LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

QCA分析は論理演算で因果関係を解明する。

はじめに
今日は、データマイングの5回目だ。残すところはあと2回か。早いなあ。今まではRを使ったデータ分析が多かったが、今日はRではなく、QCAだった。QCAの狙いは、因果関係を解明することだ。しかし、本当に因果関係を解明することができるのだろうか。

QCA分析とは
日本語では、質的比較分析だ。英語なら「Qualitative Comparative Analysis」だ。論理和論理積などのブール代数を用いてデータの因果関係を解明しようとする手法だ。
f:id:hiroshi-kizaki:20191210221853p:plain
 出典:https://mm-lab.jp/statistical/find_causal_relationships_qca/

スモールデータ
大量のデータを分析することが注目されている。いわゆるビッグデータ分析だ。IoTの進展に伴って超大量のデータを収集できるので、それを分析することでお宝を探す手法だ。しかし、膨大なデータを収集できないケースもある。サンプル数が数十とか数百だとダメなのか。そんな規模のスモールデータでも論理的な演算をすることで因果関係を分析しようというのがQCA分析の狙いだ。

カリフォルニア大学のチャールズ・レイガン教授
森大輔熊本大学教授や、田村正紀神戸大学名誉教授、豊田裕貴法政大学教授がQCAを研究している。UCLAのチャールズ・レイガン教授が論文に発表して広がった。日本語で読むならどの本が良いのだろう。アマゾンでは田村名誉教授の著書が出てくる。
f:id:hiroshi-kizaki:20191210223327p:plain
 出典:amazon

ダウンロードの方法
Rでも使えるようだが、今日は専用のアプリが紹介された。ダウンロード方法は簡単だ。Googleで「fsqca socsci」と検索すると、下のような画面にたどり着くので、WindowsMacのソフトをダウンロードするだけだ。
f:id:hiroshi-kizaki:20191210223558p:plain
 出典:fs/QCA Software

csQCAとfsQCA
QCAには2種類ある。今日習ったのは二値を取り扱うcsQCAだ。csとはクリスプ集合の略だ。一般にQCAというとcsQCAを指す。一方、二値ではなく、連続数を対象とする場合にはfsQCAを用いる。fsはファジー集合の略だ。それぞれの事例のデータはファジー集合のメンバーシップ度として取り扱われる。応用範囲はこちらの方が広そうだけど、流石に今日の授業ではそこまでは踏み込まなかった。

コンピュータは意味がわからない
AIによる深層学習が注目を浴びている。特に、産業面では深層学習の技術を応用した商品がさらに普及するだろう。しかし、深層学習ではそのロジックがブラックボックスだ。自販機の前に立った人に最適なメニューが表示されるが、それが正解かどうかはわからない。もしかしたら間違っているかもしれない。現在の深層学習はそんな間違いを許容できる用途で使われるだろう。

ストーリーを作るのは人間
このブラックボックスの見えるかも研究されているが、実用化はまだ先だ。QCAでは、0か1かの共起関係や連続数の相関関係に加えて、因果関係を分析できる。しかし、そのためには解釈方法の定義を前提条件として設定してあげる必要がある。この辺りはまだまだ開発途上と言える。

まとめ
現状のQCAは、手作り感はあるにしても、因果関係を調べられるのはすごいと思う。まだまだ使いこなせないけど、そんなことができるんだと思うだけでまずは成果と思おう。できれば色々と試してみたい。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

データセンターイノベーションフォーラム2019に参加して

はじめに
今日は、御茶ノ水で開催された表記のフォーラムに参加した。午前中のみの参加だけど意外と面白かった。
f:id:hiroshi-kizaki:20191204205902p:plain
 出典:https://academy.impress.co.jp/event/dif20191204/

何が面白かったのか?
データセンターのフォーラムと言ってもピンとこない人が多いかもしれない。自分も正直、どんな話が出るのか半信半疑だった。本当は1日参加したかったけど、そこまでは厳しいので午前中のオープニングセッションと、基調講演x2のみを聞いて帰ってきた。

東京大学 大学院情報理工学系研究科教授江崎 浩
日本データセンター協会理事・運営委員長
 
 江崎教授の本職はなんだろう。

 プロファイルを見ると、次のような記述がある。九大→東芝→東大。学者のようなビジネスマンのような起業家のような不思議な魅力を感じる人だ。

 江崎教授の主張は、従来の概念は現実の空間をサイバー空間に移して分析した。しかし、これからはサイバーの世界でシミュレーションしたものが現実の空間にフィードバックされるというものだ。つまり、例えば、自動運転では、実際の道路を走行して、データを蓄積した。しかし、台風がきたり、子供が飛び出したり、そんな実験を実際に行うことはできない。でも、サイバー空間と実空間の誤差が1cm以下、1mm以下になったらどうだろう。シミュレーションの世界の中で事故を起こしたり、自信を起こしたり、火事を起こしたり、子供を飛び出させたり、ありとあらゆることをシミュレーションすることは可能だ。そして、そこで得た知見をもとにスキームを作って、実空間にインプリメントする。
 
 これからはそんな時代になるという。確かに、そうかもしれない。

f:id:hiroshi-kizaki:20191204210831j:plain
 出典:https://www.t.u-tokyo.ac.jp/eng/engpower/2012/departments/information-communication.html


東京大学未来ビジョン研究センター准教授佐々木 一 氏
 佐々木准教授が在籍する未来ビジョン研究センターには有名な松尾教授が活躍している組織だ。「データ中心社会におけるインフラとしてのデータセンターとSDGsへの貢献」で発表された内容がベースになっていた。データ中心社会におけるインフラとしてのデータセンターを研究されているようだ。

f:id:hiroshi-kizaki:20191204211412p:plain
 出典:https://pari.ifi.u-tokyo.ac.jp/publications/column190.html
f:id:hiroshi-kizaki:20191204210405p:plain


経済産業省商務情報政策局 情報産業課ソフトウェア産業戦略企画官和泉 憲明 氏
 最初は硬かったけど、だんだん乗ってきた。中国で写真を撮ってはいけないらしいけど、バンバン撮っていたと暴露したあたりから絶好調だった。なるほどと思ったのはAmazon Goの狙いやフランスで実用化されている地下鉄の自動運転の狙いだ。

 皆様はどのような狙いでやっていると思いますか?実は彼らも宝の山を知っていて取り組んだわけではない。やってみたら、これはすごいと効果を実感した。後発者はそれを知っておかないといけない。

フランスの地下鉄が自動運転になってよかったこと
1) 当初の想定
 ・運転手が不要
 ・ダイヤが正確
 
2) 実際の効果
 ・ラッシュにあわせてオペレータが増発を操作できる。
 ・この結果混雑の緩和が可能。
 ・需要に応じた車両の運用で効率化
 ・展望も良い

アマゾンGOでは費用が低減し、売り上げが増大した
1) 当初の狙い
 ・無人化による効率化
 ・バスケットマーケットの分析

2) 実際の効果
 ・回転率が高い、無駄な作業がない→コストの削減
 ・短時間でショッピングが可能→売り上げ増大
 ・低価格化が可能 → さらなる競争力

 → まさにアマゾンのフィロソフィーの実現だ。

f:id:hiroshi-kizaki:20191204210434p:plain

まとめ
ちょっと時間がないので、走り書きになってしまった。でも、面白かった。

以上

データマイング#4を受講して

はじめに
データマイニングの講義も7回中の4回目なので、ちょうど折り返しだ。早い。様々なことを知り、ツールの革新の速さに驚くばかりだ。

cristal ball
シミュレーションソフトといえば、Oracleが提供する「Crystal Ball」が筆頭だ。様々なリスクのシミュレーションやモデリングに基づく予測や最適化が可能だ。しかし、普通に契約するとライセンスが19.8万円に年間サポートが4.4万円と高額だ。学生や教職員はアカデミック版を購入することが可能だが、ライセンスが15.4万円、年間サポートが3.3万円(税込)と結構なお値段だ。
f:id:hiroshi-kizaki:20191203221126j:plain
 出典:Crystal Ball | Applications | Oracle

シミュレーションの有効性と限界
高額なソフトを購入しなくても、エクセルでランダム関数を使えば、最低限のシミュレーションは可能だ。例えば、ビジネスプランを立てて、単年度黒字は3年後、累積解消は5年ごとかと言ったビジネスプランを立てても、それは絵に書いたもちだ。ベストシナリオとワーストシナリオを計算するのも良い。しかし、世の中は不確実な時代だ。いくつかの不確定要素を乱数でシミュレーションすれば、赤字に転落する可能性や、運用資金として確保すべき金額を計算するすることも可能だし、安心して意思決定ができるだろう。
f:id:hiroshi-kizaki:20191203222509p:plain
 出典:www4.kke.co.jp

サイコロの振り方に依存
シミュレーションをすれば完璧かといえばそうでもない。シミュレーションをするときには、やはりある前提を設定する。不確実性をモデル化する。例えば、それが正規分布なら平均と標準偏差を設定する。一様分布なら範囲を設定する。そのような前提条件の設定に答えが左右されるので注意が必要だ。
f:id:hiroshi-kizaki:20191203222736j:plain
 出典:http://www.aero.jaxa.jp/research/basic/issac/

マーケットバスケット分析
有名なのは、おむつとビールだ。これはマーケットバスケット分析で見つけられた事例で、1992年にOsco Dragsのデータを分析して発見されたと言われている。これは極端な例だけど、トマトを買う人はレタスも買うかもしれない。じゃがいもを買う人はニンジンを買うかもしれない。ある事象Aとある事象Bが同時に起きることを共起性というが、これを分析する手法をマーケットバスケット分析と呼んでいる。
f:id:hiroshi-kizaki:20191203223059j:plain
 出典:商品分析の手法(ABC分析、アソシエーション分析) | データ分析基礎知識

非対称の原則
ある商品Aを買う人は別の商品Bを同時に買う確率は高くても、逆は低いかもしれない。つまり、先の例でいえば、おむつを買う人はビールを買うかもしれないが、ビールを買う人がおむつを買う確率は低いかもしれない。これを非対称の原則という。

メッシュ型分析
自分が大好きなデンドログラムは分類法だ。データに基づいてツリー型に分類してくれる優れものだ。しかし、今日のマーケットバスケット分析は、メッシュ型だ。商品分析でも、アンケート調査でも、要素の傾向を分析することができる。あらかじめ原因系の要素か、結果系の要素かを指定する必要がない。処理の結果として、原因系の要素が強いとか、結果系の要素が強いことが判明する。結果として因果関係も透けて見える。しかし、大事なことはその結果を人間が見て判断することだ。

サポートとコンフィデンスとリフト
マーケットバスケット分析では、重要な指標が3つある。まず支持度(=サポート)だ。これはある商品と別の商品を一緒に購入する確率だ。確率の低いレアケースなのか、頻繁に発生するケースかを判断できる。次が信頼度(=コンフィデンス)だ。これは商品Aを購入した人がどの程度の確率で商品Bを購入しているかという比率だ。100%が良いとはいえない。コーンフレークと牛乳とか、当たり前の組み合わせの可能性もある。最後はリフトだ。これは信頼度を人気度で割った物だ。つまり全体の中で商品Bが購入される比率(分母)と商品Aを買った人が商品Bを購入する比率(分子)だ。1.5は普通で、2ぐらいが適正だが、これもケースによる。
f:id:hiroshi-kizaki:20191203224434j:plain
 出典:商品分析の手法(ABC分析、アソシエーション分析) | データ分析基礎知識

Rでの注意点
RやRStudioでマーケットバスケット分析をしようとするとデータの前処理が必要だ。一般にデータはCSVだが、これをテキストデータに変換する必要があるようだ。また、data.frame形式や、list形式のデータを「matrix」型に変換する必要がある。このあたりのお作法には少し慣れが必要かもしれない。
 出典:https://www.gixo.jp/blog/3920/

チェリーピッカー
特売の時に、特売品のみを購入する客のことを、マーケティングの世界ではチェリーピッカーと呼ぶ。これはマーケティングを考える人にとっては悩ましい存在だ。しかし、最近なら購買履歴を見て、特売品のみを購入する人にはクーポン券を配らないなんてことも可能かもしれない。ただ、個人的には、あまり意識しないでおおらかに商売したい派だ。

得意技
マーケティングの世界での生きていくには、やあり得意技を磨くのが効率的だし、効果的だという。自分ならデンドログラムだろうか。まだまだ、得意技と言えるまでになっていない。そのような得意技を作った後に、別の技を広げていくのが良いのかもしれない。

まとめ
豊田先生の授業はなかなかヘビーだ。ブログにまとめようとしても、理解度の低いところがいっぱいありすぎて、大変だ(涙)。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

熱烈中華食堂日高屋の躍進の秘密は謙虚な心

はじめに
今日は小川孔輔教授による「ビジネスイノベータ育成セミナー」に三回目だ。ゲスト講師は株式会社ハイデイ日高の創業者である神田正会長の講演だ。30分ほどのディスカッションの後、53名の学生が7つのグループに分かれてディスカッションした結果を発表した。

本日の課題はP89
ゲスト講師の講演が始まる前に本日の課題が提示された。ビルジョージが書いて、小川教授と林麻矢さんが訳した「True North リーダーたちの羅針盤」の89ページに書かれている演習課題に対するレポートだ。A4の1枚というのが約束だ。
f:id:hiroshi-kizaki:20191201174022p:plain
 出典:amazon

最優秀課題の発表
初回の授業で提示された課題を二回目に提出し、それに対する最優秀作品(Sクラス)が発表された。「昨年度の優秀作品に比べても分析の視点がクリアだった」という。確かにクリアだ。素晴らしい。おめでとう。自分も、もっと頑張らねば。
 出典:http://www.kosuke-ogawa.com/?eid=5123

株式会社ハイデイ日高の創業者神田正会長の講演
今日のゲストの神田会長は昭和16年生まれで79歳だ。2014年9月25日のカンブリア宮殿にも登場されている。ハイデイ日高は、1983年10月22日に設立し、2018年3月から2019年2月の年商は418億円を超えている。経常利益が約47億円。売上高経常利益率は11%を超えている。素晴らしい。

450店舗にするのに40年かかった
首都圏600店舗体制に向けて業容拡大を図っている。この1年での出店数は10店舗で退店が3店舗。2018年8月末の直営店が436店、焼鳥日高が31店舗、中華一番が1店舗、とんかつ日高が1店舗、大衆食堂日高が1店舗だ。
 出典:https://ssl4.eir-parts.net/doc/7611/yuho_pdf/S100H47G/00.pdf

焼き鳥屋は高齢者対策
ハイデイ日高はいろいろな業態にチャレンジしている。鳥の半身揚げの店や武蔵野うどん店もしていたようだが今はない。今、勢いがあるのは熱烈中華食堂日高屋x焼鳥日高屋だ。店長も歳を重ねると中華のフライパンがキツくなる。そんなベテランも焼鳥なら肉体的にも楽だ。そんな神田会長の優しい心遣いがあるとは知らなかった。ネットで見ると、好評だ。入り口は別でも中は一緒とか。面白い。近くにあったらぜひ行きたい。
f:id:hiroshi-kizaki:20191201175627j:plain
 出典:https://dailyportalz.jp/kiji/160526196627

退店したのは50店舗ほど
ハイデイ日高の凄さは退店数の少なさだ。勝負に勝つことも大事だけど負けないことはもっと大事だ。40年かけて500店舗を出店したが、退店したのは50店舗ほどだという。直近の退店は下北沢だがファンから惜しまれていた。小川教授によればこれは驚異的に少ない。マクドナルドや吉野家は30年で2-3割が閉店している。神田会長は謙虚なので、最初は謙遜していたが、その秘密は徹底的なリサーチだ。机上のリサーチはもちろんするが、それよりも現場主義だ。出店を検討するチームは7-8人だが、徹底的にリサーチする。最終判断は神田会長だが、曜日を変えて日に4回は見にいく。二十四時間営業が前提なので、朝の需要、昼の需要、夜の需要、深夜の需要を全て見る。500店舗も観ていると勘が働く。量子コンピュータよりも優秀な神田コンピュータだ。売れそうな店は、そんな匂いまでするという(笑)。
f:id:hiroshi-kizaki:20191201180226p:plain
 出典:https://www.shimokitazawa.info/news/2019/11/hidakaya-close20191130/

将来の展望
カレーやちゃんぽんやパスタなどいろいろな業態へのチャレンジを検討されている。ベトナムへの進出も検討されている。首都圏以外に出店するのか、首都圏で別業態にチャレンジするのか、海外にいくのか経営判断に悩むことは多い。そこで小川教授が学生に示した課題は店舗戦略だ。海外を含めて首都圏以外に挑戦する案と、首都圏で別業態に挑戦する案のどちらかを選び、その内容を発表することになった。

80歳の心境
神田会長は79歳。もうすぐ80歳だ。この日の講演にも電車と徒歩で来られた。タクシーで来ることも可能だし、運転手付きの車を調達しても誰も文句は言わない。でも、神田会長はそんなことにお金を使うなら、パートの時給を一円でも二円でもあげたいと考える。会社を支えるのは、800名強の社員と8000人強のパートの社員だ。社員の頑張りがあるから現在の会社がある。会長の願いは本当に社員の幸福であり、店舗を営業する地域に喜んでもらうことだ。
f:id:hiroshi-kizaki:20191201181916p:plain
 出典:https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19nv/00124/00021/

キャディの経験で人を見る目が養われた
神田会長は苦労人だ。昭和16年といえば終戦の年だ。父親は戦争で負傷して帰国し、働くことができない。小さい時には、母親は昼はゴルフ場のキャディをして家計を支えた。夜は子供の服を縫って直し、朝は朝食の用意をしていた。小さい時には、母が寝るのを見たことがないという。幼い弟や妹もいたため、神田会長は、小学生の頃からキャディの仕事もした。来年のオリンピック会場となる川越市にある霞ヶ関カントリー倶楽部だ。当時は米軍人が多かった。ゴルフ場のキャディをすると、朝の8時から9時の間に初対面の人と会うが、五時間も一緒にいると人となりがわかる。一見怖そうな人でも実は優しかったり、逆に優しそうに見えても怒りっぽかったり。キャディをしたおかげで人を見る目ができたという。ハイディ日高では500店舗を開業し、オーナーと契約したが、トラブルになったことがないのが神田会長の自慢だ。

運と成功の図式
社会のため人のために働く人には運が向く。困っていると誰かが助けてくれる。成功の図式は若い時に苦労することだ。神田会長は人の10倍も20倍も苦労した。中学を卒業して住み込みで成増の小さな工場に勤めた。でも辛くてホームシックになり、2週間で逃げた帰った。母親も辛かったのだろう。ほっとした感じで迎えてくれたという。昭和27-28年ごろにホンダ技研がスーパーカブを開発して大ヒットした。その時に正社員で迎えてもらった。やはり見所があったのだろう。母親も大喜びだった。

ホンダ技研での辛い勤務
自分もホンダ技研の鈴鹿工場に1ヶ月バイトしたことがあるが、辛かった。アコードの生産ラインに回されて、流石に溶接はしなかったけど、溶接して団子になった部分をドリルで削る作業だ。周りの人からはこれでも8掛けのスピードと言われるがとてもついていけない。約束の1ヶ月はやり通したが、耳は傷めるし、目はチカチカするし、首まりは火傷だらけ。絶対に製造系の企業には行かないとその時に決めた(涙)。神田会長は10ヶ月頑張ったけどやはり辛いので自宅に帰った時に、母から「お前の人生だから」と言葉をかけてもらえたことを今も忘れないという。ホンダ技研にそのまま勤務していても頭角を現した人材だと思うけど、本人はやめて良かったと笑って話されていた。

飲食店はキャッシュが先
製造業だと先行投資して、製造して、販売しても、手形で支払いを受けるとキャッシュを回収できるまでの運転資金の確保が課題だ。勘定あって金足らずになりがちだ。しかし、飲食業は、逆だという。材料費の支払いは後回しにして、客からはキャッシュで料金を受け取る。キャッシュで困ったことはないという。社員に支払う給料に困ったことはあるけど、日々の売り上げが入るので、資金繰りはOKだったらしい。

屋台はやばい
神田会長が最初にラーメン店に携わったのは、岩槻でラーメン店を開業するので手伝って欲しいと頼まれたからだ。しかし、料理は下手だし、場所も悪い。すぐに倒産した。運よく新宿でやらないかと声がかかり、銀行も100万円貸してくれたが、客が全然来ない。弟に協力を頼んで出前してもらった。市役所にご用聞きして注文が伸びた。川口に店舗を出した時も半年ほどで店がいっぱいになった。毎日睡眠時間は四時間ほどだった。その頃は来来軒だった。蕨店が軌道に乗ってきた頃から多店舗展開を考えた。税理士の指導もあり、始めたのが「経営計画発表会」だったという。
f:id:hiroshi-kizaki:20191201185622p:plain
 出典:日高屋は「来来軒」だった 夜客つかんで埼玉で成長|出世ナビ|NIKKEI STYLE

有言実行
経営計画で発表したことはこれまで全て達成した。4軒目を出店した時に取引先に集まってもらって初めて発表会をした。ほぼ棒読みだった。でも、四回目とか、五回目とかになると従業員の顔色が変わるのがわかったという。母を呼ぶと泣いて喜ばれた。当時は毎晩毎晩寝ると夢を見る。思いが想いが信念が夢となって出てくる。学生に対しては、有言実行を奥さんとやると良いとアドバイスがあった。成功したら海外旅行に行こうとか。

レンガ職人の話
有名なレンガ職人の話をしてもらった。大切なことはビジョンだ。神田会長は多分、この話をいろいろな子供たちにしたのだと思う。養護施設で仕事を探していた子供たち。刑務所から出て保護観察を受けていた子供たち。そんな子供たちにビジョンの大切さを教えて、仕事の楽しさを教えて、そしてその子供たちが今度はハイディ日高を引っ張ってくれたのだと思う。もうダメと思っても何処かに打開策はあるものだと締めくくられた。
f:id:hiroshi-kizaki:20191201190500j:plain
 出典:ビジョンの大きさが仕事の質を左右する。 | 広島の人材開発コンサルタント会社

学生によるグループ発表1:ヘルシー和食
7つのグループに分かれて議論して発表した。自分が所属するFグループは教室に戻ったら即発表だった。シンプルなスライドだけど、母親の愛情を感じるような食材、ヘルシーな食材を展開する店とデリバリーへの挑戦を提案した。同じように和食でおぼんやを提案するグループがあった。小川先生からは、もし、おぼん屋をするなら、その前に京都嵯峨嵐山の「いのうえ」にいくべきと神田会長に提案されていた。しかし、超人気の店なので、1ヶ月前ぐらいに予約しておかないとなかなか入れないらしい。
f:id:hiroshi-kizaki:20191201191426p:plain
 出典:魚がとってもおいしいお店 - いのうえの口コミ - トリップアドバイザー

学生によるグループ発表2:ベトナム料理
首都圏以外に進出すべきという提案はなかった。首都圏で別業態にチャレンジするという提案と、ベトナム系の提案があった。ハイディ日高ではベトナム人も多く働いていることと、ベトナムへの進出を考えているという話があったためだ。ベトナム日高屋を展開するという提案と、逆に日本にベトナム料理を展開するという提案があった。後者は神田会長も盲点だったと感心されていた。ベトナム料理は低カロリーでヘルシーなのでいいかもしれない。ただ、生春巻きは現在のハイディ日高の製造ラインでは厳しいという回答があったが、小川教授から提携先を紹介しましょうかと提案があった。さすがに人脈に広い。広すぎる。
f:id:hiroshi-kizaki:20191201192252p:plain
 出典:https://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1210006014/

まとめ
昨日の講義は、ゲストスピーカーの神田会長の温かい人柄にハイディ日高の躍進の秘密を感じた。利益は必要だが利益が目的ではない。日本人の美徳をそこに感じる。どんな事業をするにしても、最後は人だ。そして、その人を束ねるのはやはりビジョンだ。神田会長の熱いビジョンでハイディ日高の社員が奮い立ったのが成長の原動力だと思った。また、耳に痛いことを言ってくれる人が大事だとも話されていた。ハイデイは、「ラーメン食べてハイテンションな一日(デイ)を」という想いと、日高の直訳を逆にした言葉だ。個人的には、最終電車に乗り遅れた時にも暖かく迎えてくれる優しい店というイメージがある。これからも原点を忘れずにさらに発展して欲しいと思いました。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

人的資源管理論II#2「高齢者雇用」を受講して

はじめに
藤村裕之教授による人的資源管理論IIで、本日のテーマは高齢者雇用だった。参加した中で60歳以上だったのは、自分と藤村先生のみだった。現役の大学生にはピンとこない問題だったかもしれないが、自分にとっては、非常に切実な問題だ。

高齢化社会と高齢社会
65歳以上の人口が、全人口に対して7%を超えると高齢化社会という。14%を超えると「化」が抜けて高齢社会という。さらに、21%を超えると超高齢社会という。現在の日本の65%以上の比率は2018年9月時点28%を超えている、しかし、超超高齢社会という定義はないので、超高齢社会となる。さらに下のグラフによれば、2030年には30%を超えるというが、もっと前倒しになりそうな感じがする。
f:id:hiroshi-kizaki:20191130181301p:plain
 出典:日本の超高齢社会の特徴 | 健康長寿ネット

高齢者の定義と8掛け
国連の報告書で高齢者を65歳と定義したのは1956年だ。当時の日本の平均寿命は男性で63.6歳、女性で67.5歳だった。平均寿命を超えた人が高齢者と呼ばれていた。しかし、2018年の平均寿命は男性が81.2歳、女性が87.3歳だ。平均寿命を超える人を高齢者と定義するのであれば、85歳以上と再定義すべきなのかもしれない。
f:id:hiroshi-kizaki:20191130182948j:plain
 出典:平均寿命最高更新 女性87・32歳、男性81・25歳 - 産経ニュース

元気だから働くのか、働くから元気なのか
笑うから楽しいのか、楽しいから笑うのか。普通は楽しいから笑うと考えるが、最近の研究では笑うと楽しい気分になるだけではなく、笑うと脳の前頭葉が興奮して、間脳に伝達され、神経ペプチドを作る。楽しい笑いの情報は、善玉ペプチドを通じてNK細胞に付着しガン細胞を殺す。つまり、笑うことでガンと闘う力が強まる。逆に、悲しみやストレスは悪玉ペプチドを作ってしまう。まさに、「笑う角には福来る」だ。同様に健康に働くことで元気にもなる。人間は役割や社会とのつながりが生きる張り合いになるので、ボランティアでも、家事でもなんでも良いけど生きがいを感じることが大事なのだろう。
f:id:hiroshi-kizaki:20191130183423j:plain
 出典:笑いのメカニズム

東洋と西洋での文化の違い
ヨーロッパでは仕事をするのは辛いことだと考える。したがって、年金生活ができるようになると仕事をしない。しかし、日本では、仕事を人格形成の場と考える節がある。仕事には、A=自分がやりたいこと、B=自分がやるべきこと、C=自分しかできないことの3種類がある。このAとBとCという3つの円が重なるところで仕事をできる人は幸せだし、やる気も起きる。ワクワク感も感じられる。日本人は仕事が好きだと言われるのはそんな自己実現の場と考える東洋思想にあるのではないだろうか。
f:id:hiroshi-kizaki:20191130184501p:plain
 出典:https://business-career.jp/articles/ucGy4KS6slSywtNCsCxR

労働力率
少子高齢化が進むと高齢者を支えるのが大変だという。本当だろうか。総務省統計局の労働力人口の推移を見ると、2012年の6,565万人を底にして、2017年には6,720万人まで増加している。人口が減少しているのに労働者が増えている。つまり、労働者数は増加している。少子高齢化になっても、女子の活躍や定年延長が進めば労働力率は減らない。労働力率とは、就業者数と完全失業者数とを合わせた労働力人口が15歳以上の人口に占める割合のことだが、2018年で52.7%だ。
f:id:hiroshi-kizaki:20191130185638p:plain
 出典:統計局ホームページ/統計Today No.139

就業者比率
高齢者の就業と雇用は同じではない。この点を質問すると、就業者6,500人のうち雇用者が約5,600人なので、自営業や家族従業者は約900万人となる。下のグラフはH12版厚生白書に掲載されていたもの(授業のテキストではない)で、少し古いが、高齢になる程自営業の比率が高いことを示している。高齢者をいかに雇用するかは大きな課題だけど、個人的には、高齢者をいかに自立させて、自営業として食えるようにするのかが大事なのではないかと思う。
f:id:hiroshi-kizaki:20191130190602g:plain
 出典:https://www.mhlw.go.jp/www1/wp/wp00_4/chapt-a1.html

高齢者の雇用は若者の雇用を奪うのか
授業の中で、「ドイツでは高齢者が大量に引退した時に、若年層がその仕事に着いたのかと言えばそうでは無かった」という説明があった。つまり、ベテランの高齢者のポストを引き継いだのは、その次の年代であり、その次の年代のポストを引き継いだのはさらにその次の年代と順送りとなった。結果、空いたポストは単純できつい仕事だ。そこはドイツ人の若者ではなく、外国人労働者が対応したようだ。

高年齢雇用継続給付
日本では、高年齢者雇用安定法が1971年に制定された。その後も定年の義務化に関する内容が改正され、2013年には希望者全員の65歳までの雇用が義務化された。しかし、再雇用時の所得は大幅にカットすることが容認された。年収300万円とか、400万円に半減された例も少なく無い。このため、再雇用時の給料が現役時代に比べて25%以上ダウンした場合には、再雇用後の月給の最大15%を受領出来るという「高年齢雇用継続給付」という制度が導入された。しかし、これは焼け石にみずだ。高齢者のインセンティブの低さの元凶はこの再雇用時の給料の低さだと思う。
f:id:hiroshi-kizaki:20191130191215j:plain
f:id:hiroshi-kizaki:20191130191748j:plain
 出典:https://diamond.jp/articles/-/137606

定年のない米国
全ての国で定年があるのだろうか。下の図のように、ドイツやフランスは65歳から67歳に定年が延長されている。また年金も充実しているので、6割以上の所得を得られる。米国と英国ではそもそも定年のいう制度はない。ただし、年金の支給の基準はある。欧米と比べて日本の最終所得比が30%というのはちょっとびっくりだ。なぜ日本のマスコミはもっとこれに対して問題提起しないのだろう。日本の野党も「桜を見る会」を指摘するよりも、こういう問題をもっと議論してほしい。
f:id:hiroshi-kizaki:20191130192029j:plain
 出典:公務員定年、欧米は撤廃・延長 日本も65歳へ上げ検討 :日本経済新聞

ダイキンは定年と再雇用の間で3ヶ月の休み

空調機大手の代金では、再雇用に際して多様な選択肢を用意している。高齢者の年代になって感じるのは、時間を無駄に費やしたくないことだ。仕事があれば、八時間でも十時間でも働くけど、所定の仕事が完了したら、さっさと会社を出て、大学の勉強したり、副業したり、趣味の時間に使いたい。ネットでは裏を取れなかったけど、ダイキンでは定年してから再雇用するまでの間に3ヶ月の休みを取れるようだ。これはユニークで有効な方法だ。なぜ有効かと言えば、最初の1ヶ月は楽しい。次の2ヶ月も旅行に行ったりして楽しい。でも、3ヶ月も経過すると退屈になる。暇を弄ぶ。家にいても邪魔にされる。これなら仕事をしている方がいい。そんな気持ちになるのが3ヶ月という期間なのかもしれない。
f:id:hiroshi-kizaki:20191130192710p:plain
 出典:https://www.jeed.or.jp/elderly/research/employment_case/om5ru8000000bvbs-att/om5ru8000000bvkw.pdf

時代を超えて通用する能力
自分が勤務する会社では、55歳で役職定年になった。そして、その5年前の50歳の時に3週間の休みを取らないといけない。後5年で役職定年だよ!さらにその5年後は定年だよ!自分の人生をどうするか見つめなおしなさいよ!そんなメッセージを含む施策だ。家族で海外旅行でもしようと相談したら、子供が中学受験でそれどころではないという。大丈夫だろうと思ったけど、最初の1週間は家族で埼玉の動物園に行ってコアラとかカンガルーを観に行った。残る2週間はオーストラリアに単身でゴルフ留学した。ホームステイ制度を使ったので格安だった。さらにそれから9年の間に毎年資格試験にチャレンジして、9の資格を取得した。本当は10年目も2つの資格試験にチャレンジしたけど、両方ともダメだった(涙)。今は2年かけてMBAに挑戦しているので、残念ながら今年もない(汗)。

ダイバーシティマネジメント
藤村先生は、高齢化も女性活用もダイバシティーマネジメントの一環であるべきだととく。その通りだと思う。その時に連想するのは、下の幌馬車の絵だ。幌馬車を移動させるのに多くの人が協力している。一つの目的に向かって協力している。しかし、これを観て、あなたは横を向いたり、反対の方向に引っ張ったりしていませんか?という人がいる。しかし、そんないろいろな人がいるから幌馬車はちゃんと移動できるのだと思う。働きアリと同じ原理だ。もし、全ての働きありが100%仕事をしようとしたら、働きアリは絶滅してしまう。無駄に見える休憩や遊びがあるから働きアリは機能し続ける。そんなことをこの幌馬車を見るたびに思い出す。
f:id:hiroshi-kizaki:20191130193652j:plain
 出典:幌馬車 | // 夢 と 感 謝 を 忘 れ ず に //

まとめ
今回は高齢者雇用と自分にとっては切実というか、身近な話題だった。自分はまだ恵まれている方だと思うけど、高齢者雇用者に必要なのは、やはり頼まれたことはホイホイと引き受けて、信頼関係を強めていくことと、好奇心を失わず自己投資することだと思う。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

デジタル広告#3を受けて

はじめに
高田勝裕教授の授業もこれが三回目。授業開始時には生徒が2-3名しかいなかったが、最終的には6名になった。自分も、今日はヤバかった。打ち合わせへの参加を求められたが、嫌な予感がしたので、別件があると断った。そうでなければ、多分20時ぐらいの合流だったのではないかと思う。

出世の条件
企業に就職して、伸びる部下とそうでない部下がいる。何が違うのだろう。高田先生によれば、それはまず上司に好かれるかどうか。上司も人間だ。やはり慕ってくれる部下は可愛いし、言うことを聞く部下も可愛い。しかし、それだけではダメだ。何が必要かと言えば、上司の期待を超えるアウトプットを示すことだ。そうすると、こいつは可愛い部下だけど、なかなか見所があるとなる。そうすると、しかるべきタイミングで引っ張ってもらえる可能性がある。自分の体験上もそれはその通りだ。しかし、人生長い。10年サラリーマンをしていると、多分5人から10人の上司に使えるだろう。その時に大事なのはやはり相性だ。相性の良い上司の時は楽しいし、のびのびと仕事ができる。そうでない時は我慢するか、自分を騙すか。往々にして好きな上司と嫌いな上司は交互に現れる。まあ、成長のチャンスと前向きに考えた方が良さそうだ。

ホロスティックなアプローチ
先週の課題の一つはこれだった。すでにレポートしたものだが、せっかくなので、少し再利用してみる。

1) ホリスティックなアプローチ
 今回の最初の課題は、ホリスティックなアプローチについてA4で1枚程度でまとめて提出することだ。しかし、ホリスティックという言葉の意味がわからない。調べてみるとホリスティック(Holistic)ということは、ギリシャ語のHolosを語源としていた。Holosは、全体性を意味する言葉であり、これの派生語は多い。例えば、Wholeとか、Health、Holyとか。Wholeは意味からもHolosと近いのは理解できるが、なぜHealthがHolosの派生語になるのか疑問だ。ホリスティックを用いた日本語には、ホリスティック医学やホリスティック教育がある。

2) ホリスティック医学
 現在の西洋医学では、内科とか外科とか、精神科とかそれぞれが専門分野に分かれている。ホリティック医学では、そのような部分をみるのではなく、人間の心と体を総合的に命という観点で見るものだ。このため、ライフタイムにおいても、病気の時とか、死に直面した時だけではなく、健康な時も、場合によっては死後の世界までを包含するのがホリスティック医学と呼ぶようだ。また、ホリスティックには、全体、関連、繋がり、バランスといった意味を包含する。これは現在の医学が、部分、独立、バラバラであることへのアンチテーゼだ。ただ、このような概念は東洋医学では古くから伝えられており、西洋医学東洋医学の良い点を取り入れることが、ホリスティック医学が目指すものかもしれない。
f:id:hiroshi-kizaki:20191128225612g:plain
 出典:帯津三敬塾クリニック|医院の紹介|ホリスティック医学

3) ホリティック教育
 もう一つ日本語として使われているのがホリスティック教育だ。これも現代の教育の限界や課題を克服するための、オルタナティブ教育の一環として、命の尊厳や学ぶことの喜びを引き出すようなより民主的で人道的な教育を目指すものだ。現代の知識偏重の教育ではなく、人格形成やマナー、社会との関係などの道徳的な全体的な教育が必要という問題意識からだ。個人的には、西洋的な教育だけではなく、禅などの東洋思想的な要素を取り入れようという動きのように理解できる。
f:id:hiroshi-kizaki:20191128225820j:plain
 出典:https://libertasnova.wordpress.com/2019/06/18/holistic-education-the-future-of-modern-education/

4) ホリスティックソーシャルメディア
 MBAで習う古典的なマーケティング理論は4Pだ。いわゆる価格、製品、場所、プロモーションの頭文字をとったものだ。人によっては耳タコだろう。これからのマーケティングSNSを抜きにしては語れない。ブログやTwitterのフォロワーが100人や1000人ではマネタイズは厳しい。マネタイズを考える上で、このフォロワー数が問題だ。数が力はここでも通じる。数百万人とか数千万人といったフォロワーを要するインフルエンサーはそれだけでマネタイズできる。また、SNSはそれぞれ特徴がある。FBは仲良し友達のイイね社会だ。Twitterはゴシップ好きだ。ブログはマニアックだ。このように個々のSNSで考えるのではなく、全体としての活用を考えるのがホリスティックソーシャルメディアと言える。
f:id:hiroshi-kizaki:20191128230141j:plain
 出典:The Holistic Approach to Social Media - Area 224

LINEとヤフージャパンの経営統合
先週、解説するはずのトピックだったが、1週間遅れでも面白い。高田教授の独自の見方が新鮮だ。あまり書くなと言われたので、先生の見解というよりは、私の見解を書きたい。まず、今回の経営統合呉越同舟だ。ZHDという統合会社をトンネルにして、ソフトバンクNAVERらが大株主になる。そして、このZHDの傘下にヤフージャパンとLINEが経営する。一体その狙いは何か。教科書的なシナジーが本当の狙いとも思えない。
f:id:hiroshi-kizaki:20191128230627p:plain
 出典:https://news.yahoo.co.jp/byline/kandatoshiaki/20191118-00151372/

ヤフージャパンとLINEの狙い
Yahooとヤフージャパン(ヤフー株式会社)の関係はどうだろうか。今回の出資はYahooではない。ヤフージャパンだ。これは何を意味するのか。LINEの狙いは何か。韓国企業の儲けがしらと期待されているが、マネタイズが下手だ。赤字の垂れ流しを止めたいのか。それぞれが思惑を持って経営統合に合意したとしか思えない。歯切れが悪いが、これぐらいにしておく。

課題1:必須
顧客データを分析する場合にどのような手法選ぶのか。どのようにやれば良いのかを示す。

課題2:次のどちらかを選んでまとめる
1) データマネジメントプラットフォーム(DMP)の動作原理の推定
2) コールセンターとWEBサイトの最適配分

課題3:オプション
なぜSalesforceはTableauを1.7兆もの大金で買収したのか? Salesforceだからこそ必要な理由を明確にしてレポートする。

まとめ
結構遅くなってしまった。今回はブログにあげないつもりだったけど、面白かった部分でかつ外部に出して差し障りのない部分のみにしよう。明日も仕事だ。そろそろ寝よう。
以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

追伸)昨日の打ち合わせは20時まで続いたようだ。やはりパスして良かった(^^)

データマイニング#3を受講して

はじめに
今日の授業はRを用いながらも決定木分析やランダムフォレスト分析、回帰分析などの特徴や使い分けについて教えてもらった。なかなか理解が追いつかない部分もあるが、面白い。

回帰分析
ある変数Xとある変数Yの関係を分析する。一般にxを原因系、Yを結果系とすることが多い。下の図は広告費と売上の関係だ。これ以外にも、例えば、為替レートをX、利益をYとする。円高で利益が増加するのは輸入型産業で、円安で利益が増加するのは輸出型産業と言われる。そんな関係を数値を用いて分析できる。データマイニングでは基本的な技だろう。
f:id:hiroshi-kizaki:20191126220751p:plain
 出典:重回帰分析とは|市場調査ならインテージ

決定木分析
RStudioを用いると複数の要素の組み合わせから分類分けをしてくれる。単に分類するのではなく、ある要素群と別の要素群の相関関係まで分析してくれる。ただ、問題はこの決定木を用いて幾つのグループに分類するのかは決めてあげる必要がある。
f:id:hiroshi-kizaki:20191126221333p:plain
 出典:https://www.slideshare.net/mitsuoshimohata/ss-35949886

ランダムフォレスト分析
先週の二回目の授業は、残念ながら出席できなかったけど、ランダムフォレスト分析がメインのトピックだった。ランダムフォレスト分析は、スモールデータ分析にも適している。どういうことかといえば、例えば、20の要素と100のデータがあったとする。これを単純に20x100のデータとして分析するのではなく、ランダムに抽出した10x50のデータで決定木を作り、また別の抽出データで決定木を作る。たくさんの木を抽出するので森=フォレストとなる。そして、複数の決定木の傾向からどの要素が重要かの傾向を把握することができる。個々の木に囚われるのではなく、大きな目で森を見る感じだろうか。
f:id:hiroshi-kizaki:20191126221709p:plain
 出典:https://toukei-lab.com/ランダムフォレスト

ディープラーニング
今回のデータマイニングの授業では対象外だ。しかし、データを分析するという意味では、決定木とディープラーニングの間にランダムフォレストが位置するようだ。ディープラーニングは深層学習とも呼ぶ。レイヤー構造にして、抽象度を高めて特徴点を抽出し、今度は逆に抽象度を下げて、現実の世界の戻っていく。この手法の良さは、教師ありに加えて、教師なしの学習ができることだ。しかし、教師なしの学習では失敗例もあるようだ。まあ、そりゃそうだろう。
f:id:hiroshi-kizaki:20191126222414j:plain
 出典:https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1708/30/news005.html

複雑系をシンプル系にして、深掘りする
複雑なデータを分析する場合に、闇雲に回帰分析をしても、大変だ。分析する方も大変だけど、その結果を聞く方も難解となる。そうではなくて、例えば、まず最初にランダムフォレストでデータの全体像を把握する。そのあとで、重要な要素に絞り込んで決定木分析したり、さらに回帰分析する。ビジネスの世界で知りたいことは、それほど複雑ではない。例えば、円高に触れた時に利益は確保できるのか。どんな企業が円安でも生き残っているのか。そんな時に、最初からモデルを決め付けるのではなく、ランダムフォレストの手法を使って大雑把な分析をする。その結果は想定通りかもしれないし、もしかすると想定外のパラメータが出てくるかもしれない。そんな特徴点を回帰分析や決定木分析で詳細に分析する。そんなアプローチはわかりやすいだろう。

シミュレーション
ある変数Xと別の変数Yの関係を回帰分析等である程度見えてきたとする。いわゆるモデルかだ。しかし、変数なので固定ではない。変動する。でも、その変動パターンが正規分布なのか、二項分布なのか、一様分布なのかが分かれば、平均値や標準偏差が分かれば、その前提でシミュレーションが可能だ。例えば、企業の利益を最大にしたい時にも、為替レートによって部材の仕入れ価格が変わるだろう。原油の価格も変われば、燃料費も変わるだろう。天候によって商品の売れ行きも変わるかもしれない。そんな変数を乱数を用いて変動させることができれば、期待できる利益の平均値や標準偏差を分析することも可能だ。
f:id:hiroshi-kizaki:20191126223207p:plain
 出典:https://www.agent-grow.com/self20percent/2017/12/21/神ツール-excel-は当然シミュレーションだって出来る/

シナリオの比較分析
さらに言えば、MBA修論で何かプロジェクトを考える場合には、複数のシナリオを設定するのが良い。いわゆるハイリスクタイプとローリスクタイプを用意した場合に、調査結果に基づいてモデル化して、乱数を用いてシミュレーションをすれば、それぞれのシナリオの期待利益の平均値や、標準偏差がわかる。さらに言えば、赤字になる確率や、キャッシュフローがマイナスになる確率なども分析できる。ここまで分析すれば、リスクを踏まえたビジネスモデルと評価できるのではないだろうか。

まとめ
授業では、これ以外にもいろいろ教わったが、今日のブログはこれぐらいにしておきます。明日はゴルフです。早く寝なければ。。。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。