LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

10歳の少女がクラウドファンディングに挑戦し、エストニアへ起業の旅

はじめに
2年前にエストニアリトアニアとラトヴィアに旅行した。エストニアはIT立国の国として有名だ。欧州の日本人とも呼ばれるほど几帳面で真面目な感じだ。日本人とは肌が会う気がする。隣国のリトアニア人は陽気だ。同じバルト3国でも全然違う。ゲルマン系とラテン系ぐらいの違いがある。群れを嫌って静かに過ごしたい人はエストニアが向いているかもしれない。群れを組んで騒ぎたい人はリトアニアが向いているかもしれない。また、旅行に行きたくなった。しかし、そんなエストニアに行きたいと思った小学校5年生の女の子がクラウドファンディングの仕組みを活用して、エストニアに旅立ったことが話題になっている。そんな女の子が報告会を開催するというので参加した。面白かった。
f:id:hiroshi-kizaki:20190726231047p:plain
 出典:https://readyfor.jp/projects/inouemina

井上美奈ちゃん
 10歳でクラウドファンディングに挑戦して資金を集めてエストニアに行ったと聞くと、アクティブで勝気な性格の子か、楽観主義の子かと思うけど、全然違う。基本的にシャイだし、慎重だけど、芯がしっかりしている。そう!西野七瀬のタイプだ。こういうタイプはなかなか群れを組まないけど、色々と考えて、行けると思ったら、驚くほどの行動力を示す。そんな感じの素敵な女の子だった。

伸び悩み
 井上美奈さんがエストニアに興味を持ったのは、エストニアの教育システムだ。そして、エストニアに行きたいと思って、クラウドファンディングにチャレンジした。でも、順調に希望の40万円が集まったわけではない。20-30万円のところでやはり頭打ちした。ダメかと思ったという。そんなときに、アレクサ斎藤さんと出会って、サポートをもらって、希望額を達成して、84歳の若宮正子さんのセッションにも協力して多くの出会いを得た。でも、下の写真を見ると、おばあちゃんと息子と孫娘としか見えない(笑)。
f:id:hiroshi-kizaki:20190726233146p:plain

若宮正子さん
 井上美奈さんが慕うおばあちゃんのような女性が若宮さんだ。10歳と84歳のコンビだ。しかし、この若宮さんも只者ではない。80代で開発した「hinadan:がブレークして世界最高齢の女性プログラマーとして活躍している。Appleの「WWDC 2017」にも招聘されている。エストニアではeResidenceといって、電子的な市民を登録することができる。ただし、これは個人ではなく、法人だ。このためビジネスプランが必須だ。若宮さんは今日、その申請していたカードが送付されてきたという。さすがだ。
f:id:hiroshi-kizaki:20190726233520p:plain
 出典:世界最高齢アプリ開発者・若宮正子 80代の勉強法|WOMAN SMART|NIKKEI STYLE

齋藤 アレックス剛太
大学を卒業して、世界中を放浪の旅に出て、外資系コンサルに就業して、でもやはり飽き足らなくて、昨年エストニアに移住した。海外を放浪して気がついたのは、自分は移動が好きでない。なので、一つの場所にじっくりと滞在しようと決めて、選んだのがエストニアだったそうだ。現地のスタートアップ企業Veriffに就職し、その後blockhiveの立ち上げに立ち会い、現在のその子会社としてのSetGOを立ち上げている。やはりワクワクするのは好きなことをやるときだ。
f:id:hiroshi-kizaki:20190726233240p:plain
 出典:https://forbesjapan.com/author/detail/1295

ファーストペンギン
小学校の5年生の同級生に、エストニアに行ってみたいと行ったそうだ。友達は、冷静だ。現実を見るべきよ。無理でしょうと言う。でも、井上美奈さんの頭の中には新ビジネスのイメージが出来上がっている。できないわけがない。最初はYouTubeの利用も考えたそうだ。でも、ちょっと時間的に間に合わない。そんな時に、クラウドファンディングの手法を知り、それにかけてみようと決断した。素晴らしい。
f:id:hiroshi-kizaki:20190727073151p:plain

一歩踏み出すかどうか
参加者から質問があった。美奈ちゃんのように一歩を踏み出す人と、そうでない人の違いはなんだろう。美奈ちゃんの答えはシンプルだ。やろうと思うかどうかだと言う。下の写真にあるように、何か社会に貢献できるようなビジネスプランを思いついたら、それを実行するには国籍も、年齢も性別も関係ない。本当にそうだと思う。10歳の女の子に多くのことを教わった気がする。
f:id:hiroshi-kizaki:20190726234202p:plain

見守るタイプの母親
どうすればこんな素敵で凄い子供に育てるのだろうか。ご両親はどんな人だろう。実際に会場に母親の方がいらしたので少しお話をした。イメージしたような教育ママではない。イケイケのキャリアウーマンの感じでもない。詳しくは聞いていないけど、多分普通の主婦の感じだ。美奈さんは一人っ子なので、本人がしたいと言えば本人の意思を尊重するようにしていますと説明いただいた。いわゆる放任型でも、管理型でもなく、優しく見守るタイプのように感じた。また、別の人からは両親が参加するセミナーに美奈さんも一緒に連れてきていたら、美奈さんの方が興味を示すこともあったようだ。つまり、講演会とか、セミナーとか、大人のコミュニティーの場に連れて行き、その雰囲気に慣れる機会を与えたのが良かったのかもしれない。セミナーに参加したことがなければ、10歳でセミナーを企画して、司会して、プレゼンするのは無理だ。習うより慣れろかもしれない。

IT担当平井大臣の理解と協力
井上美奈さんは出発前と帰国後にIT担当の平井大臣を訪問している。平井卓也(1958年1月25日生)は、内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略、知的財産戦略、科学技術政策、宇宙政策)だ。井上美奈さんがエストニアに行くと聞き、エストニアの駐日大使を紹介したり、エストニアでキンゴ貿易IT大臣を表敬する手はずをしたり、協力いただいたよう。報告会でも平井大臣からの手紙を井上美奈さんが代読していて、うるっときた(笑)。
f:id:hiroshi-kizaki:20190728075020p:plain
 出典:https://twitter.com/estembassyjp/media

シンガポールで開催されるEdTech Asia 2019
井上美奈さんは今回のエストニアの訪問をきっかけに、8月1日と2日にシンガポールで開催されるEdtech Asia 2019でピッチする権利をゲットした。美奈ちゃんが今度EdTechでPitchすると言われてもすぐには意味が分からなかった。Pitchは便利な言葉で色々な意味を持っている。例えば、水泳のピッチを上げると言えば、クロールなら手でかく周期を短くする意味だ。最近では、特にクラウドファンディングなどで短い時間で提案することをピッチと読んでいる。フィンテックの世界の人たちは皆忙しいので、プレゼンテーションの短縮版としてピッチが流行っている。そんなピッチを10歳の女の子が今度はシンガポールで実行する。凄いとしか言えない。
f:id:hiroshi-kizaki:20190728133823p:plain
 出典:https://summit.edtechasia.com

まとめ
井上美奈さまの将来が楽しみだ、今10歳。10年クラウドファンディングで資金を集めて、ビジネスを立ち上げて経験を積むと20歳の時には10年のベテランだ。すごい。彼女だけではなく、彼女の後を追う子供達も増えてほしい。何か応援する機会があれば、応援したいと思う。

以上

最後まで読んで頂きありがとうございました。