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SNSのトラブルと4コマ漫画

子供達が直面するSNSのトラブル
子供達に対するスマホ利用の波は2つあるという。一つは低年齢化の波であり、もう一つはスマホネイティブの波だ。そして、子供達は2つの波に翻弄されながらも必死でスマホを使いこなしている。

 

低年齢化の波
これは分かりやすいだろう。特に兄弟がいて、お兄ちゃんやお姉ちゃんがスマホを使っていると、その妹や弟は興味を持つだろう。そして、妹が使い始めるとその友達も興味を持つ。そして、その友達の妹や弟が興味を持つ。そんな風にして、一気に低年齢化が進んでいく。下の図は、平成28年度の「子供・若者白書」の図表にコメントを追記したものだ。どんどんと低年齢化が進んでいる。

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スマホネイティブの波
もう一つの波は、生まれた時から身近にスマホがあるというスマホネイティブの波だ。下の図はMMD総研による調査結果だ。なんと2歳児の約半分はスマホスマートデバイスを一人で操作するという。これは1−2歳児の子供や孫のいる人は実感として感じるのではないでしょうか?そんな子供達はスマホ歴3−4年の小学生1年生になる。

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子供達が作文の代わりに描きたかったこと
現在は、年間200回ペースで全国の学校を回り、子供達にいろんな話をしている。ある中学校でお話をしたら、担当の先生が生徒に感想文を書かせるという。ここまでならよくある話だ。しかし、ここの中学生が「作文ではなく、4コマ漫画でもいいですか?」と先生に質問した。そして、その先生がまたかっこいい!「いいよ♪」と回答した。そして、生徒たちは4コマ漫画を描いてくれた。その一部を以下に示す。どれも素晴らしいものばかりだ。学校名や個人名は全て削除した。

 

4コマ漫画シリーズ(その1)
まずは最初の5つ。左から順番にテーマのみを説明すると、つながらない編、サイバー攻撃編、吸い取られる編、私のテキ(パケット上限)、びっくり編。特に、4番目はありがちかも。YouTubeを見まくって、気がついたらデータ利用量が上限に達して途端にデータ通信速度が制限されて「ハイ、死んだ。」本当に上手ですね。

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4コマ漫画シリーズ(その2)
次の5つ。また、左から順にタイトルのみを列挙すると、チェーンメール編、本当かな編、だれだろう編、チェーンメール編、電源編。1番目と4番目はともにチェーンメールに関する4コマ漫画。子供達にLINEのバトンを受け取ったことがありますか?と聞くと大体1割はいないけど、5%以上は小さく手を上げてくれる。最近は質問を隠したシークレットバトンが流行っているという。時代は繰り返す。。

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4コマ漫画シリーズ(その3)
さらに次の5つ。左から順に「知らない友達」、「おどろき」、「ケンカにて」、「文字の読み違い」、「重かっただけ」だ。1番目も3番目も4番目はLINEだ。小学生1年生でもLINEは知っている。使ったことがある?と聞くと半分ぐらいは手を挙げる。でもまだ自分のスマホを持っていないようなので聞いてみると、ママのスマホで使っているとのこと。結局、母親から見ると、子供スマホを買ってやるのか、自分のスマホを使わせるのかという二者択一を迫られているということだ。自分のスマホを使わせるのが嫌だと思ったら、子供にスマホを買うことになる。この前も小学生1年生でスマホを持っているという子がいた。機種を聞いたら最新のiPhoneだった。オーマイゴッシュ!

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4コマ漫画シリーズ(その4)
最後の5つだ。タイトルのみを左から列挙すると、「え!やばい」、「お母さんのスマホ」、「こしょう」、「ケータイが・・・」、そして「だれ?」だ。以前、離島の中学校でお話をした。全校生徒27名という小さな学校だった。そして、お話をした後に「何か質問ありますか?」と聞くと一番前の生徒が手を挙げた。なんだろうと思ったら、「昨日の晩、100万円請求された。40分おきに電話があって寝れなかった。」という。いわゆるワンクリック詐欺だ。同じようにワンクリック詐欺の被害を受けた人、受けそうになった人はいますかと聞くと6名いた。うち男子が2名で女子が4名だった。「なぜ女の子が多いの?」と聞くと、男子は「ヤバイ!」と隠すのだけど、女子は「ヤバイ!」といって友達に転送するからだという。男子と女子で違う行動をするというのを勉強した(涙)。

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まとめ
子供たちはスマホを使いこなしている。でも、時には「ドキッ」とすることに直面している。問題は、その実態を大人が理解していないことだ。そして大変な問題が発生すると、大人同士で議論して、子供にスマホを持たせるのが悪いという結論になり、スマホの利用が禁止される。もしくは、LINEが悪いといってLINEの利用を禁止する。それで問題は解決するのだろうか?本来学校というのは、軽い失敗を経験して、良く生きる術をマスターするための施設ではないのだろうか。これからの情報化社会でスマホもコンピュータも利用できない子供を育てるのが良い教育であるわけがない。それよりは、大問題が生じる前に、軽微な問題が生じる前に、生徒がドキッとしたり、ヤバイ!と感じるようなことを共有することではないだろうか。
自分が失敗した時に反省するのは当然だ。そうではなく友達や知り合いが直面した失敗を自分ごととして反省して、同じような失敗を犯さないようにする。それが教育ではないのだろうか。その意味では、このような4コマ漫画を描かせた先生は素晴らしいと思う。生徒同士で読みあって、「これってあるある!」とか言って、盛り上がる。そんな楽しい教育の方が子供達を育てるより望ましい方法ではないだろうか。今回は4コマ漫画だったけど、例えば、国語の授業の中で「57577の短歌でスマホのしくじり体験を読みなさい!」なんていう取り組みも面白いかもしれない。テーマと秒数を決めて、グループで動画を作らせて、文化祭などで発表させ、優秀な作品を表彰するような取り組みも面白いかもしれない。
大切なことは子供達に寄り添い、子供達の目線で、子供達が成長できるような仕組みと環境を作ることではないだろうか。

以上

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。