LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

ドイツ銀行破綻と消費税増税見送りの可能性

はじめに
2019年はビッグイベントが目白押しだ。まずは4月1日に新元号が発表され、5月1日には皇太子さまが新天皇に即位される。さらに、10月には消費税が10%に増税される。しかし、その増税は、2008年に発生したリーマン・ショック級の出来事がない限りという前提が付いている。世界の経済は大丈夫なのだろうか。
 出典:首相、消費税「リーマン・ショック級の出来事がない限り10%に」 :日本経済新聞

リーマンショックとは
リーマンショックとは、サブプライムローンの破綻を契機として、2008年9月15日(月)に、米投資銀行リーマン・ブラザーズが連邦倒産法第11章の適用を申請した。つまり、破産宣告した。この申請により、超優良企業と言われれていたリーマン・ブラザーズは約64兆円(6000億ドル)の損失を計上し、世界的な経済連鎖で、日本の経済も直撃した。

ドイツ銀行の破綻の危機
日本の新聞やテレビで報道されているのだろうか?記憶にない。。しかし、ネットで調べると、日本経済新聞では2019年に2つの記事があった。2月1日の記事では、ドイツ銀行が4年ぶりに黒地に転じたという発表だ。そして、3月20日には、ドイツコメルツ銀行との経営統合評価に入ったという2件だ。マイナスの記事はご法度なのだろうか。良識のある日本経済新聞でさえこのレベルの報道だが、ドイツ銀行は大丈夫なのか。
2019年2月1日:ドイツ銀、4年ぶり最終黒字 :日本経済新聞
2019年3月20日焦る政治 追い詰められたドイツ銀行 (写真=ロイター) :日本経済新聞

ドイツ銀行の経営破綻の危機
ドイツ銀行もかつては優良企業だった。しかし、ドイツ銀行デリバティブ負債(CDS)として約7500兆円(75兆ドル)を有している。この負債額は、EU全体のGDPの5倍のレベルだ。ドイツのGDPの20倍の規模だ。ドイツ一国では救済は困難だ。仮に全額が負債となれば、リーマンショック級どころではない、リーマンショックの100倍級のショックだ。日本経済新聞が報道するような単年度の黒字とか、コメルツ銀行との合併で解決できるようなものではない。むやみに危機感を煽るのは避けるべきという判断があるのだろうか。嘘は言わないけど本当のことも報道しないというのが日本のメディアの現状だと思う。
 出典:ドイツ銀行破綻ならEU版リーマンショックに!英ポンド/円は史上最安値を更新する!?|陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」 - ザイFX!

ドイツ銀行の株価
ファクトとして、ドイツ銀行の株価を見てみたい。リーマンショック前夜の2007年5月にはドイツ銀行の株価はUS$150を超えていた。しかし、リーマンショック後にはUS$25を割り込んだ。その後、US$70まで持ち直したが、それが直近の2019年3月にはUS$17まで落ち込んでいる。ピークの2007年に比べて10分の1以下だ。マーケットはドイツ銀行の価値は10分の1と判断しているということだ。コメルツ銀行との合併は解決策とならないため、3月28日の報道では7.46ユーロまで下落したという。
f:id:hiroshi-kizaki:20190331144656p:plain
 出典:DB Interactive Stock Chart | Deutsche Bank Aktiengesellschaft Stock - Yahoo Finance

日本の銀行への影響
バブル崩壊の後、1990年代から2000年代にかけて都市銀行の再編が進んだ。現在の三菱UFJ銀行は、もともとは三菱銀行東京銀行三和銀行東海銀行の大手4行だ。1990年代の11行は、みずほグループ三菱UFJ銀行、そして、三井住友銀行に再編されている。今後、ドイツ銀行の経営破綻が顕在化したら、りそなグループや新生銀行あおぞら銀行はどうなるのだろう。日本の銀行は2−3のグループにさらに再編されるのだろうか。
f:id:hiroshi-kizaki:20190331145435p:plain
 出典:銀行(ぎんこう)とは - コトバンク

世界主要国のGDPの推移予測
1970年の名目GDPシェアは米国がトップ、旧ソ連が二位、ドイツが三位、そして日本は6.2%で四位だった。2017年ではロシア(旧ソ連)とドイツが衰退する一方で中国が急増して二位、そして日本は6.1%で三位に浮上していた。IMFの2022年予測では、世界のGDPは108.5兆ドルで2017年に比べ36%も増える予想だ。国別に見ると、米国と中国が競い、米国がかろうじてトップを維持し、中国が二位。そして、日本はかろうじて5.3%で三位、さらにドイツが四位となっている。これはドイツ銀行の破綻がないベストシナリオと言えるだろう。
f:id:hiroshi-kizaki:20190331150246p:plain
 出典:世界のGDPシェアの変遷 ~世界経済勢力図の現在・過去・未来

まとめ
初めて海外旅行した時は、有楽町のドイツ銀行に行ってトラベラーズチェックを購入した。ヨーロッパでは、ドイツ銀行は優良銀行であり、レートも良かったことを思い出す。この4月から銀行・証券との関わりが強くなるようなので、少し銀行・証券に付いて調べると大変な地雷があることがわかった。この地雷が爆発するのか、それとも世界の叡智を結集してうまく除去できるのか、放置するのか。。。万一発生した場合には、日本の金融業界だけでなく日本社会も大きな影響を受けるだろう。日本国民にとって最悪なのは、消費税増税後にドイツ銀行が破綻することだ。ドイツ銀行が破綻したら円高が進むかもしれないので、外貨預金は控えるべきだろう。逆に1ドルが例えば80円台まで円高が進めば、その時こそ外貨預金のチャンスかもしれない。今後、世界の経済がバラ色の可能性よりは、波乱万丈で悲惨な可能性があることは理解しておくべきだろう。

以上

最後まで読んでいただきありがというございました。

P.S. 4月2日の日経新聞の21面の「大機小機」に欧州市場のもう一つの不安としてドイツ銀行デリバティブ債務不履行の可能性について言及する記事が掲載された。さすがにプロだ。上手にまとめていると思う。7500兆円のデリバティブがあると書きながら、ギリシャ債務不履行に陥入れば約50兆円の市場不信を招くとしている。金融不安の危機は7500兆円ではなく、50兆円かと理解する。50兆円でも大変な額だが、実際はどうなのだろう。ギリシャ問題が大問題となったのは、50兆円が引き金となって7500兆円の債務不履行になる懸念があったからではないのだろうか。危機的状況になればドイツ政府は責任と威信をかけて救済に動くだろうと結論づけている。米国でさえリーマン・ブラザーズを救済できなかったのに、そんな根拠はどこにあるのだろうか。嘘は書かないけど、本当のことも書かないと感じるのは残念ながらこういう記事を読んだ時だ。皆さんはどう思いますか?