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いじめ問題:いじめと腸内細菌

腸内フローラ
腸内細菌という言葉はよく聞く。腸の中には善玉菌と悪玉菌があって、ヨーグルトとか納豆とか発酵食品を食べることで腸内細菌が健全に保たれて、健康になる。私も、これを信じて、毎朝納豆やヨーグルトを頂く。腸の中には、数100種類以上の細菌が100-1000兆個いるという。体重60kgの人なら、1kgから1.5kgの腸内細菌がいて、外部臓器とも呼ばれている(参考1)。そして、それが群生している様子がお花畑のようなので、腸内フローラとも呼ばれている。なんとも可愛らしいネーミングだ。
 参考1:http://benpi-kaishou.jp/cho-kenko/akudama-kin/

善玉菌・悪玉菌・日和見
腸内細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌に分類され、それぞれ次のような役割を持っている。
善玉菌:ビタミンを作る。免疫力を高める。排便を促し、顔を予防する。
 (ビフィズス菌ブルガリア菌、乳酸菌)
悪玉菌:タンパク質を分解する。外のバイ菌と戦う。便が硬くなる。
 (ウェルシュ菌大腸菌
日和見:菌の大勢派を味方する。
 (バグテロイデス菌、ユウバクテリウム菌、嫌気性連鎖球菌など)

バランスが大事(善玉2:悪玉1:日和見7)
善玉菌が一杯あれば良いのか?悪玉菌はない方が良いのか?日和見菌はない方がいいのか?それぞれに役割があるので、バランスが大事だ。また、赤ちゃんはほぼ善玉菌だけなので、ウンチも綺麗だが、肉とかを食べると悪玉菌がないので、下痢を起こす。肉食系の動物は悪玉菌が多いらしい。大人であれば、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌:7と言ったバランスが理想と言う(参考2)。

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 参考2:http://www.nyusankin-guide.com/flora/ 

日和見菌の役割
腸内細菌のバランスが理想的な場合には、善玉菌>悪玉菌なので、日和見菌は善玉菌について、善玉菌を応援する。しかし、腸内細菌のバランスが崩れて、悪玉菌が善玉菌よりも増えると、悪玉菌の味方をする。これは主体性がないと批判されそうだが、考えようによっては善玉菌の役割も悪玉菌の役割もこなせる優秀な菌だ。サッカーで言えば、攻守をこなせるオールマイティなボランチのような存在か。

いじめと腸内細菌
腸内細菌を人間関係に変換して考えると、いじめの構図を理解しやすくなるのではないだろうか。仮に善玉菌に相当する人を良識派、悪玉菌に相当する人を武闘派と呼び、日和見菌を追随者や普通の人と呼ぶと下の図のようになる。例えば、良識派の勢力が武闘派の勢力よりも強ければ、追随者は良識派に追随するので、平和な人間関係を維持しやすい。しかし、何らかの理由で武闘派の勢力が良識派よりも強くなると、追随者は武闘派に追随して、実行犯として誰かをいじめて、結果として被害者が発生する。

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問題は何か?
追随者はもっと主体性を持つべきだと言われるが、追随者が悪いのだろうか?大勢について、大勢を応援する機能自体は悪いことではない。問題は、武闘派が良識派よりも勢力を持った理由である。腸内細菌の中で悪玉菌が増える原因を調べると参考になるかもしれない。

悪玉菌が増える原因
腸内細菌のバランスが悪化するのはなぜだろいう?悪玉菌がなぜ増えるのだろうか?これの原因は次の4つだという(参考3)。
 1. 食生活の乱れ:欧米式の食生活(高たんぱく質、高脂質)
 2. ストレス:わずかなストレスでも善玉菌は敏感に減少する。
 3. 抗生物質:薬を服用すると腸内フローラが乱れる。
 4. 加齢:加齢とともに善玉菌が自然に減少する。

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 参考3:http://www.macomo.net/?p=895

武闘派が増える原因(想定)
腸内細菌において悪玉菌が増える原因をベースに武闘派が増える原因を想定すると、次のようになるのだろうか?
 1. 生活環境の乱れ:大人への不信感の増大。スマホの使いすぎ。睡眠不足。
 2. ストレスの増大:イライラしやすい。自分の感情を抑えきれない。
 3. ルールへの反発:ルールを決めると、問題が複雑化する。
 4. 自我の成長:いつまでの良い子ではいられない。反抗期。

対策1. 学校、家庭、社会の人間関係を改善する。
まず考えなければいけないのは、子供の世界は大人の世界の縮図という点だ。例えば、学校内で先生間の人間関係が悪いと子供はそれを敏感に感じる。担任の先生と生徒の間で信頼関係が崩れてしまったら、学校と父兄が対立していたら、学校が社会からバッシングを受けていたら子供は耐えられない。武闘派が勢力をもつだろう。結果として、学校は荒れるし、いじめも起こる。また、生徒の家庭内での環境の問題だ。家庭内の人間関係が悪いと、やはり子供はそれに耐えられず、武闘派になるのではないだろうか?

対策2. 自己抑制力を高める。夢を持つ。目標を持つ。楽しみを見つける。
子供自身の問題だ。自己制御力は子供の成長と共に強くなる。しかし、自分の意思に反して、スマホを使いすぎてしまう。流されてします。このような依存症の子供は確実に増えている。依存から脱却できるように本人も周囲も努力することが必要だ。そのためには、子供に自信を持たせ、夢を抱かせ、目標を考えさせることだ。課題解消型のアプローチよりも、目標設定型のアプローチが望ましい。

対策3. 子供にルールを考えさせる。お仕着せるルールは弊害が多い。
子供がまだ園児であれば、社会のルールを親が子供教える必要がある。小学生に上がり、中学生になり、高校になっても、大人がルールを決める必要はあるかもしれない。しかし、必要以上にルールを決めて問題は解決するのだろうか。子供たちが理解し、共感し、同意するルールならいい。でも、ルールを決めることが目的化し、ルールが形骸化していないだろいうか?決まったルールを守ることは学ばせることは大切だが、結果として、ルールを破る術を学ばせていたら、滑稽である。例えば、登校したらケータイを学校に預ける。しかし、自分なら、メインのスマホは隠して、使わなくなったスマホを学校に人質として預けるだろう。部活の指導や学生との緊急連絡はスマホのLINEに頼ってしまう例も聞く。10年前に生徒がスマホを使うのは考えられなかった。携帯も原則禁止だった。10年後も、がんじがらめの規制が続けるような世界をイメージしたくない。先生も生徒も授業や課外活動に積極的に活用するような世界になってほしい。そのためにはどうすればいいのだろうか?スマホタブレットをいかに活用するか、行政、学校、家庭、保護者が連携して、真剣に検討すべきテーマだと思う。

対策4. 自我の成長:いつまでも良い子ではいられない。反抗期。
AIが発達すると人間の知能を追い抜くのは時間の問題だという。しかし、同時に人間も進化するという意見がある。実際、プロ将棋で29連勝の記録で有名になった藤井プロのようなスーパー人間が今後出てくると期待される。これからの社会は、均質化した人材育成ではなく、尖った人材育成が必要だ。学校で多面的に子供を育て、その才能を伸ばすような子供たちが増えるような社会を目指すべきではないだろうか。YouTuberを目指したいと言う子供が増えている。これに異論を唱える人が多い。でも、人生の目標を持つことは褒められるべきことだろう。YouTuberになるにはどのような勉強をすれば良いのか、どのような人生経験をすれば良いのか、どのようなYouTuberを目指すのか具体的なイメージを膨らませて、応援する方が子供たちの成長につながるのではないだろうか?古い価値観で型にはまった教育をするのでは、日本の将来はない。20年後、40年後に生徒が生き生きとした社会をリードするような大人になるには、自立して活躍するには今どのような教育をするべきか、そんなことがより重要ではないだろうか?

まとめ
腸内細菌にはそれぞれ役割がある。悪玉菌が単純に悪いわけではない。問題は、腸内細菌のバランスが崩れれないようにすること。生徒には、良識派も武闘派も追随者も普通の人もいて、それぞれに役割がある。その役割も固定ではないし、良識派だった人が武闘派に変わることもある。問題は、そのバランスである。武闘派がいても、良識派の勢力が強ければ良い。

大切な事は、武闘派の勢力が拡大した理由であり、それに対処することである。学校や家庭内の人間関係が良好で、地域を含めて社会との関係が良好な環境で、将来への夢を持って、生き生きと頑張るような環境があれば、子供たちの笑顔が溢れるような社会を実現できるのではないか。楽観すぎると批判されるかもしれないが、個人的にはそのように信じている。

以上