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AI社会論研究会サマースクールに参加

はじめに
昨日は、井上智洋准教授が主催するベーシックインカム勉強会からの誘いもあり、AI社会論研究会のサマースクールに参加した。AI社会論研究会の生い立ちや最近の活動などを振り返ってみたい。

AI社会論研究会
AIがバズワードとなって久しいが、AI社会論研究会は、哲学、経済学、法学、政治学社会学の5つの分野の観点からのアプローチを目指して、2015年2月5日に発足した会だ。共同発起人は、AI研究家・慶應大学SFC特任教授・理化学研究所生命機能科学研究センターの高橋恒一さんと、マクロ経済学者・駒澤大学准教授の井上智洋さんだ。錚々たる面々による多彩なトピックが議論されている。素晴らしい。

これまでの会合の振り返り(第34回以降)
第34回:2018年5月12日
 講演:トリノ大学ウーゴ・パガロ教授による「ロボット法の世界」
f:id:hiroshi-kizaki:20190901104311p:plain
    
第35回:2018年6月18日
 講演1:航空自衛隊航空研究センターの山下愛仁氏による「航空研究センターの概要と研究の取り組みについて」
 https://www.mod.go.jp/asdf/meguro/center/AirPower1st/030shukuji9.pdf
 講演2:SF作家の長谷川敏司氏による「SF作品と未来ビジョンについて」

第36回:2018年7月31日
 講演1:国立情報学研究所情報学プリンシプル研究系教授の佐藤健氏による「論理プログラミングによる要件事実論に基づく民事裁判支援システム(PROLEG)の開発」
 http://potyomkin2012.blogspot.com/2013/02/
 講演2:慶應義塾大学SFC総合政策学部専任講師の斎藤邦史氏による「人工知能に対する法人格の付与」
 人工知能に対する法人格の付与

第37回:2018年12月10日
 講演1:慶應義塾大学院政策・メディア研究科特任准教授の後藤将史氏による「AIと監査、人工知能の社会実装と制度変化の実証研究」
 講演2:東京電機大学理工学部准教授の高橋達二氏による「AIへの権限の委譲と心理的障壁」
 講演3:トヨタ財団プログラムオフィサー楠田健太による「先端技術と共創する新たな人間社会」

第38回:2019年3月14日
 講演1:慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任助教佐野仁美による「AI社会論研究会のいく末」
 講演2:東京大学の伊藤亜聖氏による「デジタルチャイナー:第4次産業革命人工知能の中国的展開」
     https://www.dhbr.net/articles/-/5444

第39回:2019年4月22日
 講演1:講師は神谷町・光明寺僧侶の松本紹圭氏による「Post-religion時代の宗教とAIを考える」
 講演2:南山大学国際教養学部教授の神崎宣次氏による「論理とAI:EはELSIのE(だけ)か」

第40回:2019年6月25日
 講演1:リテールAI研究会の代表理事田中氏による「流通における構造変化とリテールAI研究会の役割」
 講演2:リテールAI研究会のテクニカルアドバイザー今村氏による「AIによって変わる小売流通の世界」
 一般社団法人リテールAI研究会

第41回:2019年8月31日:AI社会論サマースクール
 発表1:慶應義塾大学大学院生の碓井舞氏による「デジタルトランスフォーメーションに関する研究の検討」
 発表2:名古屋大学大学院生の堀江幸生氏による「ポスト・インターネット-制御社会を超えて-」
 発表3:東京大学大学院生の前田春香氏による「アルゴリズムによる差別はいつ悪質になるのか、犯罪リスクに関する事例検討」
 基調講演:名古屋大学社会システム情報学科准教授の久木田水生氏による「人工知能による社会の変容:コミュニケーションの観点から」
 久木田水生のページ

まとめ
自分がAI社会論研究会の存在を知ったのはここ1-2週間前だ。縁あって参加させていただいたが面白い。AI関係の活動はいろいろあるけど、純粋に技術的な研究よりも、このような学際的な活動の方が興味が湧く。過去の講演の講師を見ても、多士済々だ。技術士の勉強会にも招待したい講師の方も多い。AIというバズワードの検索回数が減少して、機械学習の検索件数が増加しているという。しかし、AI=機械学習ではない。現在の機械学習で分析できるのは因果関係ではなく相関関係だ。しかし、今後因果関係を分析できるアルゴリズムが開発されるだろう。その時にはまたAI4.0とか呼ぶのだろうか。引き続き、活動には参加したいと思うし、自分のテーマであるベーシックインカムとの関係についても一度披露できる機会があればトライしたいと思う。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

参考1)第9回AI社会論研究会の資料(スライドシェア)
第9回AI社会論研究会「AI社会における倫理のゆくえ: 自己創出という分岐点および責任の所在、擬人化の先鋭」

参考2)AI社会論研究会の分析
https://confit.atlas.jp/guide/event-img/jsai2019/2I3-OS-15a-03/public/pdf?type=in

参考3)アシロマAI 23原則
https://www.tmresearch.co.jp/sensor/wp-content/uploads/sites/2/2017/03/SENSOR35.pdf

参考4)第16回AI社会論研究会 
 クックパッド株式会社山川宏氏による「未体験の変化は制御しうるか」
f:id:hiroshi-kizaki:20190901110712p:plain
https://twitter.com/aisocialization/status/778219205569105922

参考5)人工知能社会論からの考察
人工知能社会論からの考察 | Biz/Zine(ビズジン)

参考6)スティーブ・ジョブズがAIに勝てる理由(スマイルカーブ)
https://president.jp/articles/-/23909?page=3

参考7)慶應義塾大学SFC 研究所AI社会共創・ラボ
https://www.kri.sfc.keio.ac.jp/ja/lab/sfc-ai/
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