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第三次AIブームが目指すものは「さんま」を超える「さんま」のような癒し系かもしれない。

現在のAIは、第三次AIブームと言われる。

最初のAIブームは、1960年代のコンピュータが誕生した時期。

第二次AIブームは、1990年代でルールベースのサーバーマシンが誕生した時期。
現在の第三次AIブームは、深層学習機能による人工知能

第一次の時には、社会のインフラを大きく、広く変革した。例えば、鉄道関係で言えば、緑の窓口が出来てオンラインでチケットを買うことができた。改札では、磁気で情報を記録した切符を自動改札機に投入するようになった。これによって、駅の改札員の仕事は大きく変わった。その結果、改札員の数は減ったが、ゼロにはならず、機械に任せるものは自動改札に任せ、人手が必要な乗客対応のみ駅員が対応するようになった。乗客が少ない駅ではSUICAの読み取り機のみで無人運用することも可能となった。この結果、駅の運用コストを抑えながら運用することに成功した。

第二次の時には、情報産業を大きく変革した。例えば、金融産業では、株式投資のロジックをルール化して、ベテランのディーラのノウハウをコンピュータにどんどん投入した。そのために、コンピュータが為替を操作して、予想外の取引にコンピュータが暴走することが発生するようになった。それでも、問題となる事象が発生したら、それの原因となったルールを見つけ出し、これを削除したり、修正したり、追加することで望ましい処理を行うように改善することができた。

現在、注目を集めている第三次が注目を集めている理由は、このルールを人間がプログラミングするのではなく、コンピュータが自動的に収集する点にある。例えば、自動車の運転プログラムをルールベースで開発しようとすると、例外的な判断処理に対応するための工数がもう無限に増えてしまう。このため、例外的な処理を少なくするための仕組みをセットにしたものに限定されてします。ゴルフ場のカートは自動運転が常識だけど、これを一般の道路に適用するのは怖くてできない。

でも、深層学習機能の場合には、このルールを収集するプロセスを自動化するので、試験走行を行えば行うほど、ルールベースがどんどん自動的に蓄積して、実用レベルに達する。実用レベルに達した自動運転車は、それぞれがネットでつながっているので、例えば100万台の自動運転車が運用に入ると、100万台の自動運転車から収集されるすべての情報や対応ルールは共有化される。例えば、どこかの国道でトラクターが故障して農道を閉鎖していると、その道路が渋滞することを予見し、その国道を通らないルートを自動的に学習するとともに、そのトラクターを救済するためのレスキューを助ける。

自動運転車が普及し始めて、人間の能力を超えると、もう人間は自動運転車に追いつくことはできなくなる。

しかし、問題もある。機械学習では、コンピュータが自動的に情報を収集して、ルールを生成して、そのルールに従って運用されるため、何か問題が発生した場合に、その原因を追求して、問題と成っているルールを発見し、削除し、修正し、追加する処理が高度化しすぎていて、人間はできない。対応できるのは機械学習に対応したコンピュータのみである。

従って、第三次の人工知能を許容し、その機能を享受するには、間違いに寛容な社会や環境を作り出す必要がある。

コンピュータは間違いをするものだ。でも、それを見守れば、きちんと自分自身で反省し、更生する。大人が子供を見守るような大きな愛を持てるのかどうかが問題だ。

でも、一般的な常識では、コンピュータは間違えないものと理解されているのではないか。コンピュータに計算をさせた時に、ほとんど正解だけど、たまに間違いもする。でも、ちゃんと修正するので、間違っても許してね。そんなことが許容されるのだろうか。

自動運転車は、まだまだ初心者マークをつけている段階。なので、運転速度が遅かったり、判断が遅かったり、ために間違えたりすることもあるけど、初心者なので許してね。でも、慣れてきたらビックリするほど役に立つよ。そんなことを許容できるのだろうか。

そういう成長プロセスを暖かく見守れるような業務プロセスがあれば、深層学習による自動化を是非活用してほしい。最初はミスをしても、そのミスを糧に、同じ失敗は二度としない。気がつけば、驚くほど高度な作業を正確に仕上げる。その効果に驚くだろう。

AIの専門家は、一般の利用者に対してそのようなことをちゃんと情報開示する必要があるだろう。

ミスを許容すると想定されるアプリケーションは、癒し系かもしれない。いつも近くに居て、人の様子を見て、笑ったり、泣いたり、感情を表現したり、共感を持ったりする。そんなアプリケーションは、従来のコンピュータには不得意だったが、深層学習機能を設けたAIには得意だ。「さんま」を超える「さんま」のようなAIを作ることはできるかもしれない。