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労働安全衛生法:難問解読No.4(平成26年第13問)

はじめに
難問解読のNo.4だ。これは第13問で、計画届けとか、報告書等に関する問題だ。少し紐解いて行きたい。

平成26年第13問】
1. 設問の問

計画届、報告書等に関する次の記述のうち、労働安全衛生法令上、誤っているものはどれか。

2. 設問の回答と関連法規
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3. 解説
上の表の黄色でマーカーしたものが、誤っている。確かにそれ以外は正しい記述だ。では、どこが間違っているのか。労働安全規則565条では、施行令6条15の作業については、作業主任者技能講習を修了した者のうちから作業主任者を選ぶとある。従って、高さ10mが正しいかどうかだろう。では、施行令ではどのように規制しているかというと、次の関係法令に示すように、「5m以上の構造の足場の組み立て、解体、または変更の作業」としている。従って、この部分が誤りとなる。しかし、法律でもなく、規則でもなく、施行令に記載した内容まで全て覚える必要があるとしたら、結構辛い。

4. 参考事項
4.1 関係法令

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4.2 作業主任者
作業主任者とは、労働安全衛生法とその関連法令により定められた労働災害防止のための制度だ。作業主任者となるための技能講習を修了した者や免許を受けた者をさす。もしくは、その資格そのものを指すこともある。Wikiでは次のように記載されている。
事業者は、高圧室内作業その他の労働災害を防止するための管理を必要とするもので政令で定めるものについて、作業主任者を選任しなければならない(第14条)。作業主任者は、作業に従事する労働者の指揮のほか、機械・安全装置の点検、器具・工具等の使用状況の監視等の職務を行う。「労働災害を防止するための管理を必要とするもので政令で定めるもの」は、施行令第6条1~23号に列記されている。
事業者は、作業主任者を選任したときは、当該作業主任者の氏名及びその者に行わせる事項を作業場の見やすい箇所に掲示する等して、関係労働者に周知させなければならない(規則第18条)。作業を同一の場所で行なう場合において、当該作業に係る作業主任者を2人以上選任したときは、それぞれの作業主任者の職務の分担を定めなければならない(規則第17条)。労働安全衛生法に定める他の安全衛生管理体制とは異なり、14日以内の選任義務や、所轄労働基準監督署長への報告書提出義務はない。
事業者から作業主任者に選任されるためには、当該業務に関連する定められた都道府県労働局長の免許を所持するか、又は都道府県労働局長等が行う技能講習を修了していなければならない。作業主任者の資格が免許によるものか技能講習によるものかは、労働安全衛生規則別表第一の区分に従う(規則第16条)。
作業主任者を選任しない事業者(法人、個人事業者、法人の代表者又は法人若しくは個人事業者の代理人、使用人その他の従業者)は、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる(第119条)。

5. まとめ
作業主任者は、現場での安全を守る最前線の要だ。法令では色々列挙しているが、特に重要なのは次の12の作業主任者だ。非常によく整理されている。
1) つり足場、張り出しまたは高さが5m以上の構造の足場の組立て、解体又は構造の作業
2) 型枠支保工の組立て又は解体の作業
3) 掘削面の高さが2m以上の地山の掘削作業
4) 土止め支保工の切りばり又は腹おこしの取付け又は取りはずしの作業
5) 上部構造の高さが5m以上又は支間が30m以上の鋼橋の架設、解体又は変更の作業
6) 上部構造の高さが5m以上又は支間が30m以上のコンクリート橋の架設又は変更の作業
7) 建築物の骨組み等で金属製の部材により構成されているもの(高さが5m以上)の組立て、解体又は変更の作業
8) 軒の高さが5m以上の木造建築物の構造部材の組立て、屋根下地、外壁下地の取付け作業
9) 高さが5m以上のコンクリート造の工作物の解体又は破壊の作業
10) 水道等の掘削、ずり積み、ずい道支保工の組立て、ロックボルトの取付け又はコンクリート等の吹付け作業
11) ずい道等の型枠支保工の組立て、移動、解体、コンクリート打設等の作業
12) 第一種、又は第二種酸素欠乏危険場所での作業
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 出典:作業主任者の配置が必要な作業|建災防 山梨県支部

まとめ
数字を覚える必要がある。3)の地山の掘削のみ2m以上だが、それ以外の高さは5mが基準だ。また、支間は30mだ。これぐらいは頭に定着させておこう。
以上