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子供講座:ケータイの仕組み(端末編)

ケータイの仕組み
ここでは、次の3つについて説明する。
・端末のお話
基地局のお話
・交換機のお話

今回はその第一弾として、端末(特に、ガラケーを想定)について説明する。ガラケーと言われる現在の端末から過去の端末にさかのぼってみたいと思う。スマホについては、「ケータイの仕組み」の後の「スマホの仕組み」で説明する。

「ゲラケー」とは
ガラケーとは、ガラパゴス携帯電話端末の略だ。日本での携帯電話端末は、ガラケースマホ(スマートフォン)とに分類する。下の図のように第二世代のPDC方式はすでに日本では使われていないので、現在ガラケーと呼ばれるのは第三世代方式の通信方式を用いる端末で、かつ日本独自のソフトウェアで動作するものだ。いわゆるおサイフケータイワンセグケータイ、防水ケータイなどは、いわゆるスマートフォンより、早く取り入れられ、すでに完成系の域に達している。微妙なのは、ガラホとかガラスマと呼ばれるものだ。基本ソフト(OS)はAndroidで中身はスマホだが、外見や操作性をガラケーに近づけた「なんちゃってガラケー」だ。月額料金はガラケーと同じ扱いなことが多いため、利用者は意識しないうちにガラケーからガラホに機種変更している可能性がある。

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フィーチャーフォン
一方、海外では、フィーチャフォン(Feature Phone)とスマートフォン(Smart Phone)に分類する。Feature Phoneは基本ソフトがBrewやSybianなどを使っているものが多く日本ではガラケーと呼ぶ端末だ。Blackberyは悩ましい。1999年にカナダのRIM社から独自OSで発売され、QWERYキーボードが付いているのでアルファベット文化を持つ欧米で強く支持されたが、独自OSの限界から2015年にはAndroid版を発売したが、正直通常のスマートフォンに押されて淘汰の危機にある。

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日本のガラケーが急速に進化した本質的な理由
ガラケーがなぜ日本でこれほど急速に進化したのだろうか。ガラケースマホの違いは、誰が仕様を決めたかが根本的な違いだ。スマホは端末メーカーがその仕様を決めたが、ガラケーは携帯電話事業者がその基本的な要求仕様を決めた。このため、日本の携帯電話事業者は、端末の仕様と通信網の仕様とネット(コンテンツ系を含む)の仕様を同時に決めることができた。したがって、ワンセグ機能に対応したり、おさいふケータイ機能に対応したり、動画のストリーミングサービス機能に対応したりすることを機動的にできた。また、電池の持ち時間を長くするために、通信網と端末の細かなパラメータを独自にチューニングして、端末メーカーにその仕様を伝えて開発することができた。これが大きい。

ガラケーの機能拡充の軌跡
1) ストレート型
infobarは2003年に発売し大好評となり、4年後にinfobar2を発売した。その後、Andoid OSに対応してから、C01を2012年、A02を2013年、A03を2015年に発売してスマホの仲間入りをしている。注目すべきかは、それぞれの機種のCPU速度や画面の大きさと高精細度の進化の速度だ。また、スマホではないが、変身型のInfobarのおもちゃが発売されている。将来はロボットに返信するInfobar Androidが発売されるかもしれない(笑)。

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2) タフネスケータイ
防水対応に初めて本格的に対応したのはカシオだ。2000年にC303CAを発売した時はストレート型だった。日立カシオとして2005年のG`zONE Type-Rと2010年のType-Xは折りたたみ式で防水を実現した。さらにNEC日立カシオとして、米ベライゾン向けに2013年にスマホ型のCOMMANDOを発売した。やはり画面、CPUが高度化しているのを見て取れる。

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3) 東芝製のケータイ(au対応)
東芝の第1号機はTu-Ka向けのPDC端末TH341だ。重量やCPUは不明だが、何しろ重かった。横から波打っている形をウェービングフォルムと言って売りにしていた。自分はPHS派だったけど、携帯電話事業部に異動したため初めて購入したのがC5001Tだ。au初のムービ対応だ。でも、画面サイズも小さいし、荒いし、4096色にしか対応していない。gpsOneに対応し、位置情報も利用できた。今の仕様とは比べようもないけど楽しかった。2005年にはA5511Tを発売した。au初のワンセグケータイ対応だ。今回は取り上げていないけど、2006年2月には、日本初のハードディスク(HDD)内蔵ケータイを発売した。HDD内蔵ケータイはその後は聞いたことがない(笑)。そして悲しいが、東芝最後のケータイとなったのがLIGHT POOLと言って折りたたみ式の携帯をたたむと表面が光るというデザインケータイだ。こんな遊び心が満点だったが、東芝は携帯電話事業を富士通に譲渡してしまった。残念だ。

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(今日はこれぐらいで終わります。)

まとめ
端末の事を整理していくと、携帯電話の開発や携帯電話システムの開発の議論をした日々を思い出す。思いは尽きない。ただ、子供講座と言いながら、大人向けの内容になってしまった。反省。。

以上