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エストニアのローカルバスに見習うべき5つの点

エストニアに滞在して早くも1週間ほどが経過する。今日はパルヌからラトヴィアのリーガに移動するので、一旦今日はエストニアでの最後の日になる。一旦と書いたのは、もう一度エストニアに戻り、タルトゥとタリンに滞在するためだ。エストニアは中世の街並みが残されていて素晴らしいし、ビーチなどのリゾート地も綺麗だ。でも、本当に素晴らしいのはエストニア人が非常に勤勉で工夫をしていることだと思う。また、人を騙したり、人を出し抜いたりするのではなく、真面目にきちんと生活しているそんな姿勢が実は本当に素晴らしいと思う。日本がエストニア人から学べることは一杯あるが、ここでは公共バスについて説明したい。

1. 公共交通機関が非常に充実している。
エストニアでは、タリンでも、ハープサルでも、パルヌでも、どこでも公共のバスが非常に充実している。そして、その仕組みはほぼ同じようだ。
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2. スマートカードが普及している。
日本でいうSUICAのようなカードが普及しているが、出入りが基本自由だ。日本では、後ろから乗って前から降りるとか、前から乗って後ろから降りるの2パターンが普通だ。しかし、エストニアのバスは、出口が複数あり、どこからでも乗れて、降りれる。しかもその敷居が低いので、身体障害者や高齢者に優しい。バスには、通常前の入り口と中央の出入り口と後方の出入り口があり、前の入り口は、スマートカードを持っていない旅行者などが現金でチケットを買うためだ。入り口で1ユーロ(約133円)を払うとレシートをもらえて、1時間以内であれば乗り換え自由なのも旅行者には嬉しい。

利用者は、中央と後方の出入り口から自由に出入りしている。これを可能とするのは、エストニア人が真面目なことだ。スマートカードをタッチする場所があるが、皆これにきちんとタッチしている。高齢者ですぐにタッチしない人もいて、あれ?と思うがよく見ると、ゆっくりとバッグからスマートカードを取り出してタッチしている。無賃乗車をしている人を見たことがない。ガイドブックには、時々抜き打ちでチェックがあり、見つかると40ユーロを取られると書かれているが、エストニア人は真面目なので、そんな必要もない。この仕組みは、ヨーロッパでは一般的だ。例えば以前訪問したアムステルダムでは、無賃乗車が多く頻繁に抜き打ちチェックをしていたのとは好対照だ。

3. 身体障害者に優しい
中央の出入り口は観音開きになり、2mぐらいの間口があるので、車椅子でも楽に乗り入れできる。しかも、その中央の出入り口のすぐ近くは車椅子用のスペースがあり、その隣は身体障害者のための椅子がある。下の写真は右方向に進行していて、身体障害者の席は後ろ向きになっている。

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4. バックミラーとは別にモニター画面がある。
運転席の右上には通常のバックミラーがあるが、これは普通だ。しかし、よく見るとその隣にモニター画面がある。時々画面が切り替わっている。エストニアでは2両連結のバスも多い。画面切り替えをすることでバスの車輌内の安全点検をしているのだろう。

5. タリンの市街では到着予定時間がディスプレイに表示されていた。
タリン以外のエストニアの街では見ないが、バスや路面電車の到着予定時刻がディスプレイ表示されるのは便利だ。市民にとって非常に身近な公共交通機関(バス)であるが、国によってこんなに仕組みが違うのかと考えさせられました。

まとめ
エストニアは人口が130万人ほどなので、ITで省力化できることはITに任せて、人は人にしかできないことをやろうという発想がある。でも、国民がITおたくな人かというとそんなことは全然ない。弱者への優しさや配慮も十分なされている。エストニア人はバルト三国と呼ばれるより、北欧と呼ばれるのを好むらしいが、公共交通機関を利用していると北欧の影響を受けていることを強く感じる。

以上