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教育勅語と実語教

はじめに
平成30年10月2日に第4次安倍改造内閣の組閣が発表された。文科省の大臣に任命された柴山昌彦大臣の就任会見の発言に朝日新聞をはじめとするマスメディアが攻撃している。何が問題なのだろうか。日経新聞では記事として取り上げられていない。

教育勅語とは
明治23年(1890年)に教育の基本方針を示すものとして明治政府が制定した明治天皇勅語だ。勅語とは、天皇が国民に対して発する意思表示の言葉とある。Wikiをみると、「大日本帝国における国民道徳の基本と教育の根本理念を明示するために発布された。とある。何が書かれているのだろう。

教育勅語は315文字
言葉としては知っていても、何が書かれているかを知らない。そもそも見たこともない。現代人はそんな人も多いのではないだろうか。非難する前に、教育勅語は何かをマスメディアは解説しない。感情的な言葉の伝達だけをしているように感じるのは自分だけだろうか。
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 出典:http://www.media-japan.info/?p=3944

教育勅語の現代訳
わずか128年ほど前なのに、原文を見ても何が書いてあるのかさっぱり解らない。どういう意味かをネットで調べてみると、次の訳が分かりやすい気がした。親孝行をしなさい。兄弟姉妹は助け合いなさい。夫婦は仲良くしなさい。学問を怠らず職業に専念し、人格を磨き、社会公共のために貢献しなさい。教育勅語に書かれていることは日本人が遥か昔から大切にしてきた日本人の心を大切にしなさいと言っているにすぎない。
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 出典:https://blog.goo.ne.jp/cdp50570/e/5528d5730795932d024cb7a43452ef21

実語教の教え
このブログでも何度か実語教について書いている。そして、教育勅語に書かれていることは実語教に書かれていることを明治天皇の言葉として分かりやすく内容を凝縮したものとも言える。このブログの読者は実語教について知っている人が多いと思うが、一般の人はまだまだ知っている人は少ないだろう。だって、マスメディアはなぜ教育勅語が悪いのか。教育勅語はどのような想いでできたのか。日本人の心を育んできた実語教について解説しない。テレビでも、二流の政治家の発言を引用ばかりしている。
hiroshi-kizaki.hatenablog.com

教育勅語の反省点
では何が悪かったのか。それは、1939年に第二次世界大戦が始まり、治安維持法が1941年(昭和16年)に制定された。そして、当時の政府が教育勅語を国民教育の思想的基礎として神聖化した点にあるのではないか。つまり、国民を鼓舞し、扇動するために錦の御旗にされた点ではないかと思う。wikiでも、この点については、「戦争激化の中にあって、1938年(昭和13年)に国家総動員法が制定され、その体制を正当化するために利用された。そのため、教育勅語の本来の趣旨から乖離する形で軍国主義の教典として利用されるに至った。」と記載されている。教育勅語が悪いのか、それともそれを悪用した政府が悪いのか。

スマホは悪か
子供達にもスマホは浸透している。学校の先生や保護者は子供がスマホを使わないように指導して欲しいと言われることがあった。しかし、スマホが悪いのか。スマホを利用する子供が悪いのか、正しい利用方法を指導せずに自由に使わせる保護者が悪いのか。それを放置する学校が悪いのか。何か重篤な事件が発生すると、犯人探しが始めることがあった。最近は、スマホのリスクを子供達にも教えて、正しく、節度を持って使わせようという方向にある。

子供の声
先日訪問した小学校では5年生に話をした。先生が質疑や感想を話す時間を5分ほど設定してくれた。5分でも足らないくらい子供達が挙手して次つぎと感想や質問などをしてくれた。その時にある女の子は、こう話をしてくれた。「私はまだスマホを持っていません。いわゆるキッズ携帯です。スマホを欲しいと思っていたけど、今日の話を聞いて怖いこともある。もう少し持つのは大きくなってからにしようと思いました。ありがというございました。」ちょっとおませな感じの可愛い子だった。スマホをガンガン使っているのかと実は想像していたら、こんな感想を受けて実はびっくりした。悪いのはスマホではなく、そのリスクを示し、正しい使い方を一緒に考えていくことが大切ではないだろうか。

実語教を考える
教育勅語が悪いのか、悪くないのかという議論はしたくない。やはり感情的には悲しい戦争とセットで議論される可能性があるし、慎重に対応すべきだろう。その意味では、柴山大臣も脇が甘かったのかもしれない。柴山大臣は、もしかしたら実語教のことをご存知ないのかもしれない。1000年以上にわたって日本人の心を育ててきた実語教に書かれている内容を道徳教育に活用することが可能かを検討したいと言っていたら、野党の人はどのようにコメントするのだろう。

まとめ
テレビにもよく出演される齋藤孝明治大学教授が実語教の解説本を出している。著者自身も8歳の時に実語教と童子教を学んだという。著者は1960年静岡生まれだ。静岡の小学校では粋なことをしていたのだろうか。興味のある人は読んでみてはいかがでしょうか。
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