LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

NHKの連続朝ドラマは、プレゼンの教訓にもなるし、よく編集されていると感心する。

ひよっこ
2017年4月から始まったNHKの朝ドラ「ひよっこ」を見ていると、恥ずかしながら、つい感激して、涙したりすることがある。なぜ、こんなに感激するのかと思案してみた。

 

ノスタルジー
有村架純演じる「ひよっこ」はいわゆる団塊の世代である。自分自身は団塊の世代の少し後だが、時代設定はやはり懐かしさ満載だ。また、舞台となっている奥茨城というか、高萩は社会人になって初めての研修を受けた場所なので、やはり懐かしさ満載だ。

 

15分の制約
15分の番組の中で複数の山と谷の場面を作っている。また、週単位でサブテーマを設定していて、それを26週間で全編となる。随所に笑いと、悲しみと、切なさと、愛情を感じるようにうまく演出している。話題が飛んでいるようで、ちゃんと布石となって、つながっているように計算されている。すごいと思う。

 

女優さんの演技力
主演女優以外の女優さんもそれぞれ良い味を出していて、それぞれのキャラクターを演じているが、やはり有村架純はすごい。特に、いわゆる女子高生を演じている時に、ほっぺがパンパンで、あれ〜!有村ってこんなに顔丸かったかなあと思ったら、これも役作りだと知った。20代の役所では、10代の役所の時から5kgは減量したと聞きた。ひよっこは、子役を使わずに、主人公の「みねこ」を有村が一人で演じきる。これらか年を重ねた役所になった時にどんな味を見せてくれるのか本当に楽しみだ。

 

プレゼンへの教訓
1) 全体の構成シナリオから部分の構成シナリオにブレイクダウンする。
 受講生は全体の流れを理解できる。
2) 要所要所でまとめを入れる。そうすると受講生の頭が整理できる。
 特に重要なことを繰り返す。
3) 感情の起伏を演出する。怖い話の前に優しい話。悲しい話の前に楽しい話を
 挿入することで、伝えたい内容の印象がさらに高まる。
4) 本当に伝えたい所は、徹底的に熱く語る。論理だけでなく、熱意を込めることで
 受講生は感情と論理の両面から感化される。

手形の電子化が遅れていたとは盲点だった

本日の日経新聞(14面)で麗沢大学の中島真志教授が私見宅見に「手形交換の電子化 急務」という記事を投稿されていた。

 

日本は手形電子化に遅れている?
内容的には、日本では手形の電子化が遅れている。海外では1990年代以降にドイツ、フランスで、2000年代以降香港、シンガポール、中国、インド等でも導入されている。日本でも、2000年代に導入を検討されたが、不良債権問題が持ち上がった余波で先送りされたとあった。

 

ただ、この内容では納得できないので、中島真志教授のHP(http://nakajipark.com)を拝見すると、そうではなかった。つまり、手形の電子化の検討が始まった時に、電子記録債券のプロジェクトが立ち上がり、こちらを優先して、手形の電子化が先送りされたということだ。

 

手形電子化と電子記録債券は別物?
電子記録債券は、2008年12月に電子記録債券法が施行され、2009年6月にJEMCO(日本電子債券機構)が設立して、2009年8月から電子記録債券としての電子決済サービスがスタートした。2011年9月には利用契約者が1万社を突破し、2014年5月には流通残高1兆5千億円を突破と一見順調に見える。問題は、現行の手形交換のリプレースではなかったということだ。手形交換枚数は1995年の3億枚から2016年には5900万枚まで減少したが、その後の減少傾向が加速していないことだ。

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つまり、電子債券サービスを提供したから、現行の手形は徐々に無くなるだろうという読みが外れているというのが問題だという。そして、中島教授によると現行の手形の運用に年間50億円の費用がかかっているという。

 

今後の方向性
多分、方法は2つあるのだと思う。つまり、現行の電子債券サービスを拡充して、現行の手形を廃止する期日を決めること。もしくは、現行の手形をリプレースする仕組みを新たに立ち上げて、やはり現行の手形を廃止する記事を決めること。

 

サービスの立ち上げよりも、サービスの廃止の方が難しい。廃止期日を決めれば終わりではない。やはり経過措置や段階的な縮小プランが必要となるだろう。

 

日経新聞の記事では、字数の関係もあり、そのような本当の背景や、本当の課題を示していないが、業界紙(2017年3月27日の金融財政事情)には詳しく書かれている。やはりメディアに書かれていることをそのまま鵜呑みにするのは危険であり、自分の頭で考えて、自分が納得できるまで、自分の目と手で調べることが大切な気がする。

 

手形の交換所の廃止となると、長い歴史を持つ事業だけに、多くの抵抗があるのだろうし、利害関係の調整も難しいだろう。でも、現在の銀行業も、将来は電子マネーや仮想通貨に駆逐される可能性があるので、他山の石ではない関係者も多いだろう。全国各地の銀行協会が運営する手形交換所は、2017年1月1日現在で184ケ所あると言う。
(出典:https://www.zenginkyo.or.jp/abstract/efforts/system/tegata/

 

チェックトランケーション
全銀行によるとチェックトランケーションに対応するように手形・小切手の記載事項やMICR印字の内容の見直しをすれば合理化が可能という。
(出典:https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/abstract/efforts/system/koukangourika.pdf

でも、現行の手形を変更するということは、古いフォーマットの手形には対応しないということなので、移行措置がまた必要になる。なお、チェックトランケーションとは、クレジットカードナビゲーションによると、次のように説明されていた。
(出典:http://creditcard-navigate.com/bank/20150202-4/

小切手は、その性質からどうしてもお金に換えるには手間がかかるということがあります。その処理を迅速に進めるために導入されたのがチェックトランケーションであり、これはデジタル画像の小切手管理システムのことです。 手形交換を電子化して、手形と小切手の現物交換の手間を省くことができ、このシステムを使用するには電子手形交換所を設置する必要はあります。実際には銀行から取引明細書を受け取る際には、使用済小切手の代わりにデジタル画像の小切手を送り、その画像には法的に有効な写しという旨が記載されており、法的に問題なく使用できることがはっきりと明記されているのです。また、銀行ではデジタル画像の小切手を補完する場合には、ほとんどの場所では現物を破棄することが多いでしょう。チェックトランケーションを導入するメリットとして、事務負担や決済リスクの管理や顧客サービスの向上、現物が損失する危険性を回避したりでき、また交換作業も省けますので、コスト削減にも繋がります。日本でも導入が検討されましたが、費用効果や小切手自体が国内で流通量が少ないなどの面から検討は凍結されている状態ですが、アメリカでは一番流通量が多く導入済であり、その他の世界中でもすでに導入されており、日本でも取り入れれば国際的な金銭を手軽に使えるようになり、国益にもかなう事です。ただし、すでに全銀協が一度検討をやめているので、導入される見込みは少ないのが現状でしょう。

結論
つまり、現在、手形を運用している全銀協が電子化する意思があるのかどうか。中島教授の不満はその辺りにありそうな。全銀協がやらないなら他の機関にさせるような代案を出せば、全銀行は頑張って真剣に検討するのではないだろうか(笑)

 

築地市場を豊洲に移転する文化的な側面

築地市場豊洲移転問題を論じる場合に、安心・安全というキーワードで議論が進んできた。

 

これは必要な議論だし、食の安全を担保するという意味では重要だ。

 

飲料対象外の地下水が基準を超えていても安全面では問題ないが、それだけでは安心できないという心情的な議論に移っていた。

 

しかし、日本在住40年以上のリシャールコラス氏(シャネル日本法人社長)のコメントは、日本人以上に日本の文化保存を訴えている。日本人として、日本の文化に対する思いが足らなかったと恥ずかしく感じた。

 参考:http://toyokeizai.net/articles/-/171868

 

自然の保護問題の難しさは因果関係の複雑さによる。例えば、治水の観点からダムを建設した。その結果、下流の水量が減少し、上流からの砂が下流に流れなくなり、下流の生態系が破壊されたり、海岸線が縮小したり、想像もしない影響が後から発生し、それに気づいたときにはもう新たな生態系が生成されていて、元には戻せない。そんな状況で元に戻すこともできず、かといって放置もできず解決策がないという非常に困難な課題に昇華してしまう。

 

今回の築地市場の問題も、築地市場が古くなり、衛生上の問題があるから、豊洲に移転して、築地市場の跡地は銀座にも近いから再開発しよう。どのように再開発するのかは存じないが、条件が合えばカジノでも誘致して一大レジャーランドにでもしようと考えている輩がいるのではないかと想像してしまう。

 

そうではなくて、築地市場を移転することは、江戸時代から流れる文化をここで断ち切ることになるという側面をもう一度考える必要があるのかもしれない。

 

日本の人口は50年後には8800万人まで減少するという予想もある。どこで底打つのかは分からないが、人口が縮退した時に、日本が海外に誇れる文化を後世に残すというのは現在を生きる我々の使命かもしれない。

 

東京駅の再開発の時に、文化遺産の価値のある部分を残したように、築地市場文化遺産の価値のある部分は残しつつ、近代的な設備を導入するような再開発を行い、それが完成するまでの間は豊洲に移転するといった方法もあるのではないだろうか。

 

難しい問題だが、単に食の問題ではなく、日本人、日本のレゾンデートルを問われている問題なのかもしれない。

 

 

「STOPit」は、日本においても「いじめ」撲滅の救世主となるか?

STOPitをご存知でしょうか?

 

STOPit(http://www.stopit.jp)は、子供達がいじめにより被害を受けていることをなんとか救済しようと、Todd Schobel(https://twitter.com/toddschobel)が立ち上げたサービスです。

 

すでに、世界6ヵ国で約6,000校・266万人に活用されているという。

 

2016年6月20日のプレスによれば、国内の利用第1号は、学校法人羽衣学園中学校(大阪府高石市)だ。同校では、次のようなサーシャルメディアガイドラインを定めている。利用のガイドラインを示す一方で、校内の連絡にLINEを取り込むなどの先進的な姿勢も示している。同校のHPを見る限りはSTOPitの文字はないため、どんな利用状況なのか機会があればインタービューしていたい(http://www.hagoromogakuen.ed.jp/pdf/20151019-1.pdf)

 

2017年1月30日のプレスによれば、国内の小学校での導入第1号校は、私立帝塚山小学校(奈良県奈良市)だ。「STOPit」利用対象は、3~6年生という。同校のHPを見ると、STOPitを「学校やSNSで友だちとのトラブルに悩んでいる子どもの声をいち早く学校が把握し、早期解決を実現して安心した学校生活を送るためのシステムです。」と説明していた。導入したばかりなので、今後の動向が気になるところだ。
 (http://www.tezukayama-e.ed.jp/security_safety/security.html

 

STOPitの日本法人を確認してみると、NPO法人とかではなく、株式会社となっていた。代表の経歴を拝見すると千葉大学の卒業生だった。

今回、このSTOPitを知ったきっかけは、千葉大学の藤川教授がFacebookに投稿されていた朝日新聞の記事だったので、なんとなく納得してしまった(笑)
 (http://www.asahi.com/articles/ASK524GQZK52UDCB00J.html

 

フレネルゾーンをご存知でしょうか?

プラチナバン

携帯電話は、現在ではほぼどこでも使えるようになった。でも、エリア拡張時にはA社はプラチナバンドを使っているから有利だけど、S社は繋がりにくい2GHzを使っているからエリアが広がらないと言った説明を聞いたものだ。このプラチナバンドとはいわゆる800MHz帯の周波数領域のことだ。

 

なぜエリアが広がらないのか?

周波数が異なると次の2つの要因からエリアの広がりに差異が生じる。
1)電波伝搬損失の違い
2)回りこみの違い(フレネルゾーン)

 

電波伝搬損失とは?

いきなり漢字6文字で難しそう(笑)。実は、電波が空中を伝搬するときには減衰するが、その減衰レベルを電波伝搬損失といい、その減衰量は距離の二乗に比例して増大し、周波数の二乗に比例して増大する。したがって、同じ減衰量だとすると、到達可能な距離は周波数が高いほど短いことになる。2GHzは800MHzに比べて周波数が2.5倍高いので、同じ減衰量で到達する距離は2.5分の1となる。例えば、800MHzなら半径1kmのエリアをカバーできたのに、2GHzなら半径400mの狭いエリアしかカバーできないというのはこのためだ。

 

フレネルゾーンとは?

電波は、周波数が高くなると減衰量が増えるだけではなく、回りこみもしなくなるという。これを数式で説明したものがフレネルゾーンである。送信アンテナから放射された電波は、受信アンテナに向かってラグビーボールのような楕円球を形成して伝搬される。そして、アンテナ1からの距離がd1、アンテナ2からの距離がd2のポイントの半径を第一フレネルゾーン半径と呼んでいて、下の図の中の数式により計算される。ここで注意するべきは、半径は波長のルートに比例するということ。つまり、800MHzの電波の波長は、2GHzの電波の波長より2.5倍長いので、フレネルゾーン半径は1.58倍長いということ。

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(出典:http://www.netone.co.jp/report/column/20160819.html

 

このため、800MHzであれば、1.58倍の半径のゾーンを使うので、その中で多少の障害物があっても、残りのゾーンから電波が伝搬される。半径で1.58倍なので、面積では2.5倍と成る。例えば、オフィスでは窓から電波が飛来することが多い。2GHzだと少しでも基地局とずれると電波が減衰するが、800MHzなら多少かかっていても大丈夫ということになる。

 

こんなことを考えながら携帯やスマホを使っていると、あなたも電波が見えるようになるかもしれない(笑)

壁に耳あり障子に目あり

IoTが実現し、あらゆるものがインターネットに接続された状態というのは、プライバシーは確保されているのだろうか?

 

「壁に耳あり障子に目あり」とは古くからのことわざだ。英語では、「walls have ears; sliding doors have eyes」という。(出典:http://ejje.weblio.jp/content/障子に目あり)。

 

昔の長屋では、薄い間仕切りが壁だったので隣の声はよく聞こえたのだろう。また、ふすまを張った障子は濡れた指で突っつくとすぐに穴が空いたので覗き見が簡単だったからだろう。

 

アメリカはプライバシーを重んずるので、どのように対策しているかを調べてみると、米連邦取引委員会(FTC)が担当していた。FTCは、インターネット上のプライバシーを保護するため、PrivacyConというイベントを2016年に開催していて、本年1月17日に2回目を開催した。

 (出典:http://www.nikkei.com/article/DGXKZO13118850Q7A220C1X12000/

 

ここでの議論は、上記のURLからも確認できる。この中で注目したのはスマートホームでのセキュリティ担保だ。詳しくは次の論文(英語)によくまとまっている。この中でプライバシーを守るのに暗号化は必須だがそれだけでは十分ではないと結論付けしている(参考:http://datworkshop.org/papers/dat16-final37.pdf)。

 

この論文の中ではいろいろなデバイストラヒックをモニターした結果を分析している。特に、眠りのモニター信号をモニターすれば、その人が寝ているのかどうか、その眠りが深いのかどうかまで分かってしまう。

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今後、ネットに接続する機器が家庭内でもどんどん増えていくだろう。究極はこの論文でも書かれているようなスマートホームかもしれない。でも、その時にどのようにプライバシーを担保するかは考えるべき課題だ。悪意を持ってモニターする人の行為からいかに身を守るかもそうだし、それらのデータを蓄積・保有するプロバイダーがそれら情報を活用する時に、個人情報が含まれないようにするべきだ。

 

しかし、匿名加工情報の議論でもあったが、セキュリティを担保する技術と、それを破ろうとする技術はイタチごっこになりがちだ。お互い切磋琢磨するのはいいことかもしれないが、その経過で被害者にならないように慎重な利用が求められる。

 

参考1)https://www.ftc.gov/system/files/attachments/privacycon-2017-panel/2017privacycon-opening-panel1.pdf

参考2)https://www.ftc.gov/system/files/attachments/privacycon-2017-panel/2017privacycon-panel5-wrap_up.pdf

第25回みえテクノロジーカフェでの講演サマリー

2017年2月5日に日本技術士会中部本部三重支部が主催するみえテクノロジーカフェで講演をさせてもらった。内容は、自分の専門である携帯電話に関する話を中心に、スマホとかSNSとか、IoTとか、シェアリングエコノミーとか、参加者が興味を持ってそうな話題を集めてお話をした。

 

誰かにお話をしようとすると、その倍以上の情報量がないと説得力を持った説明はできないので、必然的に必死に調べる。でも、調べたことをそのまま話をしても解りにくいので、内容を熟成させる必要がある。

 

私の場合は、伝えたい内容が決まればまず目次を作成する。そして、その目次に沿って情報を収集してスライド群を作成する。今回は、Kindle Unlimitedでかなりの図書を流し読みした。でも、図書では最新情報が少ない(というか、図書になった段階で最新情報ではない)ので、ネットから最新情報を収集する。

 

ネットでの情報収集の基本は、私の場合はWikiです。Wikiで骨格を理解して、その上で、Wikiの参考文献で引用されている資料やHPを紐解いて、二次データではなく、元データを確認するようにしている。引用論文やHPを読むと啓発されることが多い。

 

いくら調べても、自分の能力と人脈の範囲では限界があるので、暫定版のスライド群をとりあえず是として、目次を微調整する。そして、これ以上変更すると本来の主旨から外れるものは、再度調べたり、分析したりする。

 

スライド群で大切な事は、論理である。一つ一つのスライドの内容のブラッシュアップはもちろん大事だけど、それぞれのスライドのつながりに不自然さはないか、論理の飛躍がないかを何度も精査する。そして、冗長なスライドは非表示にして、割愛する。

 

イメージ的には、60枚のスライド群を作る時は、一旦80枚〜100枚のスライドを作成して、それを60枚に絞り込む感じです。こうすることで、細マッチョのように、余分なぜい肉をそぎ取り、でも必要な筋肉(内容)を強化する。

 

 

まあ、そんなお題目はどうでもいいですね。日本技術士会からサマリーをA4(1枚)にまとめて欲しいと要請を受けたので、次の資料を作成してみた。

 

技術士はアウトプットの機会が多い。自分にとっては勉強になったが参加者の皆様にも貢献できただろうか。まだまだ課題は多い。。

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