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趣味嗜好:珈琲の起源から健康との関係

珈琲というネーミング
コーヒーのことを珈琲という漢字を使う。誰がネーミングしたのだろう?調べると、宇田川榕庵(よあん)という幕末の蘭学者だった。当時は発音から哥非と書いていたが、女性の髪を飾る玉飾りの意味の「珈」と、玉飾りの紐を意味する「琲」という漢字を用いたセンスは素晴らしい。宇田川榕庵は、珈琲以外にも「酸素」、「水素」、「窒素」、「元素」、「圧力」、「還元」、「分析」といった専門用語も生み出している。

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(出典:Wiki、参考1)

蘭学者の師弟系図
蘭学者とは、外国との交流を禁止されていた江戸時代において許されていたオランダ経由で日本に入ってきた文化や技術に精通した学者だ。近代科学や医学、農学に通じていた。宇田川榕庵は、下の系図によると宇田川玄随から数えて3代目だ。宇田川家は津山藩(現在の岡山)の医師であり、宇田川玄随漢方医学よりも西洋医学が優れていると気づき、蘭学を学び、我が国最初の内科医学の翻訳書(西説内科撰要)を著した。なお、解体新書は西洋の外科医学の翻訳書だ。玄真松阪市出身の宇田川玄随の弟子だったが、のちに養子となり、西説内科撰要に新説や訂正を追加し増補重訂西説内科撰要を出版した。そして、先の榕庵は、美濃大垣藩の医師江沢養樹の息子だったが、宇田川玄真の養子となって志を継いだ。

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(出典:宇田川家三代、参考2)

コーヒーの歴史
下の表によると、1258年頃にエチオピアもしくはイエメンでコーヒーが発見され、1510年にエジプトのカイロに世界初のコーヒ店が誕生したという。そして、驚くべきはヨーローパよりも日本に伝わったのが早く、1641年には日本にも伝わったという。

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(出典:パーフェクトコーヒー、参考3)

コーヒーの伝来ルート
13世紀にアラビア地方でコーヒーが発見されたが、下の図によるとこのコーヒーは東に向かった。この世界地図には日本への伝来が記載されていないが、先の年表に合わせるとインドネシアを経由して17世紀には日本に伝わったのだろう。ヨーロッパにも同じく17世紀に伝わり、アメリカ大陸には18世紀になってから伝わったという。陸地はシルクロードだが、海洋は海流のルートに沿って伝わったと考えるのが自然だろう。

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(出典:Origin of Coffee、参考4)

世界の珈琲消費量
現在、世界では珈琲を何杯ぐらい飲んでいるのだろう。下の図によると、最多はルクセンブルグの2844杯で毎日8杯近く飲んでいるという。この夏に旅行したフィンランドが1212杯で2位、エストニアが469杯で18位、リトアニアは409杯で21位だった。喫茶店は確かに多かった。では、日本は何位かというと調査対象の最下位の30位で340杯だ。日本ではコンビニコーヒーや缶コーヒーを楽しむ人もいるので調査前提を調べる必要があるが、まあ伸び代がまだまだあるということか(笑)。
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(出典:Gigazine、参考5)

日本の珈琲消費量と推移
日本国内での珈琲消費量は、リーマンショックが起きた2008年の後少し減少したが、それ以外ではほぼ右肩上がりで増加している。2014年時点のデータだが1週間で11.13杯。うち家庭で飲むのが7.04、つまり毎日1杯飲んでいるのが平均像ということだ。次に多いのが職場や学校だ。これにはコンビニ珈琲や缶コーヒー、アンバサダー珈琲などが含まれていそうだ。

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(出典:Hack Coffee Beans、参考6)

珈琲摂取と健康との関係
珈琲にはカフェインが含まれている。一時期、デカフェを頼むこともあったけどスタバで追加料金(50円)が必要となったので、もっぱら普通のホットを頼んでいる。当然飲み過ぎは良くないが、適度な珈琲摂取は脳卒中や肝ガンの発生を抑制する傾向が調査で確認されたようだ。ただ、その因果関係はまだ良く分からないという。注意すべきは、これは相関関係がありそうだということだ。したがって、珈琲が好きでもない人が珈琲を飲んだから身体に良いとは言えないし、珈琲大好きな人が珈琲をやめたら癌になるとも言えない。まあ、身体の内からの声を聞いて、身体が欲しているものを飲んだり食べたり、運動したりするのがいいのでしょう。
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(出典:国立ガン研究センター、参考7&参考8)

まとめ
今回は珈琲のネーミングから、珈琲の伝来ルート、そして健康への影響と興味を持ったものを気まぐれに調べてみた。驚いたのは珈琲の伝播ルートだ。お茶などの起源や伝来ルートとの違いにも興味を持ったが今日は控えておく。起源をたどると色々なことが見えてきそうな気がして面白い。

以上

参考1:http://www.wikiwand.com/ja/学者 
参考2:http://www.libnet.pref.okayama.jp/mmhp/kyodo/person/udagawa/udagawa.htm
参考3:http://perfect-coffee.info/coffee-origin
参考4:https://infograph.venngage.com/p/64987/coffee-infographic
参考5:http://gigazine.net/news/20120726-coffee-consumption/
参考6:http://hackcoffeebeans.com/data/
参考7:http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/274.html
参考8:http://www.rococo-coffee.co.jp/gift/fathersday.html