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環境問題:マイクロプラスチックの課題と対策

マイクロプラスチック
皆様は、マイクロプラスチックという言葉を聞かれたことがありますか?恥ずかしながら、私は知りませんでした。今日、開催された日本技術士会中部本部愛知県支部29年度ワークショップに参加していて初めて知りました。

Wikiで調べてみると、「環境中に存在する微小なプラスチック粒子のことだ」という(参考1)。統一されていないが、1mmよりも小さいものという定義や、5mmよりも小さいものという定義が混在している。

一次マイクロプラスチックと二次マイクロプラスチック
ハミガミや化粧品などに含まれているマイクロビーズなどの一次マイクロプラスチックと、ペットボトルなどが波や太陽光の力で細かな断片になる二次マイクロプラスチックがある。下の図で言うと、右は一次で左が二次のマイクロプラスチックだ。

f:id:hiroshi-kizaki:20171007210505p:plain    (出典:THE GIST、参考2)

海中の生物循環
川を下ったマイクロプラスチックは小さな魚の口に入り、そしてその小さな魚を大きな魚が食べて、その大きな魚を人間が食べる。人間が食べても消化されずに排出されるという説もあるが、健康に良いわけがない。

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    (出典:Yoga Pants Reviews、参考3)

世界のマイクロプラスチックのゴミの量
全世界で排出されるマイクロプラスチックのゴミは2000年で約2億トン/年間。これが2010年には2.5億トンまで1.25倍に増加した。
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    (出典:Bio-based News、参考4)

世界の海流
海流とは、世界規模で起きる海水の流れだ。月の引力で発生する潮汐(ちょうせき)流は時間とともに流れが変わるが、海流はほぼ一定方向に安定して流れる。ちなみに潮は朝のしお、汐は夕方のしおの意味だ。海流には寒流(青字の矢印)と暖流(赤字の矢印)がある。この暖流は下の図のように世界には5つある。
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    (出典:世界の海流、参考5)

The Ocean Cleanupプロジェクト
ダイビングが大好きな18歳の青年(Boyan Slat)が海がプラスチックのゴミで埋まっていることにショックを受け、なんとかしたいと考えた。調べると海上には2020年の推定で725万トンの量が存在することが判明した。これはエッフェル塔1000個分のゴミが海に漂っていることになる。大型船で回収する従来の方法だと79,000年が必要とされていたが、この少年が思いついた新しい回収方法なら五年で解消するという。新しい方法とは、海流の力を使って、海に長い浮きロープを連ねる方法だ。これだと年間数百万ドルの費用が発生するが、回収したプラスチックを売れば5億ドルの収益も期待できるという。

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    (出典:JungleBook News、参考6)

河川でのゴミ回収(二次マイクロプラスチックの原料)
マイクロプラスチックを回収するには、その原料となるペットボトルなどをより上流で回収することが有効で原理は同じだ。川の流れを使って、ゴミを回収する方法だ。ただ、定期的にこのゴミを回収する仕組みが重要だ。

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    (出典:EcoWatch、参考7)

マイクロビーズの利用削減(一次マイクロプラスチック)
マイクロビーズは、化粧品や歯磨きに活用されている。化粧品の1個の中になんと30万ものマイクロビーズが含まれていると言う。マイクロビーズは肌にも良いとは限らない。美容のために利用している化粧品を洗い流したものがマイクロプラスチックとなり、海に流れ、魚の体内に入り、それを食するような循環は想像してほしい。原料のラベルを見て、マイクロビーズが入っていないものを使うようにすることは一般市民にできることではないだろうか。
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    (出典:BaleoHacks、参考8)

まとめ
普段使っているビニール袋やペットボトル、化粧品などが川を下り、海の中を巡回して1mm以下の小さな小さな粒になる。特に、赤い粒は餌と間違えて魚や鳥が食べてしまうという。そして、そんな魚を大きな魚が食べて、それを人間が食べる。マイクロプラスチック自体は無害かもしれないが、それが海中や砂浜をさまよう中で有害物質が付着して、それが生き物の中で巡回する。人間にも生物にも良いはずがない。18歳の少年が頑張ってアイデアを出してくれたが、人間の英知を集めて、地球の大掃除をするべき時が来たのだろう。海も生き物なので、海上のゴミを集めて、回収することは簡単なことではないが、工夫の余地は大きいと言える。何か貢献できないものか。

以上

参考1:https://ja.wikipedia.org/wiki/マイクロプラスチック
参考2:https://the-gist.org/2015/09/a-small-plastic-waste-problem
参考3:http://yogapants.net/2017/04/01
参考4:http://news.bio-based.eu/microplastics-environment
参考5:http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN8/sv/teach/kaisyo/stream5.html
参考6:http://junglebook.info/blog-entry-2210.html 
参考7:https://www.ecowatch.com
参考8:https://blog.paleohacks.com/microplastics