LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

小池知事による豊洲問題への対処方針の発表

 本日、豊洲問題について小池知事から対処方針の発表がなされた。都議会選挙までの日程を考えると計算し尽くされたタイミングだと感じた。

 

 その内容は、短期的には豊洲市場に移転するが、中期的には築地市場を取り崩してオリンピックの開催期間はデポとしても活用する。さらに長期的には築地市場を食のテーマパークとして再開発して築地市場の国際的なブランド力を生かす。築地市場浜離宮の連携を図る。豊洲は冷凍機能を有する物流センター機能として活用するという。

 

 つまり、両方使うという内容だった。落とし所としては、よく考えられたところだったのではと思うけど、当初案との最大の違いは築地市場を売却してキャッシュを回収するのか、運用してキャッシュを稼ぐのかという点だ。豊洲も築地も安全を確保するから信じてねというのに都民が納得するのかどうか。

 

 小池知事は、何度も築地のブランド力について何度も言及していましたが、これには当ブログでも5月16日にコメントしたように、シャネル日本法人社長のリシャール・コラスし氏の意見にかなり感化されたように感じた。
 参考:http://toyokeizai.net/articles/-/171868

 

 個人的には、豊洲には市場機能を移した上で、物流機能を強化する。築地市場は第三者に売却するのではなく、食のテーマパークとして、築地市場のブランドを維持強化するという今回の案には基本的に賛成です。

 

しかし、検討すべき課題も多い。例えば、次のようなものだ。

1) 築地市場
 ・再開発プランの明確化:青写真、収支、税金投入

2) 豊洲市場
 ・物流機能の強化を含めた拡充プランの明確化:青写真、収支、追加投資計画

 

 豊洲市場には、市場としての機能を一端移行した上で、冷凍物流機能を強化するという方針であり、築地市場を再開発した後も、豊洲市場に市場としての機能を残すということだった。記者も質問していたが、そうすると、最終的に築地市場豊洲市場をどのように使い分けるのかが問題だろう。冷凍保存のニーズは今後とも増大するので、コールドチェーンとしての物流機能を豊洲が担うことと理解する。

 

 築地市場の国際的なブランドを活用するために、食のテーマパークを構築して、キャッシュフローを稼げるようにするという目論見が実現できるかどうか。築地市場が一旦なくなって、再開発後に取り戻せるものだろうか。

 

いずれにせよ、いつまでの豊洲市場への移転を反対していると都民の気持ちが離れてしまうという政治家としての嗅覚が発揮されたのかもしれない。個人的には悪くない判断だったと思うけど、これが吉と出るか凶と出るかは都議会選挙の結果で判断することになる。