LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

相関関係と因果関係

はじめに
昨日は台風が接近するなか、久しぶりに会社のゴルフコンペに参加した。アスリート向けのタフなゴルフ場だったが、打ちっ放しがないので、受付ギリギリまで近くのゴルフ練習場で練習していた(笑)。お陰で前半のドライバーはほぼ矯正できて44。後半は持病のパターイップスが出て、ドライバーも左に曲がるというか、まともに当たっていない。なんとか51。でも、この2つの現象は同じような原因のような気がする。何が原因なんだろう。

スマホの利用時間と学力の関係
一昨日は、これまた久しぶりに横浜の小学校を訪問して、100人ほどの5年生にお話をした。その時に、下の保護者向けのスライドも含めて話をしたら、鋭く突っ込んできた子供がいた。素朴に「本当にケータイの利用時間を減らすと成績が上がるのですか?」この質問は素晴らしい。保護者に説明すると、我が意を得たりと「分かりました。今日から子供のケータイの利用時間を制限します」というコメントが返ってくることが多い。本当はそうじゃないと思いながら、くどくなるので、「そうですね。」とお茶を濁すことがある。しかし、今回は問題点をズバリと聞いてきた。つまり、これは因果関係のグラフではなく、相関関係のグラフなのだ。ケータイの利用時間を減らすだけでは成績は上がらない。ちゃんと勉強に興味を持って、真剣に勉強する。その結果として成績が上がるし、同時にその結果としてケータイの利用時間が減るということだ。子供の感性は素晴らしいと思う。これからは保護者にもこの構図をちゃんと説明するようにしようと反省した。
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 出典:文部科学省

血圧と健康の関係
毎年健康診断の時に血圧が高めにでる。特に、看護師さんが美人だったりするとてき面だ。さらにスタイルが良かったりしたらもうそれだけでドキドキしてしまう(笑)。しかし、血圧が高いことは悪いことなのでだろうか。熱中症の原因を調べていると血圧が低い人や、高血圧で降圧剤を服用している人の方が重篤化する傾向がある。下のグラフは、年齢ごとの血圧と死亡率を示したものだ。物事は二軸で説明できることは少なく、三軸とか四軸でないと説明できないことが多い。各年齢で見ると、80台は血圧が高くても顕著に死亡率は上がっていない。それよりも低血圧の方が死亡率が上がる傾向にある。70台は血圧が上がると死亡率も徐々に上がるが、血圧が引くと急激に上がっている。60代はあまり関係ないようだ。しかし、年齢が上がるほど死亡率は確実に高まっている。これはどういうことかというと、年をとるほど残念ながら死亡率は上昇する。そして、同時に年をとるほど血圧も上昇する。従って、血圧が高いと死亡率が高いという相関関係にある。先の小学生なら「血圧を下げたら本当に死亡率が減るのですか?」と素朴に質問するかもしれない。単なる相関関係を因果関係のように連想させるトリックに騙されていはいけない。
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 出典:血圧と死亡率 | おしえて!ゲンさん! ~分かると楽しい、分かると恐い~

降圧剤と死亡率
降圧剤を服用している人と服用してない人で死亡率の差異がどの程度あるのかのデータを調べたが残念ながら分からなかった。しかし、下の図のように降圧剤を服用している人と降圧剤なしの人の、血圧と自立者の割合の関係を調べたグラフがあった。これをみると、降圧剤を服用しない人の方が服用する人よりも血圧に関わらず自立者の割合が高いということだ。しかも、降圧剤を服用している人で最大血圧が119以下の人は自立者の割合いが極端に少ない。これは降圧剤の副作用と関係があるだろう。とはいっても、パロディだが、血圧が高いほど自立者の割合は減少傾向にある。このデータをさらに年代別に調べてみるともっと詳しいことが分かるけど、流石にネットではそこまでは分からなかった。
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 出典:高血圧は健康で長生きできます。血圧の薬は飲んじゃダメ。中高年は180でも大丈夫。(改訂版) - 薬屋のおやじのボヤキ

ゴルフと健康
残業時間が100時間を軽く超えていた頃にメンタルの診断を受けさせられたことがある。確かに慢性的な睡眠不足で週末は昼寝で休養しないとキツかった。しかし、その時の産業医を見た時に、この人はメンタルをやられていると感じた。メンタルをやられる社員を一手に引き受ける。しかもメンタルは伝染する。やられない方が不思議かもしれない。でも、その産業医からの質問は「何か運動してますか?」だった。そして、たまにゴルフをしますと答えると、「あっ、そう。じゃあ大丈夫ですね。」といとも簡単に診断が終わった。ゴルフをしたらなぜ大丈夫なのかを知りたかったけど、それを聞かせないオーラが放たれていて、「わかりました。ありがとうございました。」とメンタル診断は無事終了した。たまに運動して体の節々が痛くなるほど体をいじめるのも必要だと思う。また、頭ばかりではなく体を使うことで心身のバランスも良くなるのかもしれない。機会があればもっと深掘りしたい。

まとめ
相関関係と因果関係は似て非なるものだ。本当の因果関係とまやかしの因果関係を見抜く眼力は常に持っていたいと思う。経営指標も要注意だと思う。経営指標の良い会社は業績が良いが、経営指標をよくしようとしても会社経営はよくならない。この2つはどちらも結果だ。大切なことは、従業員が明るく挨拶しているか、社員の目が輝いているか、自由闊達な社風か、お客様やパートナーとの信頼関係を重視しているか。良いものを作ろうと頑張っているか。戦略的に活動しているか。研究開発を頑張っているかなどが重要だ。間違っても、ケータイの利用時間を制限すれば子供の成績が上がるような短絡的思想では、経営者は務まらない。しかし、最近の経営不振に陥る優良企業はそのような経営指標を重視する傾向にないかどうかが心配だ。

以上