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副業の意識調査(本業で稼ぎ、副業でも稼ぐ)

はじめに
大学院の修論には副業に関するテーマを選定することにした。最終的に決めたのは6月18日だ。それまで進めてきた子ども食堂は、それはそれで興味深いけど修論のテーマとして適切な成果が出てくるとも思えない。副業に舵を切りたいと指導教授と相談して了解を得た。副業に対する研究ネタを探ってみたが、やはり他人の調査では細かな構図が見れないため独自調査を実施した。独自調査と言っても100人程度に対するネットでの調査だ。マクロミル社のQuestantを活用した調査はこれで丁度10回目だ。

Questantによるアンケート調査
昨年の豊田教授の授業でアンケートをネットで調査して、分析することが可能であることを知り、昨年の8月13日に有料会員となった。アンケートのフォームを作ることは無料会員でも可能だが、ネットで回答を求めるには有料会員である必要がある。とは言っても、年会費5万円だ。また、100人程度のアンケートなら税別1万円の追加費用もかかるが、これなら小遣いの範囲で対応可能だ。現在の契約は8月12日までなので、継続するかどうかの意思決定はこの日までにすべきだ。
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出典:https://help.questant.jp/hc/ja

海外でのアンケート
日本国内でのアンケートであれば、Questantで可能だし、多少回答者の特性が偏っている感じはあるけど、十分満足している。問題は海外との比較をしたいときだ。調べてみるとSurveyMonkeyが4番目にランキングされていた。これは日本語にも対応している。使ったことはないけど多言語アンケートも可能だ。これまで使ったことがないのと、回答者を募集してくれるのかどうかが不明だ。もう少し調べる必要があるけど、8月12日までに決めないとQuestantが自動更新するので注意が必要だ。
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出典:https://mopinion.com/top-21-best-online-survey-software-and-questionnaire-tools-an-overview/

副業と働く意義の意識調査
タイトルの本論に戻ろう。6月に準備して、7月1日に回答の募集をかけたら、17:03に最初の回答があり、19:59が最後の回答だった。Questantでは合計110の回答をわずか3時間ほどで回収している。ネットのアンケートはやはり効率的だと思う。男女はそれぞれ55名ずつだけど、下のグラフに示すように男性は50歳台などやや平均年齢が高いが、女性は10歳台や20歳台など若い人が多いのが異なっている。全国の33の都道府県から回答頂いた。質問は9問であり、その概要を報告したい。
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出典:Questantによる独自調査(以下省略)

Q1.あなた自身について
最近は、回答者自身の価値観や性格の自己理解を最初に確認するようにしている。やはり回答者の回答結果は、回答者の考え方を反映するので、そもそもどういう性格や傾向の人かを知りたいのと、回答者の属性をデンドログラム等で分類するとその分類したグループによって回答の結果が大きく異なることが多いためだ。また、最初に回答者自身のことを聞くことで答えやすい効果とか、ばらついた回答をさせることでバイアスを最小にする効果も狙っている。結果的には、一人でいることが好きに肯定的な回答をした人が全体の約74.5%だった。
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男女別にみるとどの質問もほぼ同等か、女性の肯定的な回答が多かったが、リーダシップを取りたいかという質問には男性が23.6%が肯定的なのに、女性は10.9%しか肯定的ではなかった。女性活躍が騒がれているが、リーダシップを取りたいという女性は男性の半分程度ということかもしれない。
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Q2.あなたの生活満足度について
7月1日はコロナ禍の最中であることも影響している可能性はあるが、最も多かったのは時間的に余裕があるという回答だった。幸せだと思うとか精神的に余裕があるという回答も多い。ただ、肯定的な回答が少ないのが人とのつながりを感じると、経済的に余裕があるだった。これって精神的に寂しく経済的に厳しいと言うことか。
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男女別にみると、下の図に見るように、時間的余裕、経済的余裕、生活満足度の3点で女性の肯定的な回答が男性より多い。例えば経済的な余裕があるに肯定的な回答をしたのは、男性の16.4%に対して、女性は29.1%とほぼ倍近い。平均年収で見ると確実に男性の方が女性より多いことと矛盾していないだろうか。私見であるが、これは、家計を握っているのが誰に依存するかに依存するだろう。お若い夫婦であればそれぞれで管理するケースも多いようだが、中高年齢では主婦が家計を握るケースも多いのではないか。旦那の稼ぎは主婦のもの、主婦の稼ぎは主婦のもの。そんな呟きが聞こえてきそうな気がするのは自分だけだろうか(笑)。
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Q3 あなたの勤務状況について
アンケートはできるだけ肯定的な質問にすべきだけど、最初の質問を「現在は働いていない」という否定的に質問にしてしまった。これは「現在は働いている」という質問にすべきだった。少し理解しにくいが、現在働いているのは55%ほどとなる。正規社員としての勤務に肯定的なのが34%、非正規での勤務が17%ほどだった。また、副業で報酬を得ているのは15%ほどだった。微妙なのは副業で報酬を得ているかという質問いどちらとも言えないが11.8%もあることだ。この辺りは聞き方に注意が必要だ。
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男女別にみると、最も特徴的なのは正社員として勤務しているに肯定的な回答をしたのが、男性の49.1%に対して女性は20.0%と少ないことだ。逆に、副業での報酬は女性の21.8%が肯定的なのに男性は9.1%のみが肯定的と対照的だ。
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Q4.あなたの副業に関する理解について
報酬の条件が良ければ副業に肯定的な回答が51.9%を占めた。ついで多いのは、スキルの活用や社会貢献だ。会社の就業規則で副業を禁止しているに肯定的な回答が21.8%あった。
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男女別にみると、就業規則で禁止に肯定的な回答をしたのが、女性の12.7%に対して男性は30.9%と倍以上に多い。これは男性が正規社員として勤務していることが多いことに関係している可能性がある。一方、女性の肯定的な回答が多いのは、報酬の条件が良ければだ。男性の43.6%に対して女性は60.0%と高い。また、届出が不要な範囲で副業も男性の7.3%に対して、女性は21.8%と肯定的な意見が多い。会社から禁止されて副業に躊躇している男性に比べて、報酬が良ければ積極的に副業にチャレンジしている女性が多いと言える。
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Q5 あなたの居場所について
居場所について肯定的な回答が多かったのは自分の家と、自分の部屋だった。まさに、文字通りの居場所なのかもしれない。居場所として肯定的な意見は少ないのが、地域やネット学校・会社だった。
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男女別にみると、男性が多いのは学校や会社で女性の5.5%に対して、男性は16.4%だった。趣味や遊び友達も男性の方が肯定的な回答が多い。逆に肯定的な回答が女性の方が大野はお家であり、男性の70.9%に対して、女性は85.5%だった。男性は外でお仕事したり、遊んだりして、女性はお家でゆっくりするというのが現在の居場所の状況なのだろうか。
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Q6. 社内副業について
単なる副業だと、労務管理上の問題やセキュリティ上の問題があるため、これらを回避するために社内副業にトライする企業が出ている。これについての意見を聞いたところ肯定的な回答が多いのが、追加の報酬が得られるなら、社内副業よりも賃上げ、スキルを高められるなら賛成等だった。まずは、現在の低い収入をなんとかしてほしい。なんとかしたいという気持ちが読み取れる。
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男女別にみると、男性の方が肯定的な回答が多いのが、社外副業解禁を望む声で、女性の27.3%に対して男性は41.8%だった。ついで、社内副業解禁より賃上げが、女性の40.0%に対して男性の49.1%だった。逆に女性の方が肯定的な回答が多いのは、スキル向上ならで男性の34.5%に対して女性は43.6%だった。不平をあげる男性に対して、スキルアップに勤める女性という感じがする。
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Q7. スキルアップについて
しかし、本当にスキルアップに努めているのかというとそうではなかった。特にスキルアップをしていないに肯定的な回答が51.8%とダントツに多かった。次に多いのが図書やネットでの知識や情報の獲得。社内勉強会や社外研修などへの参加は少ない。
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男女別にみると、女性が特に肯定的な回答をしたのが特に何もしていないで、男性の41.8%に対して女性は61.8%だった。男性が多いのは会社内での勉強会で、女性の10.9%に対して男性は18.2%だった。個人負担で社外の研修等を受講するのは、男性3.6%、女性1.8%と共に非常に低い状況だ。スキルアップにこれほど無関心だけど、収入は増やしたい。自主的な努力ではなく、他人任せな構図が読み取れる。
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Q8. 定年後の仕事について
最も肯定的な回答が多かったのは、のんびりと過ごしたいと、好きな趣味をしたいだった。誰かの役に立ちたいとか、貢献したいという意欲を持つ人は残念ながら3割を満たないレベルだ。
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男女別にみると、男性の肯定的な回答が多いのが、社会貢献活動や専門家としての仕事だ。女性の肯定的な回答が多いのはのんびりと過ごしたいや子供や親の世話をしたいだ。また、男女ともに3割弱は低賃金でも仕事をすると回答しており、老後の不安を感じている人だろう。ただ、現在の60歳はまだまだ若い。老ける年齢ではない。あと10年ぐらいは活躍する社会にするべきではないだろうか。
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Q9. あなたの年収について
この質問で意外だったのは、副業による年収がゼロと回答した人が69.1%だったことだ。これは裏を返せば、なんらかの副業から収入を得ている人が3割ほどだということ。
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個人の年収では、一般に男性は正規分布で、女性は指数分布と言われるが、今回の調査でも男性は600-700万円という回答が最も多く、女性は年収ゼロがもっとも多い結果となった。副業でみると、男女ともに指数分布だ。副業による収入を得ている人でも、年収が50万円以下が77.4%だ。900万円以上稼いでいる人も1割ほどいるが、うち3分の2は女性だ。女性の勝ち組と言えるかもしれない。
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副業による収入の多重回帰分析
少し専門的な分析になるが、副業による収入の金額はどのような要因に強く影響を受けているのかを調べた。確からしい要因は4つあり、そのうちの2つはプラス要因で、他の2つはマイナス要因だった。まずプラス要因から言えば、好きな趣味を持っている人の係数は0.68と高い、次に本業の年収が高い人も係数が0.15だ。また、確かさは少し疑わしいが専門家としての仕事をしている人も係数は0.24と高いし、スキルアップセミナーを受講している人も係数は023だ。つまり、本業でしっかり稼ぎ、趣味をもち、専門家としての仕事をしていてスキルアップを心がけている人は副業でもしっかりと稼いでいる。逆にマイナス要因がでは、お家が居場所の人は係数が-0.61、就業規則で禁止の人の係数も-0.44。さらに確かさは少し疑わしいが、保守的な人も係数は-0.20だ。つまり、保守的で自宅にいて、就業規則で禁止されている人は稼げていない。まあ、当然と言えばと当然の結果と言えるかもしれない。
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まとめ
これ意外にも色々と分析は試みたが、調査のサンプル数が110なので、あまり確たることは言いにくい面もあり、ブログ上では割愛する。現在の副業に対する声は、男性と女性ではかなり異なっている気がする。日本では大企業ほど就業規則で副業を禁止しており、そのような大企業で勤務するのは男性が多く、これらのセグメントは副業に対して懐疑的である。逆に、非正規で働く人は、そもそも副業の規制がなく、収入を得るために本業に加えて副業にもトライしている人が多い。副業に対しては、報酬目的が多いが、スキルを伸ばすためや、社会貢献したい、専門技術を活用したいという声も一定数いることは確認できた。また、実際、趣味をもち、専門的な仕事でスキルを高めている人は副業でも稼げていることがわかった。来年の2月の最終発表に向けて副業のあり方や、副業の効果と注意点などを研究し、検証していきたい。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。