LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

技術士の課題とさらなる活性化に向けての研究

はじめに
11月は久々に人生のターニングポイントを一つクリアしたような気がする。なぜそのように感じるのかといえば、大学院に入学してから修論をどうするかをずっと悩んできた。しかし、中間説明会やポスターセッションなどを経て、修論のテーマがしっかりと決まった。さらには、自分の後半の人生の羅針盤になるような感じまでする。その意味でターニングポイントと思った。

修論テーマの変遷
名古屋で3年間の単身赴任の間に、技術士の3部門にトライして、幸運もあって、全てストレート合格した。同時に、AIやITやIoTなどを研究すると、最後にベーシックインカムについて論じる図書に巡り合うことがあった。なぜベーシックインカムかといえば、技術を磨き、世の中のためと研究しても、その結果が失業者ばかりで不幸なディストピアになるのではと言う懸念を著者が持っていたためだ。ユートピアを目指して研究した結果がディストピアは悲劇だ。世の中を良くしようと原子力を研究した結果が広島の原爆投下に繋がったようなものだ。技術は悪くないけど、技術の使い方や、その結果まで思いをはせないといけないと言う主張だ。そんな意見に感化されていたので、大学院の入学願書にはベーシックインカムを取り上げた。ただ、入学して再認識したのだが、ベーシックインカムを政策として論じるなら政策創造科に進むべきだ。MBAの教授陣は政策と対局の民間による自律的な活動を推奨する。そのため、オープンドアで相談した7−8名の教授のうち半数は明確な否定派もしくは反対派だった。そうでない先生方も、本当は違うテーマの方が良いのにと言う空気を感じた。肯定的な意見を言ってくれた教授の一人からは、ベーシックインカムが手段としたら目的は何か?その目的に沿ってテーマを考えればと言うアドバイスを受けた。これは響いた。ベーシックインカムの目的は、幸福論か、貧困論か、生きがい論か。個人的にはそれ以外にもデジタルマネーや仮想通貨の可能性などにも関心があったが、どれもMBAでは帯に短したすきに長し。一時期は、貧困論を研究したが結構これがメンタル的にきつい。子ども食堂も研究したけど、これはこれで研究している人がいて二番煎じ。幸福論は研究者が多いが、シニアならどうか。副業問題などと組み合わせたらどうかと言う方針になったのが、7月2日。8月2日の中間発表まであと1ヶ月と言うギリギリのタイミングだった。それからネットでの調査を実施して、案とかカッコをつけた。中間発表での反応を踏まえて、技術士中小企業診断士などに調査して、第二回中間発表に備えた。

技術士による技術士のための技術士の研究
第二回中間発表を通じて感じたのは、テーマのメインを技術士にしようと言うことだ。これには次のような理由がある。
1) 自分自身が技術士であること。しかも、3部門。
2) 技術士に関する学術論文が(多分)ないこと。つまり、第一人者になれる。
3) 月刊「技術士」に記事を書く予定なので、技術士に有益な内容としたい。
4) 来春には技術士事務所を開設したい。それへの布石としたい。

経営大学院への入学大学院に入学しようと考えたのは、たまたま同校の入学説明会に参加ためだ。年末の12月25日の説明会でまだ入学の可能性があること、技術士ならAO(アホでもOK)入学できること、会社に近いことだ。受験試験はなく、取り組みたいプロジェクトの提出と、口頭試験だ。なんだかすんなりと入学できたのにはビックリした。

プレ調査
先述のように、第1回中間発表のわずか1ヶ月まえにテーマをかえて、それに向けてネットでの調査をした。そのあと、技術士中小企業診断士とITCと言ったいわゆる専門家への調査とネットによる一般への調査を行った。その結果、ほぼ想定通りの結果が得られたが、特に印象的なのは、問題にならない範囲で社外活動をしていると言う回答が中小企業診断士は73%に対して技術士は16%だった点だ。

本格調査
ポスターセッションの中で関西外国語大学の川村悟教授が同じ経営大学院の卒業生であり、中小企業診断士をテーマに研究を進めて博士を取得している。中小企業診断士に関する学術論文は川村教授だけではないが研究が進んでいるのに、技術士に関する学術論文がない。これは危機であり、同時に自分にとってはチャンスだ。まだ、構想段階だけど、次のような切り口での研究をしたいと思っている。

a.技術士活性化のための内的要因と外的要因
技術士がなぜ社外活動に消極的なのか。社外に通用する能力や知見がないわけではない。技術部門最高峰の試験に合格しているプロフェッショナルエンジニアがどうすればもっと活躍できるのか。その点を内的要因と外的要因で研究したい。

a-1.内的要因
人間は人それぞれだ。個性もある。価値観も違う。性格も違う。技術士にインタビューをした時も、自分は不器用で一つのことに熱中する性格なので副業はしない。副業をするときはそれが本業となる時だと答えた人がいた。それはそれでかっこいいと思う。個人的には類人猿分類が好きだけど、学術的にはキャリアアンカーという手法があるようだ。これを活用したい。

a-2.外的要因
最も影響力のあるのは勤務している会社の就業規則だろう。すでに政府は副業解禁を推奨している。多くの企業は、副業を解禁するか、条件付きにするかと言った検討中なのではないだろうか。企業向けの調査をするかどうかは継続課題だけど、実施するにしても、ざっくりとした答えやすい内容にすべきと感じている。

a-3.キャリアアンカー調査
組織心理学者であるエドガー・シャイン博士が提唱する方法だ。個人がキャリアを選択する上で重要な軸として8つのアンカーを示している。これをベースに質問を作成するのは、先行研究に添うことにもなる。一石二鳥だ。
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出典:https://media.unipos.me/career_anchors

b.多面的な技術士の研究
研究とは比較することだ。技術士を多面的に何かと比較することで、技術士の特異性や課題が見えてくるだろう。例示するなら次のようなものだろう。

b-1.歴史的な検証:過去と現在の比較
b-2.名称独占資格中小企業診断士技術士の比較
b-3.国際比較:欧米のPEと日本の技術士の比較
b-4.部門比較:技術士の部門によるマインドの比較
b-5.独立・企業内:独立技術士と企業内技術士の比較

来春の技術士設立に向けての準備
個人的には、来年3月に大学院を卒業したら、個人事務所としての技術士事務所を開設するつもりだ。名称やURLはまだ思案中だ。会社に対しても、技術士事務所を開設することを前提に、副業を認めるなら再雇用を延長するし、副業を認めないなら再雇用の延長は難しいと回答している。はてさてどうなるか。

博士課程へのチャレンジ
これはまだ妄想段階だけど、川村教授が中小企業診断士をテーマにして博士論文を書き上げたことを考えると、技術士をテーマにして博士論文を書き切ることはあり得ることだろう。でも、それにチャレンジするのかどうかはもう少し時間をかけて検討したい。

海外留学へのチャレンジ
これも妄想段階だ。定年退職したら3ヶ月でもいいし、できれば半年ほど海外に飛び出して知見を広げたいとずっと思っている。ただ、今春からのコロナ禍で条件的には厳しくなったけど、事情が許すならぜひ実現したい。3ヶ月でもパリで放浪したらフランス語も少しは上手になるだろう(笑)

まとめ
自分はターニングポイントと感じたけど、本当にそうかどうかはこれから自分の頑張り次第だ。63歳をすぎて、こんなにワクワクすることに出会えるのは幸せだと思う。

以上

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。