LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

小川孔輔教授の講義#1を受講して(1/2:ビジネスイノベーター育成セミナー)

はじめに
今日の講義ではびっくりすることが3つあった。一つめは受講生の多さだ。事前エントリーしたのは60名。50名分の資料で5-6人不足したので、55-56人の参加。教室がほぼ満室だった。マンモス校とは比べようもないが、午前中の授業が4-5名と少数だったのでびっくりした。2つ目は、講義の進め方。メインは小川教授の講演だけど豪華なゲスト講師が毎回講演してくれる。これはお得だ。最後は、マクドナルドの歴史だ。全然考えたことがなかったけど色々と考えさせらるものがあった。

小川孔輔教授

現在通っている大学の名物教授の一人だろう。秋田出身だけど方言はほぼない。東大を卒業して、UCLAバークレー校に客員研究員になり、その後法政大学に戻り助手から教授に上り詰めた。専門はマーケティングだ。一言では言いにくいけど、なんとなく人を巻き込む魅力がある。単独の論文や著書よりも、共著が多い。自分に足らないところが何かをよく知っていて、ベストパートナーを見つけて、共に成長しながら実績を積んでいくことを得意技にしているように感じた。また、小川教授のブログは非常に内容が充実しているので、時間を作ってアクセスすることをお勧めしたい。
f:id:hiroshi-kizaki:20191116185233p:plain
 出典:http://kosuke-ogawa.com

講義の進め方と構成
全部で7回だ。初回は、7回の構成の説明と、小川教授が監修した図書をベースにした講義と、レイクロックを題材にした映画の視聴だ。

(1) リーダたちの羅針盤
下の3つの図書は全てビルジョージの著書だ。しかし、ビルジョージを検索するとなぜかウィリアムW.ジョージとでる。ジョージはハーバードビジネススクールの教授であり、同時にビジネスマンだ。1966年にMBAを取得した時には、最高の栄誉であるベーカー奨学生を授与されている。多くの本を書いているが、そのうちの一つがTrue Northだ。これは日本語で言えば真北だ。そして、小川教授はこれの監修をつとめている。翻訳したのは小林麻矢さんだ。非常に優秀な翻訳家だ。小川教授は原本を何度も何度も当然ながら読んでいるが、翻訳(監修)するときには、英語ではなく、日本語のみをみて、日本人が読みやすいように、理解しやすいように、誤解しないように日本語のブラッシュアップに徹底したという。確かに読みやすい。図表も適所に盛り込まれていてわかりやすい。
f:id:hiroshi-kizaki:20191116171140p:plain
 出典:amazon

本物のリーダへの旅
この「リーダたちの羅針盤」の中(P66)に本物のリーダへの旅に関する記述がある。ビルジョージは30+30+20という。小川教授は25+25+25という。人によって多少のブレはあるかもしれない。しかし、大事なことは人生を3つに区分することだ。つまり、最初の30年は性格形成や自己練磨。リーダになるための準備をするフェーズ1だ。次の30年はリーダへのステップアップだり、リーダとして実力を発揮するフェーズ2だ。最後の20年間は次世代の育成や知恵の還元となるフェーズ3だ。後継者を育てるときも、自分の直系だけを優遇するようなことでは組織が衰退する。そうではなくて、異質な人を巻き込むことで化学反応が起きて組織は成長する。確かにMBAの教授人は多彩な人が多い。教授同士が切磋琢磨しているのを感じる。そんな環境を作ったのも小川教授の功績かもしれない。そんな教授人に教えを得られる我々は幸せだと感じる。感謝の念に絶えない。自分は後継者を育てる年代だけどまだまだやりたいことも多い。

(2) 7回の構成
・11/16:初回だ。この後はマイケルキートン主演の動画を拝聴する。
・11/23:2回目は有限会社フローラ21の社長の講演を聞いて、その後討議
・11/30:3回目は日高屋の神田正会長の講演と討議
・12/7:4回目はランニングビジネスのアールビーズの橋本治朗社長の講演と討議
・12/14:5回目は建設現場に立つ女性を応援する有限会社ゼムケンの籠田淳子社長の講演と討議
・12/21:6回目は富士製油グループの清水洋史社長の講演と討議
・1/11:7回目はオイシックス・ラ・大地株式会社の高島宏平代表締役の講演と討議

(3) ファウンダー:マクドナルド帝国のヒミツ
あなたはマクドナルドの創業者をご存知でしょうか?それは誰でしょうか?そんなことを知り、悩み、考えさせる動画をみた。2017年4月に放映された。下のYouTubuでその予告編を視聴することができる。これは必見の動画だ。
 出典:www.youtube.com

レポートと評価
ゲストスピーカーの講義を聞いた後にグループで討議を行う。どのようなメンバーにグループ分けするかは後ほど展開される。そして、グループワークの成果をプレゼンして、2回に一回の頻度でレポートを出すようだ。

(1) 11月23日以降のタイムスケジュール
 13時講義開始
 13:00-13:10 講師紹介
 13:10-14:20 ゲスト講師による講義
 14:20-14:40 質疑応答
 14:40-14:50 休憩
 14:50-15:40 グループワーク
 15:40-:16:30 発表

(2) 次回の講義の準備
配布された資料を読む。スターウォーズのエビソード5帝国の逆襲を見る。特にエピソード4〜6の主人公であるルークスカイウォーカーと、生ける伝説と称されるジェダイ・マスターであるヨーダの関係を理解しておくこと。

(3) レポートの提出
レポートは提出期限を過ぎてしまっても必ず提出するべきとのこと。欠席のためにレポートを書けない場合には別途題を出すのでTAの長谷川さんに連絡すること。時々名前も学生番号も記載のない人がいるらしい。忘れずに記載しないと提出していないことになるので要注意。電子媒体ではなく、基本は印刷物で提出する。今回は、「マクドナルド兄弟とレイ・クロックのどちらが創業者か?起業家としてのクロックをどのように評価するか?」が課題だ。A4で1枚程度にまとめて印刷して次回提出する。

(4) プレゼンについて
プレゼンには必ず、日付、テーマ、グループ名、メンバー名、発表者名を明記する。発表者が全員の場合には、全員の名前を書く。発表の機会は複数回あるので、少なくとも1回は発表すること。関与していないフリーライダーはわかるので、減点の対象となるので要注意。
 
社長の5つのタイプ
小川教授の調査によると社長には5つのタイプがある。①創業者経営者、②後継経営者、③サラリーマン経営者、④娘婿の社長、⑤プロ経営者の5つだ。そして、もっともパフォーマンスが高いのは④の娘婿のタイプだという。

娘婿タイプの経営者
①の創業者は文字通りゼロから出発なので成功している場合にはパフォーマンスが高い。小川教授の調査ではその他の企業よりもROAで平均6.8%ほど高いという。これを除くと、④娘婿タイプの社長がそれとほぼ同等の業績を残している。日本は100年企業が多数存在している国だが、これを支えた秘密の一つは入り婿制度だと思う。鈴木自動車では二代目社長の鈴木俊三も、三代目社長の鈴木修も娘婿だ。講談社の創業者は野間 清治(1878年12月-1938年10月)だが、5代目の社長の野間惟道(1937年11月-1987年6月)は娘婿だ。旧姓は阿南で東京大学卒業、父は陸軍大将の阿南惟幾だ。なお、野間惟道の急死を受けて、奥様(4代目の娘)の野間佐和子が6代社長に就任し、村上春樹著のノルウェイの森など多くのベストセラーを発刊した。海外でも事例がある。ウオールマートの創業者はサム・ウォルトンであり、二代目は息子のS.ロブソンウォルトンだが、三代目はその娘婿のグレゴリーB.ペナ(1969年12月生)だ。

意外と受難なプロ経営者
プロ経営者というと誰が思い浮かぶのだろう。ローソンの社長からサントリーホールディングの社長に就任した新浪剛史だろうか。アップル社長、マクドナルド社長、ベネッセ社長を歴任した原田泳幸だろうか、話題のカルロスゴーンだろうか。成功をあげた優秀な経営者でも100発100中は無理だ。無理を重ねたり、傲慢になったり、失態を露呈したりする事例に快挙のいとまがない。なかなか難しい。
f:id:hiroshi-kizaki:20191116181842p:plain
 出典:https://toyokeizai.net/articles/-/118979

原田泳幸さんの後に続くのがマクドナルドというのも奇遇だ。後半は下のブログに続く。
hiroshi-kizaki.hatenablog.com