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皇紀を考える

はじめに
今日、朝日新聞の朝刊を読んでいたら、小室圭さんが平成の元号ではなく西暦で話をしていることについての記事が書かれていた。小室さんのことはよく知らないがまだ皇室の方でもない。普通に西暦で会話して何が悪いのだろうか。もし、暦のことについてコメントするなら日本古来からの皇紀についても言及すべきだと感じた。

皇紀(こうき)とは
皇紀とは、日本の初代の天皇である神武天皇が即位した日を紀元とする暦だ。西暦になれた現代の人間からみると元号を覚えるのは大変だ。NHK大河ドラマを見ていても、古い元号を持ち出されても一体何年か分からない。昔の人はどうしていたのだろうと不思議に感じたことがあったが、そんなことは心配ご無用(笑)。日本には皇紀という一貫した暦が使われていたことを知ったのはこのブログを書き始めてからだ。

問題は知らされていないこと
皇紀を使うかどうかは広く議論すべきだが、問題は皇紀の存在を知らされていないことだ。学校の教科書には多分書かれていないだろう。少なくとも自分が習った時代にはなかった。子供に聞いても知らないという。自分より年長の兄に聞いても知らないという。戦前の世代の人間は当然の如く知っているが、戦後の人間は知らない。知らされていない。そこが問題だと思う。

参拝の御朱印
神社仏閣に参拝した時には御朱印帳を購入することができる。ネットで見るといろいろな御朱印帳を確認できる。便利な世の中になったと思う。その多くは元号で書かれているが、よく調べると皇紀で年月日まで記載した鴨池日枝神社(左)や、元号で年月日を皇紀で年のみを記載する大阪淀屋橋(中)、そして、まるでスタンプのように皇紀の年表示をする明治神宮(右)があった。世の中からまだ無くなっていないことに少しほっとした。
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 出典:左(参考1)、中(参考2)、右(参考3)

紀元2600年記念行事
昭和15年(西暦1940年)は、神武天皇の即位から2600年目に当たるため紀元2600年記念行事が国を挙げて開催された。これは、純粋に皇紀を祝うというよりは、戦争で疲弊する国民を鼓舞する目的で開催されたものと考える。戦後、GHQから皇紀の利用を禁止されるのもこういった使われた方にも原因があったのかもしれない。「神国日本」という概念もこの頃訴求されたようだ。
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 出典:wiki(参考4)

宗教の自由
憲法において宗教の自由は保証されている。宗教には、キリスト教イスラム教、ヒンズー教、仏教、神道などがある。そして、キリスト教の暦が西暦だ。イスラム教は回教暦ヒンズー教にはヒンズー暦、仏教には釈迦が入滅した年(または翌年)を元年とする仏暦がある。そして、神道の暦が皇紀ではないか。

坊ちゃんと神道
学生時代に夏目漱石の「坊ちゃん」の英語版を読んでいたら、奈良に旅行で来ていたイギリスの老夫婦がそれを見つけて話しかけてきた。この本は面白いですよとプレゼントしたらすごく喜んでくれて、イギリスにくることがあったら訪ねて欲しいと名刺をもらった。その時にあなたは「シントーですか?」と聞かれた。シントーの意味が分からないので聞き返すと宗教だという。自分は宗教には熱心ではないが、家族は浄土宗という仏教だと答えたことを覚えている。そして、あとで「シントー」を調べると神道ではないか。日本の宗教のことを英語で聞かれて分からないことを恥じた。まるで、あなたはジャパニーズか?と聞かれて、ジャパニーズの意味が分からなかったようなものではないか?大いに恥じたことを覚えている。

まとめ
別に自分は右でも左でもない。そもそも何が右で何が左かもよく分からない。それよりは、過去の歴史を大切にして、将来を見つめて行きたいと思う。我々日本人の起源がどこにあるのか。9月2日まで東京国立博物館で特別展「縄文―1万年の美の鼓動」を開催している。縄文の歴史は日本の歴史でもある。日本の最初の暦は、実はもっと古代からあったのかもしれない。しかし、少なくとも2678年前に神武天皇が日本国の最初の天皇として国を治めるようになったという歴史観は大切にしたいと思う。
www.tnm.jp

最後まで読んで頂きありがとうございました。

参考1:丸いカタチの御朱印は珍しいのです。
参考2:https://deskgram.org/p/1718899465949144445_6226321386
参考3:御朱印を頂く御朱印帳が8冊になりました。