LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

技術士試験への挑戦:志を持ち、計画を立て、着実に実行しよう!

はじめに
技術士をご存知でしょうか?いわゆる士業の一つだ。士業には、弁護士や税理士などの業務独占の士業名称独占の士業が有る。技術士はこの後者の名称独占の資格だ。公共の安全や社会的な責任が大きいために国家試験で有資格者を認定している。技術士に合格した後も企業に勤務して能力を発揮する企業内技術士と、技術士事務所を設立して活動する独立技術士がいる。建設部門等では技術士の資格がないと大型プロジェクトを受注できない仕組みもある。一方で、技術士としての能力を個人事務所で発揮する人もいる。どちらを目指すかはそれぞれだろう。

技術士になるには
技術士を目指す場合に、技術士試験に合格する必要がある。これに合格するには、次の3つのステップが必要だ。
1) 志を持つ
2) 学習計画を立てる
3) 学習計画を実行する

1. 志を持つ
技術士には、20の一般部門と総合技術監理部門がある。そして、技術士試験は一次試験と二次試験がある。従って、基本的にはチャレンジする部門を決めて、科目を決めて、一次試験と二次試験をクリアする必要がある。この場合に、大切なことは部門や科目を間違えないということだ。

一次試験
次の3科目でそれぞれ50%以上の正解をすれば合格だ。
f:id:hiroshi-kizaki:20180109085722p:plain
(出典:日本技術士会のホームページ)
・基礎科目:5つの群の各6問から3問を選択して合計15問に回答する(各1点)。
・適性科目:15問に回答する(各1点)。
・専門科目:選択した部門の35問から25問を選択して回答する(各2点)。
卒業した学校や大学がJABEE認定されていれば一次試験を免除される。日本技術士会のホームページ(https://www.engineer.or.jp)には、第一次試験の過去問題(平成16年度~)や第二次試験の過去問題(平成21年度~)が掲載されている。選択問題については正解も掲載されている。


二次試験
筆記試験に合格し、口頭試験に合格する必要がある。以下は総合技術監理部門以外の一般部門の前提で記述する。
(1) 筆記試験
必須科目は選択問題で、選択科目は記述問題だ。必須科目では、20問から15問を選択し、そのうちの60%以上が正解であれば合格だ。注意すべきは、この必須科目で合格ラインでないと選択科目の採点をしてもらえない点だ。選択科目は600字の解答用紙を合計7枚書いて試験官に専門知識があり、応用能力があり、課題解決能力があると判断してもらう必要がある。従って、本当にその能力があることに加えて、それを伝えるテクニックが求められる。
f:id:hiroshi-kizaki:20180109091215p:plain
(出典:日本技術士会のホームページ)

(2) 口頭試験
筆記試験に合格すると次は口頭試験だ。現在は原則20分で、最短で15分、最長で30分とされている。口頭試験では次の3点が諮問されるが、要は受験票に記載された経歴や小論文(720文字)を記載したのが本人であるか、本人が考えて、本人が行ったことか、そして技術士にふさわしい能力と倫理を有しているかを試験官に判断してもらう必要がある。従って、ここでも本当にその能力があることに加えて、それを伝えるテクニックが求められる。
f:id:hiroshi-kizaki:20180109091312p:plain

 

2. 学習計画を立てる
技術士になるには、試験にチャレンジして合格する必要がある。一次試験については、ひたすら過去問に取り組むしかないだろう。ここでは、二次試験に絞って記載する。そして、その時に大事なことは覚悟だ。技術士を目指そうというあなたは非常に忙しい状況だろう。重要なプロジェクトを任されて昼も夜もないような忙しい日々を過ごしいるかもしれない。睡眠時間も削っている状況で勉強する時間を取ることは難しいかもしれない。そんな状況で技術部門最難関と呼ばれる技術士試験に合格するにはどうすれば良いのか。ここでは、2つのコースを想定する。まず最初は年初から開始し、スタートダッシュし、その勢いのまま一気に合格して、できればそのまま2年連続合格を目指すという超ごう慢なコースだ。次は受験申込書を出す段階から勉強して、必要最小の時間でなんとか合格ラインにたどり着こうというコースだ。


(1) 連続ストレート合格チャレンジコース

これは1月からスタートダッシュする。特に、受験する部門や科目の選定が重要なので、択一問題にもトライしながら技術士試験で求められていることをよく理解し、どの部門、どの科目なら合格するか。自分の現状の実力と目標とする部門・科目の合格ラインのギャップを認識する。そして、それを埋めるための戦略を作成する。日常の業務で行っていることを受験戦略にも適用する。この場合に、重要なことは受験票の作成だ。技術士試験では、受験票を提出するときに始まっているとよく言われる。その意味は、受験票で記載した経歴や業務詳細が年末の口頭試験で諮問されるからだ。受験票を提出する4月に、口頭試験が実施される12月を見越して行動する必要がある。これは大変だ。しかし、これも合格のセオリーがある。それは3回繰り返すことだ。つまり、受験申込書を作成したら先輩技術士や、プロの研修機関などに見てもらい、書き直すことだ。多分、最初の申込書は全然ダメだろう。でも、2回目は少しはマシになっている。そして、真摯に取り組めば3回目には合格ラインに達しているだろう。選択科目の学習も同じだ。過去問題を1回トライしただけではダメだ。1回目は自分の実力をチェックするのが目的だ。そして、理解していないこと知らないことを勉強して、2回目にトライする。それでも合格ラインには到達していないだろう。なんどやっても解けない問題はそもそも基本的な理解が不足しているためだ。そして謙虚に自分に不足している分野を勉強して、3回目にトライすればほぼ合格ラインに行くだろう。記述問題も同様だ。100個程度のキーワードをA4の技術ノートにまとめる。A4の技術ノートには大体900文字程度の情報量があるので、これを見ながら600字の原稿用紙に課題や対応、留意事項をまとめてみる。そして、不足している点を踏まえてリバイズ版を作成し、同じように600字の原稿用紙に記載する。真面目に取り組めば3版目の技術ノートは合格レベルの分かりやすいものになっているだろう。

f:id:hiroshi-kizaki:20180109094053p:plain
(筆者作成資料)


(2) 短期集中合格コース

みなさんには是非(1)の連続ストレート合格コースを目指して欲しい。でも、そこまでの時間は取らないと考える人もいるだろう。連続でなくてもいい、ストレートでなくてもいいと考える人もいるかもしれない。必要最小限の学習で合格したい。そんな人もいるかもしれない。技術士試験は資質を問うものなので、十分に資質を有する人なら最小限の努力で技術士試験をクリアするかもしれない。それでも、やはり通り一遍の学習では難しいだろう。少なくとも2回は繰り返してほしい。しかし、これで合格ラインに到達するには、そもそも最初の受験票、最初の技術ノートのレベルが高い必要がある。(1)のリバイズ版程度のレベルを最初からかける人である必要がある。そんな優秀な人ならこの(2)のコースでも合格するかもしれない。しかし、個人的にはやはりしっかりと覚悟を決めて、(1)のコースで取り組んでほしいと思う。

f:id:hiroshi-kizaki:20180109094103p:plain
(筆者作成資料)

 

3. 学習計画を実行する
計画を立てて終わりというのはよくある話かもしれない。しかし、計画は実行してこそ意味がある。忙しいあなたは時間を捻出することが難しいかもしれない。精神的にもそんな余裕はないかもしれない。そんな時には、学習の時間をルーティング化がお勧めだ。個人的にはノマドワーカーのように自宅と会社以外の第三のスペースを確保する方法がある。例えば次のような方法で時間と場所を捻出して、その中で学習に集中することだ。

(1) 朝の勉強
会社の始業時間が9時だとする。スタバなら7時から営業している。ガストなら6時半から営業しているところもある。会社近くの喫茶店でじっくりと勉強できそいうなお店を見つけて、30分単位の時間を1-2時間確保する。朝早く起きることは辛いかもしれないが、二日目は少し楽になり、三日目からはそれほど苦ではなくなる。よく三日坊主というが、三日も続けると習慣化して、四日目以降はそれほど苦ではない。大切なことは習慣化することだ。最初は勉強に乗らないかもしれない。それでも、毎日、朝早く出発して、会社の近くの喫茶店で勉強していると、だんだん乗ってくるものだ。毎日進展するので勉強することが楽しくなる。そんな風に朝の勉強を楽しみながら進めてほしい。

(2) 昼の勉強
これは微妙だ。昼の時間をしっかりと確保できる人はぜひ活用してほしい。でも、自分はなかなかこの時間は活用できなかった。それでも、例えば、技術ノートの内容をスマホに録音しておいて、それを音楽でも聞くような雰囲気で聞くようなことならカッコ悪くないかもしれない。

(3) 夜の勉強
仕事を終えた後、自宅の最寄り駅の適当な場所でノマドする。最寄り駅から自宅にまっすぐ帰って、勉強できる人ならそれでも良い。でも、自分は、自宅に帰ると風呂に入って、食事して、ビールを飲むともうダメ。とても、勉強する気持ちにならない。このため、最寄り駅で30分から1時間程度の学習時間を確保するようにした。例えば、スタバであれば、朝のコーヒーは302だが、夜のおかわりコーヒーは108円だ。お財布にも優しい(笑)。

(4) 隙間時間の活用
まとまった時間は朝とか夜しか取れないかもしれない。しかし、日常では隙間時間がある。通勤の時間とか、外出先の待ち合わせ時間とか、ちょっと休憩とか。そんな隙間時間でも簡単に活用出来る工夫ができれば時間の有効活用が可能だ。例えば、先に書いたようにスマホに録音したものを聞くのは簡単だろう。作成した技術ノートを広げるのはカッコ悪くても、それをスマホタブレットで見るなら不自然さはないかもしれない。選択問題をA5のサブノートにファイリングして、苦手問題を何度も繰り返すなら5分単位の隙間時間でもできるだろう。


まとめ
技術士試験は難関だ。試験問題のレベルも高度だが、範囲も広い。体力も問われるし、人格も問われる。しかし、志を持って、適切な学習計画を立てて、それを着実に実行すれば合格できる。そして、技術士に合格すれば、あなたの人生は新たなフェースにステップアップするだろう。会社を頼るサラリーマンではなく、会社から頼られるキーパーソンになるかもしれない。独立して事業をするかもしれない。
いろんな可能性が広がるだろう。技術士はチャレンジするに足る資格だ。ぜひ、今日からスタートダッシュして、一気に合格まで走り抜けてほしいと祈念する。

以上