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YouTubeのエルサゲートによる子供のトラブル懸念

エルサゲート
エルサゲートの問題をご存知でしょうか?
本日(1月30日)のめざましテレビで取り上げられたのを見て知った人もいるかもしれない。エルサゲートとは、一見可愛い子供向けの動画だけど、暴力的なシーンなど大人でも見たくないような不適切なコンテンツを含む動画だ。一見、子供向けの動画に見えるので規制が難しい。子供たちがおとなしくYouTubeYouTube Kidsを見ていたはずなのに、あまりに怖い内容で泣き出したり、トラウマになったりする子供たちもいる。エルサゲート(Elsagate)は、2013年に大ヒットしたディズニー映画のヒロインのエルサ(Elsa)とスキャンダルを示す-gateの造語だ。英語版のWikiによれば少なくとも2014年ごろから始まった。ネットで検索すると、本当に見たくもないようなグロテスクな画像が出てくる。今回はあえて動画は添付しない。

YouTubeのおさらい
そもそもYouTubeとは、PayPalに勤務していた数名の技術者により開発された。2005年2月14日にドメイン名「YouTube.com」がアクティブになり、2005年4月23日に「Me at the zoo」というYouTube最初の動画がアップロードされた。その後、急成長し、2006年の7月には1日に1億回の動画が再生された。これに着目したGoogleは2006年10月9日に買収を発表した。その買収金額は16億5000万米ドルだった。現在では、1日に50億回の動画が再生される。

YouTubeの収益
GoogleYouTubeでどれだけの収益を上げているのだろうか。2015年第2四半期(4~6月)の決算では、連結売上高が約177億ドル、純利益は約39億ドル。そして、広告収入は約160億ドルで全体の収入の90%以上が広告を占めている。実際、YouTubeを視聴していても広告がうざいと感じることが多い。

YouTuberの収益
子供たちが将来なりたい職業の上位にはYouTuberがランキングされる。そして、そのYouTuberの収益は、かつては1再生で0.1円と言われていた。月間1億回の再生がある人気YouTuberの月収は1千万円だ。しかし、最近は、サブスクリプション収入に移行しているという。再生回数だけでなく、動画の視聴時間を考慮して報酬が決まる仕組みだ。

YouTubeの年齢制限
YouTubeを提供しているのはGoogleだ。そして、YouTubeに動画を投稿しようとするとGoogleアカウントが必要だ。一部の例外(スペイン:14歳、韓国:14歳、オランダ:16歳)はあるが、日本を含めて、13歳以上という年齢制限が一般的だ。しかし、投稿された動画を閲覧するだけならGoogleアカウントは不要だ。

YouTube Kidsの日本語版のリリース
子供向けの動画を見るためにYouTube Kidsがリリースされた。親によるペアレンタルコントロール機能が充実していて安心だ。利用可能な年齢は日本では3歳以上だ。コンテンツは厳選しているはずだが、Elsagateの餌食になりうる。

子供を守るにはどうするか!
なかなか答えがない。まずは子供たちがYouTubeをどれだけ見ているかという実態を理解することだろう。そして、エルサゲートの存在を理解し、子供たちを守るにはどうするべきかを親子でよく相談してほしい。YouTube Kidsのペアレンタルコントロールを活用するのも方法だろう。そして、大人も子供もエルサゲートのような不適切な動画を見つけたら、不適切な動画と申告することだ。そうすることで不適切な動画は削除させるべきだろう。

見るべき動画
例えばTsutayaに行けば名作の映画とか、人気の映画とかのDVDが陳列されている。そして、暖簾をくぐるとアダルト系がある。子供たちに暖簾をくぐるとこんな動画があるので見てはいけないとは注意しない。このDVDは面白かった。勉強になった。子供にも良い動画なので視聴してみようとアドバイスするだろう。YouTubeも同じではないか。不適切な動画があるからYouTubeを禁止するだけではなくて、YouTubeの中の素晴らしい動画を見つけて、その視聴を奨励しても良いのではないか。YouTubeの世界の中でそれが無理ならそれが可能なプラットフォームを社会のインフラとして用意すべきなのかもしれない。推奨マークをつける方法もあるかもしれない。

IT技術の活用は夢のまた夢か
全国の小学校や中学校を訪問して、校長先生や担当の先生と話をする機会が多い。そんな時に、YouTubeに子供が動画を投稿して困っているという話をよく聞く。もちろん保護者や先生に無断で動画を投稿することは慎むべきだろう。しかし、本当の問題は不適切な動画を投稿することだ。逆に言えば、適切な動画の創作技術を教えるべきではないのだろうか。動画の時間とテーマを決めて生徒に作らせたら、生徒はびっくりするような素晴らしい動画をいっぱい作るだろう。例えば、SNSを利用して失敗したことを「しくじり先生」的なノリでまとめる。こんな失敗をしたという動画をユーモアの精神で編集する。そして、そんな動画をみんなで視聴する。そうすれば、自分以外の子供たちの失敗を自分ごととして理解して、同じ失敗をしないように気をつけようと考えるのではないだろうか。

まとめ
ネットやIT技術はどんどん進化する。そして、子供達はどんどんそれを取り入れてキャッチアップする。多くの保護者や先生は、そんな子供達の気持ちを理解し、実態を把握して、適切に指導している。でも、そうでないケースもあるだろう。そして、大問題が起きてから大騒ぎになる。そんな後手の対応ではなく、普段から子供達の状況を把握して、先手先手で対処する。そんなことは無理なのだろうか。SNSを活用してSNSのトラブルを防止するStop it!は良い試みだと思う。LINEに代わるSNSを公的な組織で提供できないものか。現状ではハードルが多いが、目指すべきはIT技術の規制だけではなくて適切な活用であるべきだ。自分に何ができるのかをもっと考えたい。

以上

参考
YouTubeのファクトデータ
Googleは次のようなYouTubeの2018年のファクトデータを発表した。
・最初のYouTube動画は2005年4月23日にアップロード。
YouTubeを使用している人の総数は13億人。
・毎分300時間の動画がYouTubeにアップロード。
・毎日約50億本の動画がYoutubeで視聴。
YouTubeは1日あたり3,000万人以上の訪問者を獲得
・毎月YouTubeで視聴された動画の総時間数は32億5,000万回。
・1日あたりのモバイルYouTube動画の平均閲覧数は10億回。
・平均モバイル視聴セッションは40分以上続きます。
・女性ユーザーは38%、男性ユーザーは62%です。
・年齢別利用者は、18-24:11%、25-34:23%、35-44:26%、45-54:16%、50-64:8%、65+:3%。
YouTube動画視聴の半分以上は携帯端末。
YouTubeで視聴者が視聴した時間は、前年比で60%増加。
YouTubeを76の異なる言語(インターネット人口の95%をカバーする)でナビゲート。
YouTubeは88カ国以上でローカルバージョンを開始。

出典:https://fortunelords.com/youtube-statistics/