LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

話題のショート動画アプリTikTokをご存知ですか?

1. はじめに
 昨日は、土曜日だったけど、久しぶりに小学校の生徒さんと保護者さん向けの講演を行なってきた。ゴルフと同じで2月に1回だとレベルが低下する。月に1回で現状維持。月に2回すると少し上達する気がする。

2. 子供達の年代別利用状況
2.1 なんと1歳児の74%がスマホを利用

子供がスマートフォンを使って何をしているか。最も多いのはやはりYouTubeだ。ゲームも勿論よく使われているが、YouTubeの場合には園児でも使える。下のグラフは0歳児から7歳児(以上)まででスマートフォンを使ったことがあるかどうかを調べたものだ。2年ほど前の調査では、「2歳児の半分がスマホを自分で操作する」というのがショッキングだったが、今回の調査では、さすがに0歳児の利用比率は24%だが、1歳児ではなんと74%がスマホを使ったことがあるという。
f:id:hiroshi-kizaki:20181028154531p:plain
 出典:1歳児の74%がスマホを利用 「YouTube繰り返し見ている」 | HuffPost Japan

2.2 スマホ育児
お茶ノ水大学の坂元章教授らの調査によると、総務省の調査よりも平均20%程度高い利用状況の実態が浮かび上がってきた。これによると0歳児の情報機器端末の利用は約22%、1歳児で約42%だった。今時の小学生一年生は6割から7割の児童が情報機器端末に触れている。これは良い面もあり、悪い面もある。
f:id:hiroshi-kizaki:20181028155314p:plain
 出典:スマホに子守をさせる「スマホ育児」が物議、専門家が実態調査 - Engadget 日本版

3. 最も使われているのは動画アプリ
そんな子供達が最も使うのは動画だ。代表アプリはYouTubeだろう。0歳児でも1歳児でもスマホYouTubeを再生する方法をすぐに覚えて楽しんでいる。次に多いのがゲームかと思ったら、動画を投稿するだった。これはちょっとびっくりだ。ゲームをするとか、音楽を聞くもあるが、それよりも動画の視聴や投稿が群を抜いている。
f:id:hiroshi-kizaki:20181028155924p:plain
 出典:スマホに子守をさせる「スマホ育児」が物議、専門家が実態調査 - Engadget 日本版

4. YouTube
動画といえばYouTubeだった。YouTubeは2005年2月に米国PayPalの社員が立ち上げたベンチャービジネスだ。YouTubeGoogle社が2006年10月に16.5億ドルの株式交換で買収した。創業者はわずか2年半で1800億円ほどの価値を得たということだ。すごい。全世界に10億人以上が利用し、76の言語に対応している。英語の字幕の自動生成機能や日本語への翻訳機能を使えば、英語だけでなく多くの言語のニュースや動画を見て、勉強することもできる。すごい世の中になったものだ。

5. TicTok
最近、人気が急上昇しているのがTikTokだ。中国のメディア企業Bytedanceが開発した。Bytedanceの代表商品は「今日头条(Jinri Toutiao)」という見出しサービスだ。2016年9月にTicTokを開発してサービスを提供し、まずはインドネシアで市場が拡大した。また、2017年11月には短編動画共有サイト「Musical.ly」を買収して、2018年8月にはTicTokとMusical.lyを統合した。日本でも2017年頃から女子中高生を中心に普及している。2018年7月時点で世界のアクティブ利用者は5億人を超えている。

6. 小学生の約7割はTicTokを利用
小学生にもTicTokの利用は普及している。学校からも子供が無防備にTicTokを利用したり、投稿したりして困るという声をよく聞く。せっかくの機会なので、六年生の子供達に聞いてみた。YouTubeはざっくり9割ぐらいが手をあげて、TicTokは7割ぐらいが使っているよと手を上げてくれた。さすがにTicTokに投稿したことがある人とは聞けなかったけど、1−2割はいるかもしれない。

7. 口パク動画
SNSは立ち上げ期にはいわゆるセクシャル系のコンテンツを伴うことが多い。実際YouTubeは最初は結構ドキッとする動画あった。詳しい説明は省略するがTumblrはいまだにドキッとする動画が多い。しかし、TicTokは「可愛い系の動画」だ。下はそのTicTokのランキングだ。たわいも無い「全力xx」とか、いろんなシチュエーションを想定して「だめ」を言ったり、変顔したり、ダンスしたり。ただ、凄いと思うのは、どうも利用者の嗜好を意識して短編動画を提供している節がある点だ。例えば、水着系とかスタイルの良い娘の動画にいいねと押すと、そのようなジャンルの動画を見る比率が増えたような気がする(笑)。また、利用者には基本的に選択権はなく、単に画面を下から上にスクロールするだけだ。このため、せっかく作成してアップした動画がスルーされないような工夫とテクニックが投稿者には求められる。
f:id:hiroshi-kizaki:20181028162358p:plain
 出典:TikTok ランキング

8. 言語フリー
口パク動画なので、用意された音楽や台詞に合わせる。投稿者はちょっとした女優気分を味わえるのかもしれない。生声の短編動画もあるが、基本は口パクなので、日本人だけでなく、外人でも同じようにダンスしたり、変顔したりすれば楽しめる。翻訳すら必要ない言語フリーが特徴かもしれない。

9. TicTokの利用規約
TicTokにも利用規約はあり、まあ一般的なことが色々と書かれている。注意すべきは、次の表現ではないだろうか。
お客様は、当社に対し、お客様のユーザ名、写真、声、および似顔絵を、お客様のユーザ・コンテンツの提供元としてお客様を特定するために、無償で使用する権利を許諾します。
現在、顔認証技術は進化しているが、問題は正面なら認証率は高いが、斜めとか横を向くと認証率が低下する。このため、同一人物の顔で正面を向いたものや斜めを向いたもの、横を向いたもの、さらにいえば怒った顔や笑った顔や澄ました顔のサンプルが欲しい。このTicTokを用いれば、5億人の人間の顔情報を入手することができる。これをAIで機械学習すれば、顔認証の技術は格段に高まるだろう。TicTokの目的がそこにあるのかどうかは不明だが、そこまで考えていると考えるべきだろう。もしくは、顔情報DBとして、メーカーに提供すればその価値は高い。

10.まとめ
SNSの世界では新しいサービスがどんどん登場している。ただ、YouTubeもLINEも今回取り上げたTicTokもメードインジャパンではない。心配なのは、やはり利用者の個人情報が海外に吸い上げられて悪用される可能性のリスクだ。日本企業なら安心かといえば、悪用する企業もあるかもしれないが、日本企業なら日本の法律によって厳しく規制される。しかし、海外の企業の場合に、そのデータの収集や管理をするサイトが日本にあれば日本の法律によって規制されるかもしれないが、もし、そのデータが海外にあると制御できるのだろうか。さらに利用規約の中でお客様を特定する情報を無償で利用する権利を許諾させられている点が心配だ。

以上