LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

相関関係と因果関係は違う(笑)

相関関係と因果関係の違い
例えば学力と体力の関係、携帯電話やスマホの利用時間と学力との関係。一方が増加すると他方も増加(もしくは減少)する状態で関係がありそうな状態が相関関係である。一方、因果関係とはAが増加すると、それが原因となってBが増加(もしくは減少)するという関係である。

 

スマホの利用時間が増えると学力が低下
文科省の調査データによるとスマホを30分未満など節度を持って使う生徒の学力は全く使わない子供の学力よりも若干高いという結果が出ている。では、スマホを使えば使うほど学力が上がるのかというと、やはりそんなことはなく、利用時間が1時間増加すると、国語で2点、数学で3点、綺麗に下がっている。やはり節度を持った使い方が重要だ。

f:id:hiroshi-kizaki:20170612104558p:plain

 

スマホの利用時間を短くすると学力は上がるのか?
これを聞いた保護者は、やはり利用時間は制限すべきだ!利用時間を短くすれば学力が上がるんだと理解しがちだ。これは本当だろうか?答えは残念ながらノーだ。スマホの利用時間を短くしても、勉強時間が増えなければ学力が上がるわけがない。
子供自身が勉強する楽しみや学習欲を持つこと、将来の夢を持つこと、なりたい将来像を持ちそれに向かって頑張ること。そう言った動機付けが必要であり、動機付けされた子供たちが意欲を持って勉強することで、結果としてスマホの利用時間が減少するという構図が正しいのではないだろうか。

 

課題解決型と目的志向型
これはリーダシップ論だが、リーダには課題解決型と目的志向型の2つのタイプがあるという(出典:http://www.id.nri.co.jp/concept.html)。前者の課題解決型は問題が解決した時点で思考が停止する。一方、目的思考型はやりたいことがあるので、未来思考で継続的にチャレンジするという。

f:id:hiroshi-kizaki:20170612105349p:plain

 

ルールを決めることは悪ではない
何か問題が起きた時に、その原因を究明して、対策を講じる。例えば、スマホを使ってはいけない。LINEを利用してはいけない。利用時間は1時間までと言ったルールを決める。これは悪ではない。しかし、ルールを決めるとそのルールを守ろうとすると同時に、ルールを守れない行動を隠そうとする。見つからないようにしようとする。もしくはルールを守らないために問題が生じた状態を報告したり、相談することができにくくなる。その結果、問題が潜在化して、複雑になり、より深刻になる。

 

ハインリッヒの法則
重大な問題が発生した場合には、なぜ起きたのか?どうすれば良いのかと対策を練ってルールを決める。でも、ハインリッヒの法則によれば、重大な事故が起きる場合には、軽微な事故が29件発生している。さらには300件のヒヤリハットが起きている。問題は、重大な事故が発生したことではなく、軽微な事故や、ヒヤリハットに対して適切な対策を講じなかったこと。さらに言えば、そのようなことが発生していることに気づかなかったことが最大の問題だと言う。

 

見守る・相談しやすい環境を作る
問題が起きないように対策やルールを決めることは悪ではない。しかし、もっと大切なことは軽微な事故やヒヤリハットが起きていないかをよく見守ること。そして、そんなちょっとドキッとしたことを共有し、どうすれば良いのかを当事者と一緒に考えること。そして、それを関係者で共有すること。大騒ぎするのではなく、静かに見守り、教訓を共有し、同じ過ちを繰り返さないこと。これが大切なのではないか。