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サイトカインとホメオスタシス

サイトカインとは、細胞と細胞の間の情報伝達を行う連絡係りの役割を行うものです。
つまり、細胞と細胞がどのようにして連絡を取り合うかというと、ある物質を分泌するのですが、そこで分泌される生理活性タンパク質をサイトカインと呼びます。

サイトカインは、免疫系の調整や炎症反応の惹起(じゃっき)、細胞の増殖や分化の調整など様々な発症の抑制に大切な役割を果たしています。

会社でいえば、中間管理者です。

サイトカインの代表的な物には、インターロイキンやインターフェロン、増殖因子などがあります。この中で特に有名なインターフェロンは、ウイルスや主要細胞などの侵入に反応して分泌され、ウイルス増殖を阻止したり、免疫系の調整をしたりします。

一方、ホメオスタシスとは、外部環境が変化しても身体が常に健康な状態に保つような生態恒常制維持機能が働いていて、この恒常性をホメオスタシスと呼びます。

身体のホメオスタシスのために、神経系、内分泌系、免疫系の3つがお互いにバランスを保ちながら、健康維持や病気治療を行います。

 

つまり、外部からのウイルスの侵入や熱などの刺激を神経系が受けると発熱し、内分泌系でホルモンが分泌されて臓器の機能を保つ。同時に免疫系と連携して体内の異常を認識し異物の侵入を防いだり、阻止したりする。

 

 

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出典:http://ameblo.jp/kenbijin/entry-12015324241.html 

 

生命の不思議を工学に生かす学問をバイオミメティクスというが、身体のホメオスアシスのために、神経系と免疫系と内分泌系が三権分立のように連携して機能しているのは興味深い。

例えば、これを社内の人間関係に関連付けてみると、神経系はクレームの受付担当、内分泌系は営業担当、免疫系は保守担当といったところだろうか。

お客様からのクレームを受けたら、すぐに営業担当や保守担当に連絡する。営業担当は、クレームの内容に応じて必要なエスカレーションをかける。保守担当はクレーム担当や営業担当からの指示を見ながら修理に走る(笑)。

子供の世界でいえば、いじめに気づいた子供(神経系)と、その子供と連携して周辺に助けを呼ぶ子供(内分泌系)と、それに応じていじめっ子に注意する勇気のある子供(免疫系)が連携すれば、いじめを撃退できる。でも、いじめに気付かず、助けも呼ばず、助けもしなければ、いじめはエスカレーションして悲劇となってしまうかもしれない。

そんなことを連想させるほどよくできた仕組みですね。