがえる。
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(出典:中小企業庁経営支援部、参考4)

(2) 会社のメリット
兼業や副業を認めているのは、近年増加傾向にあるが、1割から3割とまだまだ少数派だ。現在も将来も禁止と宣言している企業が3割程度ある一方で、社員の資質向上やスキルの活用などのメリットを重視して、兼業を認める企業が増えている。ロート製薬が先行して話題になったが、その後もこれに続き企業が増えている。特殊なのはエンファクトリーで専業禁止を謳い、兼業や副業を義務化している例まであった。
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(出典:HUFFPOST、参考5)

2. 副業のニーズ
(1) 収入増

HUFFPOSTの記事では、本業以外で報酬や収入を伴う活動経験の有無を調査したところ、約3割が経験ありと回答している。さらに、その活動内容で見ると、トップが株式投資やFX投資であり、次いで他組織への出向やオークション、講演などだ。クラウドソーシングの業務受注なども挙げられているし、有償ボランティア活動なども挙げられている。これらは副業と言うよりは兼業と呼ぶべきものが多いように感じる。
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(出典:HUFFPOST、参考5)

(2) 能力開発
facebookで見ると、「NPO法人二枚目の名刺」があった。会社社員という顔だけではなく、ボランティア活動や個人事業主としての第二、第三の顔を持つというのは、自己実現の意味でも面白いと思う。でも、これは副業に当たるのだろうか。兼業なのか。
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(出典:二枚目の名刺、参考6)

(3) 自己実現
人材活用のエンジャパンの調査では、下の図の通り副業に興味があるのが88%と高い比率となった。収入を得るがトップが、それ以外の理由はスキルアップ、キャリアアップ、人脈アップなど自己実現につながる理由だった。
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(出典:エンジャパン、参考7)

3. 副業に関する企業の意向
(1) 副業は原則禁止が主流

ビジネスインサイドの調査によると企業が最も懸念しているのは本業がおろそかにならないかどうかだ。当然だろう。ついで、情報漏洩や利益相反長時間労働などが挙げられる。もっとも管理が難しいのが、この長時間労働や健康への影響ではないだろうか。特に非正規社員が生活に困って複数の企業に勤務し、いずれもブラックだったりするとこれは悲劇だ。
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(出典:Business Insider、参考7)

(2) 増加するシニア起業
中小企業白書では、50歳以上のシニア起業の増加が指摘されている。シニア起業では、仕事の経験や知識を役立てたい、社会に役立つ仕事がしたい、年齢に関係なく仕事をしたいといった声が多い。特に大企業では55歳で役職定年で役職は外され、60歳定年で再雇用しても収入は半減、かつての部下にこき使われるためインセンティブが下がるケースがある。シニア起業はあるべき方向性ではないのだろうか。これを仮に兼業として会社が認める方向を示すのは良いことだろう。
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(出典:中小企業白書、参考8)

(3) シニア層と中堅層
下の図を見ると、55歳以上のシニア層(青)と35-54歳の中堅層(赤)では起業の動機が大きく異なる。シニア層はやりがい重視だが、中堅層は収入増や自由に仕事をしたいといった動機重視だ。
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(出典:シニア活用、参考9)

4. 海外事情との比較
就業規則は日本特有の文化なのだろうか。海外では雇用契約に必要な事項を明記する。一律で副業禁止は考えにくい。そもそも終身雇用ではないし、オンとオフを区別するので、勤務時間以外まで会社に拘束されるのは考えられないといったところだろうか。日本の終身雇用とセットで成り立つものだ。正規社員を就業規則で縛るのはまだしも、有期雇用が前提の非正規社員に副業禁止を唄う権利も権限も、もはや日本の企業にはないだろう。下の図は、日本生命が調べた主要国の総合企業活性化指数(TEA)と開業率だ。TEAとは、成人(18-64歳)人口100人に対して、実際に起業準備中の人と起業後3年半未満の人の合計が何人であるかという指標で、Total Entrepreneurial Activitiesの略だ。また、開業率も同様だが、先進諸国に比べて日本は低い数値で留まっていることが課題だ。
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(出典:日本生命、参考10)

5. 副業の課題
(1) 自己実現の為に起業して兼業するケース

自己責任で起業する前提であれば、労働時間や健康管理も自己責任だろう。また、会社への勤務を兼業する以上、企業への勤務を疎かにするのはあってはならない。

(2) 複数の会社に勤務する副業ケース
問題は、過重労働の防止や、健康管理の責任主体だろう。複数の企業で勤務するケースでの労務問題を未然に防ぐには、禁止するよりも届け出制にして実態に合わせた管理手法を会社と雇用者でしっかりと協議し、合意すべきだろう。

(3) 確定申告と税務処理
総務省の就業構造基本調査によると、副業を希望している人は1997年の約300万人から2012年には380万人ほどまで増加している。しかし、実際に副業しているのは、1997年の約300万人から2012年には230万人ほどに減少している。希望者は増えているが、それを社会や起業が対応しきれていないということだろうか。
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(出典:シニア活用、参考11)

6. おわりに
副業・兼業の問題は難しい。以前、育児問題を調べた時もワーキングポアの課題があった。つまり、20代の働く女性は、20代の働かない女性よりも貧困率が高いという逆転現象だ。もし、この構図の是正がなされない中で、副業・兼業を解禁すると、ワーキングポアがより深刻化する懸念があるだろう。また、中堅層とシニア層でも問題は大きく異なる。中堅層には、ぜひ起業にチャレンジしてほしいが、一方で事業に失敗した時のセーフティネットをしっかりと整備するべきだろう。それらに比べるとシニア層の副業・兼業は大きなリスクがなく、社会の活性化にも貢献できるので、もっと背中を押すべきではないだろうか。また、別の問題だが、ベーシックインカムが導入されれば、副業・兼業の動機に収入以外の比率がもっと高まるのだろうか。自己実現の比率を高めることを目指すべきだと思う。     以上


参考 1:http://president.jp/articles/-/22489
参考 2:http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000192844.pdf
参考 3:https://doda.jp/careercompass/compassnews/20160208-15127.html
参考 4:http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/hukugyo/2016/161114hukugyo04.pdf
参考 5:http://www.huffingtonpost.jp/makoto-kato/side-hustle_b_16779366.html
参考 6:https://twitter.com/nimaimenomeishi/status/877378235172040704
参考 7:https://corp.en-japan.com/newsrelease/2017/3537.html
参考 8:https://www.businessinsider.jp/post-106855
参考 9:http://web.kansya.jp.net/blog/2015/12/4649.html
参考10:https://www.nam.co.jp/market/column/trend/2017/1245855_4571.html
参考11:https://www.seniorkatsuyou.com/column/ueno_0324/

モラルライセンスを考える

1. モラルライセンスとは
モラルライセンスという言葉を聞いたことがありますか?日本語ではまだあまり聞かないかもしれない。実際日本語のWikiで調べても「モラルライセンス」は出てこない。モラルライセンスとは心理的な現象を言います。つまり、「モラル的に良いことをしているのだから、少しくらいモラル的に悪いことをしても許されるだろう。」と勝手に考えてしまう傾向があるというのです。スタンフォード大学の心理学者であるケリー・マクゴニガルがその著書「スタンフォードの自分を変える教室」で問題提起して有名になった考え方です。私もKindle版を購入して読破中です。
www.daiwashobo.co.jp

2. モラルライセンスの罠

モラルライセンスが問題なのは、いわば免罪符をもらったように感じてしまうことです。これまで頑張ったのだから少しぐらいいいだろう。こんなに良いことをしているのだからこれぐらいは許されるだろう。ちょっとした心の緩みが大きな問題になりえます。モラルは貯金できるものではないことを忘れてしまう傾向が人間にはあるのだということです。

3. モラルライセンスの事例
(1) 温泉付きの学会

1年間コツコツと研究をして、その成果を学会で発表して、参加者からも賞賛を受けた。今日ぐらいはお酒を飲んで、温泉に入ってゆっくりしよう。そんな気持ちは理解できる。モラルライセンスというほどのことはないかもしれない。でも、お酒も入って、綺麗な女性のいるお店に入ってしまったり、そのままはめをはずしてしまったり、普段は考えられないような行動をついとってしまう。真面目な研究者だったと思ったのになんて後で問題にならないように気をつけましょう(笑)。

(2) バーディの後のボギー
ゴルフをしていて不思議なのは、たまたまバーディが出たりすると、次のホールではボギーとか、ダブルボギーを叩いてしまう。別に気を緩めたつもりではないけど、なぜか大叩きしてしまうことが多い。そして、そんな時にはなぜか落ち込まない。まあ、バーディも取っていたのでいいか。これもモラルライセンスというよりは、心理学で言うコンフォートゾーンの問題かもしれない。つまり、本来の自分の実力よりも良い結果が出ると、気持ち悪くなって、少し失敗をして安心をする。意図的ではないが、無意識のうちにそんなつじつま合わせをするようなメカニズムが人間の脳にはあるようです。

(3) いじめの司令塔
学校でいじめ問題が起きています。その場合に、加害者が自分の意思で行ったのであれば、それは加害者と被害者の問題で比較的構図は単純です。しかし、加害者が実は自分の意思ではなく、誰かに指示された、示唆されたとすると、その構図は複雑です。この指示や示唆をする人を仮に司令塔と呼ぶと、この司令塔も悪意を持って誰かにいじめを指示するようなケースだけではなく、そういう空気を作るだけのケースもあります。司令塔が意図的に指示したのではなく、司令塔の意思を忖度したのかもしれない。いろいろなケースが考えられるので問題が非常に複雑です。そして、このような司令塔になる生徒は、多くの場合には優等生だったり、スポーツの優秀選手だったりする。本人は毎日毎日勉強したり、練習したり、頑張っているので、組織のルールを守らないような人間を許すことができず、ちょっと指導が必要だなあと発言したり、そんなムードを作ったりすることがあるのかもしれない。

4. モラルライセンスの罠を避けるにはどうすれば良いのか。
(1) 自らの意思で行動する

チームのために、チームの目標に向けて、練習を頑張るのは素晴らしい。悪いことではない。しかし、自分の意思というよりは、誰かに命令されて頑張るのはどうだろう。学校で勉強したり、進学するのは本来感謝すべきことだが、誰かから勉強を強要されて、頑張って勉強を続けるのは辛いことかもしれない。大切なことは、誰かに言われたから行動するのではなく、自分で考えて、自分で判断して、行動することだ。特に、いじめの司令塔になるような生徒が、自発的に勉強しているのか、他発的に勉強させられているのか。そんなところも紐解いていくと新たな真実が見えてくるのではないだろうか。

(2) なぜを問う
例えばダイエットにチャレンジした。ここまで頑張ったのだから少しぐらいならと大好きな甘いものを食べてしまう。そんな心理にもモラルライセンスのメカニズムが潜んでいるという。例えば、ダイエットに成功したことがあるとすると、そのような結果を思い出すようにした人と、なぜ成功したのかを考えさせた人で比べると、前者は誘惑に負けるが、後者は誘惑には負けなかったという。つまり、前者はこんなに頑張ったのだから少しぐらいはと自分を甘やかした。でも、後者はダイエットの目的を振り返り、さらに決意を新たにした。高い目標や動機付けをしっかりとすることがやはり目標達成には必要だし、効果的だということだろう。

(3) PDCAを回す
モラルライセンスは心理的な現象です。なので、モラル的に良いことをしたというのと、しようとしたの区別はないというのです。つまり、良いことをしようとしただけで、良いことをしたという免罪符は貯金されていく。したがって、本当に良いことをしたのかどうか、それが効果があったのかという事実を検証し、自らにフィードバックさせる必要がある。それによって、良いことをしたつもりだったけど、まだまだだったという事実に気づき、免罪符にはならないと理解する必要があります。

5. まとめ
モラルライセンスは聞き慣れないことばかもしれない。でも、そのような心理的な事象には共感できるのではないでしょうか。人間というのは弱いものです。最近は、残業規制が厳しい。そして、それなりの成果を挙げた日は気持ち良く退社できるけど、なんだか会議とか研修ばかりで生産的な仕事をしていないと後ろ髪を引かれるような気持ちになったりする。なお、ここで良いこととは、道徳的な善悪が基準となっている。一日一善を習慣にしている人がいたら、それは素晴らしいことです。でも、その反動として、モラルライセンスの仕組みとして、論理的に悪な行動の免罪符にしていたとしたら、免罪符にならないことを理解すべきです。多分、一番良いのは、ある組織や個人が考えるあるべき姿や将来の目標を高く掲げ、それに向けてそれぞれが謙虚に日々研鑽することで、個々人がちゃんと自分の頭で考えて、自分の意思で行動することが大切だと思います。生徒の意思を尊重し、自発的な行動を促すようなような学校ではいじめの問題は起こりにくいし、個々の社員が自ら考えて意見を出し合うような会社はブラックにはならないのではないでしょうか。
                                               以上

可処分時間の有効活用

今年の桜の開花は例年よりも早かったですが、皆様はお花見は堪能されましたか?

4月になって、職場も、仕事も、住まいも変わりました。新しい環境にも少しずつ慣れてきた今日この頃です。ただ、3月までは、ミッションが明確なだけに、裁量の範囲が広く、効率的に仕事を処理すればするほど可処分時間が増えて、ブログに時間を当てることが可能でした。

しかし、4月以降は基本的に9時〜17時の勤務であり、東京の満員電車の中で愛用のパソコンを持ち歩くのに躊躇してしまいました。自宅に戻っても、Sukiyaki塾の添削などやることも多く、結局ブログの更新が後送りになってしまいました(涙)。

今年度、4部門目の二次試験を受けるのかどうかも正直まだ決めていないけど、もし、受験を決めたら、やはりブログをする時間はさらに減るだろう。

そのため、今後は可処分時間が少ないと言う前提のもとで、いかにテーマを決めて調べて、自分なりの考察を加えていくのかは、もう少し試行錯誤が必要です。

可処分時間は減少したけど、技術士の資格を活用して、監理技術者としての業務に充実して、経験を積む機会があるのは、技術者としては嬉しいです。

特に現在の業務は、お客様の課題に寄り添って、より先進的な視点から課題解決してお客様とのWin-Win関係を強化することができる多様なプロジェクトに関わることができる。ソリューション事業を通じて、多彩なお客様やベンダー、工事業者、行政とのつながりがさらに広がるのは貴重な経験です。

これからは、限られた時間の中でテーマを絞って、関連情報をチェックして、わかりやすくかつ皆様の役に立つようなブログにチャレンジしていきたいと思います。

今、関心のあるのは、常温核融合の可能性とか、生命火星由来説とか、モラルライセンス、イスラム医学などちょっと尖ったトピックです(^^) おいおい調べてまとめてみたいと思っています。

まあ、あまり無理せず、ボチボチと更新していきます。よろしくお願いします。

以上