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新米技術士の成長ブログ

副業と幸福度

はじめに
MBAの1年目の授業が終了して、2年目の授業は4月からだ。昨日は修論(プロジェクト)のためのキックオフのゼミだった。社会人が学ぶMBAなので年齢は比較的高いが、今回お世話になる藤村教授のゼミ生は五名。うちあら60代が3名、30代が1名、(多分)20代が1名という異なる世代の合流ゼミだ。しかし、MBAに通うような人なので皆前向きなのが素晴らしいと思う。

論文の勧め
論文を書くには論文を読むことが一番だ。ネットの情報や図書の情報も貴重だし、テレビや新聞の情報が役に立つこともないとは言えない。しかし、やはり課題を設定して、それに対して調査、分析して、対応策を検討するというロジックが明確な論文は役に立つし、先人の功績に敬意を評する気持ちなる。

電機連合NAVI
電機連合とは、正式には全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会だ。1953年の結成以来、半世紀の歴史を誇る民間大手(組合員約60万人)の産業別労働組合組織の大手だ。自分は、あまり組合活動には関与しなかったけど、たまたま電機連合NAVIに掲載されている論文を見て、よくまとまっていると感心してしまった。
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 出典:https://www.jeiu.or.jp/report/topic/images/2019/navi69.pdf

副業と幸福度
下の図は、東洋大学経済学部准教授川上淳之さんがワークス研究所「全国就業者実態パネル調査2018」より抜粋して集計したものだ。興味深いのは、副業をしている従業員と副業をしていない従業員の幸福度が共に3.25と同じことだ。副業と幸福度には相関関係がないのかと思ってしまう。しかし、副業を保有している従業員の副業をしている理由別に幸福度を比較すると差異があった。特に高いのは、社会貢献のために副業を保有している幸福度で3.67だ。まさに「情けは人のためあらず」だろうか。もしくはそもそも意識の高い人なのか。逆に最も低いのは、生活を維持するための幸福度で3.09だ。収入が少なくやむを得ず副業を保有している姿が見て取れる。副業を保有している人は、副業を希望している人とそうでない人がいる。副業を希望して副業を保有していて、幸福度が高いのは社会貢献の3.30で、低いのは転職準備のための2.93や生活を維持するための2.98だった。
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 出典:https://www.jeiu.or.jp/report/topic/images/2019/navi69.pdf

副業の解禁の是非
政府は副業を促しているが、解禁している企業はまだ少数派だ。社員が保有する優れた知見を社会に役立てるような活動は社員の幸福度を高める効果もあるのかもしれない。しかし、そもそもの給料が低いとか、残業カットで生活を維持できないといった経済的な理由で社員に副業を促すようなことは社員も幸せではないし、労務上の問題も生じかねない。その意味から、金銭の報酬を伴うような副業を禁止したり、届出制にしている企業もある。副業を禁止すべきか、解禁すべきかという議論ではなく、どのような目的で副業を希望するのかを見極めて、適切なセーフティネットを整備することが重要なのではないだろうか。

まとめ
今回は副業と幸福度についてまとめたグラフに目が止まったが、それ以外にも優れた論文が掲載されている。まだまだ知らないことが多いことを知るばかりだ。まさに無知の知を痛感する。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。