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ファイナンス#5を受講して

はじめに
昨日(7月6日)も含めて土曜日には、3教科を連続して受講する。授業に加えて宿題も重なり、ブログ作成の優先度が下がってしまう。ファイナンスの授業はテキストがネットで配布され、これにそった説明が続く。先生の熱意や関心ごとを正確にまとめるのは厳しいけど、気になった部分を復習してみたい。

会社の価値
1) 上場企業の価値

企業の価値とはなんだろう。金額で換算する方法で最もシンプルなのは、株式数x株価=時価総額だ。

2) 非上場企業の価値
株式が上場していれば、株式数x株価で計算できる。しかし、非上場の場合には、どのように算定するのだろうか。特にベンチャーキャピタルが企業に投資をしたり、買収したり、売却したりするときには、その企業の価値を正しく評価しないと交渉すらできない。一般には、下のチャートにあるような方法がある。7月6日の授業で習ったのはこの中の比準方法だ。
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 出典:企業価値の算定

β値
企業価値を計算する上でβ値は必須かつ非常に重要な数値だ。β値とは、わかりやすく言えば、TOPIX等の株価指数とある会社の株価の感応度を示す変数だ。エクセルで相関関係の計算式を用いれば簡単に計算できる。そもそもこのβ値はCAPM理論において、自己資本コストが次の式で示されると定義されたものだ。
 自己資本コスト=自己資本残高×(Rf+MRP×β)
 ここで、Rfは無リスク債券の利回り、MRPはリスクのある株式市場に投資した場合の利回りをいう。
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 出典:CAPM(資本資産評価モデル) | オントラック

レバードβとアンレバードβ
借り入れありの場合には、レバードβといい、借入金がない場合にはアンレベードβを用いる。アンレバードβ(βU)とは、企業が全額資本金で資金調達(無借金経営)すると仮定した際の株式のβ値。負債を持つ企業のβ(=レバードβ)から、財務リスク要因を除去したβとも解釈できる。アンレバードβとレバードβの関係式は、次のように表すことができる。
βU = βL ÷(1+(1-t)× D/E)
 βU: アンレバードβ
 βL: レバードβ
 t: 実効税率
 D: 負債
 E: 株主資本(時価ベース)
アンレバードβとレバードβの関係式を解明することで、企業が資本政策を変更した際の株主の期待利回り、ひいては資本コストを算出することができる。同様の内容は次のWEBにも詳しく解説していた。
 出典:アンレバードベータとは? - 法務部リスク管理課

類似企業から企業価値を換算
ある企業の価値を評価したい場合には、その企業と同業で、同程度のポジションで同程度の規模の企業を複数選択して、その企業の業績からβ値を計算する。そして、そのβ値を色々と加工することで、ある企業の価値を計算して、例えば50億円だったとする。その企業の価値は50億円と言えるのだろうか。そうではない。その企業が成功する確率が重要だ。参考にした複数の規模はその業界で生き残っている=成功したということだ。しかし、ある企業が成功する確率が仮に10%と想定し、90%の確率で失敗するとする。そうした場合には、50億円の価値となる確率は10%なので、その企業価値は5億円となる。まあ、そんなものだろう。

ベンチャーキャピタルヒアリング力
ある企業が成功するかどうかは社長の手腕にかかっている。そして、その企業が成功するかどうかは社長を中心とした関係者や同業他社からのヒアリングをして、それを参考に決めるしかない。ここはAIではできない非常に人間的な部分だ。しかし、それ以外の部分の企業評価はAIが得意な分野だ。必要なパラメータを確定したら、その企業価値をAIに計算させて、直感的にあっているのか、どうかを判断する。そんなプロセスをアジャイル的に回すことになるのだろうか。次のWEBにも詳しく記載されていた。
 出典:https://www.ycg-advisory.jp/whats_ma/valuation/

ベンチャーキャピタル(VC)の判断基準
以前ならリターンが35%ぐらいはないとVCからはGOの判断が出なかった。しかし、松田先生に聞こえてくる情報では、最近は25%ぐらいのリターンがあれば投資するらしい。VCは投資した企業が株式公開すれば、リターンを得ることが出来る。しかし、その確率は1%程度だ。投資した株式の評価を的確に実施する必要がある。VCは投資を求められても求められている金額、例えば5億円とか10億円をフルに投資することは少ない。そうではなくて、段階的に融資する方法が一般的だ。まずは、数千万円レベルで融資をして、計画通りに進めば、次のステップとして数億円レベルを融資する。そんな感じが多いらしい。
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 出典:http://j-net21.smrj.go.jp/well/fund/fundnoshikumi.html

公募と私募
公募は不特定多数の複数の投資から資金を集めることだ。公正で平等な順が重要だ。一方、私募は限られた投資家に限定して多く口の顧客から資金の提供を募る方法だ。後者は基本的によく知っている企業だ。なので、社会人学生の場合には、企業経験は十分でないかもしれないが、社会人学生はそういった経験は有効だ。
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 出典:https://job.career-tasu.jp/finance/guide/financial_seminar/002/005/

まとめ
来週からは企業家のための投資を習う予定だ。毎週のことだが、土曜日の授業は朝の8時50分から、夜の20時15分までびっちりとある。宿題は一つずつ処理するしかない。ファイナンスもあと2回だ。ちょっと寂しい気がする。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。