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安全問題:賞味推奨期限なら誤解を防げるのではないか。

食の安全
食品には安全・安心して頂けるように期限を表示する義務が、「食品衛生法」や「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)」で規定されている。

消費期限と賞味期限
その中で対象とする食料品の種別に寄って、消費期限と賞味期限という2つの概念を定めている。糀屋本店の説明を引用する。

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(出典:糀屋本店のホームページの写真を加工、参考1)

Wikiでの記載
Wikiで見ると、食品の消費期限では、「 食品の消費期限:製造者が定めた、ある保存方法で概ね5日間経つと品質劣化する長期間保存できない食品の食用可能期限。」という。一方、食品の賞味期限は、「劣化が比較的遅い食料品を包装状態のまま所定の環境に置いた状態で、製造者が安全性や味・風味等の全ての品質が維持されると保証する期限を示す日時である。」という。

農林水産省のホームページ
賞味期限と消費期限の違いを農林水産省では、次の図で分かりやすく説明している。つまり、短期間で安全に食べられなくなるものに対する期限が消費期限であり、安全上の問題はないが劣化が始まる時期が賞味期限であると言える。

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(出典:農林水産省のホームページより、参考2)

Hoods Channelのホームページ
賞味期限についても、製造日から3ヶ月以内の食品は年月日表示が義務つけられているが、それ以上の場合には年月表示も許容されているという。冷凍食品の加工技術が進歩していて、最近のコンビニの冷凍食品は安くと美味しい。ただし、冷凍食品の賞味期限は未開封でマイナス18度以下に保存した場合を前提としている。スーパーやコンビニで買ってから自宅まで常温で移動し、家庭用の冷凍室で再冷凍するケースでは実質2-3ケ月程度と思ったようが良いようだ。 

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(出典:フーズチャネルのホームページ、参考3)

英語の消費期限と賞味期限
賞味期限を英語ではなんと言えば良いのか。アメリカ英語ではbest-by date、イギリス英語ではbest-before dateという。一方、消費期限はアメリカ英語では、expiration date、イギリス英語ではexpiry dateが使われている。use-byという表現も使われている。英語の方が具体的にイメージしやすい表現だ。

賞味期限の誤解
台風21号の影響で、2017年10月23日に東海道新幹線こだま705号が熱海駅に長時間停車した時にJR東海が配った乾パンの賞味期限が切れていたことが話題になった。一部の新聞ではまるで健康問題があるかのように誤解を与える報道があり、ネットでも話題になった。これはそもそも賞味期限を切れると安全に食べられる限界を超えているのではないかという誤解を与えやすいからではないか。

賞味推奨期限
法律で定めた表現ではないが、経年劣化が発生する乾電池にメーカーは利用推奨期限を明記している。個人的には、食品に関しても賞味期限より「賞味推奨期限」という表現の方が実際の内容を連想しやすく誤解を与える可能性を下げられるのではないか。また、国内でも日本語を読めない海外からの旅行者のためにも、日本語の表記に加えて、英語の表記を併記するようにするべきではないだろうか。

まとめ
消費期限と賞味期限の違いを正しく理解している人は多いだろうか。意外と知らなかったり、誤解していたり、逆に勘違いしたりしている人もいるのではないだろうか。それを消費者の勉強不足とするのではなく、海外からの来日者を含めて誤解のないような表現に改善していくことが必要だ。

以上

参考1:http://www.saikikoujiya.com/kouji/mame_0005.html
参考2:http://www.maff.go.jp/j/jas/hyoji/kigen.html 
参考3:https://www.foods-ch.com