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失敗知識データベース:みずほフィナンシャルグループ大規模システム障害

失敗に学ぶ

銀行の勘定系の事例を調べていたら、失敗知識データベースに詳しく事例の現象と原因と対処の内容が記載されていて、びっくりした。

 

失敗百選

このサイトは東京大学畑村洋太郎名誉教授が統括している優れものだ。

失敗百選一覧(http://www.sozogaku.com/fkd/lis/hyaku_lis.html

 

みずほの教訓(出典:http://www.sozogaku.com/fkd/cf/CA0000623.html

詳しくは出典を見て欲しいが、その中の教訓の部分が非常に参考になったのであえて引用します。システム障害の元原因の一つはたすき掛け人事にあるのは深く共感します。

 

引用)

史上初の3銀行のシステム統合という特殊性はあったにしても、システムに対する根本的な認識、特にトップの経営判断について、業種業界を問わない普遍的な問題を提示した。現代の銀行業にとってコンピュータシステムの構築は不可欠の要素である。

なかでも、情報系、勘定系と言われる巨大ホストコンピュータは銀行の心臓部である。銀行の合併・統合はそうしたコンピュータシステムを一体化させていく作業は避けられない。みずほグループも2002年4月1日を目指して、システム統合の作業を続けていたが、その過程は試行錯誤の連続であり、この経緯のなかに今回の大規模システム障害の原因があった。
合併によるたすき掛け人事は一般的だが、人事だけでなく3の倍数の論理に帰結した統合であった。基本的な意思決定は3銀行の合議制をとらざるを得なかった。3銀行の主導権争いによる「企業統治(ガバナンス)の欠如」がシステム統合に影響し、1999年末に決めたシステム統合方針を約一年後に覆すなど方針が二転三転し、意思決定が遅れこれが後々まで響いた。このため開発スケジュールの遅延、システム間を接続するコンピューターの性能を考慮したテストが不十分だったほか、システム統合までの準備・管理体制に不備があった。

また旧3銀行のシステム統合の遅れが内部で指摘されながら、4月の経営統合を優先するあまり正確な報告が経営トップまで伝わらず、適切な対応をとれなかったのが原因である。経営陣の認識の甘さに、障害はシステム統合の意思決定の遅れや内部報告の不備などが原因の「組織的ミス」とされる。今回の大規模システム障害により、決済という社会的インフラを混乱させた、みずほグループの責任は重い。

多大な損害を招いた今回のトラブルは情報社会の怖さを示す一方、日本経済における情報技術(IT)の重要性を再認識させた。システム障害はその後も金融、航空分野などで起きており、情報化に対する入念な点検と再投資が必要である。

相次ぐシステム障害が日本の金融システムへの不安を拡大しているとすれば、日本はIT分野の産業だけでなく、その利用分野でもシステム投資やIT教育に一層力を入れる必要がある。