LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

ビジネスリーダ育成ゼミナール#3は森辺講師

はじめに
米倉先生の講座を楽しみにしていたが、今回の授業は「海外進出とオープンチャネルイノベーションの実践」と題して、まさにチャネルイノベーションを実践しているスパイダーイニシアチブの創業者でこの分野の第一人者である森辺一樹さんだった。
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 出典:森辺一樹 プロフィール|講演会・セミナーの講師紹介なら講演依頼.com

今回のテーマ3つ
授業では、簡単な自己紹介の後、今日の授業で学ぶ3つのテーマが示された。最初に全貌を示してもらえると、生徒は理解しやすいので大変助かる。その3つとは、次のテーマだ。
 テーマ1:アジア進出の経営戦略とリーダシップ
 テーマ2:先進グローバル企業から学ぶ3つのKSF
 テーマ3:これからの日本企業の新グローバル戦略

テーマ1:アジア進出の経営戦略とリーダシップ
結論としては、早く挑戦して、小さな失敗を数多くして、そこから教訓を学び、他者に先んじることだ。同じようなことを佐藤智恵さんは「世界のエリートの失敗力」という著書で主張している。つまり、一流のグローバル企業は、数多くの手痛い失敗を経験している人を望んでいる。世界は完璧な人ではなく、転んでもなお立ち上がる人、七転び八起きの精神が大事だということか。
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テーマ2:先進グローバル企業から学ぶ3つのKSF
森辺さんの嘆きは、主になぜ日本企業が輝きを失ったのか。なぜ中韓企業に抜かれたのか。欧米企業から引き離されたのか。これには色々な理由があるが、個人的にはやはり日本企業へのロイヤルティの消失ではないかと思う。どちらが原因でどちらが結果かは不明だが、日本の技術者が海外で高給をもらって、海外企業に自らのノウハウを提供する。日本のため、自社のために働く価値観が崩壊し、自分のために、自分の家族のために働いて何が悪いという価値観になった。その結果、特に大きな罪悪感もなく、重要なノウハウを提供してしまう。もしくは、世の中のためになるならと貴重なノウハウの共有を図る。これが戦略的になされているのなら良いけど、中韓米の強かな戦略の掌のもとで、使われているだけなら悲劇だし、その結果として国力の低下や日本企業の低下が促進されているとしたら悲しいことだ。しかし、悲しんでいるだけでは解決しない。日本と日本企業はその先を目指して頑張るべきだろう。森辺講師からは、3つのKSFは次の点だと説明してもらった。

 KSF1:先駆者メリットを最大化するための早期進出と長期的視点
 KSF2:市場規模を最大化するための明確なターゲティング
 KSF3:パフォーマンスを最大化するチャネル戦略

テーマ3:これからの日本企業の新グローバル戦略
結論としては、マーケティングを重視するには、外部のマーケティング調査会社を活用すべきというものだ。確かに、戦略を立案する時に、自社内だけで閉じていては、なかなか良いものはできない。そして、そのような要請に応えることで日本のマーケティング会社も今後立ち上がっていけるかもしれない。

まとめ
5月18日にクレディセゾンの林野会長にプレゼンをする。その選抜予選が5月11日にある。これの準備のためのグループワークが必要だが、授業の後半の時間をこれに割り当てていただけたのは大変助かる。メンバー5名でそれぞれ意見を出し合い、なんとなく方向性は見えてきた。次回は5月4日に集まり、それぞれが考える「次の一手」とその理由なり根拠を出し合う予定だ。プレゼン時間は15分ほどだ。結論を示して、その理由を示して、具体策を示して、結論を示すというPREP法が良いかもしれない。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ファイナンス#3を受講して

はじめに
今週のトピックは純現在価値に基づきいかに投資判断を行うかだ。つまり、AというプロジェクトとBというプロジェクトがあった時に、どちらに投資するのが正解かという数学的な課題だ。実際の投資案件の場合には、その企業の社長の人となりや、企業文化なども加味して判断するが、ここでは単純に数字のみで判断するとどうかという研究だ。
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 出典:キャッシュ・フロー計算書の構造(1)利益とキャッシュは一致しない | 日経 xTECH(クロステック)

投資判断

投資すべきかどうかを判断する手法には、次のような方法があるという。それぞれに長短がある。

1) NPV(Net Present Value)法
投資が生み出すキャシュフローを現在価値に換算し、初期投資額を減算して、その結果としてのNPVが正なら投資するし、負ならば投資しないという単純な方法だ。

2) 回収期間法
NPV法では投資した方が良いことは判断できるが、具体的に評価の判断の指標が欲しい。その簡便な方法が投資回収期間を計算する方法だ。例えば1億円を投資したものが何年で回収できるかで判断するものだ。当然短期間で回収できる方が良い。一定期間で投資額を回収できるプロジェクトが優先され、短期の投資になりやすい。また、回収期間の後のキャッシュフロー等が考慮されないのが課題だという。

3) 内部収益率(IRR)法
欧米企業のCFOがもっとも活用している手法がIRR法だ。これは、内部収益率がゼロになる割引率を計算する方法だ。この割引率が高いほど投資効果が高い。これの欠点は計算が難解なことだ。講師の松田さんが新米の頃には、単純な計算でも計算機で数分以上かかったという。現在ならほぼリアルタイムで計算が可能だ。これは、ニュートン法で計算しているからだという。
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 出典:1 lecture fin559_2010

4) 収益性インデックス(PI)法
資源制約条件のある中で複数の投資案件を選択する時に最適な方法だ。「PI=NPV/投資額」で計算される。投資額の大きさとNPVの大小を整理し、投資可能な投資額をどこのどのように配分するかが最適化を計算する高度な手法だ。
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 出典:1 lecture fin559_2010

純現在価値ルール
純現在価値を適用する場合には、いくつかのルールがあるという。ざっと振り返ってみよう。

ルール1:キャッシュフローのみが重要。
 ・資本支出は拠出のたびに記録する。
 ・利益に減価償却費を加え戻し、資本支出を減額する。
 ・運転資本は、流動資産と流動負債の差額を計算する。

ルール2:キャッシュフローを増減ベースで推計する。
 ・税金、残存価格、偶発費用、機会費用を考慮する。
 ・平均ではなく、増減でみる。
 ・埋没コストは忘れる。
 ・配賦人件費に注意。人件費は直接関連つけられるコストのみをベースにする。

ルール3:インフレーションに整合性を持たせる。 
 ・名目値のキャッシュフロー名目金利で割り引く。
 ・実質のキャッシュフローは実質金利で割り引く。
 
ルール4:投資判断と資金調達判断を切り離す
    
投資タイミング
難しいのは投資タイミングだろう。やるかやらないかではなく、いつやるか。「今でしょう?」とは限らない。すでに投資した機械で資本回収できている場合に、どのタイミングでリプレイスするか。早すぎてもダメ出し、遅くてもダメだ。それを計算するのが、EACEAAなどの等価年間キャッシュフローだ。
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 出典:1 lecture fin559_2010

宿題
連休があるので、どの教科も宿題がたっぷりだ。これは困った。ファイナンスの宿題も課題設定が2枚と数値が2枚、問題が1枚だ。1日ぐらいは費やしないと厳しいかもしれない。

まとめ
だんだんと難解になってきた。授業では、演習などをしながら生徒の理解を深めるようにしてくれているが、時々先生が「あれ?違う!」とか言いながら再計算をしているのがおかしい。概念は理解できるけど、使いこなすのはなかなか大変だ。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

リスクマネジメント#3を受講して

はじめに
リスクとは何か。どう対処するか。現代はリスクに囲まれて生活している。あまりマイナスなことにばかり神経を使うのは好きではないが、自分を守り、自社を守り、家族を守るには必要なスキルだろうと思う。

CRO
CxOは流行り言葉だ。もっとも有名なのはCEOだろう。アップルのCEOといえば、かつてはスティブジョブズ(1955年2月生)だったし、現在ではティムクック(1960年11月生)だ。次に有名なのはCTOとかCFOとかCOOだろうか。リスクに関していえば、CRO(Chief Risk Officer)だ。
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 出典:Collect ceo cfo cio cto owner president leads by We_expert

CROの資質
CROの任務を担うのは社長であったり、会長であったり、CROであったりする。何れにせよ、法律の知識と財務の知識とリスク管理の知識が必要だ。最初のCROは、中国広州出身の中国人でGEキャピタルのJames Lam(1961年生)で1995年から1998年までCROを務めた。CROは優れた分析スキルに加えて、リーダシップやコミュニケーションスキルを用いて有事の際に組織をリードする資質だ。
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 出典:James Lam & Associates

リスクマネジメント
色々な定義や説明がある。経済産業省では、リスクマネジメントに関して次のような説明をしている。
リスクマネジメントとは、リスクを組織的に管理(マネジメント)し、損失等の回避又は低減を図るプロセスをいい、ここでは企業の価値を維持・増大していくために、企業が経営を行っていく上で障壁となるリスク及びそのリスクが及ぼす影響を正確に把握し、事前に対策を講じることで危機発生を回避するとともに、危機発生時の損失を極小化するための経営管理手法をいう。 出典:4 リスクマネジメントの必要性

リスク算定
重要なリスクなのか、そうでもないリスクなのかを判断するためには、通常は二軸で評価する。つまり、横軸は発生する可能性であり、縦軸はそれが起きた時の影響度だ。その係数は1から5とかが多いが、これは色々だ。
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 出典:リスク評価(Risk Evaluation)|リスク管理Navi [用語集]

リスク算定の事例
(1) 兼松ロジスティクスアンドインシュアランス株式会社の例
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 出典:リスクマネジメント | 兼松ロジスティクス アンド インシュアランス株式会社

(2) 株式会社アイ・エフ・クリエイト
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 出典:総合リスクマネジメント|株式会社アイ・エフ・クリエイト

リスク算定のプロセス
多くの場合には、その会社の役員にアンケートをとったり、社員を含めてアンケートをとって平均したりする。ただ、ここで注意すべきなのは、平均すると、極端な数字ではなく、丸まった数字となることだ。また、役員と社員を同列に判断して良いのかとか、製造系の企業だと工場の社員の比率が高く、工場のウェイトの高い結果になる。このため、次のような対策を講じることが多い。しかし、本当の課題は、
(1) 役員と社員で重みを変える。
(2) 部門別に集計する。必要に応じて、部門毎の数字から全社の数字を作る。
(3) バラツキの具合を加味して、可視化する。

宿題
先週の宿題は論文を読むことだったが、すっかり忘れていた。記憶というよりもメモに残すのを忘れていた。なぜかといえば、授業が終了する5分前にはもうPCを閉じている。先週は時間終了後に宿題の説明があった。もう体力も気合もなくなった状態だった😅 今週もPCを閉じてから宿題の説明があった。何かロジックチャートを示せのような感じだった。すでに記憶が薄まりつつある。しかし、同じミスは許されない。今度はちゃんとやっておこう。

以上

最後まで読んで頂きありがとうございました。

ロジカルシンキング#3を受講して

はじめに
社会人学生ライフも3週目に突入した。四半期ごとに7週で区切りなので、来週で早くも折り返し地点だ。四半期が過ぎて、1年が過ぎて、2年が過ぎてっとあっというまに時間は経過するのだろう。それぞれの区切りで足跡を残していきたいと思う。また、今の所このブログも続いている。しかし、ブログを書く時間を捻出することがだんだん厳しくなってきた。なので、今回からは授業を聴きながらのブログ編集だ。もしかしたら、授業が終わるよりもブログができる方が早いかもしれない。会社で言えば、会議が終わる前に議事録ができているようなものだ(笑)。

海外でビジネスをする場合には
沖縄に赴任した時には、お客様であった米兵からLuckyさんと呼ばれた。実際は、Luckyさんとは言っていなかったけど、日本人にはそう聞こえたので、それをそのままニックネームにした。そして、そのあと香港に赴任した時に、名刺にLuckyと書いておいてと秘書に伝えると、「それだけはダメです」と納得してくれない。半年ほどして、気心が知れるようになってから聞いたら、どうも「Lucky」というのは、日本でいう「ぽち」とか、「たま」とか、ワンちゃんの名前だった(汗)。では、何か良いのを考えてと募集すると、圧倒的多数で「Jacky」だった。LuckyもJackyも対して変わらないと思うけど、香港ヤンにとっては大きな違いだったようだ。

仮説思考
仮説思考の代表は、先週教わったアブダクション(abduction)だ。アブダクションとは、仮説を立てて、それを検証する。結論が出たら、また検証する。仮説を立ててそれを検証するということを愚直に繰り返す。地味だけど、意外と効果的ではないかと思う。これをAIが実戦できるようになると世界がまた変わるような気がする。
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 出典:アブダクションという発想

BMC(Business Model Campus)
ビジネス・モデル・キャンパス(BMC)では、顧客、価値、インフラ、資金の4つの領域に分類する。そして、それぞれの分類をさらに9つの構成ブロックに分類する。それぞれの定義は次の通り。
Ⅰ顧客
 ①顧客セグメント(CS:Customer Segment)、
 ③顧客との関係(CR:Customer Relation)
Ⅱ価値
 ②価値提案(VP:Value Proposition)
 ④チャネル(CH:Channel)
Ⅲインフラ
 ⑥主要なリソース(KR:Key Resource)
 ⑦主要な活動(KA:Key Activity)、
 ⑧主要なパートナー(KP:Key Partner)
Ⅳ資金
 ⑤収益の流れ(RS:Revenue Stream)
 ⑨コスト構造(CS:Cost Structure)
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 出典:ビジネス価値を高める”ビジネス・モデル・キャンパス(BMC)”の実践 - 東商ICTスクエア

フェルミ推定
エンリコ・フェルミ(1901年9月生)はイタリア生まれの物理学者だ。量子力学や核物理学での功績も残しているが、フェルミのパラドクスとか、フェルミ粒子とか、フェルミに由来する用語も多い。その一つがフェルミ推定だ。実際に調査をすることが難しい問題に対して、思いつきの仮説を組み合わせて論理的に推定する考えだ。例えば、シカゴにいるピアノの調律師の数を算定したりする問題は有名だ。
 出典:エンリコ・フェルミ - Wikipedia

市場規模の推定法
ビジネスを起案する時に問われるのは、市場規模の推定だ。一体そのビジネスの市場はどの程度か?人数の推定や、一人当たり利用額から全体の市場規模を推定する。ホワイトカラーの労働生産性見える化したいと思っている人は日本でどの程度いるのだろう。

ゼロベース思考(Zero Based Thinking:ZBT)
CO2の削減とか、自然エネルギーの有効活用の観点からゼロエミッションタウン(ZET)とか、ゼロエミッションハウス(ZEH)という用語が流行っている。思考法の世界では、エミッションではなく、ゼロベース思考が注目されている。これは物事を考える時に、ゼロから考える思考法だ。これによって、最適解が導かれれやすい。
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 出典:ゼロベース思考 その2 | 経営を学ぶ~経営学・MBA・起業~

宿題
あなたのプロジェクトの市場規模を推定せよ。その市場全部を占有できるか。何年かかってその市場を攻略するのか。参入する価値があるかどうかを判断せよ。そんなことを考えろというのが宿題だった。

まとめ
昨日は、同じクラスメートで懇親会を行った。早めに飲める人で飲んで、授業の人は後から合流というパターンだ。結局、20時ごろから23時ごろまで飲んでいた。なので今日は少し眠い。授業中にもウトウトしそうになった。授業がおわる定刻の10分前ぐらいから帰り支度して聞いていたら、先生も気配を察したようだ。今日は、区切りも良いのでこのあたりで終わりにしましょうと早めに授業を終了してくれた。素晴らしい感性だ。感謝します。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ITU-R研究会に参加:5Gなど周波数共用技術の動向

はじめに
5G(第五世代移動通信システム)の課題は色々あるが、やはり最も根本的な課題は周波数バンドの捻出だ。これは5Gのみの問題ではなく、これに続く6Gも7Gも同じ課題に直面する。

プラチナバンド
現在の携帯電話やスマートフォンが主に使っている代表的な周波数バンドの一つで、700MHzから900MHzの帯域を示す。ゴールデンバンドとか、プラチナバンドと呼ばれる。この周波数はアナログテレビで使われていた周波数帯だ。家の壁とか窓とかもある程度は浸透してくれる。携帯電話でも屋外よりも屋内で利用することが多いため、この周波数帯域の取り合いになった。

周波数再編計画
テレビのアナログ放送が2011年7月24日までに終了した。その年の3月11日には東日本大震災が発生したため、一部の地域では例外措置が講じられたが、多くのエリアでは予定通り終了した。そして、これに合わせて携帯電話の利用周波数も大きく再編した。下の図にあるように、細切れの周波数帯域をまとめるのと同時に、上りを低い周波数、下りを高い周波数といわば左側通行の方式に変更した。それまでは日本では右側通行なのに米国等海外では左側通行なので何かと不便だった。iPhoneがグローバル仕様で使えるのもこんな施策が背中を押している。
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 出典:[ 2/3 ] 活発化する電波/周波数の割り当て(4):3G、3.5Gから4Gへ 携帯電話用の周波数再編 | 情報通信(ICT) | スマートグリッドフォーラム

5Gで必要な周波数帯域
この2012年時点では既存事業者の仕様周波数を合計しても88MHzほどだった。しかし、5Gでは新たに1000MHzが用意された。つまり、3.7GHz帯が100MHz幅x5枠、4.5GHz帯が100MHz幅x1枠、そして28GHz帯が400MHz幅×4枠だ。2012年当時の帯域に比べて10倍以上の帯域が割り当てられる。これだけあれば十分かといえば、そうでもない。やはり周波数帯域はもっと必要だ。ではどうするのか。
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 出典:総務省、5G向け周波数の割当方針を策定 - ケータイ Watch

ホワイトスペース問題
携帯電話事業者は割り当てられた周波数帯域の中でなんとかお客様の通信を疎通させようと頑張っている。しかし、一方でテレビ事業者に割り当てられた周波数は必ずしも全て常時使っているわけではない。稼働率は正直低い。このため、テレビ放送用に割り当てられた周波数も、テレビ放送で活用されていない時には使えないかと言うのがホワイトスペースの概念だ。しかし、そのためにテレビの視聴者がテレビを視聴できない事態があっては困るので、これを回避するための措置が色々と研究されている。
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 出典:NICT NEWS

衛星通信設備との干渉
5Gで新規に割り当てられる3.5GHzと重複するのが衛星放送だ。衛星放送ではCバンドと呼ばれる4GHz帯の利用と、Kuバンドと呼ばれる12GHz帯の周波数を主に使う。衛星放送の敵は雨だ。雨が降ると衛星放送の画面にも雨が降ることがある。そしてこの雨の影響を特に受けるのがKuバンドだ。なので、やはりCバンドを使いたい。しかし、このCバンドは5Gで使おうという3.5GHz帯と一部重複する。したがって、やはりここでも衛星放送の視聴者に影響があってはいけないので、干渉を回避する技術が研究されている。
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 出典:携帯3.5GHz波からの干渉のメカニズム - 海外衛星・中国衛星無料受信

静的な割り当てから動的な割り当てへ
テレビ放送や衛星放送は時間とともに利用周波数が変化することはあまりない。しかし、軍事用のレーダーも3.5GHz帯を使っていて、米国での調査では時間平均で約1%だ。ほとんど使っていない。このため、3.5GHzの帯域を有効に活用したいけど、いざという時に軍事レーダが使えないのは困る。そのために静的な割り当てではなく、動的な割り当てをするスキームが検討されている。それがSAS(Spectrum Access Systemの略)だ。
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 出典:Federated Wireless

SASによる動的な周波数割り当て
特に米国ではこのSASによる動的な割り当てスキームの検討が進んでいる。要は、遊んでいる周波数と使いたい周波数のマッチングサービスだ。シェアリングエコノミーと考えればわかりやすいかもしれない。そして、そのプラットフォームビジネスに積極的なのがGoogleだ。一般財団法人マルチメディア振興センターの飯塚留美さんによると、「FCCは2016年12月、SASプロバイダー7社に条件付きで承認した。具体的には、FederatedWireless、Google、Amdocs、CTIA、Comsearch、KeyBridge及びSonyの7社だ。
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 出典:http://www.soumu.go.jp/main_content/000517432.pdf

まとめ
今日のセミナーでは、このSASによる割り当てをブロックチェーン技術で実現することが検討されているという説明があった。特にフランスはイーサリアムを用いた検討に積極的なようだ。欧州ではECとしての方針はなく、国によって全く違う考え方のようだ。米国がSASの活用には積極的だし、ノウハウもしっかり貯めてきている。日本も米国に追随するのだろうか。しかし、その時にはプラットフォームが出来ているのだろうか。Googleは世帯当たり$2.25/月の有料サービスを固定無線サービス向けに提供するという話もある。日本もしっかりと準備をしておかないとちょっと怖い気がする。

以上

今日の内容は少し難解だったでしょうか。最後まで読んでいただきありがとうございました。

クレディセゾンについて

はじめに
クレディセゾンのイメージを聞かれるとどうだろう?おしゃれな感じだろうか。テレビCMもインパクトがある。セゾングループの中でも頑張っている企業という感じがする。

1. クレディセゾンの事業
クレディセゾンのメインの事業は下の図に示すように圧倒的にクレジットサービスの事業が大きい。売上全体の約75%を占めている。それ以外には、リース、ファイナンス、不動産関連、そしてエンタテインメント事業を行っている。しかし、営業利益で見ると、ファイナンスが4割を占めていて、クレジットサービスよりも比率が大きいのが特徴だ。ファイナンスは儲け頭ということだろうか。
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 出典:クレディセゾンの事業まとめ | Stockclip

2. クレディセゾンの強み
調べてみると、いろいろ頑張っていることが分かった。セゾングループの強みと弱みや今後の課題を抽出する必要があるが、その前にまずクレディセゾンの強みというか、すごいなあと感じたことを列挙したい。

2.1お客様に対する対応
クレディセゾンの主たる事業はクレジットカードだが、キャッシングサービスも手がけている。そして、キャッシングサービス業界で激震が走ったのが、2007年7月の貸金業法の改正だ。よく「過払金の請求」というのが話題になるが、これだ。つまり、消費者金融金利に対して2つの法律がある。一つは出資法であり、年29.2%を超える金利での貸付は刑罰で規制されている。もう一つは貸金業法で金額によって上限金利が異なる。10万円未満は年20%、10万円以上100万円未満は年18%、100万円以上は年15%がそれぞれの上限だ。そして、この2つの法律の間をグレーゾーン金利という。これの過払い請求に対する対応が誠実だという。お客様との信頼関係やお客様の利便性を高めることを第一に考えるクレディセゾンならではの強みと言えるのではないだろうか。
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 出典:クレディセゾン(セゾンカード)の過払い金請求と回収率は? - 教えて!過払い金

2.2 社員に対する対応
平成の時代に日本経済が成長したといっても国民にはその実感はない。その原因は非正規社員比率の増加だと考えている。そして、これに対していち早くアクションを起こしたのがクレディセゾンだった。正直びっくりした。同社では2017年9月より、働き方改革として、全ての社員を正社員に任用した。同時に、勤務時間も7.5時間に統一した。年間30時間の勤務時間の削減になるが、給与水準は変更していない。立派だ。同時に、1時間単位での有給休暇の取得や短時間勤務を可能とした。このため社員の満足度は高い。
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 出典:事例32 株式会社クレディセゾン | 多様な人材活用で輝く企業応援サイト

2.3 システムに対する対応
クレディセゾンの林野社長は西武百貨店に勤務していた時に当時の社長の堤清二さんの弱点であるITと金融を徹底的に研究したという。なので、ITには人一倍想いが強い。また、インターネットの波を読み違えたという反省もあり、これから進むブロックチェーンやAIの波を逃さない構えだ。三菱UFJニコスQRコードへの対応を優先するために計画していたシステム開発を中止する。このために三菱UFJファイナンシャルグループは1000億円規模の追加損失を計上するという。セゾンは、IT系の開発はセゾン情報システムズに集約している。さらに、ITベンチャーへの投資も続けている。リターンを期待するのではなく、一緒に一歩を踏み出せるパートナー探しが主目的だ。その中でHULFTは地味だけど、頑張っている。
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 出典:ミドル投資ブログ セゾン情報システムズは成長するのか

2.4 インパクトのある広告宣伝
可愛い女の子が瓦を頭突きで割るコマーシャルがある。合成かと思っていたけど、調べるとマジだった。出演しているのは武田玲奈だ。お父さんが空手道場を経営していて、子供の頃から空手の修行を続けている。今も、仕事のリフレッシュに空手をしている。しかし、その内容が半端ない。お父さんとの実技練習は真剣勝負だ。全く別の路線だが、東池袋52も面白い。クレディセゾンの本社があるサンシャインの住所と階数からのネーミングだ。しかも、このCDは一般には購入できない。クレディセゾンのポイントでのみ買えるというプレミアム戦略だ。秋元康さんに仁義は切っているのだろうか(笑)。
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 出典:https://クレジット・キャッシュカードポイント回覧板.com/post-2577/

2.5 新技術に対する対応
1990年代から始まったのがインターネットの波だとすれば、2010年代から始まったのがブロックチェーンだろう。ブロックチェーンの技術は単にビットコインの基礎技術ではない。あらゆるトランザクションを担うインフラとなりうる。そして、ブロックチェーンにはオープンタイプとクローズドタイプとコンソーシアムタイプがある。そのどれが覇権を制するかは今後の楽しみだが、林野社長はオープンタイプと決めている。オープンタイプは良い点もあるが、マイニングの処理ではCPUの無駄、電力の無駄が発生する。林野社長のポリシーとしてオープンが良いのは賛成だが、オープンタイプと決めつけるのはオープンではない。もっと多様の意見を聞いた上で最適なものを判断すべきだ。
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 出典:コンテンツビジネス|クレディセゾンのビジネス|クレディセゾン 企業・IR情報

2.6 ESGへの対応
昔はCSRと読んでいた活動を最近はESG活動という。環境保全への取り組み(E)と社会への貢献(S)と企業統治(G)だ。これは継続的に実践するのが重要だ。これで良いということはない。問題は、この活動を通じて企業価値を高めることに昇華することだろう。言うは易しだが、実践するしかない。
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 出典:コンテンツビジネス|クレディセゾンのビジネス|クレディセゾン 企業・IR情報

3. クレディセゾンの弱み
正直、ざっとみるだけではクレディセゾンの弱みはここだとは言えなかった。もう少し精緻に財務状況を見たり、他社との比較をする必要があるだろう。ただ、直感的な感想で申し訳ないが、次の点は気になるところだ。

1) 海外戦略
 林野社長は、海外の進出にあたっては、現地密着型で事業化すべきと言う意見だ。日本で成功したものを海外に展開しても成功はしない。それはそうだろう。また、アジアを標的にするのも悪くはない。しかし、やはり世界市場を狙った商品開発をして、これを打って出るべきだろう。

2) アライアンス戦略
 クレディセゾンはVISAともMASTERともAMEXとも提携している。最近はAMEXと提携したSAISON AMERICAN EXPRESS CARDに注力しているようだ。自分も申し込んだ。下の写真のように、パール、ブルー、ゴールド、プラチナの4種類がある。クレディセゾンによる与信が高まればより上位のカードへの招待を受けるようだ。プラチナを持てば海外の空港のVIPルームを利用できる。ほしいなあ。言いたかったのはそこではなく、海外のどこと提携するかだ。デジタルキャッシュの企業との連携を考えているとは思うけど、加速すべきだろう。
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 出典:https://www.saisoncard.co.jp/amex/images/share/amex_ogp.jpg

3) スマホのアプリ
セゾンカードに連動したスマホのアプリがある。スマホの中で利用状況を確認できるのはもう必須だ。しかし、意外とまだ対応していないクレジットカードが多い。クレディセゾンはどんどん進めてほしい。その先にきっと未来の答えがあると思う。
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 出典:セゾンカードのスマートフォンアプリ「セゾンPortal」|クレジットカードは永久不滅ポイントのセゾンカード

4) 後継者の育成
クレディセゾンの平均年齢は2018年3月時点で39歳だ。やはり徐々に平均年齢が上がっている。役員年齢もそうだ。若手や女性役員を抜擢しているが、全て日本人だ。社外取締役はいるのだろうか。やはり、今後、アジアに打って出るのであれば、役員や従業員にもダイバシティを高めるべきだろう。
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 出典:クレディセゾン[8253] - 企業概要 - 基本情報 | Ullet(ユーレット)

まとめ
なかなか企業を評価するのは難しい。しかし、クレディセゾンを調べると、良いところが色々と発見できたのは嬉しい誤算だ。これはやはり林野社長の判断力と実践力の成果かもしれない。しかし、最大の試練は後継者へのバトンタッチだ。カリスマ性の高い社長の次の社長は大変だ。これをどのように乗り越えるのかどうかで今後10年、20年の同社の成長戦略が決まるのではないだろうか。引き続き調べてみたい。

以上

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英語の授業「open innovation」にチャレンジ

はじめに
先週の米倉先生からのお勧めもあり、英語の授業にチャレンジした。勧められると自分の英語能力の低さなど現実的な制約条件を考慮せずに、ステップを踏み出してしまう点が自分の欠点でもあり、特徴でもある。頭の整理のためにもちょっと振り返ってみたい。

ラーダーキリシュナン ナーヤ(Radhakrishnan NAIR)
講師は、P&Gのオープンイノベーションの日本と韓国の責任者だ。Linkedinを見ると、学歴とか職歴が掲載されている。ムンバイのケミカル大学とムンバイ大学(1986)を卒業し、デリーのindia Institute of Techology(1988-1993)を卒業後、東京工業大学(1994-1997)を卒業されているPh.Dだ。現在の勤務はP&G(2000-2019)だ。英語での授業だけど、日本語も上手だ。f:id:hiroshi-kizaki:20190420121820p:plain
 出典:Linkedin

受講生
授業開始の5分前に教室に行ったら、ナーヤさんから英語で挨拶があり、英語で挨拶を返す。受講生は他にいないのかと思ったら、受講生は時間前にも時間後にも集まり、結局日本人が3名、台湾人が3名、コロンビアからの男性が1名、ブルガリアからの女性が1名の計8名。アグレッシブなのはコロンビア人とブルガリア人で台湾人と日本人は大人しい。自分も大人しくしていようと思っていたけど、途中から我慢できずに発言し始めた(笑)。

イノベーションの最大のルールはルールがないこと
例えばiPhoneは毎年新商品が発表される。iPhoneの場合には、事前の噂を超えることが少ないが、それでも「Wow!」という驚きや喜びはある。しかし、新商品を購入して半年も経つと、それが日常になる。それを英語では「Today`s wow is tommorow`s base line」だと表現されていた。イノベーションとは何だという点には次のように説明されていた。「What is innovation is a new margin model, a new experience, a new product, a new distribution channel a new service and a commercial innovation.」同じような説明は米倉先生の説明でもあった。

質問がわからない
講師のナーヤさんはインド人だけど、訛りは少ない方だと思う。比較的聴きやすい英語だ。しかし、それでもやはり聞き取りは厳しい。例えば、「ケスト」はないかと聞くけど、ケストがわからない。でも、何度か聴いていると、文脈的にも「question」だった。何だよという感じだ。

クローズドイノベーションとオープンインオベーション
従来の技術開発は自社内で閉じて行ってきた。技術開発部門や研究所を持つ大企業の戦略はクローズドイノベーションと呼ばれる。しかし、この対極にあるのがオープンイノベーションだ。下の図は、Henry William Chesbrough米国の組織論の学者(1956生)だ。Funnelという言葉で説明されるが、funnelの意味がわからない。調べると漏斗(じょうご)だった。縦ではなく、横に書くのがおしゃれだ。数々の技術開発が進んでも、それがマーケットで展開されるのは千三つだ。しかし、残る997が無駄になったのかといえばそんなことはない。自社のマーケットでは使えなくても、他社のマーケットでは使えるかもしれない。自社では実現できないけどスピンオフして実現するかもしれない。そんな風に会社という枠に制限されるのではなく、広くオープンにイノベーションを実現することの有効性と必要性がオープンイノベーションの本質かもしれない。
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 出典:Best_Practices_in_Open_Innovation(Chesbrough)

最大の抵抗勢力
イノベーションを推進しようとすると、必ず社内では抵抗勢力がいる。これはどうするのか。あれはどうするのか。この問題は看過できないなど、その説得に疲弊しがちだ。そのことを先生に質問すると、「absolutely」と言う回答。そして、イノベーションを推進するには既存の事業が行き詰まって将来展望を描けないような危機的な状況には、イノベーションを進めやすいとも説明してもらえた。生命も種の保存の危機に瀕すると環境変化に適応しようと突然変異が起きたりする。企業の場合も、経営が安定している時にこそ次の事業の柱を育てるイノベーションを実践すべきだが、現実的には危機的な状況に瀕して、このままではダメだと言う危機感を共有できる時こそイノベーションを実践する絶好の機会となるのは、仕方のないことかもしれない。

火事の警報と火事の消火
日常から火事が起きないように、事故が起きないように目を配って安全管理を徹底するべきだ。しかし、そのような活動を頑張ってしてもなかなか評価されない。しかし、実際に火事が起きて、大事件に瀕した時にそれを鮮やかに解決すると、英雄となる。本当は、そんなトラブルシュートの英雄を讃えるのではなく、普段から耳に痛いことを提案する人の声に耳を傾けるべきだが、それが難しいのは洋の東西に関わらず同じようだ。

宿題
どこでも良いのでイノベーションを推進している会社を決めて、その会社の取り組み状況をまとめて、5月18日に発表する。ことになった。この資料は5月16日に提出する。そして、その資料のエッセンスを5月6日までに英語で提出することになった。これはヤバイ。英語ですかと聞くと即答で「YES」だった(汗)。同じように、リスク管理でも会社を特定して、その会社のリスク管理の状況をレポートしろと言う。さらには、ビジネスリーダ育成講座でも宿題をもらっている。この3つの宿題を別々に実施するのは厳しいけど、同じ会社にしたら、調べる手間を少しは効率化できるかもしれない。なんとかうまく対応して乗り切ろう。

まとめ
英語の授業ということでちょっと身構えたけど、授業の開始は遅くて、終わりは早い。しかも、休憩時間は長い。なので、その間にクラスメートと雑談する時間も取れる。最初はナーバスだったけど、なんとかなりそうな感じだ。ただ、発表とか、討議とかに進むと辛い面はあるけど、必要に迫られれば英語力も上がるかもしれない。もう少しこの試練を楽しんでみたい。

以上

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