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フィンテックと企業経営#2を受講

はじめに
受講生は6名だった。今回は、前半で5つのトピックについて解説を受けて、後半は受講生のレポートに基づいて受講生が発表する予定だ。

5つのトピック

1. ソーシャルレンディング
1) 貸出金額は3年で10倍

金融機関を通さずに貸し手と借り手が直接ネットで取引する。2014年に143億円規模だったものが、2017年には1316億円と3年で約10倍に増大している。米国では、2010年からの5年間で年平均151%の伸びだったが、日本はそれ以上。もっとも貸出類型の大きいのは、2008年8月に日本初で開始したmaneoで2019年6月時点で1628億円だ。
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 出典:https://www.crowdport.jp/news/3278/

2) maneoの仕組み
借り手がまずmaneoに有志の申し込みをする。maneoは審査して、募集開始する。投資家はそれを見て投資する。借り手と投資家のニーズがマッチングするとローンファンドが成立として、募集を終了し、maneoは貸付を実施する。そんな仕組みだ。貸し手は30台から40台が7割で、平均の融資額は200万円。金利は5-8%。一方、借り手は中小企業の事業者が多く、9-15%の金利で借りているようだ。
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 出典:ソーシャルレンディング | maneo(マネオ) | マネオのしくみ

3) ソーシャルレンディングの留意事項
・金融証券取引法の制約
 日本では借り手は複数でないと認められない。ただし、構成比の規制はない。

貸金業法の制約
 借り手が特定できるような情報を開示できない。このため、借り手の覆面化の問題が指摘されている。
 
・貸し倒れのリスク
 前述の借り手覆面化を悪用した資金流用案件が発生している。2018年3月のLuckyBankも問題を起こしているが、自分とは全く関係はない(笑)。

2. クラウドファンディング
1) Cloudとcrowd

コンピュータの世界でクラウドといえば、雲(Cloud)だ。しかし、このクラウドファンディングは群衆(Crowd)だ。つまり、不特定多数の人が、ネットを経由して、他の人々や組織に資金を提供する仕組みだ。先のソーシャルファンディングは、融資型のクラウドファンディングと言える。クラウドファンディングは融資型に加えて、基本的に対価を求めない寄付型や、成果物を提供する事前購入型、株式を受け取る株式型などがある。もっとも市場規模が大きいのは融資型の1534億円、ついで事前購入型の100億円、そして投資型の50億円と続く。
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 出典:https://www.crowdport.jp/news/3567/

2) 寄付型クラウドファンディング
社会貢献をしたい出資者が寄付をするものだ。有名なのは、ジャパンギビングだろうか。2019年1月には、名称を「LIFULLソーシャルファンディング」に変更した。これまでに、NPO自治体など約3000団体に登録し、累計の掲載実績が約12,000件、約21億円の寄付を集めた。
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 出典:https://topcourt-law.com/finance/crowdfounding_law_control

3) 事前購入型クラウドファンディング
事前購入型には、All or Nothing方式とAll in方式がある。前者は、募集期間内に目標以上の賛同があった場合にのみ資金を受けられる。後者は、目標金額の達成の可否に関わらず賛同した人は資金を提供できる。何れにせよ、全くの白紙ではなく、Facebook等のネット友達に事前に情報を流しておくなどの準備をしておくことが成功の秘密らしい。
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 出典:購入型クラウドファンディングについて - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)

4) 株式型クラウドファンディング
2015年4月より解禁となった。もっとも先行しているのがFUNDINNOで2017年4月より業務を開始し、累計19.3億円だ。すでに53件が成立しているが、一方で不成立も15件だ。色々と制約が厳しい。投資家からの投資は一人50万円以下、ある発行企業への投資は年間1億円未満だ。また、勧誘はWEB閲覧と電子メールのみに制限されている。人間対人間の勧誘や電話での勧誘は違法らしい。
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 出典:https://dime.jp/genre/557963/

3. オンラインレンディング
融資をネット経由で行う方法だ。例えば、Amazonは、2014年2月から最大5千万円の融資を始めている。楽天は、最長三年を売り物として2015年11月より最大500万円の融資を開始した。日本で初のAIを活用した融資をJ.Scoreは、みずほ銀行ソフトバンクによって設立した会社だ。Amazonはや楽天も始めている。また、LINEもLINE Pocket Moneyを2018年11月に発表した。LINEは独自に収集できるデータを用いて信用力を分析し、その結果にもとづいて融資する仕組みだ。ちょっとやばい感じがするが大丈夫だろうか。
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 出典:https://www.sbbit.jp/article/cont1/35659

4. FinTechビジョン(経済産業省)
FinTechの先進国はやはり米国だ。これに続くのがイギリスとドイツだ。フランスはどうなんだろう。下の図によれば、日本を含めて、シンガポールフィンランドはこれから急伸が期待されている。経済産業省がFinTechビジョンをまとめたのが2017年5月だが、そこからはキャッシュレスビジョンなどが取り上げられた。消費税の増税の緩和策とキャッシュレスの推進策を一緒に進めるのは、ちょっと奇策のように感じるのは自分だけだろうか。
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 出典:https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/data/pdf/20170508001_1.pdf

5. SCCCの改善
SCCCとは、サプライチェーン・キャッシュ・コンバージョン・サイクルのことで、サプライチェーンとCCCの造語だ。CCCはTカードを経営する企業を連想しそうだが、残念ながらそっちではない。CCCは、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(Cash Conversion Cycle)の略であり、CCC=棚卸資産回転期間売上債権回転期間-支払債務回転期間だ。つまり、このCCCが短いということは経営資源が有効に活用(回転)していることを示す。それを特にサプライチェーンに適用したものがSCCCとなる。
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 出典:https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/itakuhoukoku/03.pdf

まとめ
今回もいろんなお話を聞けたが、ちょっと消化不良の部分もありそうだ。来週はマネーフォワードのゲスト講師だ。どんな話が聞けるのだろうい。また、7月20日にはみずほ銀行のゲスト講師だ。多様な人の話を聞けるのは楽しみだ。楽しみといえば、来週の月曜日にMBA甲子園の予選突破の通知が来るらしい。予選を突破できないと悲しいけど、もし決勝に行くとしても結構大変だ。どちらにしても、ちょっと楽しみでもあり、恐怖でもある。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。