LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

テレワークを考える。

最近、ブログの更新をサボっている。これはこの3月までと異なって9時ー17時の普通の勤務に戻ったため、可処分時間が減ったことと、7月16日の技術士試験の受験勉強を優先しているためだ(言い訳)。

昨年度の情報工学部門の記述問題に取り組もうと思ったら「テレワーク」をテーマにしたものが出題されていた。600字の原稿用紙3枚にまとめよという問題だが、テーマが面白いので、久しぶりのブログのテーマにすることにした(笑)。

1. テレワークの定義
wikiを見ると、「テレワークあるいはテレコミューティングとは、勤労形態の一種でインターネット等を介して時間や場所の制約を受けずに、柔軟に働く形態をいう。また、テレワークで働く人をテレワーカーと呼ぶ。」とある。つまり、会社に出社して、事務所にある業務用のPCを用いて仕事をするのではなく、それと同じことを自宅とか、サテライトオフィスとか、通勤中とか、喫茶店とかで行うことだ。

2. テレワークの分類
ベネフィットワンが提供するBowglのサイトに分かりやすく解説があった。テレワークのワークスタイルには下の図のように4つに分類できるという。つまり、上が雇用型で下が自営型、右が在宅型で左がモバイル型だ。営業担当が出先で仕事をするのは左上だ。スタバでお仕事をしている人たちは左下だ。同じ在宅でも、雇用形態で右上と右下に分かれる。でも、自宅がオフィスの自営業の場合に在宅ワークがテレワークになるのだろうか?まあ、そんな細かいことを横においておこう。
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出典1) https://bowgl.com/2017/12/14/telework/

3. テレワークのメリット
テレワークを導入するとどんな効果があるのだろう。もちろん従業員にもメリットがあるが、テレワークの導入を決定するのは会社なので、会社にとってのメリットが重要だ。大きくいえば、優秀な人材の確保や生産性の向上など、人材の有効活用の効果が大きいのではないだろうか。また、東日本大震災の時には、テレワークの効果は絶大だった。上司からリモートデスクトップのためのUSBを渡されて、個人所有のPCに接続したら、なんと会社のデスクトップにアクセスできる!正直初めてなのでびっくりした。災害時対応として、やるべきことは山積していたので、リモートデスクトップの効果を実感した。
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出典2) 出典1と同じ

4. テレワークの方式
リモートデスクトップ方式とは、テレワーク端末から会社のPCにアクセスして、会社のPCのデスクトップをテレワーク端末に表示して操作できるもの。一種のなりすましだ。これの利点はデータはすべて会社のPCのハードディスクやサーバーに保存される点だ。問題は印刷指示したら会社のプリンターに印刷することだ(涙)。にて非なるものが仮想デスクトップ方式だ。会社のPCのデータをすべてサーバーに格納する方法だ。テレワーク端末には基本データを保存しないので、廉価なPCやタブレットスマホでも可能だ。問題はネット環境がない場合には使えないことだ。飛行機内で仕事をしようと思っても厳しい(涙)。また、クラウドを活用するのがクラウド型アプリ方式だ。処理したデータはサーバーにも保存できるし、テレワーク端末にも保存できる。利用者からいえばこれが最も使いやすい。もっといえば、同じクラウドをPCでもタブレットでもスマホでもシームレスに使えるのが嬉しい。ただ、問題はリモート端末内部に保存できるため情報流出などのセキュリティの問題が懸念されることだ。アプリケーションラッピング方式はリモート端末内部にデータを保存できないように規制する方法だ。個人的には余計なお世話だが、セキュリティを高めるには止むを得ない(涙)。
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出典3) 総務省のテレワークセキュリティガイドライン
    http://www.soumu.go.jp/main_content/000545372.pdf

5. 東京オリンピックパラリンピック
2012年にロンドンで開催されたオリンピック&パラリンピックでは、期間中の交通混雑を緩和するためにテレワークを実施した。ロンドン市長によるとテレワークはオリンピックの社会的な遺産(レガシー)として定着しているという。こんな話が大好きな小池都知事は2020年の東京オリンピックパラリンピックで二匹目のドジョウを狙っている。夏の暑い時に会社に出社しなくても、自宅や近くの喫茶店などでお仕事ができればそれはそれで嬉しい。でも、近所のスタバがさらに混むので、営業時間の開始時には行列ができたりするかもしれない。

6. テレワークのリスク
テレワークは万能ではない。メリットがあればやはりデメリットもある。これは仕方がない。総務省ガイドラインでは、下の図のように分かりやすく、テレワークの脅威と脆弱性について説明している。悪意を持った悪い人はいる。最近ではランサムウェアと言って、他人のPCにウイルスを感染させ、データをすべて暗号化し、復号キーを教えて欲しかったらお金を払えと迫ってくる。その代金も銀行口座振込みとかだと犯人がすぐ見つかるので、ダークウェブにアクセスする方法を説明して、痕跡が残らない仕組みのなかで仮想通貨を買わせるのだという。これは賢い方法かもしれないが、賢い人がそんな悪いことをしてはいけない。
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出典4) 出典3と同じ

7. テレワークの留意点
テレワークを活用しようと決めたとする。その場合にはどんなことに留意すべきなのだろう。先の技術士の試験でも当然ここをついている。総務省ガイドラインでは、下の図のように、ルールと人と技術のバランスを保つことが大切だと説明している。ルールを決めてもそれを守らなければ意味がない。そのルールを守っていても、セキュリティの甘いシステムでは感染してしまう。この3つのバランスをとると言った主旨で回答すれば合格点は貰えるだろうか(笑)。
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出典5) 出典3と同じ

8. テレワーク導入の手順
情報システムを担当する立場で、テレワークの導入が決まった。あなたはそのマネージャだ。どのような手順で進めるかを述べよ。こんな問題は出そうだ(笑)。BowglのHPには下の図のような分かりやすい流れが記載されていた。この中で特に大切なことは、目的を明確にすることだ。PDCAを回すにしても、その判断基準となるのは目的を達成したのかどうかであるべきだ。そして、テレワークに限らないが、情報システムの導入や利用で重要なことは改善を繰り返すことだ。最初は多少問題があっても、課題を明確にして、その課題を解決して行く。そんな繰り返しを継続することが何より大切だ。
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出典5) https://bowgl.com/2017/12/14/telework/

9. まとめ
働き方改革と言いながら実態は残業カット政策にとどまることが多く残念に感じることがある。2020年の東京オリンピックパラリンピックに向けて、東京都が主導する形で、テレワークの導入や活用が進むならそれはそれで嬉しい。労働時間ではなく、仕事の成果で評価することは難しいことだが、それを可能にすることが働き方改革の本命だと思う。

以上