LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

モバイル技術の最新動向に対する学生の反応

はじめに
モバイル技術の最新動向について学生にお話をする機会があった。そして、その中で印象的だったもののアンケートを取ったら結構参加者は真剣に聞いてくれていたことを感じられる結果だった。良かった。

1. LTEの技術で印象的だったもの
f:id:hiroshi-kizaki:20181111090712p:plain
モバイル技術の歴史を振り返った上で、今若い人が使っているスマホLTEを用いたものが多い。そのLTEではどのような技術を用いているかを概説した。やはり一番イメージしやすいのかVolteを選択した人が6割以上と圧倒的に多かった。第一世代は音声のみ、第二世代は音声をベースにデータも少し、第三世代は音声用とデータ用のシステム、そして、第四世代はデータ専用だ。このため音声データをパケットに分解して、データ網で疎通させる。一般のデータ通信に比べて音声データは遅延や揺らぎへの要求条件が厳しい。VolteとはVoice over LTEの略だが、ピアノの鍵盤とVolteの帯域、一般的な電話の帯域などを対比して説明したのが面白かったという声も多かった(笑)。

2. 5Gの技術で印象的だったもの
f:id:hiroshi-kizaki:20181111091331p:plain
2020年に向けて検討が進められている5Gについてもその概要を話した。やはり学生さんは高速利用のニーズが強く、高速通信を実現する各種技術が印象的だったようだ。自動運転をサポートするための低遅延技術やスタジアムで任意の角度からの合成映像を観れる自由視点動画なども印象に残ったようだ。また、5Gを支えるコンセプトの一つであるスライシングについても軽く触れたが、これが印象的だったという回答もあった。嬉しい。

3. 基礎技術で印象的だったもの
f:id:hiroshi-kizaki:20181111091657p:plain
少し難しいかなと思ったけど、モバイル通信技術を支える基礎技術についても説明したところ、フーリエ変換が最も多かった。数学などでフーリエ変換を学ぶけど、それが時間軸と周波数軸の変換であることを初めて理解したという声が多かった。また、普段携帯を使っているためだろうか、アンテナの相反性に興味を示した人も多かった。CDMAの仕組みや原理はなかなか難解だけど、狭帯域の信号をコードで拡散して、広帯域信号に変換し、これをまたコードで狭帯域の信号に戻すという仕組みを説明したら、凄い技術だと素直に感動してくれた学生もいた。これも嬉しかった。

4. 電波伝播の仕組みの印象的だったもの
f:id:hiroshi-kizaki:20181111092130p:plain
スマホは、最寄りの携帯電話基地局と無線でつながっている。電波がどのように伝搬するのかを説明した。電波伝搬損失の計算式は難解だけど、周波数によって損失が変わることを知り、なぜプラチナバンドと呼ばれるのかを理解した学生も多かったようだ。また、電波が飛来する時に、直線的に飛来するというよりはラグビーボールのようなゾーンで飛来するというフレネルゾーンの話に興味を持った学生も多かった。また、ドップラー効果は音声では理解していたけど、電波でも生じるのに驚いたという声もあった。ただ、なぜ軽く説明したフレミングの法則が多かったのかは不明だ(笑)。

まとめ
アイスブレイクとして、マラーラさんの話やスティーブ・ジョブズの予言なども交えながら説明した。「未来をイメージして、今すべきことに集中することの大切さを理解しました。」といった感想もあった。今回は持ち出しのボランティア活動だが、若い人と接する機会を持つことは何事にも変えられない経験であり、逆に多くの気づきを得られる1日でした。
 出典:スティーブ・ジョブズ氏、1985年の予言「ネットのために…」 - ライブドアニュース

以上