LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

子供講座:スマホの仕組み(端末編)

技術の動向概況
1960年台はメインフレーム型のコンピュータが登場した。1970年台になるとより小型のミニコンピュータが注目された。1980年台にはパーソナルコンピュータが登場した。自分が初めて購入したのはAppleのLCIIという廉価版のマックだった(1989年)。そして、1990年台にはインターネット環境が普及し出す。2000年には携帯やスマホからのインターネットアクセスが開始した。そして現在では、LTEWi-Fiによりどこでも通信が可能な状況となっている。

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(出典:スライドシェア、参考1)

かつてのスーパーコンピュータと現在のスマホの性能比較
CRAY-1は、1975年に発表され、1976年に商品化されたかつてのスーパーコンピュータだ(下の図の右)。このかつてのスーパーコンピュータと現在のスマホ(iPhone 8)を比較してみた。重量はなんと約4万分の1に小型化され、さらに価格は約1万分の1と低廉化されている。価格は10年で10分の1のペースだ。同時にプロセッサの性能は約200倍、トランジスターの数は2万倍、メモリー(RAM)の容量は約400万倍。メモリーの容量だけで言えば、40年で約100万倍、つまり、20年で約千倍、2年で倍増というペースで性能が拡大していると言える。f:id:hiroshi-kizaki:20171025230914p:plain

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(参考:Wiki、参考2)

OSの遷移
世界のスマートフォンのOSの勝ち組と負け組はどうなのか?勝組は世界全体の8割を占めるというAndroid OSであり、残り2割がAppleiPhone系だ。2007年には6割を超えていたSymbian OSは2010年を境にAndroid OSに首位の座を受け渡した。

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 (出典:Wiki、参考3)

Android OSの遷移
Googleが2008年9月にスマホのOSを開発した(Android1.0と1.1は非公式)。そして、そのスマホ向けOSを無料で開放すると宣言した時は業界に衝撃が走ったことをよく覚えている。Googleの公式OSはCupCakeの1.5からだ。2016年にはAndroid7.0(Nougut)を発表し、2017年にはAndroid 8.0(Oreo)が発表された。

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(出典:Quala、参考4)

Android OSスマホ(Galaxy)の変遷
Android OSの筆頭をあげればやはりSamsunのGalaxyシリーズではないだろうか。2009年から2017年の8年にかけて画面サイズは3.2インチから6.3インチに倍増。画素数は320x480から2960x1440と約27倍に増加。重量は1.6倍。そして、CPUのチップ速度は約64倍(2の6乗)に増大した。初期のAndroidの品質は正直ひどかった。品質の評価尺度は難しいが、最近のAndroidはかなり安定してきたのではないだろうか。
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iOSスマホ(iPhoneシリーズ)の変遷
スマホの雄はやはりiPhoneだろう。海外では初代iPhoneが2007年に発売され、国内ではiPhone3Gが2008年に発売された。そして初代から10年目の2017年にはiPhone 8/8plusとiPhone X(ten)が発表された。この10年の間に、CPUのクロック速度は22倍、重量は1.3倍、画面サイズは1.6倍、そして画素数は17.8倍に増大した。先のGalaxyに比べると、スペックの数字で見る進化の度合いは緩やかだ。iPhoneはその信頼性やiTuneやiCloudとの連携による使い勝手の良さから特に国内での人気は絶大だ。ただ、個人的には最近のiPhoneApple Watchでは細かなソフトの不具合が気になることが多いのが少し残念だ。今週27日には是非iPhone Xを予約して、来月3日には首尾よくiPhone Xをゲットしたい!!
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電池のコストパフォーマンスの進化の変遷
スマホの課題は電池だ。下の図によると、重量あたりの電池性能(Wh)はほぼ10年で倍に増大している。同時に、電池性能あたりのコスト(US$)は10年で8分の1に減少している。2005年以降の技術革新が進んでいるかどうかは不明だが、電気自動車(EV)向けの電池開発競争が一段と加熱すると予想される。

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(出典:Green Car Report、参考5) 

スマホの薄さの遷移
携帯電話やスマホは薄くなっている。下の図は2000年から2010年にかけてのスマホの厚さの遷移を調べたものだ。加重平均の方が単純平均より若干小さい傾向にあるが、いずれもほぼ10年で4割近く薄くなっている。従来の液晶は硬く、固定の形状だったが、将来は柔らかく可変になるのだろうか。いずれにせよ、より大画面だけど、より薄型を志向するのだろう。もしくは、スマートグラスが普及すれば、スマホの大画面化は沈静化するのだろうか。
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(出典:GSMARENA、参考6)

まとめ
この10年はスマホの進歩のディケイドだった。より大画面だけど、より薄く、より高精細化が進んだ。4K画面に突入するのも時間の問題だろう。今後の10年は過去の10年の延長となるのだろうか。それともスマートグラスやスマートウォッチなどのデバイスと連携しながら進化するのだろうか。また、ここでは触れなかったが通信速度の向上も著しく、それは5Gに向けてさらに加速する。そして、トラヒックボリュームも毎年倍増のペースが今後も継続する。現在のインフラ(=4G)ではスマホは4GかWi-Fiかを切り替えるために不便やストレスを感じることも多い。しかし、今後のインフラ(=5G)になれば、5GとWi-Fiが足し算となるため、最低の速度と接続品質は5Gで担保しつつ、Wi-Fiがあればそこにさらに性能を追加する。そんなインフラを目指している。将来が楽しみだ。

以上

参考1:https://www.slideshare.net/JonCarvinzer/smartphone-component-trends-and-outlook-sept-2013 
参考2:https://en.wikipedia.org/wiki/Cray-1 
参考3:https://ja.wikipedia.org/wiki/スマートフォン
参考4:https://www.quora.com/
参考5:http://www.greencarreports.com/news/
参考6:https://www.gsmarena.com/mobile_phone_evolution-review-493p6.php